ハイスクールD×D×Fate(重複投稿)   作:常磐久遠

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三話

「そういえば兄さん、部活はどこに入ったんですか?」

 

 朝食を食べながら真奈が聞いてくる。あんな危険な部活に入ったと知られたら、どんな目に合うかどうかわからないが、ここで正直に答えなくては絶対に怒られる。真奈から言うと僕は嘘が結構下手らしい。

 

「オカルト研究部だよ」

 

 真奈の食事の手が一回止まったような気がした。まさか真奈も裏にかかわってしまっているとかそういうわけじゃないよな?もし関わってしまっているのなら、絶対に引き離さないといけないぞ。

 

「どうしたんだ?」

「いえ、兄さんがオカルトなんかに興味があるなんて初耳でしたから」

「あ、イッセーも同じ部活に入ることになったぞ」

「イッセーもですか!?こうなったら私も入るしか・・・」

 

 ぶつぶつと呟く真奈。だけどオカルト研究部に入るってことは、裏に関わると言うことだからな。それだけは絶対に避けなければならない。

 

「いや、真奈は無理だと思うぞ。部活に入るにしてもその部の人達全員の許可がいるからな」

「うう・・・そうですか・・・」

 

 どうやらあきらめてくれたようだな。これでいいんだよな?昨日のようなことを真奈に秘密にしておくのはなんか申し訳ない気がしてきた・・・だけど、真奈を危険なことに巻き込むわけにはいかないからな。

___________________________________________________

 

 放課後・・・

 

「イッセー、一騎。もう教会には近づいてはダメよ」

 

 こう言われたのには理由がある。

 

 朝、あの後イッセーが起きてくるのを待って学校に向かった僕たちは、公園の前で道に迷ったと思われるシスターと出会った。変態だがお人好しのイッセーは、そのシスターに事情を聞くと教会まで送って行くというのだ。まったく・・・自分が悪魔になったのを忘れているのか?

 

「イッセー、自分が悪魔だと言うことを忘れていないか?」

 

 イッセーにしか聞こえない声で聞いてみることにする。わかってて行くのなら正真正銘の馬鹿だな。

 

「そうだけど・・・困っている人を放っては置けないだろう」

「イッセーの場合は美少女だったら全員助けそうだな」

「あ、あはははは・・・」

 

 戦闘になったら助けてやるとするか。イッセーに龍の籠手トゥワイス・クリティカルがあると言っても地力が低いから、二倍にしたところでほとんど意味をなさない。

 

 戦闘になる理由は単純だ。教会は天使陣営の領地と言ってもいい場所だからだ。自身の領地に敵が侵入したら迎撃するのは当たり前であり、殺されても文句が言えないのだ。それは僕にも言える。悪魔だと知っていて協力しているのだ当然だろう。

 

「まったく、戦闘になったら逃げろよ?今のイッセーは使い物にならないからな」

「戦闘になんでなるんだよ?」

 

 どういうことかちゃんと理解せずに向かおうとしていたのか・・・これは教えておいた方がいいな。

 

「馬鹿だな。イッセーは悪魔で、僕はその悪魔に協力している人間。そして今から行く場所は天使たちの領地と言ってもいい。敵である者が自身の領地に入ってきたら、イッセーだったらどうする?」

「勿論・・・あ」

「わかったか?殺すか捕まえるかのどちらかなんだ。有名だったら、捕虜にされ情報を吐かされた後に、こちらにとって不利な条件を飲まされた後に返還されるが、イッセーの場合は捕虜にする価値もないだろうから殺されるだろうな」

「まじかよ・・・だけど近くまでは大丈夫だろ。もう引き受けちゃったからには最後まで案内しないと」

「はあ・・・好きにしろ」

 

 まあ、逆に今になって断ったら怪しまれるだけだからな。相手はまだイッセーが悪魔だと気づいてない。このまま気づいてくれるなよ・・・

 

 教会に向けて歩いていたところまだ自己紹介していなかった事を思い出したシスターが名前を聞いてきた。

 

『私の名前はアーシア・アルジェントと言います。あなた方は?』

『俺の名前はイッセー!よろしくな、アーシア』

『僕の名前は龍牙一騎だ。よろしく』

 

 すると言葉が通じず、何が始まったのかが理解できていなかった真奈が訊ねてきた。

 

「兄さん、いったい何を話しているのですか?」

「ああ、真奈はフランス語が話せなかったな。今は自己紹介をしているんだ。言葉が通じないかもしれないが、通訳するから安心して会話に参加するといい。名前はアーシア・アルジェントだ」

「ありがとうね、兄さん・・・私の名前は龍牙真奈、そこにいる龍牙一騎の妹です。よろしくお願いします。アーシアちゃん」

 

 自分の名前が出てきたことはわかったが、日本語を理解できていなかったアーシアは首を傾げた。僕は真奈が言ったことを伝えた。

 

『こちらこそよろしくお願いします。真奈さん』

「こちらこそよろしく、だそうだ」

 

 そのことを伝えた真奈は僕を通して会話に積極的に参加するようになった。

 

 道中、転んだ男の子が泣いていると、アーシアが駆け寄って行き、怪我をした個所に手をかざしていた。すると緑色の淡い光が生まれ、見る見るうちに怪我が治ったのだ。

 

 解析しなかった僕も悪いが、どうやらアーシアは治療系の神器セイクリッド・ギアを持っているようだ。もしこれが戦闘系の神器セイクリッド・ギアだったら不意を突かれたときが危なかったな。神器セイクリッド・ギアを宿しているか宿していないかで警戒度が変わるからな。

 

 怪我を治した後、すぐに来た親御さんがアーシアのことを、不審者でも見るような目で見ながら男の子を連れていく。その時に男の子が「ありがとう!お姉ちゃん」と言っていた。

 

 イッセーがアーシアに教えると少し悲しそうにしていたアーシアの表情が若干曇っているが笑顔に戻った。

 

 教会の周辺まで来た僕たちは、アーシアに教会でお茶をしませんかと誘われるが、学校に行かなければならないので断っておいた。

 

『いつでも教会にお越しくださいね。イッセーさん、カズキさん、マナさん』

「わかったよ~またね、アーシアちゃん!」

『はい!』

 

 こうして、放課後に戻る。

 

「どうしてダメなんですか?」

「イッセー、もう忘れたのか?ちゃんと理由を話しておいただろうに」

「そう・・・だったな」

「危険性がありながらも、道案内をしたのは後でお説教だとして、理由がわかっているのだったら私から話すことはないわ。だけど注意しておきなさいね?」

「わかりました、部長」

 

 そうは言った物のイッセーの表情は優れなかった。大方、約束が守れなくなってしまったことを心の中で謝っているのだろう。それがアーシアに届かなくても。

___________________________________________________

 

 その日の夜のことだった。部長がイッセーと何故か僕にも悪魔としての仕事を説明しだした。どうやら、悪魔は契約取りと言うのを行っているらしく、願いをかなえることで対価をもらい、次回も呼んでくださいという契約を結んでいるらしい。

 

 イッセーは悪魔の下積みとして本来、使い魔がやるチラシ配りと言うのをやるらしい。僕はその補佐としてイッセーについていくのだが、補佐と言うより護衛と言った方が正しいだろう。今は堕天使やらがいて物騒だからな。

 

 そして今、イッセーは自転車に乗り静まった住宅街を自転車を全力でこいでいる。そこまではいいのだ、問題があるのは、何やらぶつぶつと呟いたと思ったら、急に叫び声をあげながらさらに速度を上げたといことだ。後ろに乗っている僕の身にもなってほしいな・・・

 

 チラシをすべて配り終わり、僕はイッセーと共に学校に戻ってきた。今思ったことだが夜の学校と言うのはなかなかに面白いな・・・

 

 しばらく、眠気と戦っているといつの間にか部活は終了したらしく、イッセーが「一騎、家に帰るぞー」と言いながら、うとうととしている僕の肩をゆすってきた。

 

「ああ、わかった・・・」

「にしても眠そうだな・・・なんかごめん」

「何に対して謝っているんだ?」

「いや、だって一騎が残っているのって俺のせいだろう?」

「まあな、最近は堕天使とかが街中にいるから、いつ襲われてもおかしくないし・・・ふわあ・・・」

 

 欠伸をしながらそう返す。まあ、眠いがイッセーがまた殺されるかよりかはまだましだ。

 

「とりあえず、悪いと思っているならさっさと帰ろう」

「そうだな・・・」

「イッセーは最近裏に関わったばかりなんだ、焦って強くなる必要はない。逆に焦って間違いを犯すより、ゆっくりやって確実に強くなっていった方がいいんだよ」

 

 イッセーはやっぱり自分を攻めているような顔をしているが、ひとまず納得したようだ。そして僕にこんな質問をしてきた。

 

「一騎はいつから裏に関わっているんだ?話を聞く限りだいぶ前からだと思うけど」

「いつから、か・・・僕という自我が生まれた時からだな。僕の両親と言うより、家系が特殊だったから」

「真奈は知っているのか?」

「いや、僕にしか話されていない。まあ、僕が隠し事をしているのはとっくにばれているからな。この前だってそうだろう?あんなに遅く帰ってきたのに少し怒ったくらいだ。僕にどんなに問い詰めたところで話さないってことがわかっているから」

「そんなに昔からなのか・・・」

 

 その後は他愛のない話をしている間に家に帰ってきていた。真奈と母さんはまだ起きていたようで、「おかえり」と言ってくれた。

 

 僕がかかわっていることを、いつかは真奈に話さなくてはならないのか・・・と思いながら夜は過ぎていった。

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