今回のお話は、茶番劇で言う第1話のだいたい半分ぐらいの内容です。ちなみに小説版では少し改編しています。
それでは本編スタートです!
「・・・知らない天井だ」
目を覚ますと、そこはどこかの部屋だった。上半身を起こして周りを確認してみる。
「・・・目に悪いな。紅魔館か」
「目に悪い=紅魔館という発想は如何なものかしら?」
そこら辺が赤々しい壁に囲まれた部屋を見て紅魔館と理解した俺に、隣から呆れかえった言葉が聞こえた。その声の方向を振り返ると、
「咲夜か」
「気が付いたようね。お嬢様がお待ちよ」
「・・・そうか」
ベッドから体を下ろして軽く伸びをしながら状態をチェックした。
「・・・うん、体も問題ないし。魔力も全部回復したな」
「それじゃあ、行くわよ」
「うい」
咲夜に連れられ、俺はレミリアのいる場所へと案内された。
「来たわね」
案内された部屋には、優雅に紅茶を飲むカリスマ(笑)幼女ことレミリア。紅茶のカップを近くのテーブルに置くと、
「さて、あなたに聞きたいことがあるのよ」
「聞きたいこと、ねぇ・・・一体何を聞きたいのやら」
「とぼけないで。私が聞きたいのは、今起きている異変についてよ」
やはり、か。どうやって今起きていることを知ったのやら。あ、運命見えるんだったら異変が起こっていることも見えるのか。
「異変と言っても、俺だってわかることは少ない。強いて言うなら敵さんの名前と目的ぐらいだし」
「それだけわかっているのなら十分よ。教えなさい」
「まあ待て、話すのは構わないが・・・役者が足りないだろ?」
「・・・それもそうね」
と、言うことで霊夢と魔理沙がここに来るまで待つことになった。その間は特に何も話すことなく、ただただ無音の時間が流れていく。そして、
「レミリア。ここに祐真来てるでしょ!」ドアバーン
「おい霊夢、扉は蹴破るものじゃないんだぜ・・・」
そんな会話と共に、霊夢と魔理沙がやってきた。これで役者はそろったな。
「ええ、来てるわ。これから異変の事を問い詰めようとしてたのよ」
「問い詰めるって・・・俺別に異変起こしてるわけじゃないんだけど」
レミリアの言葉にそう返しながら、
「そういえば、何で俺紅魔館にいたんだ?」
「あなた、紅魔館の近くで倒れてたのよ。事情も聴きたかったしこうして運んできた次第よ」「なる」
ふとした疑問の謎が解け、胸にあったもやもやが無くなった気がした。それじゃあこっちも話しますかね。
「んじゃ、説明しますか。異変の内容云々を」
「お願いするわ」
「まず、この異変は恐らく今までの異変よりも酷い可能性がある」
「それって一体? というかあなた今まで起きた異変を知ってるの?」
「まあ、紫とかから聞いてたし。聞いた話と今回の異変を比べてみたんだよ」
「そう」
「それで、どういった意味で酷いのかしら?」
そういえば、霊夢たちには俺が見たことを話してなかったような気がするな。なら知らないのも無理がないか。
「今回の異変の首謀者、博麗霊華の能力が“程度”の能力持ちじゃないからだ」
「程度じゃない? つまり・・・」
「そう、俺らの上位版という風な考え方だ。あいつの能力は“闇を支配する能力”」
「・・・なるほど、確かにそれは厄介な能力ね。でも確か、それに似た能力を持ってる妖怪がいなかったかしら?」
この異変の危険性を理解したであろうレミリア。そしていいところをついてきた。
「ああ、それに似た能力をルーミアが持っている」
「そういえば、何であの時ルーミアが邪魔してきたんだぜ?」
ふとした疑問を投げかけてくる魔理沙。おいおい、これはなんとなくわかるだろ。
「おそらくだが、ルーミアは霊華の能力によって操られている、もしくは支配されている可能性がある」
「霊華の能力だったら有り得る話ね」
「ああ、有り得る話だ。だからこそ、俺はこう考察を立てたんだ」
「・・・一体、どんな考察かしら?」
その場にいた咲夜がそう口を開いた。その場にいた全員が一斉に俺の方を見てくる。
「霊華の能力は恐らく“全て”の闇を支配するはず。もしそうだとしたら、人間の中に眠る心の闇をも操ることだってできる。現に顕現させて攻撃をしてきた。こうは考えたくはないんだが、今は顕現させることしかできないとしたら、いずれは個人の心の闇を支配し、ルーミアみたいに支配して操り人形にする事だって可能になることだってあるかもしれない」
「そ、そんなの巫女である私にかかれば問題はないはずでしょ」
「そんなに甘いものではないわ。もし祐真の言うことが本当だとすれば・・・霊夢、あなた自身に眠る心の闇すらも支配して、博麗の巫女を操り人形にする事だってあるかもしれないわよ」
「レミリアの言う通りだ、霊夢。人間だれしもが心に闇を持っている。善人の塊みたいなやつにだって必ずそれはある。どんなにお前が“博麗の巫女”という特別な存在だとしてもだ」
その言葉を最後に、その場は一気に静まり返った。そしてそれを俺が壊した。
「・・・まっ、俺が知ってることと独自解釈はこんな感じさね。何か参考になったかい?」
「・・・・・・いえ、正直規模が大きすぎて何も言えないわ」
「「「同じく」」」
レミリアの言葉に賛同する霊夢、魔理沙、咲夜。おいおい、こんなので何も言えなかったらお前ら異世界じゃ通用しないぞ??
「いや、この程度で驚かれても困るんだけど・・・俺なんてこれの何十倍も規模の大きいことを体験して勝ってきたんだけど」
「「「「それはアンタが(お前が・あなたが)チートなだけよ(だぜ)」」」」
「否定はしない」
そう言いながら腕時計を確認する。ふむ、そろそろ来そうだな。
「さて、お前ら。戦闘態勢をとりさなされ」
「? 何でよ」
「現在、此処、周辺、敵だらけ、アーユーオーケー?」
「あら、あなたも気づいていたのね」
「伊達に旅人やってねぇよ」
どうやら俺とレミリア以外の奴は気づいていなかったみたいだな。というか気づけよ。さっきから殺気が漂ってるんだぞ。さっきだけに。
「いました! 祐真さん!」
「「「っ!?」」」
いきなり部屋の扉が開かれ驚く霊夢、咲夜、魔理沙。恐らくその声の主のせいもあっただろうね。
「・・・よぉ、差し詰め“闇”早苗。かな?」
「こ、コイツが・・・」
「こ、心の闇・・・どう見ても本物の早苗なんだぜ」
驚きを隠せていない霊夢と魔理沙はついついそんな言葉をつぶやいていた。そんな中でも、こいつらはぞろぞろとやってきて俺を取り囲んだ。
「さて、潔く霊華さんのところに来てもらいますよ」
「だから何度も言ってるだろ。俺はそっちに行く気はない。失せろ」
「・・・しかたありませんね。あんまりこんな手は使いたくないんですけど・・・みなさん」
“闇”早苗の号令の元、俺を取り囲んでいた心の闇の軍勢たちは一斉にスペルカードを手に取った。なるほど、物量で襲うという魂胆か。
「おい、お前ら。死にたくなかったらスペカ使ってこいつらと応戦しろ。俺も適当に遊ぶから」
「遊びの範囲なのかしらコレ?」
「気にしたら負けなんだぜ」
「そうね」
お前らひどくない? まあ、別にいいんだけどさ・・・
「んじゃまぁ・・・去ね。【火炎・魔の5】ギラグレイド!」
刹那、俺の周りを紅蓮の炎が包み込んでいく。炎は敵をどんどん飲み込んでいく。そして炎が消えたころには、半数近い敵が跡形もなく消滅していた。
「」
それをみた闇早苗は絶句していた。まあ、仲間が一瞬で消滅したんだ。無理もないだろう。
「さて、お前ら。無事か?」
「無事か・・・って、アンタ私らがいること忘れてない?! 今までのと威力が段違いじゃない!」
「だって、俺まだ本気出してなかったし。今でも5割ですが?」
『』
その言葉に一同啞然。というかお前らそればっかりだな。
「さぁ~て、最後はお前だけだ。とりあえずやられとけ」
「っ! ま、負けません!【秘術】一子相伝の弾幕!」
“闇”早苗はスペカを発動して、俺を倒そうと試みているようだが、そんな軟な弾幕じゃあ、この俺を倒すことなんかできないぞ。
「・・・・・・・・・喝ッッッッッッッッッ!!!!!!」
「っ!?」ビクッ
多少のにらみを利かせながら、纏うオーラを一層濃くして威圧する。案の定、その声の大きさと威圧感に一瞬だけひるんだ。
「【昇天呪文】二フラム!」
一瞬の隙を突き、昇天呪文を唱えてみる。正直、これは対アンデット用の呪文だから聞くかどうかは五分五分なんだよなぁ・・・
「え?! か、体が・・・透けていく・・・い、意識が・・・」
「・・・どうやら効くみたいだな。対アンデット用昇天呪文」
「効かなかったらどうしてたのよ」
「それは・・・まあ・・・あれだ。炎で一発」
今の光景を見ていたレミリアにそうツッコまれた。、まあ、こういうのは手探りでやってかないといけないから、仕方ない部分もあるんだよ。
「さて、あらかた片付いたかな?」
「・・・ほとんどアンタがやってたけどね」
「気にしなさんな。体力温存ができてよかったじゃないか」
ひとまず、この場に平穏が訪れたのだった。だが、俺たちは知る由もなかった。これはまだ、序章に過ぎない物だと。
茶番劇と違う点
・雄叫び→一喝
・ジバルンバ→二フラム
後はちょっとした設定の変更などをしました。次回は第1話の後半部分です。
次回「ニセモノ」
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次回もゆっくりしていってね!