とういうかまもなく深夜の一時になりそうです。この時間に投稿するの多分初めてですね。
それでは本編スタートです
「行くぞ! 【火炎・魔の4】ギラグレイド!」
スペルを唱えた瞬間、俺を囲うように大きな火炎が立ち上る。その炎に、無作為に突っ込んできた心の闇の軍勢の大半がギラグレイドの餌食となり、残りは数えるほどにまで減っていた。
「おいおい、バカ正直に突っ込んでくるか普通。殆ど跡形も残ってなく消滅してるじゃねぇか」
残る敵の数は・・・ひーふーみー・・・6体か。弾幕を展開される前にさっさと倒しておきたいところだな。
「【瞬足呪文】ピオリム」
補助呪文の一つ、対象の素早さを上昇させる呪文を自身にかけ、弾幕を展開しようする敵の懐めがけて走り出す。
「【我流・参の太刀】風斬り!」
持っていた檜の棒(第17話参照)から無数の衝撃波が広がり、敵めがけて飛んでいく。その衝撃波は、以前妖夢と戦った時よりも鋭さを増している。それを受けた敵は真っ二つになり、切り口からは瘴気のようなものが立ち上っていた。
「やっぱり、あなたはすごいわね」
敵の後ろで優雅に観戦していた霊華が口を開いた。
「あそこまでいた心の闇の軍勢を、こうもあっさり倒すんだもの」
「・・・お前、何が目的だ。何の目的でこんなことをした」
一通り敵を倒した俺は、戦闘姿勢は崩さぬまま霊華を睨んだ。そんな俺の姿を見た霊華は依然表情を崩さずに、
「私は私の計画の為に異変を起こしてるのよ」
「・・・計画、だと?」
「ええ」
「その計画はなんだ。何をするつもりなんだ?」
睨んでいるうえに殺気を出しながら質問をする。それでも霊華は表情を崩すことなく
「簡単よ、私の能力でこの世界を支配するためよ。幻想郷にとどまらず、世界全てを支配するのよ。これは序章に過ぎないわ」
「お前の能力? 闇に関係する能力で世界を支配すると・・・」
「あら、闇に関係する能力じゃないわ。私の能力は、“闇を支配する能力”よ」
「っ!? 支配だと!?」
霊華の口から発せられた言葉に、俺は驚かずにはいられなかった。それはつまり、霊華はありとあらゆる闇を自分の意のままにすることができるってことだ。それに、
「・・・程度が、ない?」
「ええ、この能力は程度でなんか表せるものではないもの」
程度がない、つまり俺たち以上の力を有しているということになる。これはさすがに分が悪すぎる。
「安心しなさい。貴方に危害を与えるつもりはないわよ。ただ、そのためには条件を飲んでもらうけど」
俺の心を読み取ったのか、霊華はそう言葉を発した。
「条件、だと?」
「ええ、そうよ。別に無理な要求じゃないわ」
霊華は先ほどまでの表情とは一変し、一層にこやかな表情になった。
「――あなた、私の仲間にならないかしら?」
「・・・・・・何?」
余りにも突然の出来事に、俺は一瞬その言葉を理解することができなかった。
「私の計画を成功させるためには、あなたの能力が必要なのよ。その“記憶し再現する程度の能力”と“ありとあらゆる世界を巡る程度の能力”がね」
「・・・俺を使ってお前の理想の世界を作らせようっていうのか」
「あら、ちゃんと報酬も出すわよ? 私の仲間になれば、支配した世界の半分をあなたに譲渡するわ。それに、この異変であなたに危害を与える連中から守っても上げるし。どうかしら?」
「・・・断る」
そういった瞬間、霊華の表情が変わった。
「・・・なぜかしら? お互いにとって良好な条件でしょ?」
「・・・俺には仲間を裏切ることなんてできない。ましてやその言葉を聞いたらなおさらお前に協力する気はない。そしてもう一つ、今時世界の半分をやろうなんてセリフはどこの魔王も口にしないぞ」
俺の知ってる限り、そのセリフを言ったのは初代ドラ○エのラスボスとダイの○冒険のハ○ラーくらいだぞ。
「――そう、なら・・・力づくにでもあなたを従えて見せるわ」
「っ!?」
刹那、彼女の纏っていたオーラが変わった。先ほどまでの感じとは違い、これは確実にヤバイ。様々な職を経験し、たくさんの世界を渡ってきたからこそ分かる。この状態は危険すぎる。俺でも勝てるかどうか・・・
「先に言っておくわ、あなたは異変を解決する立場じゃないわ」
「・・・どういう、ことだ」
「言葉の通りの意味。私にはわかるわ。あなたは異変を起こす、起こしかねない立場の存在」
「っ! 【雷撃】ジゴスパーク!!」
まるで心を見透かされているような感じがしてしまい、とっさに攻撃してしまった。まさか、あり得ない。こいつが“あの事”を知っているなんてことが。
「【氷結・魔の5】マヒャデドス!」
土煙が舞う中、追撃としてマヒャデドスを放つ。これで多少は時間が稼げるだろう。そう考えていた。しかし、
「あら、もしかして今ので時間稼ぎでもしようとしたつもりかしら? 生憎だけど、この程度では時間稼ぎなんてできないわよ?」
「・・・くそっ!」
やはり、か。これじゃあこっちが不利だ。どうにかして、この局面を打破しなければ・・・いっそのこと、ルーラを使ってこの場から撤退することも可能だ。だが、そうやすやすと見逃すはずがない。こうなったら・・・
「【謎符】パルプンテ!!」
「っ!?」
何が起こるかわからない。博打呪文を使った。運がよければ、俺はこの戦いを強制終了することができる。後は運を天に任せるしかない。そんな時、閃光があたりを包んだ。どうやら、成功したようだ。
そして俺はその場から退くことができたのだった。
三人称視点
~博麗神社~
ここ博麗神社はいつも通りだった。神崎祐真と八雲紫が迷いの竹林で異変に巻き込まれていることも知らず、いつも通り縁側でお茶をすすりながら暇を持て余していた。そこに、
「よーっす、霊夢」
「帰りなさい。アンタに出すものなんて何もないわよ。魔理沙」
魔法の森に棲んでいて、いつも紅魔館から本を借りる(死ぬまで)名目で盗んでいく“普通”の魔法使い、霧雨魔理沙が例の如く神社に遊びに来ていた。
「来て早々、随分な挨拶なんだぜ」
「当り前じゃない。アンタ毎回人ん家のご飯を集りに来て、挙句に戸棚に入れてるお茶菓子とかを勝手に食べる奴なんておかえり願いたいところよ」
「勝手に食べてるわけじゃないんだぜ。お菓子の方が貧乏巫女に食べられたくないって言ってるから私が代わりに食べてるんだぜ」
「コイツ・・・ああ言えばこう言う」
・・・と、いつも通りの日常を送っていた。しかし、二人はこの日常がすぐに終わりを告げることなど知る由もなかった。
そして多少時が過ぎ、いつも通り他愛もない話に花が咲いている最中、大きな爆発音が広がった。
「「っ!?」」
その音を聞いた二人はすぐさま反応を起こした。何が起きたのか、それを調べに行こうとした瞬間、
「れ、霊夢! 大変よ!」
目の前にスキマが現れ、中から八雲紫が出てきた。二人は焦った紫を見て、
「紫、どうしたのよ」
「珍しく焦ってるみたいだけど何かあったのか?」
「た、大変なことが起こってるのよ!」
「お、落ち着きなさいよ。一体何があったっていうのよ」
霊夢が紫を落ち着かせると、再び同じ質問を紫に投げかけた。すると紫は、
「実は、迷いの竹林で大変なことが起こってるのよ」
「迷いの竹林? あそこらだったらいっつも妹紅と輝夜が殺し合いしてるところだろ。何をそんなに焦ってるんだぜ」
「違うのよ。もっと危険なことが起きてるの。下手をすれば、この幻想郷が無くなるかもしれないくらいに!」
「「っ!?」」
妖怪の賢者の口から出た言葉に二人は驚きを隠すことができなかった。さらに深く理由を尋ねると、
「現在、幻想郷を心の闇の軍勢が攻撃しているのよ。恐らくまだ迷いの竹林だけが被害にあっているのだろうけど、いずれどんどん広がっていく可能性があるわ」
「は、早くどうにかしないといけないんじゃないのか?!」
「・・・今、祐真が身を挺してその軍勢と戦っているわ」
「ま、まあ。祐真が戦っているんなら大丈夫だろう」
「ええ。確かに彼がいれば問題ないでしょう。でも、心の闇の軍勢が危険なわけじゃないのよ。一番危険なのは――」
「――それを操っている奴が危険なんだ」
「「「っ!」」」
聞こえたその言葉に、三人は驚いて声の方向を振り返った。そこにいたのは、
「っ! 祐真!」
そう、心の闇の軍勢と戦っていた神崎祐真だった。
パルプンテが上手く成功した俺は、すぐさまルーラを唱えて博麗神社にやってきた。するとすぐに、紫たちが話していたので俺もそれに声をかけた。色々と質問されたが、基本的には紫があらかた説明していたそうだ。
「とにかく、この異変を解決しないといけないわね」
「ああ、そうなんだぜ!」
そういって、霊夢と魔理沙が声をあげ異変解決に向けてその場から出発しようとした時だった。
「あら、こんなところにいたのね」
「「「「っ!?」」」」
その言葉を聞いた瞬間、ほどけていた緊張の糸がまた張り詰めた。まさか、この短時間で居場所を突き止めたのか?!
「あらあら、博麗の巫女に妖怪の賢者までいるわね」
「あ、あれは・・・私、なの?」
「・・・いや、違う」
「ええ、彼の言う通りよ。私は博麗霊華、あなたとは違う」
「苗字が同じなんだぜ」
確かに同じ博麗。もしかして博麗に関係がある人物なのだろうか。だが、今はそんなことを考えている暇がない。この現状をどうにかすることが先だ。
「で、その霊華が何の用かしら?」
「そうね。そこにいる彼を差し出してくれないかしら?」
「嫌よ。祐真がいなくなったら誰がこの神社にお賽銭を恵んでくれるのよ」
「いやそこかよ!」
俺のことは金蔓としか思っていない霊夢さん。ふざけんなよ、というかこういう状況でよくそんなことが言えるな。
「・・・そう、ならやっぱり力づくで貰ってくしかないわね」
「っ!」
霊華が俺に向かって捕まえようと試みる。俺はそれを避けようと戦闘態勢を撮ろうとした時だった。
「祐真、ここは私がやるわ」
「なっ!?」
俺と霊華の間に、紫が割って入った。そして紫の口から発せられた言葉に、俺は驚きを隠せなかった。
「ば、バカ! お前コイツの力を知ってるだろ!」
「だとしても、よ。幻想郷を危険にさらすような奴は、私が倒す!」
「意気込みはいいけど、あなたじゃ私を・・・あら?」
すると、何故か霊華はその場に立ち止まった。そして紫をまじまじと見つめてから、
「あなた、随分と良い心の闇を持ってるわね」
「・・・何を言ってるのかしら?」
「あなた、幻想郷をこよなく愛している。でも、愛しているが故にそれを壊そうとする輩を許さない。そのためにあなたは力を求める。たとえそれが闇の力であっても、あなたはそれを受け入れてその輩を排除する。そうでしょ?」
「なっ!?」
先ほどまで俺に向けれられていた矛先は紫に向けられていた。もしや、この流れは・・・まさか・・・
「・・・マズイ! 紫! 速くスキマに逃げろ!」
「だから、あなたの中に眠る心の闇を解放してあげる。そうすれば、あなたはもっと強くなれるわ」
「っ!?」
霊華は、紫の肩をつかむと二人の足元に闇が広がり、二人はその中に沈んでいく。
「紫!」
俺は紫を助けようとその場に駆け寄ろうとした時だった。
「此処から先には通さないわ」
「っ!?」
そこには闇でできた大剣を持った、ルーミア風の服装をした女性が立っていた。いや、まさか・・・こいつは、
「まさか、お前・・・ルーミア、なのか?」
「ええ、そうよ」
「闇を支配する・・・闇を操る程度・・・なるほど。そういうことか」
恐らく、コイツは霊華の能力によって支配されているのだろう。ともなると、これはこれで厄介な事だ。
「どけ、邪魔だ」
「だから通さないって言ってるでしょ」
「くっ! 霊夢! この場所に強度の強い結界を張れ!」
「わ、わかったわ」
霊夢は早急に結界を張った。そして一応二人にはその中に入ってもらった。
「邪魔だ! 【氷結・魔の3】ヒャダイン!」
「【夜符】ナイトバード!!」
俺とルーミアの放った弾幕が衝突し、相殺された。くっ、本当に面倒だ。紫と霊華はすでに半分以上闇の中に沈んでいた。
「ちっ! 道を譲れ! 【剣技】稲妻斬り!!」
「甘いわ。【夜符】ディマーケーション」
再び弾幕が衝突し相殺された。ヤバイ、コイツもこいつで相当の実力者だ。下手すればラスボス並みだろう。そして、
「さて、二人もいなくなったし。私も撤退しようかしら。でも、一応あなたも連れていこうかしらね」
「やれるもんならやってみな。なら、俺は持てる力でお前を退ける!」
ルーミアが近づいてくる。まだだ、まだ近づけろ。俺は全ての魔力をこの一撃の為に注ぎ込む。そして、
「今だ! 【禁断呪文】マダンテ!!!」
刹那、俺を中心にまばゆい光が包み込む。そして、その光は紫色を帯びた瞬間巨大な爆発があたりに広がった。
「っ! これは・・・いったん撤退しないとマズイわね」
ルーミアはその言葉を残し、消えてしまった。だがそれでも、マダンテは発動したままだ。マダンテは自身の魔力をすべてつぎ込んで放つ呪文。ゆえに魔力が高ければ高いほど威力は絶大だ。しかし、
「ちっ! れ、連戦したせいか・・・体が動かない」
マダンテは体に負荷がかかる。さらに連戦もしているとなれば体にかなりの負担がかかってしまう。現在俺はそんな状況だった。自分中心にマダンテを発動してしまったせいで、動こうにも体がボロボロで身動きが一切取れない。
「ヤバ、巻き込まれる・・・」
その言葉を最後に、俺の意識は暗転した。
さて、これで茶番劇で言う序章の内容は終わりです。次回は茶番劇で言うところの第1章紅魔館編の内容です。
なんかこの時間までPC弄ってると、眠気飛んじゃいますね。
次回「紅魔館攻防戦」
誤字脱字等があれば報告お願いします。
感想、アドバイス等もあれば報告お願いします。
次回もゆっくりしていってね!