死という物は案外残酷で、美しい物である。そういう物である事は多くの者は理解しているようで理解していない。だが、異世界には死んでも死んでも蘇ってしまう少年がいた。彼は何度殺されても蘇る。その度に力を強大にして。だが辛い事に毎度蘇る度に殺された感覚も記憶も残っている。それでも彼は笑って生きる。なぜなら愛する人がそこにいるからだ。これはそんな少年に出会った話。
修行でもなんでもないのに珍しく博麗神社にいる夏凜。博麗神社に遊びに来たのかと思うだろう。だが、あの霊夢だ。遊びに来いなんて天地がひっくり返っても言わないだろう。レミリアじゃあるまいし。なら何故博麗神社にいるのか。その理由は異世界の住人である少年に会う為である。彼の能力はかなりのくせ者だと聞いている夏凜はどんな人物なのかと緊張しながら待っていたが、何故か待ち合わせの場所に指定された家主は夏凜にずっとどす黒い視線を向けていた。そんな空気に耐えられなくなってきた所でようやく客人が来たようだ。
「悪い遅れた!・・・というより本当に早苗の娘っていたんだな。」
「別に構いませんよ!ただ・・・何故かずっと背中に寒気が走ってまして・・・。」
「あら?私は何もしてないわよ?」
そう言いながら微笑む霊夢。何故かその笑顔だけで怯えてしまったらしく少年と夏凜は顔を青ざめていた。怖え・・・どんだけ強くなってんだよ20年後の霊夢は・・・。そう考えていると少年は突如何かを思い出したかのように夏凜の方を向いた。
「そういや名乗ってなかったな。俺は
「策士丸さんですか。私は八雲 夏凜です。」
「八雲・・・?え!?八雲家とも関係あるの!?何それチート。」
あれ?事前情報まさかのほぼ無に等しい?お婆ちゃん、策士丸さんにどう伝えたんだろ。自らの祖母の不手際に思わず頭を抱える夏凜。紫はそんなミスをする者では無いはずなのだがどういう事なのだろうか。すると突然聞こえた呻き声と共に策士丸の体が何かに持ち上げられる。二人で急いで助けようとしたが間に合わず策士丸の体がミンチと化してしまった。思わず吐き出してしまう夏凜。霊夢は急いで何かの正体を捉えようとするが捉えられない。すると策士丸の肉片が粉となり、それが集まって再び策士丸の体を形作った。
「どういう・・・こと?」
「ああ、驚かしてしまったかな?これが俺の能力『コンテニューしなければならない程度の能力』の効果なんだ。全く・・・こっちで楽しい暮らしが出来るのは有難いが死んだ時の記憶が残ってるのは辛いね。」
「なんでそんな辛い能力なのにそんなに強く生きられるんですか!?死ぬ度にその痛みや苦しさを思い出すのに!」
その言葉に驚く策士丸。そして何故か笑い始めた。訳が分からずきょとんとする夏凜。策士丸は夏凜の顔を見てこう言った。
「俺の世界の霊夢にも似たような事を言われたよ。でも、俺は死ぬ恐怖より好奇心のが遥かに勝ってるんだ。いくら殺されようが構わない。俺には一応この能力があるわけだしな。」
この人は本当に強い人なんだ。霊夢さんや師匠達と似た心の強さがある。夏凜は策士丸の話を聞いて、そう思った。策士丸は見えぬ何かを霊夢と捉えようとする。夏凜も立ち上がり目を閉じる。そして一言唱えた。
「―お二人の目に敵が捉えられないという常識よ変われ。」
「・・・見えた!」
策士丸が霊夢よりも早く敵に一撃を与える。傍から見れば空振りしたように見えるが骨の折れるような音が当たった事を物語っていた。その音に続けて木が何本か折れる。策士丸はガッツポーズをすると夏凜とハイタッチをした。
「やれやれ、見えないからどうなると思ったがまさか見えるなんてな。」
「私の能力ですよ。」
「なんだったっけ・・・常識と非常識の境界を操る程度の能力だっけ?」
「そうです。流石に策士丸さんの能力程強くありませんが。」
「いや、俺の能力は弱いよ。一回死ななきゃ発動しない訳だし。自由に使える君らの能力が羨ましいよ。」
やや自嘲気味にそう言う策士丸。・・・面白ければそれで良いんだけどね。俺はこの好きな世界で蘇りながら生きてく。例え何が邪魔しようとね。だからさ、君も面白い事を見つけて欲しいな。
はい、というわけでコラボ編第3弾どうでしたか?
策士丸君はこんな口調じゃない!と思った方もいらっしゃると思います。その場合全ては私の確認不足です、申し訳ございません。さて、策士丸君ですが個人的には辛そうですがかなり面白い能力だと思いました。殺されたらコンテニューしなければならないけどその度に2倍の強さになるというのが私は心惹かれました。
では、玄武 水滉さん!この度はコラボさせていただきありがとうございました!