バトルロワイアル ~Dream and Phantasm~ 作:歩く激戦区
「では、PGのルール説明…の前に皆さんにはちょっと意志表明をしてもらいまーす。机の中に紙と鉛筆が入っているので取り出してくださーい」
燈導が指示すると、生徒は慌てたように壊れかけの机から何も書かれていないA4サイズの紙と既に削られていた鉛筆を取り出した。
「PGに参加する決意が出来た人は今からその紙に『私達は殺し合いをする』『やらなきゃやられる』と3回ずつ書いてください。あ、出席番号と名前を忘れず書けよー。はい、書けた人は2つに折ってすぐ前に回してください」
その言葉を聞くや否や何人かの生徒がスラスラと鉛筆を動かし始めていた。
「おーい早く書いて前に遅れー。遅い奴は殺すぞー。一番前の奴は揃えて教壇に持ってこーい」
燈導が再び忠告した。ポカンとした表情を浮かべていたり理不尽な状況に怒りを露わにしていた生徒達も先ほど初音に向けられた4つの銃口を思い出し、慌てて紙に鉛筆を走らせていた。
そして最前列の6人の生徒(蒼杉芳樹 ・風見楓夏 ・黒野焔 ・住井麗奈 すみいれいな 出席番号25番・春城 ショウ はるしろ しょう 出席番号33番・雪野聖夜)がの殆どが怯えた表情を見せながら近づきプリントを渡し、逃げるように自分の席に戻った。それを確認した燈導はプリントを一枚一枚眺め始めた。
初めは感心したように眺めていた燈導だが、とある生徒のプリントで手が止まった。顔を上げた燈導の表情はは怒りと面倒臭さをごちゃ混ぜにした様だった。
「出席番号39番深月琥珀(みづきこはく)さん、前に来てください」
名前を呼ばれた女子生徒は覚悟していた、といった顔で一歩一歩を踏みしめながら教壇へと向かった。教室に僅かな騒めきが生まれたが、兵士達が銃をガチャリと鳴らすとそれもすぐに消えていった。
「貴女は何故白紙で提出したのですか?」
「わ、私は殺し合いなんてしません!」
燈導が名前しか書かれていないプリントを見せながら問うと、深月は軽く息を吸った後燈導に言い放った。燈導は大きくため息を着くと、足がガクガクと震えている深月へ投げやりとも失望とも取れる口調でこう言った。
「ふーんそうですか。ではその意志をクラスの皆にも伝えてあげてください」
燈導は深月に教壇へ立つよう促した。深月もそれに応じ、教壇へ立つとクラスメート達へ演説をするようにはっきりと話し始めた。他のクラスメート達は我を忘れたように深月に視線を向けている。
「私は、殺し合いなんてしません。このプログラムには参加出来ません」
その言葉に至る所から女子生徒の泣き声が聞こえる。燈導や他の担当官はやれやれ、といった表情を浮かべている。
「深月さんの意志は分かりました。では席に戻ってください」
深月は教壇からゆっくりと自分の席ーーー廊下から2列目、後ろから2番目の席ーーーに戻っていった。あたりからは女子生徒の深月の名を呼ぶ泣き声がやすすり泣きの音が聞こえる。生徒は一人の例外もなく深月の一挙一動に注目していた。
「貴女の意志は分かりました。では殺し合いを免除してあげましょう」
という燈導の声が聞こえ何かが風を切る音がしたかと思うと、次の瞬間には深月琥珀の首から剣が生えていた。
深月は何が起こったか分からない、という顔のまま首から血を吹き出しながら廊下側の隣の席の女子生徒---先ほど金切り声を上げた初音ーーーの方にゆっくりと倒れていった。
「ヒュー、ヒドゥーの奴やるじゃん。ヴァルファーレをああいう使い方する発想は無かったわ」
「世界中探しても剣をあんな風に正確に投げれる人はヒドゥーしかいないでしょうね…ってあの人いつあんな技術身につけたの?」
教室中に生徒達の悲鳴と怒号が飛び交う中、担当補佐官の2人は世間話でもするかのように燈導の技術を賞賛していた。
当の本人は特に興味を向けるわけでもなく、専守防衛軍にヴァルファーレの回収を命じて何事も無かったのかのように教壇へと戻った。
・ 規約違反により 深月 琥珀 が 管理人に抹殺された
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