デート・ア・ライブ 電子精霊達と共に   作:神谷 莢那

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 日曜投稿し損ねたので平日に書いてみた。


結末

 夕日に染まった高台の公園には今、士道と十香以外の人影は見受けられなかった。時折遠くから自動車の音やカラスの鳴き声が聞こえてくるだけの、静かな空間 。

 

 「おお、絶景だな!」

 

 十香は先ほどから、落下防止用の柵から身を乗り出しながら、黄昏色の天宮の街並みを眺めている。

 

 〈フラクシナス〉の誘導に従ってついたのがここだ。士道個人としてもお気に入りの場所で、鞠亜達とデートの帰りによったりする。ここを選んだのはきっと琴里だろう。

 電車を見て目を輝かせる十香。どこから変形なんて覚えてきたのか。

 

 「――それにしても」

 

 十香が話題を変える。

 

 「友達、というのは随分良いものだったな」

 「ま、そう言ってくれるとありがたいよ」

 

 正直なところ、精霊達の思考がこちらと等しいかなど分からないわけで、友達なんて不必要…なんて結論に至る可能性も考えていた身としては、普通の女の子らしい十香に拍子抜けしたほどだ。こうして素直な気持ちを話してくれて嬉しくも思う。

 

 「――どうだ。こうしてこっちで過ごしてみて。お前を殺そうとするやつなんていなかったろ?」

 「……そうだな。みんな優しかった。正直に言えば、みんなして私を騙そうとしている、なんて言われた方が信じられるほどに」

 

 その話は飛躍しすぎたもので、しかし、十香の常識にとっては当たり前のもので。

 

 「そんなわけ無いだろうが。ほら、十香」

 

 手を差し出すと、十香は小首をかしげる。

 

 「なんというか、今日一日一緒にいて、お前のことはだいたいわかったと思うんだ。だから、言わせてもらうぞ。お前はここにいていいんだって」

 

 心の奥を見透かしたような言葉に、十香の瞳が大きく開く。

 

 「だ、だが、私は現界する度にこんな美しい風景を壊して、止めるなんてできなくてっ」

 「なら、帰らなければいいじゃないか」

 「そんなことが――可能なはずは…」

 「無理だなんて言わせないぜ。戸籍だろうが住所だろうが、情けないことに鞠亜達に頼るしか出来ないが、あいつらならきっとなんとかできる。俺はそう信じてる」

 

 一呼吸おいて

 

 「俺の手をとってくれ。今はそれだけでいい」

 

 十香は俯き、数秒思案するように考えこみ…こちらへと手を伸ばしてきた。その時。

 

 鍛えられた士道の感覚は、生成魔力の高まりを察知した。おそらく、十香を狙ったもの。威力もかなりのもので、霊装を纏っていない十香には耐えきれないかもしれない。

 

 十香の体を射線の外へと押しやり、自らの回避を後回しに。十香がその射線から外れた直後、胸と腹の間くらいに凄まじい衝撃。

 〈灼爛殲鬼〉の力を自在に操れる士道と言えど、人であり、限界は存在する。霊力を開放していればまた違ったのだろうが、そうでもない状態でのその痛みは到底意識の耐え切れるものではなく、士道は自らの意識が暗くなるのを感じた。

 

「シドー……?」

 

 十香の呼ぶ声がする。

 

 [士道っ!? 大丈夫!?]

 [士道、今すぐそちらへ向かいます]

 

 ふたりを心配させてしまっている。

 起きなければという士道の意思とは真逆に、士道の意識は完全に暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 「士道っ」

 

 鞠亜と鞠奈は、急いで艦橋へと走る。下まで転送してもらうよりも、自分達で転移した方が早いと判断し、限定的な霊装を展開する。

 

 「落ち着きなさいよ、鞠亜、鞠奈。士道は死んだってやり直せるんだから」

 「死んだってやり直せる、ですって?」

 

 威圧感の滲み出た鞠奈の声に、琴里が怯む。

 

 「キミ…それも計算の上だっていうの? 士道が傷ついて、倒れることまで。痛い思いをして、嫌なことをするのも。」

 

 言葉に詰まる琴里。それは確かに計算の上である。ただ、そうよ、と答えるだけのことを、琴里はできなかった。

 

 「最低ね。士道のことろくに知らなかったくせに、知ろうとしなかったくせに優しさに甘えて。辛いことや危険なことは押し付けて、強制して。士道がどれだけ辛くても、助けなきゃいけない子がいるって言えば優しい士道は我慢してやってくれるんだものね。士道がどう思ってるのか考えもしないでそうやって利用してくのね。それとも何? 助ける力があるんだから助けるのは当たり前で、苦しむのも仕方ないとか思ってるわけ? そりゃあバックアップも万全だなんて言える訳よね。だってそもそも用意しなくていいんだもの」

 

 琴里の内面が気づいても直視してこなかったことを次々指摘し、それだけ言い残し、鞠亜と鞠奈はその場から姿を消した。

 後に残された琴里は、何も言わず、ただ冷酷に、司令官として振舞っていた。ただ、その顔は青ざめ、体は本人の気づかぬうちに震えていたが、ただただ自らを押し殺そうとする琴里にそう指摘するものもいなかった。

 

 

 

 

 

 

 「士道! 大丈夫ですか!」

 「士道!」

 

 愛しい二人の声で目が覚めた。先ほどのことははっきりと思い出せる。

 

 「っ、ああ、大丈夫だ。心配させてすまない」

 「そんなことよりキミ、体は大丈夫なの?」

 「…ああ、大丈夫そうだ」

 「士道。怪我の治ったばかりで辛いかも知れませんが、士道にはやらなくてはならないことがあります」

 

 言われずとも分かっている。視線の遠く先では、十香が怒っている。俺のために。止めてやらなくちゃならない。

 

 「今の十香を止められるのは士道だけです」

 「ああ、わかってる」

 「士道、私たちは何も出来ないけど…無事に帰ってきてくれるって、信じてるから」

 「っ、ああ。任せてくれ」

 

 最後に、二人同時に、頬にキスをされた。

 

 「頑張ってください、士道」

 「ここまできて失敗なんてしたら許さないんだからね」

 

 そして士道は二人の力を開放し、十香の元へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 初めて十香と出会った時と同じように、士道は顕現装置(リアライザ)を身にまとっていた。見た目がコードじみたもので覆われていたりと、あの時と違い鞠奈に似た姿ではあったが。

 

 十香は、動けなくなったASTに止めをさそうとしているところで、なんとか間に合ったというところか。

 

 「十香」

 

 闇色の輝きを帯びた剣が振り下ろされる直前、無慈悲に振り下ろされようとするその手を士道はとった。

 

 「っ、士道!?」

 「おう、俺だ。偽物なんかじゃないぞ」

 

 泣きはらしたように顔は赤くなり、目はぐしゃぐしゃ。なんともひどい姿で戦っていたものである。

 

 「ほら、ちゃんと生きてるから、もう怒らなくていいよ」

 

 そう言って、自然な動作で触れ合うようなキスをする。鞠亜達への罪悪感が沸いたので今週末は思いっきり遊ぶことに決めた。なにか力の流れ込む感覚があったが、これはつまり封印に成功したということだろう。

 

 途端に、十香の霊装が崩れ落ち、裸が見えてしまう前に士道は十香に自らの制服を着せる。随意領域(テリトリー)まで使用し、上半身だけかつお腹のあたりに穴があいているが、取り敢えず見てはならないところは見えていないのでセーフだ。

 

 「…シドー」

 「ん? なんだ?」

 「またどこかへ連れていってくれないか?」

 

 

 未来を暗示するその言葉に、士道は笑顔になってもちろん、と頷いた。




 鞠奈が琴里を攻めるのは前々から考えてた。だってさ、打ち抜かれた痛みに傷口焼かれる痛みもあって、それ前提で話してくるんだぜあの妹。たまに心配してるけどほんとしなやすって感じだよね。みんなも考えてみて欲しい。死なないなら体を打ち抜かれても火に焼かれても作戦を遂行しろって言ってくるやつを。私なら逃げ出したいと思うぜ。
 最近は大怪我こそないけど鞠亜達ならきっと心配して怒ると予想したしそこをついてみた。琴里の悩みとか考えなきゃなぁ。士道が大丈夫って言うとむしろ優しさに甘えてると思って苦悩する琴里の未来が見える。てかほんと、体撃ち抜かれてるの見て心配しないって何なんだ。復活するとわかっていてもどうかと思うのは僕だけか!

 正直仲直りとかろくに考えてないぜ。行き当たりばったりでございます。

 没ネタ

 打ち抜かれたとこ

 「くっ――」
 「シドー!?」

 十香を心配させてしまっている。意識が今にも遠のきそうで、なんとか歯を食いしばって耐える。

 ――力を貸してくれ!灼爛殲鬼!

 士道の思いが届いたのか、体が焔に包まれ…次の瞬間には、怪我一つない士道が十香の目の前に立っていた



 こんなの。霊力簡単に使いすぎなのと鞠亜達の出番欲しいので消えました。
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