幻想幼女リリカルキャロPhantasm   作:もにょ

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第3話 見つけたものは

「よい……、しょ!!」

 

 ガタガタッ……、ドスン!!

 

「何が出るかな、何が出るかな~」

 

 

 

 

 こんにちは。先日追放を言い渡されたキャロ・ル・ルシエ4歳です。

 今私は、村の倉庫で探し物をしているところです。

 あ、回想入ります。

 

 

 

 ▼▼▼▼▼▼▼▼

 

「族長様、1つお願いがあるのですが、よろしいですか?」

 

「何じゃ?」

 

「一人旅なので、自衛のためにもデバイスが欲しいんです。何とか都合できませんか?」

 

「デバイスのお、うむ……」

 

 頼み事があるのを思い出した私は、しんみりした空気を半ば強引に断ち切って族長様にお願いしました。命に関わる事ですしね。空気読んでなんていられません。

 一応、弾幕ごっことかの訓練はしてきましたけど、デバイス無しではまともに戦う事なんてできません。弾幕ごっこでバカスカ撃ってた弾は遊び用の殺傷力0なので、実戦なんてできません。使用魔力を極限まで削り、ティッシュ1枚にすら弾かれる安全設計です。実戦用にまともなシューターを作るとなると、たぶん5発ほどでガス欠になります。細かい制御のサポートや術式の最適化によって燃費を抑えてくれるデバイスは、是非とも必要なのです。

 

「そうじゃのお……」

 

 そう言って族長様は、懐から鍵を1つ取り出しました。

 

「宝物庫の鍵じゃ。あの中ならデバイスの一つか二つ、保管されてるかもしれん。……いや、デバイスだけとは言わん。役に立ちそうな物があったら、遠慮無く持っていくといい」

 

 族長様マジで太っ腹です。そんな事言われたら、私自重しませんよ。

 いいんですか? いいんですね?

 

 とまあそういう訳で、色々と漁っている最中なのです。

 ここの鍵は族長しか持っておらず、基本的に入る事は許されていません。

 宝物庫、と言ってはいますが、村の備品保管庫みたいな物で、年に2度、収穫祭のときと年末の大掃除の時には開放されて、中を見る事ができます。

 まあどっちの場合でも「キャロちゃんはまだ小さいから、手伝いはしなくてもいいよ」と言われて無理でしたけどね。

 なのでここに入るのは、実は初めてだったりします。

 宝探しみたいですねー、なんてことを考えながら、RPGの勇者の如く、色々開けていきます。

 

 おおう、高そうな宝石発見です。キープキープ。

 

 幼女物色中……

 

 ふぅ、なかなかに有意義な時間でした。これで当分はお金に困りません。

 粗方探し終わったところで、私は後回しにしておいた「いかにもデバイスが入っていそうな、機械の色々詰まった木箱」を下ろします。

 

 え? 何で最初からソレ調べなかったのか、ですって?

 いやですねえ。私がここにいる目的は、デバイスを探すためなんですよ?

 要するに……「見つけたら、そこで試合終了だよ」ってことなのです。

 RPGのダンジョンに例えるなら、開けてない宝箱を残したままボスを倒してしまうようなものです。本筋は最後に回す方が効率的なのです。ほら、よく言うでしょ? フェスティナ・レンテ(急がば回れ)って。

 

 そういうわけで物色中です。

 ……これは思ったより期待薄ですね。

 鉄くずとかネジとかばっかりで、壊れた時計とかも入ってます。もしデバイスがあっても壊れてるんじゃなかろうか。

 確認したものを一々箱に戻すのも面倒なので、取り出したものはその辺に転がしつつ、ガラクタの山を発掘していきます。

 根気よく続けているうちに量も段々減っていき、今や箱の中には鉄くずが数個転がっているだけです。

 

「騙された」

 

 族長様は「あるかもしれない」って言ってました。つまり、宝物庫の中身を完全には把握していないと想像できます。なので上の発言は言いがかりもいいところなのですが、頭で分かっていても感情は別物なのです。

 片付けのためには辺りに転がっている鉄くずを全て戻さなくてはならず、徒労に終わった事にイラついていた私は、つい鉄くずの1つを持って、叩きつけるように投げ入れました。

 

 バキィッ!!

 

「やばっ、壊しちゃった!?」

 

 恐る恐る箱の中を覗いてみると、投げ込まれたもののせいで、底部に穴が開いています。

 

「どうしよう……って穴!?」

 

 木箱は地面に下ろしてあるので、穴が開いているということは、投げたものが木板を貫通して地面にめり込んでいるということになります。

 いくらなんでも有り得ないと思ったので、底に残っていた鉄くずを全て取り出し、底面を覗き込みます。

 穴の下には数センチ程の隙間があり、その下には底板がもう1枚ありました。

 

「この箱、二重底だったんだ」

 

 尖った部分が刺さらないように注意しながら、穴の部分を掴んで底板を取り除きます。中には小さい木箱が1つあり、それを開けると、古そうな装丁の本が入っていました。

 

「この本、何なんだろ……っ!?」

 

 表紙を見た私は驚きました。だってそこに書かれていたのは普段見慣れたミッド語ではなく、かって私が慣れ親しんだ日本語だったんですから。

 

「幻想……縁起!?????」

 

 

 

 

 ▼▼▼▼▼▼▼▼

 

「この本、何なんだろ?」

 

 片付けを済ませて自分のテントに戻った私は、先ほど見つけた本とにらめっこしています。

 

「デバイスだったら嬉しいんだけどなあ」

 

 あんな風にわざわざ隠されている物が普通の本である訳がありません。

 翻訳魔法があるので、文字が読めないから放置されていた、って線も薄いと思います。

 夜天の書や蒼天の書のような例がある以上、本型のデバイスである可能性も十分にあります。

 

「だけど、うーん……」

 

 同時に、闇の書のように持ち主を喰らったり、書かれてる知識自体が毒になる魔道書のようなトンデモ本の可能性もあるので、どうしても慎重になってしまいます。

 

 「どうしよっか……ふぁ、ねむ……」

 

 読むかどうか悩んでいるうちに眠くなってきました。

 ああ、そうでした。明日は出発の日です。

 倉庫あさりで疲れていることだし、今日は早めに寝よう。

 

「明日、族長様に聞いてみよう」

 

 そう結論付け、本を荷物がまとめてある袋の中へと放り込みます。

 私の推論が全部的外れでただの小説だったとしても、旅の途中の暇潰しにはなるはずです。

 

「おやすみ、なさい……zzz」




 謎本発見の回。
 幻想縁起です。誤字ではないのであしからず。
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