キリがいいところで。章区切り。
今回で手紙が終わりです。
感想、お気に入り、評価等ありがとうございます。
思ったよりも高く評価されたので、期待にそぐわないよう、これからの展開など考えました。
その結果。
やらかす気しかしません。
『私と彼女は城を出た。いくらましになったとはいえ、吸血鬼に対する皆の目は良くはなかった。自分から吸血鬼になることを望んだ彼女が、そのまま城に居続けるのは難しいと私は考えた。だから二人で城を出た。彼女は何も言わなかった。
二人旅。もはや一人では楽しめないものが、彼女と一緒なら楽しく思えた。城からほとんど出たことがなかった彼女。どこに行くにも、何をするにも、彼女の眼は輝いていた。そんな彼女を私は見ていた。疑問はあった。誰が彼女を吸血鬼にしたのか。けれど、それを彼女に聞いても、彼女は答えてくれなかった。
ある時、彼女の記憶を覗いてみた。罪悪感はあったが、仕方ないと心の中で自分に言い聞かせた。だが始祖の私をもってしても、見ることは叶わなかった。術者本人のかけた強力な封印に加えて、真祖の魔力障壁を精神面に関して特化させる特殊な強化魔法が彼女にはかかっていた。二つを複雑に組み合わせて、彼女の記憶は守られていた。術式を見るに、私も知らないような古い魔法のようだった。私は諦めず、その魔法を解くために研究を始めた。しかし情報が少なく、研究はうまくいかなかった。アーティファクトや魔法薬、悪魔契約など様々なものを試してみたが、結果は惨敗だった。
彼女との旅はそう長くは続かなかった。城を離れ、数十年したころに城に張っていた結界が解かれたことを感じた。城には魔力供給用の魔力のこもった宝石を大量に置いてきていた。300年は持つだろう計算だったし、彼らのなかには始祖の張った結界を解けるような人物なんていなかった。嫌な予感がした私はそれを彼女に話し、共に城に帰った。
城の周りに張っていた結界は文字通り、跡形もなく消えていた。まるで私が最初の旅から帰ってきたときのようで、張り忘れたのかと疑ってしまうほどに何の痕跡もなかった。ただ、あの時とは違うことは城には誰もいなかったということだけだった。
城はもぬけの殻だった。私と彼女は城を探索したが、誰もいなかった。そこで私たちは外の探索もすることにした。森に向かい、二手に分かれて人を探した。だが、私は誰も見つけられなかった。そして彼女さえも。
彼女の存在は消えていた。吸血鬼のつながりも、旅の中で交わした契約のつながりも、何も彼女の存在を私には知らせてくれなかった。皆や彼女が、私が私の永遠に耐えられず見た幻でないと教えてくれたのは、懐にあった金色の、彼女が描かれたカードだけだった。
だが、彼女の姿以外そこにはいなかった。
そのまま数年が経ったが、誰も戻ってこなかった。この数年がこの世界に生を受けてから最も色あせていた。そんな時、初代の手紙を思い出した。「嫌なら死ねばいいだけだろう。そうは思わんか。後輩」。そう思った。
だから、私は死ぬことにした。
城を旧世界、日本の麻帆良に移し、世界樹の魔力を使って城を結界で囲った。そしてこの手紙を書いた。すべては私の次、後輩のため。私は彼女のようになるために、しかし彼女のようにならないために。
何もできなかった私。最期は吸血鬼らしく孤独に、そして最期くらいは格好よく。』
手紙は燃えず、手の中に残った。手紙を丁寧に折りたたみ、本を手にした。そのまま部屋を出て、城の中を巡る。開けたまま放置されていた扉の先に目を向けつつ、歩く。一階、東側奥。鏡を見つけ、前に立つ。小さな体。綺麗な金髪。赤い目だけが、不自然に浮いていた。
そうだな。お前は吸血鬼だ。
書庫に向かい、その扉を開ける。地べたに座り込み、すぐに緑色のカバーの本を読み進める。始祖や真祖、精神魔法、古代魔法、真祖化を解く研究についてが書いてあった。読んだ後、また本を手にし、玉座の間へ向かう。
玉座の間に着くと、そこには大きな椅子があった。私と彼が目覚めた場所。
私はそこに座って、目を閉じた。
1500字くらいしかないです。
短いです。すみません。
調子に乗って書いたんですが。
二代目って要るんですかね。これから。
わかりません。