「この位置取り。流石はわたくし」
「指示された場所に来ただけなのに…」
「でもこの自信は…」
「「す て き」」
「おだまり!集中できないでしょ!」
ホテルの裏口へと着いてそうそう鉄製の簡素なドアからは女子たちが緊張感のない話し声が聞こえ。音を立てないよう慎重に扉を少しだけ開け外の様子をうかがうとおかっぱ頭の二人組の少女とこの班のリーダーらしき金髪武偵校の女性がじゃれあってる姿が見えた所で古い金属を子擦り合わせた不協和音が響いてしまい巨大なリボルバー銃が火を吹き暴徒鎮圧用の
「乙女の会話を立ち聞くなんて恥を知りなさい」
「へいへい。すいませんでしたっと」
改めてじっくりと相手を見てみると二人組の少女は瓜二つなことから双子の可能性が高く連携した動きに注意が必要でリーダー核の女性は如何にも良いとこ育ちのお嬢様で先程の非殺傷弾でも十分な威力が出せる銃しかり装備には惜しみ無い資金が使われていることが推測される。
「今すぐ投降するのなら高千穂麗の名において貴方に法廷で弁解の余地を与えてあげましてよ」
「武偵なら知ってるだろ」
どうせ法廷にたって弁護がうまくいったとしても武偵を裁く法律のせいで結局上手く行こうが重罪になるのは明白だ。
「湯湯、夜夜、捕らえなさい」
湯湯と夜夜と呼ばれる双子は一子乱れぬ動きで片方を見れば視覚でもう片方を隠すように左右別れて大きく走り込んで距離を詰め、それぞれが片腕づつ掴むと同時に膝を挫かれ強制的に立ち膝になる。
「わたしくし自慢の下僕たちはどうかしら」
声色から予想するに高千穂きっと勝ったと言わんばかりに誇らしげな顔をしているのは手に取るようにわかる。
が下僕と呼ばれて頬を染める双子の思想だけは理解できない。
「確かに息はぴったりだな」
両腕の拘束は理子の訓練や夾竹桃との日常に比べればまだまだ緩く、痛みは集中力を切らすほどでもなく発動させる余裕は残っていて文字化させた睡眠薬が双子を蝕み、数秒後には糸が切れた操り人形のように力なく倒れかかってきた。
も、もちろん紳士的な対応でそっと地面に寝かした。
「未知の相手に近づき過ぎたのが敗因だ」
『イ・ウー』にいれば強くなれる。そんな根拠をこの瞬間何となくだが感じることができた。
「湯湯!夜夜!」
「さて、次はお前の番だ」
高千穂は苦虫を噛み潰したように顔をしかめリボルバー銃を構え直しながら双子を庇うように全ての弾を射ち尽くし役目を終えた薬莢がシリンダーから吐き捨てられ反撃の好機が訪れる。
懐に収納してあるベレッタを取り出し有効範囲内まで間合いを詰めるため走りながらろくに狙いを定めないまま連続で引き金を引き半数が空を切るが最後に放たれた弾丸が左胸を赤く染める。
「ペイントだ…n…」
俺が非殺を貫く上で出した答えがペイント弾の中身を文字化させた薬品にすり替え、麻痺、睡眠薬、昏倒などで無力化するということだ。
◼◼◼
紙に書いてあった指令はとある工事現場にあるコンテナの中身をレインボーブリッジまで運べという内容で、無事たどり着くことに成功し胃に隠してた鍵で錠を解く。
「ウッグ…ハキソウ…」
飲み込むのにも苦戦はしたが吐き出す時に鍵が喉に引っかかったのは新たなトラウマになりそうだ。
胃の中のものが逆流してくることだけは維持で耐えている時、幅が1m以上の大きさがあるトランクに貼られたメモ書きが視界に入った。
『オカイアゲカンシャ!オマケヨカッタラツカウネ』
片言の日本語でそう書かれておりトランクの奥に某学園都市に出てきそうなメカメカしい防護服らしきものと金属製のボンベが4本あり、隣に薄い説明書らしきものが置いてあった。
『β1
この商品は特殊な液体燃料と小型モーター
により高機動が可能になった防護服です。
液体燃料は大変可燃性の強いものとなって
おります、取り扱いには十分にご注意ください。
3分以上の連続使用は爆発の恐れがあります。
なお、胸のランプが青から赤への点滅が3分の目安です。
使用中の事故については一切責任を持ちません。』
説明書だと思っていたものは簡単な説明と注意書きでしかなく、明らかにこれがポンコツだという内容だった。
「明らかに要らないもの押しつけただけだろ!」
潜伏中だと言うことを忘れ周りにも響くような声で叫んでしまったは仕方がないことだと思う。
『そこに誰かいるのか?』
叫び声は外まで響いたらしく一人分の足音が次第にはっきりと聞こえてくる。
「ボウズそこでなにやってるんだ?」
黄色の安全第一のマークがあるヘルメット、土埃で汚れたタングトップからはみ出す筋肉から残業かなにかで仕事場に残っていた作業員と推測される。
「ここから離れろ!危険物の処理中だ!」
「でもよ…「俺は武偵だ!ただ、運搬の為トラックか何かを貸して頂きたい」…わかった、これはそこのトラック鍵だ」
作業員の男は車の鍵を投げ渡すとコンテナから足早に出て行った。
「乗せるか…」
大きいトランクは思いのほか軽く簡単に運べたが、β1は人力で動かせる重さではなく渋々装着しトラックに乗せることにした。
「案外乗り心地はいいな」
本体の大きさは身長に合うよう微調整が自動でされ、頭部は円柱状の180°半透明な黒い素材には各種メータが写し出され、全身をすっぽりと被う防護服特有の息苦しさやじめじめとした暑さもなく「至れり尽くせり」の言葉がにあいそうだが一つ重大な問題がある。それはかさんだ装備と本体の総重量が重すぎるせいで歩行すら困難ということだ。
「あ、脚が…ぁああ!?」
力業で強引に動かそうとしたことがたたり、普段使わない筋肉が悲鳴を上げ。普段の癖から崩れたバランスを立て直すために前のめりになった瞬間スーツは動きだし向かいの重機に衝突し。スーツを抜けた衝撃が身体を襲う。
「速度がおかしい!!」
早すぎて小回りが効かないどころの騒ぎ手ではなく、操縦者を殺しかねない暴力的な速度をコントロールすることはほぼ不可能で乗って積み込むのはやめ。衝突の反動で動き出した重機を使い苦戦しながらスーツとボンベを積み込んだ。
「試しに一つだけ爆発させとくか」
もしあのおっさんが他人に話したときに名にもなかったら不信に思われるため。トラックを工事現場から離れた空き地に止めたあと実験と証拠隠滅もかねてガソリンをたっぷりと撒いたコンテナに予備のボンベを一本転がし、近くに落ちていたライターを火をつけた状態で投げこみ、急いでその場を離れる。
「これで多少は注意がそれ…『ズドン ガラガラカ』…るよな…」
後ろで建物が崩れ落ちたような音は幻聴だと信じ、何事もなかったかのようにトラックのエンジンを蒸かす。