遊戯王-孤独に巻き込まれた決闘者-R   作:秋風

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どうも、みなさん。今日はTHE DARK ILLUSIONの発売日でしたが、みなさんはパック買いましたかね?

Ranperu様 万屋よっちゃん様 親爺さん様 赤鉄様 餌屋様
うさぎたるもの様
感想、ご指摘、ご意見ありがとうございました。また宜しくお願いいたします

ryuuya様  blackfenix様
小説の評価ありがとうございました。頂いた評価点数以上の小説を目指せるよう努力してまいります

引き続き、感想、意見、指摘、評価をお待ちしています
では、第9話です。今回はずっとツァン視点です…どうぞ



09「ひとりぼっちの少女」(後編)

Sideツァン・ディレ

 

「飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン!」

 

 屋上で始まった、秋人とオベリスクブルー生徒のデュエル。ボクは肩にかけられた秋人の制服を強く握りしめながらそのデュエルを見守っていた。始まった当初、ボクは不安でたまらなかった。さっきの恐怖もあいまってうまく喋れず、無意識のうちに彼にデュエルディスクを渡してしまっていたからだ。内容は端的に言ってしまえばボクを賭けたデュエル、というものだ。ボクの知る限り、雪乃との決闘で勝利している秋人だけど、目の前にいる生徒は確か雪乃よりも成績は上で、かなりのレアカードを保持しているのは覚えている。性格や行動は最低だが、この学校ではそれ以上に実力の高さが物を言う…故に、秋人が負けたら自分はどうなってしまうのか。そう考えただけでもゾッとしてしまう。だけど、そんな不安はすぐに消え去った。秋人がシンクロ召喚という召喚方法で呼び出した1体のモンスター……スターダスト・ドラゴン。その眩い光を周囲に散らしながらフィールドへと舞い降りる。その輝きは満天の星空が輝いているようにも見えた。

 

「綺麗…」

 

 思わず、そう呟いてしまった。とても綺麗な輝き……いつの間にか、ボクの中にあった不安は、秋人なら何とかしてくれるのではないか、という期待へと変わりつつあった。

 

「チューニング・サポーターはシンクロ素材となったとき、カードを1枚ドローできる。バトルだ。スターダスト・ドラゴンで魔導戦士ブレイカーを攻撃!『シューティング・ソニック』!」

 

「バカが! 罠発動『聖なるバリア-ミラーフォース-』! 相手の攻撃宣言時に発動! 攻撃表示のモンスターをすべて破壊する!」

 

「スターダスト・ドラゴンの効果発動! このカードを生贄にすることで「フィールド上のカードを破壊する」効果を持つ魔法、罠、モンスター効果の発動を無効にして破壊する! 『ヴィクテム・サンクチュアリ』!」

 

 秋人の言葉と共にスターダスト・ドラゴンの姿はその名のごとく星屑のように消えてしまった。

 

「カードを2枚伏せて、ターンエンド。エンドフェイズ、効果で生贄にしたスターダスト・ドラゴンは墓地から特殊召喚できる! 再び飛翔せよ、『スターダスト・ドラゴン』!」

 

スターダスト・ドラゴン ATK2500/DEF2000

 

「なっ……くそ! 僕のターン、ドロー! 魔導戦士ブレイカーの効果発動! 魔力カウンターを1つ使い、伏せカードの1枚を破壊する! 『マナ・ブレイク』!」

 

「手札の『エフェクト・ヴェーラー』の効果発動! 相手のメインフェイズ、手札からこのカードを墓地に送り相手モンスター1体の効果をターンの終了時まで無効にする!」

 

 秋人の手札から墓地へとカードが1枚送られた。すると、そこから1人の女の子…のモンスターが現れ、そのヴェールのようなものが魔導戦士ブレイカーへとまとわりつく。

 

魔導戦士ブレイカー ATK1900/DEF1000→ATK1600/DEF1000

 

「そ、そんなカードが存在するのか……ならば、俺は手札から『強欲な壺』を発動! カードを2枚ドローする! そして『ヂェミナイ・エルフ』を召喚!そして装備魔法『デーモンの斧』を装備する!」

 

ヂェミナイ・エルフ ATK1900/DEF900→ATK2900/DEF900

 

「バトルフェイズ! ヂェミナイ・エルフ! スターダスト・ドラゴンを攻撃しろ!」

 

 2人のエルフがデーモンの斧を持ってスターダスト・ドラゴンへと襲い掛かる。確か、テキストには2人で翻弄して襲ってくるモンスターだったはずだけど、デーモンの斧が重いのかそのまま斧を抱えて一緒に攻撃している。

 

「罠発動! 『くず鉄のかかし』! 相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする! そして、このカードは再びセットできる!」

 

「なっ…発動後再び伏せられるだとぉ!? なんなんだそのカードはぁ!? オシリスレッドの分際でぇ…! なんでそんなカード持っていやがる!」

 

 もはや、最初に被っていた仮面は崩壊もいいところね。はっきり言って醜いわ。それに、口調も僕から俺に変わっているし、なんというかあれが本性ってことなのかしらね。

 

「さあな…喋る気はないぜ。ターンを進めてくれ」

 

「ぐっ…お、俺は魔導戦士ブレイカーを守備表示に変更。ターンエンドだ!」

 

「俺のターン、ドロー。バトル! 魔導戦士ブレイカーをスターダスト・ドラゴンで攻撃! 『シューティング・ソニック』!」

 

「ちぃ!」

 

 破壊される魔導戦士ブレイカー。フィールドには破壊効果を無効にして破壊するスターダスト・ドラゴン。そして伏せカードには攻撃を1度防いで再びセットできる『くず鉄のかかし』がある。今はヂェミナイ・エルフを超えられないけど、サイクロンなんかを引けばきっと勝てるはず…

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

「俺のターンだ、ドロー! くくく、俺はついているぜ! 魔法カード『死者蘇生』を発動! 魔導戦士ブレイカーを復活だ!」

 

魔導戦士ブレイカー ATK1600/DEF1000

 

 魔導戦士ブレイカーを…? 今更ブレイカーなんて呼び戻してどうするつもり?

 

「俺は魔導戦士ブレイカーを生贄に、このカードを召喚する! こい、『ブリザード・プリンセス』!」

 

ブリザード・プリンセス ATK2800/DEF2100

 

「……! ブリザード・プリンセスか」

 

「こいつはレベル8だが、魔法使い族1体を生贄にすることで召喚することが出来る! そしてぇ! このカードの召喚が成功したターン、お前は魔法、罠を発動することが出来ない! 俺の持つ超レアカードだ! あはははは! バトルフェイズ! ブリザード・プリンセスでスターダスト・ドラゴンを攻撃ぃ!」

 

「っ……!」

 

武藤秋人 LP4000→LP3700

 

「そしてさらにぃ! ヂェミナイ・エルフでダイレクトアタックだぁ!」

 

「ぐっ…!」

 

武藤秋人 LP3700→LP800

 

「秋人!」

 

 思わず、秋人の名前を叫んでしまう。まさかアイツ、あんなカードを持っているなんて。腐っていても御曹司という立場をフルに使っている。今まで出てきたカードだって普通じゃ絶対に手に入らないカードのはず。

 

「そしてメインフェイズ2! 『サイクロン』でそのくず鉄のかかしを破壊するぜ! これが俺の実力だ! どんなすごい召喚方法を持っていようが、所詮オシリスレッドは落ちこぼれだ! 俺はカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

「俺のターン、ドロー……勝負はまだ終わってない。さて、ここからは少し長いぞ? 俺は手札から『命削りの宝札』を発動。カードを5枚になるようにドローする。5ターン後、すべて捨てる」

 

 そう言って笑う秋人。この前と同じだ…こんなに不利な状況なのに、秋人がデュエルを楽しんでいるようにボクには見えていた。

 

「手札から『天使の施し』を発動! デッキからカードを3枚ドローして2枚を捨てる。俺は『グローアップバルブ』と『ボルトヘッジホッグ』を墓地へ送る。更に手札から『調律』を発動。デッキから「シンクロン」と名のつくカードを手札に加える。俺が加えるのはクイック・シンクロンだ。その後、デッキの一番上を墓地へ送る。そしてクイック・シンクロンの効果。手札のモンスター1枚をコストに、このカードを特殊召喚する!」

 

クイック・シンクロン ATK700/DEF1400

 

 出てきたのは西部劇に出てくるガンマンのようなモンスター。さっきのジャンク・シンクロンと似ているわね。前に見たガガガガンマンとはまた違う感じ。

 

「墓地のレベル・スティーラーの効果発動。レベル5以上のモンスターのレベルを1つ下げてこのカードを特殊召喚できる」

 

レベル・スティーラー ATK800/DEF0

 

「レベル1のレベル・スティーラーにレベル4となったクイック・シンクロンをチューニング!」

 

☆1+☆4=☆5

 

「シンクロ召喚! こい、『ジェット・ウォリアー』!」

 

ジェット・ウォリアー ATK2100/DEF1200

 

 その名の通りのジェット機が変形したようなロボットのモンスターがフィールドに着地した。

 

「このカードのシンクロ召喚に成功したとき、相手のカードを1枚手札に戻す。俺が指定するのはヂェミナイ・エルフだ。これによって、デーモンの斧も墓地へ送られる」

 

「なに!? バウンス効果だと……! だが、俺のブリザード・プリンセスには……」

 

「だれが此奴だけで戦うって言ったよ。どんどん行くぞ……俺はさらに通常召喚。『ジャンク・シンクロン』を召喚する。効果で墓地の『チューニング・サポーター』を蘇生する。レベル1のチューニング・サポーターにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

 

ジャンク・シンクロン ATK1300/DEF500

 

チューニング・サポーター ATK100/DEF300

 

☆1+☆3=☆4

 

「シンクロ召喚、いでよ! 『アームズ・エイド』!」

 

 アームズ・エイド ATK1800/DEF1200

 

 さらにフィールドに現れるのは腕の形をしたようなモンスター。シンクロ召喚、というのは入学試験をちゃんと見ていなかったから名前しか知らなかったけど、改めて見るとこんなにモンスターが出たり消えたりするのかと驚かされる。

 

「チューニング・サポーターの効果で1枚ドロー。そしてアームズ・エイドの効果。このカードを装備カードとしてモンスターに装備できる。俺はこのカードをジェット・ウォリアーに装備! これによって、攻撃力を1000ポイントアップさせる」

 

ジェット・ウォリアー ATK2100/DEF1200→ATK3100/DEF1200

 

「バカな…攻撃力3100だと…!?」

 

 攻撃力3000を超えたことに驚くオベリスクブルーの生徒。ただ、この前見た攻撃力8000に比べれば可愛いもんだな、とか思っちゃうボクは感覚が麻痺してきているのかもしれない。ただ、やっぱり攻撃力3000を超えるカードをあんな攻撃力の低いモンスターたちから作り出せるシンクロ召喚はすごいかもしれない。

 

「行くぞ、バトルだ! ジェット・ウォリアーでブリザード・プリンセスを攻撃!」

 

「ぐあああ!」

 

オベリスクブルー生徒 LP4000→LP3700

 

「さらに、アームズ・エイドを装備したモンスターが戦闘でモンスターを破壊したとき、その破壊され墓地へ送られたモンスターの攻撃力分のダメージを与える!」

 

「な、なんだと!?」

 

オベリスクブルー生徒 LP3700→LP900

 

 一気にライフ差が縮まった。その差は100…アームズ・エイドっていうモンスターにはそんな効果があったんだ……実質、ダイレクトアタックしているようなもんじゃないの。

 

「俺はカードを1枚伏せ、これでターンエンドだ」

 

「くそっ、くそっ、くっそぉ! 俺ターンドロー! なめやがってぇ! 俺は伏せていた『リビングデッドの呼び声』を発動! 墓地の『ブリザード・プリンセス』を蘇生! そして再び『ヂェミナイ・エルフ』を召喚!」

 

ブリザード・プリンセス ATK2800/DEF2100

 

ヂェミナイ・エルフ ATK1900/DEF900

 

 再びフィールドにさっき召喚されたモンスターたちが戻ってきた。でも、フィールドのジェット・ウォリアーには及ばないはずなのに…

 

「バトルフェイズ! ブリザード・プリンセスでジェット・ウォリアーを攻撃! この瞬間、速攻魔法『突進』を発動! ブリザード・プリンセスの攻撃力を700ポイントアップさせる! これで攻撃力は3500! ジェット・ウォリアーを破壊し、ヂェミナイ・エルフで攻撃して俺の勝ちだぁ!」

 

ブリザード・プリンセス ATK2800/DEF2100→ATK3500/DEF2100

 

 オベリスクブルーの生徒の言葉と共にブリザード・プリンセスがすごい勢いで空中へと飛び上がり、ジェット・ウォリアーへと攻撃態勢へと移る。これで、秋人の負けなのか……そう思って秋人を見る。だけど、秋人は特に微動だにした様子はない。

 

「……それはどうかな?」

 

「な、なに!?」

 

「罠発動『シンクロ・ストライカー・ユニット』! このカードは発動後装備カードとなり、シンクロモンスター1体に装備する! 装備モンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせ、エンドフェイズに攻撃力と守備力が800ポイントずつ下がる」

 

 ジェット・ウォリアー ATK3100/DEF1200→ATK4100/DEF1200

 

 カードから巨大な銃のようなものが出現し、ジェット・ウォリアーに装備される。しかし、その攻撃力変動でパワーアップをしたジェット・ウォリアーへと攻撃宣言をされたブリザード・プリンセスは特攻し、その杖を振り下ろした。しかし、ジェット・ウォリアーはアームズ・エイドで防ぎ、その左手に持つ銃で撃ち貫いた。

 

オベリスクブルー生徒LP900→LP300

 

「ば、ばかな……この俺が……な、なにかの、間違いだ。こんなの……」

 

「破壊したブリザード・プリンセスの攻撃力分のダメージを受けてもらう」

 

オベリスクブルー生徒LP300→LP0

 

「勝っちゃった……」

 

 またしても、オシリスレッドの彼が、オベリスクブルーの生徒に……こんなに強いのに、どうしてオシリスレッドなんだろう。これだけ強かったらラーイエローくらいになってもおかしくないのに。

 

「お、覚えていろ!」

 

 そう言って、オベリスクブルーの生徒は逃げ出していった。それを見送ると、秋人がボクのデッキとお弁当もってボクに渡してくれた。

 

「デュエルディスク、ありがと。立てるか?」

 

「そ、その……あの……」

 

「顔、少し腫れてんな…授業には遅れるだろうけど保健室だな。後は……」

 

 普段、一緒に明日香や雪乃たちいるなら聞いているはずだ。ボクがどんな奴なのか、と。ボク自身も自覚がある……その言葉や態度で人に誤解を与えてしまっているということを。きっと、嫌な奴、と、聞いているはずだ……誤解を解こうと思ったこともあった。でも、やっぱりできなくて、いつしか1人でもいいってなっていた……なのに、なんで、なんで、アンタは……

 

「どうして、ボクを助けてくれたの?」

 

「え?」

 

「知っているでしょ? 明日香たちといるなら。ボクがどんな奴なのか……嫌な奴って。 なのに、なんで……」

 

 ボクの言葉に、一瞬ポカンとなった表情を見せた秋人はなぜか呆れたようにため息を吐いていた。

 

「そんな話、アイツらから聞いたことねーよ……むしろ、明日香たちはお前が一人なのを心配していたくらいだ」

 

「う、嘘! だって…! 他の女子はみんなボクの事、嫌な奴って!」

 

「お前が中学時代に何を言われたかは知らないけど、俺が聞いたのはお前の言動が誤解を招いたことがあって、苦労しているってだけだ。嫌な奴、なんて話は知らない」

 

 そう言いながらへたり込んでいたボクを立たせてくれる秋人は、PDAでいつもいる仲間にでも連絡しているのだろう。授業に遅れる、ということを伝えてくれと連絡していた。

 

「じゃ、保健室行くぞ。後は保健医の先生に事情も説明しないとな……」

 

「う、うん……あ、あの……」

 

「今度はなんだ?」

 

「助けてくれて……ありがと」

 

 この学園に来て初めて、素直に人へ感謝の言葉を伝えられた気がする。ボクの言葉に、秋人は少しだけ笑ったように見える。

 

「ああ、どういたしまして。さ、行こう」

 

「うん」

 

 こうして、ボクたちは屋上を後にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 あれから数日が経った。あの後、秋人が証言をしてボクの事を襲ったオベリスクブルーの生徒は退学となった。もっとも、あんな屋上で騒ぎを起こしたんだから他の生徒からも証言が取れて当たり前だった、とかそんな話らしい。いくらかあの生徒の親の会社から圧力がかかったようだけど、この学園のオーナーであるKCの社長がねじ伏せたらしい。どうしてそんなことになったのかはわからないけど、元々被害にあった女子生徒たちが何人かいたということもあって、いなくなったことに安堵する生徒が多かったのは言うまでもない。で、あれからボクはというと……

 

「昼飯だー!」

 

「ふあ……十代、うるさい……でも、腹減ったな」

 

「うふふ、ボウヤたちは2人揃って寝てばっかりね……赤点になっても知らないわよ?」

 

「雪乃の言うとおりよ……少しは真面目に座学聞きなさい」

 

「二人とも、この二人の居眠りは今に始まったことじゃないっス」

 

「いつもどおりなんだなぁ……」

 

 秋人がいつもいるメンバーの中に、混ざっていた。あれから秋人と次第に話すことが多くなり、遊城……十代が、ボクにデュエルを挑んで来て、結果としてそこでボクは六武衆を使うことになった。近くには秋人がいたし、ボクが事情を説明したら他のみんなもカードの発売まで口外しないとも約束をしてくれた。デュエルの結果はボクの負け……さすがのボクも…運には勝てないわね。どうやったら1ターンでHEROが並びまくるんだか。でも、おかげでパパにデータは送信できたし、近いうちに六武衆は正式に新しいカードパックに収録されることが決まった。ボクはパパから公に六武衆を使う許可も貰った。それからみんなで食事をしたり、授業に出たり、休み時間に雑談したり……退屈だと感じていたこの学校での生活が、いつの間にか楽しい時間になっていた。

 

「今日の購買の弁当は何だろうなー! あ、そうだ秋人、またドローパンやろうぜ!」

 

「絶対ヤダ。昨日お前にそう言われて買ったら『納豆』だったのを忘れたか。死ぬほど買ったことを後悔したぞ」

 

 お弁当……そうだ、今日は、お弁当を作ってきたんだ。秋人に渡す、お弁当を……べ、別に変な意味ではない。お礼を……そう、この前のお礼をするためで、今日はたまたま具材が余ったからついでに作ったんでしょうが。他意はないんだから、こう、さりげなく渡せばいい。落ち着けボク。購買まで来たところで、みんなが並びに行く中ボクは秋人を呼び止める。

 

「あ、あ、秋人?」

 

「うん? どうしたツァン」

 

「そ、そ、その。これ!」

 

「……? 弁当?」

 

 受け取った秋人はポカンとしている。が、ここでボクはまたやってしまった。

 

「か、勘違いしないでよね!? 別に、アンタのために作ったとか、そういうのじゃないのよ!? その、えっと、具材が余ったからもったいなくて……! その、処理してもらおうと思っただけよ!」

 

 ぼ、ボクのバカぁぁぁ! なんでこう、いつもこう変な風に言っちゃうのよぉぉぉ! それに、この前のお礼っていうのが第一にしていたのにちゃんと言えないし! こんなんだから誤解されるのに! そう思っていると、秋人は特に嫌な顔を見せずに笑顔を見せていた。

 

「そっか、サンキュー! 助かるよ。あ、そうだ…飲み物買ってこないと。ついでに買ってくるものあるか?」

 

「あ、じゃあボクもお茶…」

 

「わかった。買ってくる」

 

 そう言って秋人は十代たちと合流して列に並んで行った。それを何の気なしに眺めていると、場所取りのために待っている雪乃がボクの隣に立っていた。

 

「うふふ、やるじゃない、ツァン?」

 

「え? 何の話?」

 

「……いいえ、なんでもないわ」

 

 ……? なんのことかしら。まあ、それはさておき、それからしばらくして戻ってくる秋人たち。途中で三沢も合流し、昼食をとることにした。

 

「いただきまーす」

 

 そう言ってボクはみんなと食事を始める。ボクの日常は、少しだけ明るくなった。もし、ボクの悪い癖が治ったら、改めて秋人にしっかり言おう…ありがとう、って。そう思いながらいつものみんなのバカ騒ぎを眺め、ボクは楽しいお昼を過ごすのだった。少しでも、この楽しい時間を味わえるように

 




リメイク前との変更点

オベリスクブルー生徒のデッキ超強化
個人的にですが、それなりに強くしたつもりでした。まあ、ブリザード・プリンセスを出したかっただけなんですけどね(笑)

ジェット・ウォリアー
良く使ってます。本当はジャンク・ウォリアーでもよかったかな、と後で後悔しました
それにしても、スターダスト・ドラゴンも即刻やられるというね……

とりあえず、事件解決
すこし無理やり詰めてしまった感じもあり反省しています。特に、六武衆を晒したところ。まあ、これデュエルにするとまた長くなるのでカットしましたが、その辺はまた今度…

NEXT 10「精霊との出会い」(前編)

次回、ノース校編は……

  • 十代と万丈目のデュエルが見たい
  • デュエルよりも修羅場が見たい
  • レジーを付け狙う生徒と秋人がデュエル!
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