キーン、キーン、キーン。
時間は過ぎに過ぎて、放課後。誰も居なくなった校舎の1教室で俺は1人、反省文を書かされていた。もちろん遅刻に対するものだ。
「チクショウ、タイガーめ。反省文なんぞ書かせおってからに!こんなもんはな、反省する気のある奴にやらせるもんなんだよ!つーか、当の本人は何処いった!?まさか帰ったか? いや……、そこまでアホな姉だったか……?」
確かにおかしい。いくらあの姉が抜けているからと言っても、夜の校舎に俺1人を、残して帰ってしまう何てことはないだろう。仮にも教師なのだ、そんなことはないと思いたい…………うん。
「とりあえず、職員室にでも行ってみるか?案外眠りこけてるかもしれんしな」
よし、そうと決まれば早速行動だ。いい加減座りっぱなしも疲れてきた。行動が決まれば思考もしっかりしてくるようで、下がり気味だった気力も段々と戻ってきた。
キン、――キーン、ギギ。
軽やかな動作で教室から出ると、目の前の窓からグラウンドが見えた。しかし、流石にこの時間に部活というのもないだろう。とっくに完全下校時刻を過ぎているのだ。今の今まで俺を残している姉がおかしい。まあそれはいつものことと諦めよう。
それよりも気になったのはこんな時間に誰も居ないはずのグラウンドに見える3人の人影だ。
1人は全身真っ青な男、その手には赤い槍のようなものが握られており、ここからでも分かるような強い威圧感を放っている。威圧感というよりもあれは既に殺気だな。実際、現代には珍しく槍なんて古典的な武器だが、れっきとした凶器を振るっている。
それに対峙するもう1人の男。青い男とは対照的で、今度は全身真っ赤、とまでは言わないが中々に赤い長身の男だ。頭髪はそこだけ色が抜けたかのように白い。その両手にはそれぞれ黒と白の……中華剣とでも言うのか?どこかの初代の2人を思い出す色の剣を構えて、青い男に応戦している。しかし、どうやら拮抗している様に見えはするが赤い男は防戦一方、決め手に欠けるらしい。いずれ力押しされるそうな雰囲気だ。
そして最後の1人、その場にいるにはあまりに場違い気味な彼女。この学園のマドンナで知られる遠坂 凛と呼ばれる女生徒。何故ここに?という疑問は残るものの、自分にはタイガーを叩き起こすという使命があるのでその使命感に則り、その場を後に足早に職員室へと向かった。
おっと、武器を打ち合う音が消えた。どうやら決着がついたのかな?