では、本編スタートです!
第1話 幻想入り~楽園の素敵な巫女との出会い~
「・・・・・・はぁ、ようやく着いた」
山道を歩く事10分近く、俺はようやく目的の場所である博麗神社に到着した。
「見た感じは・・・特に何か起こりそうな雰囲気はないな」
視界に広がっているのは、かなりの年月が経過して風化したのであろう色の剥げた鳥居と、所々が破損し今にも崩れそうな屋根に、柱は長年の雨風によって腐敗している本殿があった。
「調べてきてくれって言われたけども・・・一体どこを調べればいいんだよ」
もしこの場に彼女がいるのならば、怪しそうなところを調べればいいとでも言ってすぐに探索を始めるだろう。
「いつまでも鳥居の前にいるのもあれだし・・・さっさと調べてさっさと帰りますか」
重い腰を上げると、早速調査を開始することにした。手始めに、近くにあった鳥居をくまなく調べてみる。
「・・・ん? 微量だがなんかの力が混ざってるな・・・昔ここに結界とかでも張ってたのか?」
異世界での経験で、多少なりともそういう方面の知識が身に付いた。おかげで今こういう風に役立っている。
「まあ、これだけじゃ何とも言えないし、本殿の方に行ってみるか」
鳥居から手を放し、俺は鳥居の中をくぐり本殿を目指そうとしたその時だった。
「っ!?」
刹那、視界が一転した。先ほどまであったボロボロの神社はその姿がまるで嘘だったかのように、きれいになっていた。後ろを振り返ると、鳥居も元の色を取り戻していた。
「これは・・・一体何が?」
突如起きた出来事に驚きを隠せない俺。とりあえず、その場に立っているのも迷惑なような気がしたので、そのまま進んで賽銭箱の前に立った。
「何が起きたかわからないけど・・・とりあえず賽銭しておくか」
そういって、懐から財布を取り出して中身を見てみる。そこには、異世界の通貨の中に諭吉が5枚に樋口が3枚、野口が4枚あった。小銭? 異世界の小銭しかありません。
「異世界の通貨なんか使ってもあれだし・・・腹を括って野口を捧げるか」
財布の中から野口を一枚取り出すと、賽銭箱の中に入れて鈴を鳴らして簡単に参拝する。すると、
「今参拝した音が!」
そんな声が聞こえたかと思うと、神社の奥の方から物凄い速さで巫女服姿の女の子が飛んできた。あれ?巫女服ってあんなに脇出してたっけ?
「アンタが参拝者? いくら入れたの?」
「え? いや・・・小銭がなかったから千円だけど?」
「ありがとうございます!」
ええ?!なんか感謝されたんだけどどういうこと!? 内心そんなことを思ってると、
「お賽銭を入れてくれたんだし、上がっていきなさい。お茶ぐらいしか出せないけど・・・」
「・・・じゃあ、お邪魔します」
女の子はそういうと俺を神社の中へと招き入れた。内装はしっかりしているな。ちゃんと掃除もされてるようだし。そんな風に考えてると、いつの間にか居間に来ていたようだった。
「はい、どうぞ」
「・・・これはご丁寧にどうも」ズズー
入れられたお茶を受け取ると一口飲んでテーブルの上に湯呑を置いた。すると女の子が、
「アンタ、その恰好からするなり外来人ね」
「・・・外来人? と言うか、ここどこなんだ? さっきまで廃神社だったのに、いきなり変わって・・・正直頭がついていけてないんだよ」
「ここはね・・・幻想郷っていう忘れられた者たちが来る場所よ。アンタがいう廃神社っていうのはここで合ってるわ。幻想郷には博麗大結界って言って外の世界と隔絶する結界があるのよ。それでたまに外の世界から結界に干渉して流れてくる人間のことを外来人っていうの」
「なるほど、だから俺は外来人ってことね。ちなみに、こっちに来た外来人は帰れるのか?」
そういっておれは女の子に聞いてみると、
「帰ることはできるわ。ただ、その外来人が能力を持ってた場合は帰ることができないのよ」
「・・・え? マジで?」
「マジよ。その反応からすると、何ならかの能力持ちね」
そうなると、俺はもうあっちには戻れないということか。今頃蓮子とメリーが神社について俺の事でも探してるのだろうな。
「別にそこまで気に病む必要はないわよ。こっちの生活も楽しいわよ」
「・・・そうか」
「そういえば、まだ名前を名乗ってなかったわね。私は博麗霊夢よ」
「俺は・・・神崎祐真だ」
「祐真ね。それよりも祐真、これからどうするの?」
確かに、もう元の世界に戻れない以上、こっちで生活をしないといけない。ただ、俺はこっちに自分の住居がないからしばらくは野宿をする必要があるかもな。
「あー、野宿はやめておいた方がいいわよ? 幻想郷には妖怪がいるから、食べられるわよ?」
「・・・なぜ俺が考えてることが!? と言うか、妖怪が出るのかよ」
「勘よ。妖怪が出るから野宿はお勧めしないわよ」
「じゃあどうすれば・・・」
そんな風に困りかけてるところに霊夢が、
「祐真はお賽銭を入れてくれたわけだし、しばらくは家に泊まっていいわよ?」
「・・・いいのか?」
「お賽銭を入れてそのまま野ざらしにしたら後味悪いし。ここに来た外来人は泊めてるわよ」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
こうして、俺はしばらくの間霊夢の家に居候をすることになったのだった。
そして夕方。
「じゃあ、ご飯を作るから待ってなさい」
「あー、霊夢? 俺が作っていいか? 泊めてもらうわけだし」
「・・・祐真って料理できるの?」
「失礼な。そこら辺の料理人を泣かすくらいの腕は持ってるぞ」
「じゃあ、お願いしてもいいかしら?」
「わかった」
そういって、俺は調理場へと向かった。そこにあった食材はかなり少なく山菜類が殆どだった。それを見ただけで博麗神社の貧乏さが分かってしまう面でもあった。
「まあ、そんなこと考えても仕方ないし・・・ある食材で頑張りますか」
愚痴りたくなる気持ちを抑えて、近くにあった包丁などを使って料理を開始したのだった。
作「幻想入りを果たした祐真君、次回はあの子が神社にやってきます」
次回「普通の魔法使いと弾幕ごっこ」
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次回もゆっくりしていってね!