Fate/pro   作:筋肉脳

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正直な話、完結させられるか分かりませんが、頑張って書いていこうと思う所存で致しますでございます。


1話 彼の名前は藤村 辰巳。

 始まりはあの大災害、冬木の街で突然起きた火災だった。

 あの時、あの戦争で誰かが何かを狂わせた。本来ならばあの災害で生き残れるのは衛宮士郎唯ひとりの筈だった。何故こんな事が起きたのかそれは誰にも分からない。しかし、事実としてこの物語で生き残ったのは2人の男児。一人は衛宮士郎。もう一人は藤村達巳《ふじむらたつみ》。

 これは偶然生き残った1人とひとりの歪で壊れた夢と理想の物語――――。

 

 

 

 黒い太陽のようなものが見えた。黒円と表現することも出来たが……あの時は何故かあの禍々しいものが何処か神聖で綺麗に見えたから、本能的に、そう捉えた。

 俺の体は幼くか弱いものだったから、あの燃え盛る炎の中では既に動く事すらままならなかった。あの時はまだ年端もいかない子供だった俺は泣くことも叫ぶこともしなかった。いや、きっと俺は分かっていたのだ。

 俺は考えるまでもなく理解していたのだ。助けなんか来るはずもないことを、助かるはずなんてないことを。そんな俺の頭に最後に降りかかってきたのは真っ黒ななにかだった。その真っ黒な何かが俺に囁き掛けて来るがそんなものは気にならない。どーせ俺は死んでしまうのだ。そんな物をいちいち気にしている程俺の心は、体は、強くない。だから、俺の意識はそこで落ちてしまった。

 

『始まりの刑罰は5種――――』

 

 ――知ったことか。

 彼は割と異常な性格をしていた。

 

⚫︎

 

 

 寝坊した――。現在の時刻は朝の8時。ここから学校まで行くのにさほど時間は掛からないが、掛からないが。

 

「果てしなくめんどくさい」

 

 そう、めんどくさい。何がめんどくさいってあの学校には姉がいる、義理のだが俺はいい姉だと思っている、思っているがあの姉に遅刻がばれてるのがめんどくさい。今から行って説教はヤダ、姉の説教は長く、耳に響くのだ。だがしかし、行かずにサボったのがバレたらもっとめんどくさい。――くそう、八方塞がりかよ。……行くしかないかぁ。

 俺は腹を括って学校へと行くための支度を始めた。

 

 

⚫︎

 

 

「コラー!達巳!遅刻とはいい度胸してるじゃあない。そんなにも藤村先生のありがたーい話を聞きたいのかなぁ!?」

「落ち着け姉さん、ステイステイ。そんなんじゃタイガーの名が泣くぞ?」

「よおし。お姉ちゃんガンバッチャウゾ〜!ちょっと指導室に行きましょうか?」

「くっくっくっ、目が笑ってないぞ姉さん。それでは本当に獲物を狙う獣だぞっと、授業が始まってしまうし続きは家でな」

「あ!待ちなさい、達巳こらー!」

 

 あっはっはっは、穂群原学園の風と呼ばれた俺に追いつけるかー!その素早い動きそのままに教室に向かった。

 教室に着いた俺に始めに話し掛けてきたのは衛宮士郎だった。

 

「おはよう、珍しいな達巳がこんな時間に登校なんて。寝坊でもしたのか?」

「おはよう士郎。いやはや全くもってその通り。そんなお前は今日もブラウニーしてたのか?」

「ブラウニーしてたってなんだよ。今日は一成の手伝いだよ、各部室の暖房の整備をしてたんだ」

「なんだ、やっぱりブラウニーしてるじゃあないか」

 

 この衛宮士郎は俺のクラスメイトで友人の一人だ。その燃えるような赤毛同様、中身も正義感が強い男で、誰彼構わずたすけて、更には各部室の備品を片っ端から整備していくため穂群原学園のブラウニーと呼ばれ親しまれている。また、良い様に使われていると言い換えても良い。因みに一成とはここの生徒会長で近くの龍造寺という寺に住んでいる修行僧の様なやつだ。見た目ではなく中身がな!

 

「しかしなぁ、登校早々姉さんに見つかったのは運が悪かった。危うく説教が始まるところだった、弄ると面白いんだが起こるとうるさいんだよなぁ」

「藤ねえにか、それは災難だったなと言いたいところだが、遅刻するお前が悪いだろそれは」

「なに!?士郎まであの虎の味方か!俺の味方は何処にいるんだ!」

「……何をしている。衛宮、藤村、早く席に着け。授業を始める」

「「うす」」

 

 長身痩躯の男、葛木先生が時間ぴったりに教室に入ってくる。この人、目とか顔とか全体的に幽霊っぽいけどいろんなとこでキッチリしてるから真面目な生徒からのウケはよく、かくいう俺も好感の持てる先生だと思っている。

 と、ヤバイヤバイ、授業の準備何もしてなかった。早く学校終わらないかな。もう授業の用意がキツく感じるようになってきた。くそう、1限目に来るんじゃなかった。もしくはサボれば良かった。

 学校に来たことを後悔し始めたが時すでに遅し、今からわざわざ帰る気にもなれない達巳のいつもの1日が過ぎて行く。

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