幻想幼女リリカルキャロPhantasm   作:もにょ

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第35話 授業参観?

 前回までのあらすじ

 

 いつものようにヴィータさんの訓練の手伝いをするつもりだったのですけど、なぜか八神家総出で見学にやってきました、まる。

 

 

 

 

「で、どうするんですか? ヴィータさん?」

 

「……別に、いつも通りすればいいだけだ」

 

「って言いますけどねえ……」

 

 ちらっと訓練場の隅っこを見てみると、そこにいるのははやてさんを始めとする八神家の皆さん。全員が揃っているのはなかなか壮観です。

 次に中央に目を向けると、そこには戸惑った様子の部隊員たち。

 

「おい、何で俺たちの訓練に、あれだけのメンバーがいるんだよ?」

 

「俺が知るか。でも、ひょっとすると俺達期待されてるのか?」

 

「いや、それは無いだろう」

 

 など、いろんな憶測が飛び交っています。

 

「テメーら静かにしろ! んじゃ、今から訓練を始めるからな」

 

 そこにヴィータさんが一括。強引に場を纏めて訓練に入りました。この辺の手際は流石ですね。

 

 

 

 

 ―数時間後―

 

「それじゃあ、訓練はこれで終了だ。……反省点はたっぷりあるだろうから、最低一万字以上書いて今日中に提出な」

 

「「「「はい……」」」」

 

 訓練が終わって、がっくりとうなだれたまま隊舎へ歩いていく部隊の皆さんと、どこか疲れた目をしたヴィータさん。ご愁傷様です。

 今日の訓練、ヴィータさんはいつも以上に張り切って教導していました。大きな声で檄を飛ばし、悪い所があったら即座に注意。常から結構厳しめの教導をしていますけど、今日は輪をかけてハードでした。

 それを受けた部隊の皆さんはというと、どこか動きがぎこちなく、連携ミスなどの細かいミスを連発し、その度にヴィータさんに怒られていました。

 おかげでヴィータさんもヒートアップ、部隊の皆さんはそれに萎縮してしまってさらにミス連発という悪循環に陥ってしまい、訓練はHardを通りこしてLunaticになっていました。

 

「あんな大勢、しかも有名人に見られていると思うと、緊張する気持ちも分かるんですけどね」

 

「情けねえ。それ位で浮き足立つのは、たるんでる証拠だ」

 

「そんな事言って。ヴィータさんだって、今日はいつもより張り切ってたじゃないですか」

 

「べ、別にそんな事ねーよ! ほら、アイツら帰ったから今度はお前の番だ。さっさと用意しろ!」

 

「隠してるのがバレバレですよ。ペスカトーガ、セットアップ。(藍、モード「博麗」サブは「龍」で)」

 

「うるせー、今日こそ勝ってやる! 行くぞ、アイゼン!」

 

 

 

 

 ▼▼▼▼▼▼▼▼

 

「おー。ナマで見るのは初めてやけど、ホンマに強いなあ」

 

「キャロちゃん、凄いです」

 

 八神家の目の前で繰り広げられているキャロとヴィータの模擬戦。

 ヴィータはシュワルベフリーゲンで牽制しながら隙を伺い、キャロは涼しい顔で回避しながら弾幕で応戦している。

 

「ヴィータの射撃は完全に見切られているな。あれでは当たりそうも無い。しかし、何故ヴィータは接近戦を仕掛けないのだ?」

 

 ザフィーラが疑問に思うのももっともである。

 ヴィータはオールラウンダー寄りではあるが、歴としたベルカの騎士。あくまで接近戦が本領なのである。

 

「そういや、ザフィーラは記録映像見たこと無いんやったな」

 

「??」

 

「じきにわかるよ。ほら」

 

 丁度その時、遠距離戦では埒があかないと思ったのか、ヴィータが突撃を敢行。

 カートリッジをロードし、ラケーテンフォルムで突っ込んでいく。瞬く間に二人の距離はゼロになり―

 

「ぶち抜けええええ!!」

 

「そんな大振り、当たりません! 神技「天覇風神脚」!!」

 

 ハンマーの間合いのさらに内側、ヴィータの懐まで入り込んでスペルが発動され、強化された蹴りが計5発、ヴィータの体へと突き刺さる。

 急所は外したものの意識を奪うには十分で、ヴィータはそのまま墜落する所を、キャロに受け止められた。

 

 

 

 

「ちくしょー、何で勝てねえんだよー!」

 

「まあまあ、いつか勝てるようになりますよ」

 

「だから、上から目線で言うなって言ってるだろ! 余計ムカつく!」

 

「落ち着いてくださいヴィータさん。ほら、みんな見てますよ」

 

 模擬戦が終わったので、八神家の皆さんの方へと歩いていきます。

 未だ興奮冷めやらぬヴィータさんをなだめるのは大変です。

 

「キャロは随分強いんだな。今日は休暇なので無理だが、また今度、私とも戦ってくれないか?」

 

「私は別に構いませんけど……、やっぱりシグナムさんって噂通りの人なんですね」

 

「どういう意味だ?」

 

 バトルマニアとかバトルマニアとかバトルマニアですよ。態々言いませんけどね。

 

「気にしないでください。……、はやてさん、どうしました?」

 

 はやてさんの方を見てみると、難しい顔でこっちを見てきます。これってやっぱり―

 

「キャロちゃん。ちょっと聞きたい事があるんやけど、この後ちょっとだけ時間貰えへんかな?」

 

「構いませんよ。私もいくつか話しておきたい事がありますし」

 

 

 

 

 ―八神家―

 

「お邪魔しまーす」

 

「キャロちゃんいらっしゃい。自分の家やと思って、遠慮なくしてってな」

 

 話がある、と言われて連れて来られたのは、はやてさん達がミッドに構えている自宅でした。

 てっきりいつもの店かなと思っていたんですけど、

 

「この人数やとあそこは厳しいやろ?ゲンヤさんには私が言っておくさかい、今日はウチで食べていってえな」

 

 との事で、私も特に断る理由は無いのでOKしました。美味しいと評判のはやてさんの料理、楽しみです。

 夕食までにはまだ時間があるので、リビングに集まって話をする事になりました。

 私とはやてさん、ヴィータさんとシグナムさん、シャマルさんはテーブルを挟んでソファーに座り、リインちゃんははやてさんの肩に。アギトは私の頭の上に乗っています。ザフィーラさんはわんこフォームで床です。

 

「アギト、重い。あとアホ毛引っ張るな」

 

「えー、別にいいだろ? 気にするなって」

 

『……頭冷やそうか? パーフェクトフリーズ的な意味で』

 

『ゴメンナサイ』

 

 説得した結果、やっとアホ毛を離してくれました。

 でも、頭の上には乗ったままなんですね……。

 

「相変わらず仲ええなあ。それじゃ、そろそろええかな?」

 

「あ、はい。大丈夫です」

 

「今日模擬戦見せてもろたけど、本当に強かったなあ。ヴィータがあんなになるとは思わんかったわ」

 

「いえいえ、私なんかまだまだですよ」

 

「謙遜せんでもええと思うよ。本当に強いと思うし。……あれでCランクとは思えへんくらいに」

 

「……」

 

「今日の訓練中、シャマルに頼んでデータ取ってもろたんやけど、色々気になる所が出てきてな」

 

「……」 

 

「無理にとは言わんけど、できたら教えてくれへんかな?」

 

「……、良いですよ。私も、皆さんには話しておこうかと思っていた所ですから」

 

 

 

 

 全部は話しませんけどね。

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