城の中の吸血姫   作:ノスタルジー

11 / 31
十一話目。
たくさん感想をいただきました。ありがとうございます。

十話目のクオリティは私自身あまり納得していません。
エヴァンジェリンの登場とか会話とか特に。

そろそろ。
正直話にはいらないでしょうけど。
趣味ですね。完全。


仲間と吸血鬼

 「え?仲間ですか?急にどうしたんですか?」

 答えは疑問調で返ってきた。確かに。魔法の練習をしている時に、「強い仲間が欲しい。どうすればいいと思う。」と言われれば。彼女は普通だ。おかしいのは私。しかし。どうするか。考える。原作知識について、彼女に言うべきなのか。彼女はそれを知ったらどう思うのだろうか。先代は言わなかったと言っていた。私はどうすればいい。あなたは漫画の世界の住人なんですよと言われて、人はどう思うか。誰が分かるのだそんなこと。知らん。保留。とりあえず、舌を回せ。

 「私たちは吸血鬼だ。君もそれで辛い思いをしてきたのではないのか。私たちは力がなければ排斥される存在。だから、だ。」

 「なるほど。だから仲間を見つけて協力しようということですか。いい考えだと思います!けど、私たちの他に吸血鬼っているのでしょうか?」

 他の吸血鬼。確かに。吸血鬼が、仲間が欲しいと言ったのだ。その仲間は吸血鬼だろう。彼女は普通だ。間違いない。しかし、他にいるのか、吸血鬼。目の前の彼女以外に本能の反応はないが。だが、そもそも仲間が吸血鬼である必要はないだろう。

 「いや。他に吸血鬼がいるかどうかは分からない。だが、吸血鬼でなくてもいい。強くて、私たちに協力をしてくれれば。」

 「強くて、吸血鬼に対して好意的な存在ということですね。え~と。強いというのは置いておいて、吸血鬼に好意的な方っているのでしょうか?それに私たちは不老不死ですよね?ということは……」

 なるほど。仲間には強い、吸血鬼に好意的、だけでなく、不老不死も求められるのではと。天才か。こいつ。そして、いないな。普通。

 「あの、えっと、仲間をつくるという案自体は素晴らしいと思います。」

 さらにこの気配り。いい拾い物をしたか。

 「とりあえず、強いというのを置いておけば、魔法生命体を創って鍛えるという案もありますし。 吸血鬼に好意的というのを置いておけば、眷属化して隷属化も。それに不老不死でなくとも入れ替えを繰り返せばいいと思います。最後のは少し面倒でしょうから、他の二つが手っ取り早いと私は思いますけど、私としては、眷属化はあまり気のりがしません……」

 さらにこの発想。素晴らしい拾い物をしたか。

 

 ふむ。確かに強くて、協力関係が築け、不老不死という奴を探すのは難しい。ならエヴァンジェリンの出した妥協案を採用すべきか。いや。待て。そういえば、先代の眷属がいたのでは。そいつはどうだ。反応がないし、死んだのか。くそ。不明。保留、か。

 どうする。考える。私も眷属化は気が進まない。入れ替えは面倒だ。面倒は嫌いなのだ、私は。なら、強さを犠牲にして魔法生命体か。仕方ない。

 「魔法生命体をつくろうか。出来の良いものを鍛えて強くするか。」

 私がそう言うと、彼女は笑って、はいと答えた。何がそんなに嬉しいのだろうか。

 

 魔法の練習を中断し、二人で書庫に行く。書庫には魔法生命体に関する本が少ないが、あった。私たちはそれぞれ一体づつ、個人で創ることにした。いざ作業を始めようとした時に重要なことに気付く。

 悪魔だ。悪魔を召喚するというのはどうか。悪魔なら強くて不老不死という存在はいるだろう。協力関係に関しては契約の内容次第。いける。さすが天才。と自画自賛し、『魔法生命体―ゴーレム―』の本を持った少女に、声を、掛けた。

 

 「悪魔ですか?なるほど。確かに悪魔なら最初の条件に合致する者もいるかもしれませんね。ただ、問題はどうやって呼び出すかということでしょうか。」

 どうやって呼び出すか、か。何の話だ。単に呼べばいいだけだろう。

 「えっと、悪魔と言ってもたくさんいるので、特定の悪魔を召喚するにはその悪魔に対応する魔法陣を用意しないといけません。それの書き方を知らないとどうやっても悪魔を呼び出すことは不可能ってあの緑の本に書いてありましたけど……」

 そういえば。あったな。先代の研究内容の一つだったか。どんな悪魔がどんな力を持っているかなども少し書いてあったが、先代と私たちでは悪魔の用途が違う。それらは使えそうにない。しかし、聞いてもいないのに答えるとは。私はいったいどんな顔をしていたのか。

 「あと契約内容の問題もありますね。もし強くて、不老不死の悪魔を見つけて、運よくその魔法陣も知ったとしても、その悪魔が契約にのってこなければ意味がないですし。」

 賢い。賢いな。エヴァンジェリン。一人で闇の強化魔法とやらを作り上げた才能はだてではない。

 

 ふむ。しかし、どうするか。考える。悪魔は保留か。やはり魔法生命体、か。あの本には他に何が書いてあったか。アーティファクトやら悪魔やら、他は、降霊術か。

 

 「降霊術はどうだ。あの本に伝説の再現などと大それた名前であったろう。」

 私の言葉にエヴァンジェリンは赤い目を見開き、

 「降霊術!確かに悪魔召喚よりは現実味があります!」

 と言った。まぁ私は始祖だからな。真祖より上だ。

 「降霊術となると誰を呼び出すかを決めないといけませんね。強い霊を呼び出すとなると神話や伝説を読めばいいかと。あとは、降霊の媒介を見つけることですか。」

 エヴァンジェリンは興奮した様子で本を検索し始めた。えらくノリノリだ。子どもか。

 

 降霊術は過去に生きた生命の霊を現世に降ろすという魔法。先代はそれを応用し、目的を果たそうとしていたようだ。その為にかなりの力を持つ伝説級の霊を呼び出したこともあるらしいが、結局は失敗。しかし、私が求めるのは戦力としての霊。伝説級の力を持つ霊ならば、降霊さえ出来れば、さぞ役に立つに違いない。問題はどいつを呼び出すか。という思考で頭の中を満杯にし、魔法球に、触れた。

 




そろそろです。

戦争とかどうしようかな。

アンケートへのご協力感謝します。
ありがとうございました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。