てか、二回ほどsafari落ちてやばかったんだけど。こまめに全文コピーしてたのが功を奏した模様。てか、そのせいで書き終えてからここ埋めてるので後書きはぺらっぺらになることでしょう。
では、少し遅れましたがどうぞ
九月九日。〈ディーヴァ〉との遭遇の翌日。
本来この日は休日なのだが、朝になって急に亜衣から今日は天央祭の各校合同会議があるからよーろしーくねー!と告げられたのだ。
なのに実行委員である亜衣麻衣美衣は一日目のステージ部門でバンド演奏する予定の様で、その練習で来られない。
一応、鞠亜達四人の立候補で人数は余っているため、実行委員である俺たち五人で向かってくれとの指示を受けたのである。丸投げってそれどうなのさ。
「あら、士道さん。見えてきましたわよ」
「わぁ、お城みたいですね……」
見えてきたのは、折紙の感想のままの城のような立派な校舎である。赤煉瓦で構築された校門に赤煉瓦の道。青々と茂った生垣も見える。どこの城だと言いたくなるほどに立派なのだった。部活動や天央祭の準備の為だろう。休日にもかかわらずちらほらと生徒の姿も見受けられる。
士道たちは守衛に生徒手帳を見せてから敷地内に入り、来賓用の昇降口から校舎内に入り、事務局で入校許可証を貰ってから廊下を歩いて目的の会場に向かう。
「第二会議室はこっちみたいね」
部屋に入れば、すでに様々な制服の生徒たちが何人も揃っていた。まだ会議の開始まで時間があるのだろう。長机が四角く組まれ、高校の名前が書かれたプレートが立てられてはいるものの席に着かずに談笑している生徒も多い。
まあ、昨日実行委員に就任したばかりの士道に顔見知りがいるはずもないので、士道たちはすぎに自分たちの席を探して腰を下ろす。
それからすぐに、コンコン、と会議室の扉がノックされ、部屋にいた各校の生徒たちが一斉に顔を上げる。
「失礼しまぁす」
そんな優しげな声と共に扉が開き濃紺のセーラー服を着た少女達が入ってきた。その中でも一人、集団のリーダーなのだろう。最後にやって来た一人に、士道は思わず目を見開く。長い髪をゆったりと一つにまとめた少女で、光に透けて紫紺に輝く色素の薄い髪。銀色の瞳。周囲の少女達と同じセーラー服を着ているが、その身から放つ圧倒的な存在感は彼女の輪郭をはっきりと浮かび上がらせている。
……婉曲に表現して現実逃避しようとしたが、間違いない。
「〈ディーヴァ〉……! 間違いないわ!」
小声で、しかし殺意を滾らせたように鞠奈が呟く。まだ許してなかったのか……?
「士道を馬鹿にした罰は一生モノよ」
「お、おう、ありがとう……」
嬉しいことではあるのだが、それで封印した精霊たちとの仲が悪くなったらどうするのかと言いたいような、微妙な気分だった。
「こんにちわー、よく来てくれましたねー、皆さん」
少女がのんびりとした口調でそう言ってぺこりとお辞儀する。
「竜胆寺女学院、天央祭実行委員長、誘宵美九ですぅ」
鞠亜達を本気でキレさせた地雷精霊〈ディーヴァ〉は、そう挨拶をした。
正体がわかった、とはいえその場で指摘するわけにもあちらと接触を図るわけにも行かず、帰り道に〈フラクシナス〉に回収してもらって事情を話す。
「誘宵美九……まさか彼女が精霊だったなんてね」
「知ってるのか?」
「……デビューは今から半年前。聞く麻薬とさえ言われる美声と圧倒的な歌唱力で驚異的なヒット曲を連発するも……テレビや雑誌などには一切姿を現さない謎のアイドル……ま、詳しくはないしそんな程度よ」
謎のアイドル、ねぇ? と、空間震の直後にステージで歌っていた彼女を思い出して首を傾げる。
「精霊がアイドル……しかも最低でも半年前以上も前からこっちの世界に溶け込んだ生活していたって言うの?こんな活動をしながら?はっ、狂三なんて目じゃないわね」
もちろん、それには理由がある。封印からしばらくして折り合いがついたのか、時々深夜に狂三がやって来ては狂三の過去――言わば精霊の真実について語られた事があったからだ。ちなみに、今でも偶に話を聞くこともある。
とはいえ、それは狂三が琴里達にそれを教えることを許さない限り伝えたくはない。士道としては、あくまでも彼女を優先していたいのだ。
「と、話は変わるんだが、どうして急に好感度が下がったりしたんだ?」
「すみません、士道。あの時は自分を抑えきれず、データ収集も行っていませんでしたから」
「いや、いつも助けられてるし謝ることはないよ。それに、こうして琴里達だって手を貸してくれるわけだし」
鞠亜達の怒り方というのはずいぶんと理性的なものではあったのだが、それでも冷静でいられない部分はあったらしい。
「それについては一つ、誘宵美九=ディーヴァの情報もあって仮説が立ったわ。令音、データを」
「……ああ、これを見てくれ」
好感度のグラフはあるところから一気に下落し、また上がり、また下がるというなんとも不安定な様子を見せていた。
「最初に下がっているのが、シンが彼女の話していた時のデータだ。続いて或守姉妹に目をつけた時がその後の急上昇。そして殴り飛ばされ、こちらが回収するまでが最後の低下だろう。」
「……なるほど」
「中津川。一応説明をしなさい」
「はっ!彗星のごとく登場した革命的アイドル・誘宵美九たんですが、本当に人前に姿を現さないのです。活動と言えば定期的にリリースされるCDと一部のファンだけを集めて行われるシークレットライブのみ……いま日本でも屈指の有名人だというのに、その顔を見たことがある人はごく僅かなのです。それこそ……存在を疑われるぐらいに」
「随分と徹底してるな……」
「徹底なんてものじゃありませぬ。この情報化時代の中、顔写真の一枚すら出回っていないのですよ?これはもう異常なレベルです。このライブ映像を手に入れるのにどれだけ苦労したと思っているのですか」
鞠亜達ならなんら問題なくそれが出来そうなんだがな。
「けど、アイドルなんだろ?なんでまた人目を避けるような真似を……? わざわざASTを警戒するような性格には見えないんだが」
「ネット界隈の情報になりますが……何でも美九たんは凄まじいほどの男嫌いであり、握手なんて耐えられないレベルらしいです。例のシークレットライブは女性ファンしか入れないという話でございます」
「あっ、そこでそう繋がるのか」
「そう。しかも噂によると、ライブ後、お気に入りの女性ファンをお持ち帰りしていたこともあるそうです」
「い、一応噂話だし、な? ま、まあとりあえず、ディーヴァは百合って訳だな?」
「ええ、そうでしょうね」
「じゃあ、前提からして終わってないか。その精霊の攻略」
いくら士道が救いたくとも生物学的な隔たりを持ち出されても困る。どうしょうもないじゃないか。
「何言ってるのよ。それくらい、対策してあるわよ。天王祭の準備で顔を合わせることも多いだろうしそこでなんとか接触を図るわよ。
で、肝心のその手段が――神無月!」
琴里が声とともにパチンと指を鳴らすと、神無月がどこからとも無く現れた――全身びしょ濡れで。
とりあえずスルーして話を続ける。
「その対策ってのは?」
「こちらになります」
神無月が差し出してきたのは士道が通う来禅高校の制服だった。ただし、それは少しばかり既存のサイズよりも大きい女子の制服。
それを見た瞬間、士道の中に嫌な予感がよぎる。女の子に興味を持つ――というか女の子にしか興味を持てない精霊の士道が救う方法? まあつまり
「女装かよ!?」
「後のケアがどうなるかは分かりませんが、一時的な攻略と言うのであればこうするしかないのでしょうね。正体がバレる前の に、なんとか男嫌いも直してくれると有難いのですが」
「ま、安心なさい。あたし達に折紙と狂三まで基本的には傍にいることになるだろうし、まあみっちりといろいろ叩き込むのも吝かじゃないわよ。面白そうだし」
「最後のは思いっきり本音だったよなぁ!?」
と、そこで艦橋に二人分の足音が響く。
「あの、士道くんの手伝いをしてくれと呼ばれてきたのですけど」
「士道さんのため、精いっぱいやらせてもらいますわ」
「もう……どうにでもなれ」
椎崎と箕輪も加わり6人体制で士道に女装が教えこまれることとなった。
サブタイはまあ、そういうことです。安直だね? 被ってたからこっそりチェンジ。
ではまた明日です