デート・ア・ライブ 電子精霊達と共に   作:神谷 莢那

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 前話のあとがきにちょこっと書き足したりもしましたがランキング載ってました。7位。つい嬉しくて執筆開始。ところであれ、閲覧数とかで評価決まるんですかね……? お気に入りは増えましたが三十人ちょいだし、総合評価5千とかなってたんだけど……?

 しかし、三巻はなにかとカットせざるを得ないけど書きたかったところが多いんですよね。琴里の指示で十香をベタ褒めにするとこを鞠亜達でやってみたりとか。でも、いろんな要因と作者の想像力不足で無理だと。残念。また機会があればやってみたいですね。

 そして気づいてしまった平均文字数。最近はやたらと短いことも相まって2400程度。これはいけない。でもキリが良かったらやめるんだろうなぁ。

 そんなわけで今回もどうぞ。


誤解

 

 ちょっとした波乱の日のその翌日。キンコンカンコンと、チャイムが鳴り響く。

 そこで、あれ? と思った士道は、あたりを見回す。どうやら十香も同じことを思ったようで、キョロキョロと辺りを見回している。

 

 「むぅ、狂三のやつ、転校二日目で遅刻とは」

 「時崎狂三は、もう、学校には来ない」

 

 ――まさか、と一つの答えが浮かび上がる。

 しかしそれなら、きっと――

 (鞠亜のおかげではあるが)狂三の秘密を知る士道の答えを肯定するかのように近づいてくる霊力の反応がある。センサー顔負けなほどに霊力を探知できる士道にしか気づけないことではあるのだが。

 

 「はい、皆さんおはよぉございます。じゃあ、出席を取りますね」

 

 言って、読み上げられていく名簿。しかし、時崎の番になっても、返事はない。もうすぐ来るんだけどな。

 

  「あれ、時崎さんお休みですか? もうっ、欠席する時には――」

 「――はい」

 

 タマちゃんの声を遮るようにして教室後部の扉から入ってくる狂三。穏やかな笑みを浮かべ、小さく手を挙げている。

 

 体調が悪かったのだと説明する狂三と、それを心配するタマちゃんの会話を聞きながらに折紙を視線を向けると――

 

 「……やっぱり、なのか?」

 

 その様子に、士道は困惑を秘めた声を上げる。

 折紙が微かに眉根を寄せ、狂三のことを凝視していたのである。

 表情にそこまでの劇的な変化がある訳では無い。だが、それが驚愕の表情であるとなんとなく察した。

 

 ホームルーム終了から十秒ほどで、琴里からの連絡が入った。嫌な事態になったという話だったのだが、狂三が居るのだと告げた当たりで態度がおかしくなり、そのまま昼休みの予定まで決められてしまった。

 

 「どうしたのですか、士道?」

 「昼休みに琴里が用があるって」

 「キミ、それ――」

 「ああ。折紙の驚愕とつながることだ」

 

 確信めいた予感と共に、士道は授業を真面目に受けるのだった。

 

 

 

 午後十二時二○分。四限目の授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。

 十香には既に話を通していたようで、約束を交わしていたのであろう仲良し女子三人組の方へと向かっていた。

 

 

 三人で物理準備室にたどり着く。

 扉をノックすると、まるで待ち構えでもしていたかのように扉がガラッと開く。いや、遅いって言われてもこれでも急いできたんだぞ?

 

 「いいから、早く入りなさい。時間が惜しいわ」

 

 入った部屋の最奥にある回転椅子には、既に予想道りの人物が座っている。〈ラタトスク〉の解析官兼都立来禅高校物理教諭・村雨令音である。

 

 「……ん。来たね、三人とも。これを見たまえ」

 

 椅子に座るよう指をさされたが、鞠亜と鞠奈の分がないし、二人だけを立たせておくのはしのびないので首を振って断っておいた。

 

 

 ――そして映し出されるのは、狭い路地裏にて向かい合う狂三とポニーテールの女の子。色合いからして、真那で間違いないだろう。DEMからわざわざ狂三を狙ってやってきたということか。

 

 

 話を聞くに、これは昨日の映像らしい。

 正面から向かい合う真那と、街中にも関わらず展開するAST。その中にはクラスメイトの折紙の姿もある。

 なんでも、昨日突然にASTの反応が検知されたんだとか。

 

 そして戦いは始まり――真那の圧倒的なまでの勝利で終わった。

 

 

 眉をひそめる士道に、思うことがあったのだろうと推測する琴里だが、その実、士道が考えていたのは分身の力量である。

 

 ――一体一体の戦闘能力は、ワイヤリングスーツを纏うだけで対処できる程度。上限数は不明で、特殊能力も不明。自壊を伴う攻撃手段があってもおかしくないな――

 

 自らの能力と比較し、相手の力量を推し量る。

 分身であれ、本来の士道であれば目を背けたくなるような光景であったのに士道が平気で、こうして考え事をするまでの余裕があったのは、ただなんとなく。だがしかし、現実になりそうなそんな予感が、狂三と戦わなくてはならないことを予期していたからであった。

 

 

 

 そして、真那が完全に動かなくなった狂三に止めをさしたところで映像が終わる。

 

 そこに映る真那は――ナニカが決定的にコワレテしまっていた。

 なぜならそこには、本来あるべき罪悪感も。焦燥感も。絶望感も、達成感さえも見えなかったのだから。

 ひどく事務的で、一言で表すなら慣れた(・・・)その様子は、正しくナニカが狂ってしまっているのだろう。

 

 そして、映像は終わる。

 

 「見ての通りだ。昨日、時崎狂三はAST・崇宮真那に殺害された。

 重傷とか、瀕死とかではなく、完全に、完璧に、一分の疑いを抱く余地もなく、その存在を消し潰された」

 

 実はASTどころかDEMの隊員だとか、分体を作っているのだとか、報告するべき事はあったのに、口にできなかった。いや、この時には思いつかなかったのだ。

 存外に、精神的なショックは大きかったのだと自覚する。それと同時に、こちらの両手をそれぞれの手が優しく包み込む。その手をぎゅっと握り返す。

 

 「しかし、時崎狂三は以前変わらず、こうして登校している。我々にはそこがわからないんだ」

 「士道が狂三と話してるって聞いた時には、とうとう幻覚でも見え始めたのかと思ったわ」

 

 琴里が冗談めかすように言い、肩を竦める。

 

 「ともかく。狂三が生きている以上、作戦は続行するしかないわ。確か明日は開校記念日で休みだったはずだから、狂三をデートにでも誘いなさい。かなりグイグイ来てるし、運が良ければ一度で封印できるわ」

 「……は?」

 

 鞠亜、鞠奈の不安が、手の握りが強くなったことで伝わる。何を企んでいるのかわからない狂三と出かけることは危険なのだから。

 しかし、進まなくては変わらない。

 

 「――わかった」

 「あら、素直ね。狂三の能力は未解明で、次は蘇れないかもしれないから、できる限り急いだ方がいいわ」

 「えっと、それは――」

 「それに、鳶一折紙にも狂三の存命はバレているでしょうから、そういうことでも急いだ方がいいわ」

 

 言葉を遮られ、そして琴里が話を終えると同時に鳴り響く、昼休みの終わりを告げるキンコンカンコンというチャイム。

 

 まあ、急ぐことでもない……かな?

 ひとまず、少しばかり急ぎながらに教室へと戻ったのだった。




 令音さんが出てきたのってずいぶん久しぶりな気がする。シンってしばらく打ち込んでないもの。
 原作見て二十分を二○分にしてみたんだけど、丸に種類があるんだよね。二〇分。なんとなくで前者使っていきます。

 あと、なんとなしに考えた霊力探知の範囲。未精霊の直近だったり、霊力効果の対象(転移させられるとか)になったら確実にバレる。
 そして今作でたまに使われるテレポート。鞠亜のものを参考にした設定なので、つまるところ『自分が認知する範囲内での転移』で、そのためには霊力によってその空間内を把握しなければならない。つまり、自分と対象地点を結ぶ一直線上は最低限把握しないといけない範囲。しかし、転移だしそもそも一直線に移動するわけでもなし、だいたい自分と対象地点を含む立方体空間分ということにしました。もちろん電子テレポートはまた別。あれは自分と電子機器が入る程度の分に対象地点でも同様の条件があれば可能です。
 そういうイメージじゃないんだけど、例えるなら財宝探す海賊アニメの虎海賊の空間。あれを地面と平行な立方体にして、なおかつテレポート先と自分との中間から発生させてるみたいな感じ。結構例えてみるとしっくりくるね。俺だけか?

 まあつまり、近くにいたらだいたいバレる程度ではある。そんな感じで決めてみました。


 サブタイはシンプルに。最近シンプルさを求めていくと付けやすくなった気がします。
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