灼爛殲鬼によって通信機が破壊されたのにパペットが燃えなかったのは、士道の意思によるものではありません。灼爛殲鬼になった時にパペットを落とした事にしたのは変身の際に一度炎化するというイメージの為なので、霊装を完全に展開すると手持ちのものを一度全て落とします。で、その際にインカムも落ちると。その場に残していいものじゃないし、変身後に付け直す手もあるけど流石に戦闘中に気を配るのも難しい(再生の炎と破壊の炎を使い分けるイメージ)。よって破壊しておく、という結論になったという設定。パペット燃えるんじゃないかって? 渡すまでは防戦一方だよきっと。それこそ壊れちゃダメなものだし。
と、長々と? 話してましだが昨日より三十分遅い11時半執筆開始なので投稿は日を超えてるんじゃないかな。
そういやさ、思ったんだ。炎化するとして、服はどうなるんだって。前回の終わり、士道くん霊装解除しちゃってたじゃないの。
……なんか理由付け本文でしときます。
「大丈夫でしたか、士道」
「キミ、怪我なんてして無いでしょうね」
一瞬で、多少は見慣れた〈フラクシナス〉の艦内に戻っていた。
そして聞こえる二人の声。それに、十香の姿も見える。どうやら、戦闘中だったのだろう三人も回収してくれたようだ。
「おお……シドーに四糸乃ではないか! 無事だったか」
「そういう十香の方が酷い有様だろ」
十香の制服は、ところどころが焼け焦げていた。封印されてしまった十香の力には、流石に限界がある。その点、そもそも霊力を――それどころか肉体すら持っていなかった二人は、士道と封印とはまた違った関係によって霊力をある程度は受け取れているので無傷なようだった。
「まあ、俺は大丈夫だったよ」
その言葉の直後に転送スペースの扉が開き、息を荒くした琴里が入ってきた。
「琴里…………?」
士道より先に訝しげな声を上げたのは鞠奈だ。
「馬鹿っ! 無茶させないって、そう決めたんだから! だから、だからっ!」
無茶なんてしないでよ! そう言い放ち、琴里は士道の胸元に顔を押し付け、そのまま泣きだしてしまう。その頭を、優しくなでてやる。
観測機器とか壊れたんだろうに、どうして分かったんだろうか。という疑問は口にしないでおいた。
そして、琴里が泣きやむなり、様々な検査を受けさせられたのだった。
その翌日。
様々な検査を終え、十香のより一足先に帰ってきた士道が見たのは、五河家の隣に聳え立つマンションだった。この前まで、こんなものは影も形も無かった。まるでキツネやたぬきにでも化かされているかのようだった。
「精霊用の特設住宅らしいですよ。〈フラクシナス〉のデータベースにデータがありました。なんでも、見た目は普通のマンションそのものなのに物理的強度は通常の数百倍。その上、
果たして、〈フラクシナス〉は鞠亜が安易にデータを閲覧していることを知っているのだろうか。まあ、元とはいえ〈フラクシナス〉のAIであった鞠亜には容易なことなのだろう。
「それじゃあ、十香も隣のマンションに移動するってことなのかしらね?」
「はい、おそらくは」
鞠亜達も家へと戻ってしまうのだろうか。恥ずかしいものではあったが、無くなるのはなくなるので寂しいものがある。
「キミ、ぼーっとしちゃってどうしたのよ」
「ああ、いや、鞠奈達と一緒の家にいるのはひとまず終わりなんだと思ってな」
「そ、そう……」
恥ずかしげに顔を背けられる。そして、その鞠奈の様子を見た鞠亜と顔を見合わせ、笑い合う。
笑顔で彩られたこの日常を、たまらなく愛おしいものだと思った――
――おまけというか文字数少なすぎたのでいつもの――
「ところで、四糸乃とは……その、キス……したのよね?」
歯切れの悪そうに尋ねてくる鞠奈。
「ま、まあ、そうだけど、あれは仕方の無いことであって――」
「わ、分かってるわよ!」
言い訳をしようとした士道を、鞠奈の声が止める。
「そんな大声出さなくても……」
「分かってるけど、その、思うところはあるのよ」
いつもと違って少し不安気で素直な鞠奈に、ちょっとした違和感を感じ、声を出して笑ってしまう。
「はははっ」
「キミ、笑わないでよね」
「ごめんごめん。なんだか素直な鞠奈が珍しくてな。大丈夫、俺は――鞠奈のことを、愛してる」
不安そうな彼女を安心させたくて。いつでもこの胸にある想いを伝えたくて。士道は、愛の言葉を囁く。
「……っ! こ、これは、その、ええっと」
恥ずかしさからか慌てた様子で言葉の出てこない鞠奈。
「んー…………」
そんな鞠奈に、少しばかりのいたずら心からか瞳を閉じてやる。
「どうしたのよ急に目を閉じ……て……っ! ……んっ……」
キスを待つ様子であると気づいた鞠奈は、躊躇いながらに……キスをした。
「ただいま、鞠奈。今回もちゃんと約束、守ったからな」
それはある日の約束。〈ラタトスク〉と共に精霊と関わっていくとしたその日にかわされた、二人の元へ帰ってくるという約束。
「……うんっ!」
明るく返事を返す鞠奈。と、ここで、疑問を口に出してみる。
「ところでなんだけど」
「どうしたの?」
「鞠亜はどうしたんだ?」
「なんでも、〈フラクシナス〉に用があるらしいけど?」
なるほど。気でも使われたのか、はたまたいたずらか何かか。
「それ、嘘だぞ鞠奈」
「ええっ」
「士道、バラしてしまっては面白くないじゃありませんか」
実は、先程……だいたいキスを終えたあたりから、鞠亜の姿が見えていたのだ。
「どうせ出てくるつもりだったろ」
「そ、それじゃ、その、見てたの……?」
「ええ、ばっちりです」
一瞬で顔を赤くした鞠奈は、家の中でドタバタと騒がしく音をたてながら走り去っていった。
「鞠奈!? 走って行っちまった……」
「まあ、鞠奈には恥ずかしすぎることだったのでしょうね」
「鞠亜……んっ……」
唐突に、鞠亜に口付ける。
「っ……。し、士道、どうして急にキスを――」
「約束」
そう、あの日の約束だ。
「士道?」
「鞠亜とも約束してたから、な。ちゃんと、帰ってきたぞ」
「そう……ですね。おかえりなさい、士道」
「おう、ただいま。――愛してる」
そして俺達は、今一度のキスを交わした。
マンションできるのは一日早くなりました。まあ、二日後に戻った士道が見つけただけでいつ出来たか明記されてないし、特に早くても問題ないだろうしいいよね。
いつものはセリフだけだから書きやすいし文字数それなりだし書いてて楽しいしでなかなか便利なんだけどその分描写が少ないからちゃんと伝わってるか不安だったり。場所は……特に考えてないけど鞠亜、鞠奈宅かな。わかりやすく描写加えたけど余計わかりにくくなってたらすまん。今回のはちょっと長かったから挟むべきかと思ったんですよ。今後は気分と勘でどうするか決まるんだろうなぁ。
では、また次回をお楽しみにー。
サブタイは、艦へと帰ったことからの帰還に、艦の字を掛け合わせてみた。こんな二時熟語があるのかすら不明。造語のつもり。