遊戯王-孤独に巻き込まれた決闘者-R   作:秋風

13 / 53


5ジ6ジ様 Ranperu様 冀望のクエン酸様 おやじ様 パンツは食べる派弐型様 ガブリアスナイト様
感想、ご意見、ご指摘ありがとうございました。これからも宜しくお願いいたします

jishaku様 海苔様 ガブリアスナイト様
評価ありがとうございました。頂いた評価以上の作品にできるように努力してまいります

珍しく、デュエルが無い回です。うむ、こんな感じの3話くらい続いたらら更新楽なんだけどなー…(おぃ


12「月一試験」(前編)

Side秋人

 

 定期試験。それは中学、高校、大学で、各々の教科、科目の学習成果や教育効果を通して、成績評価するために定期的に実施される試験のこと。デュエルアカデミアでは月1で試験を行い、クラスの昇格、降格を決めることになっている。その試験はデュエルアカデミアでは6教科がテストとなる。『現代国語』『数学Ⅰ』『理科総合』『現代社会』『英語』そして、『デュエルモンスターズ』の6つ。この学校、なによりも重要視するのは最後のデュエルモンスターズであり、それ以外は正直な話ペラッペラもいいところである。国語、数学、理科、英語は高校時代の事を考えれば問題はない。そもそも、この学校はデュエルモンスターズを除けばその偏差値ははっきり言って低い。50も行ってないんじゃないかな……

 

「やれやれ……まあ、この偏差値ならまだ大丈夫だな」

 

※参考資料

2016年現在の都立偏差値最高第一位は73の日比谷高校 第二位が72の都立国立高校

 

 だが、問題があるとすれば現代社会とデュエルモンスターズだ。現代社会はちょくちょく、デュエルモンスターズの大会優勝やプロリーグで活躍した人間の名前を書いたり、カードの開発者の名前を覚えたりしなければならないからだ。この辺は原作の知識を持っていても無理な話で、勉強を強いられる。で、最後の『デュエルモンスターズ』はさらに曲者。プレイングに関するルールやモンスターの名前などはそこまで難しくないが、このカードはどのパックに収録されているのか、とか、バトルシティで使われたカードのフィニッシャーの名前とか、憶えてられるか! と、匙を投げたくなるレベルの問題がゴロゴロしている。

 

「(マスターは勉強熱心ですね)」

 

「まあ、留年とかにはなりたくないし……どうしたんだ?」

 

「(いえ、お隣の部屋にいる十代さんはもうお休みですし、翔さんは死者蘇生に祈りを捧げていたので……)」

 

 ……原作でもそうだったな、あいつらは。まあ、アイツらは筆記がダメでも実技で何とかなるんじゃないかな。午前中は筆記試験だが、午後はデュエルの実技試験になる。この実技が重要で、寮の人間同士でデュエルを行い、場合によっては筆記がダメでもこっちが良ければ大丈夫ということもあるくらいである。実際、校長がそのデュエルを見に来て昇格の話なんかも持ってきたりするからな。

 

「ある程度勉強したし、もう俺も寝るか……明日遅刻したらシャレにならん」

 

「(それもそうですね……マスター、おやすみなさい。あふぅ)」

 

「ああ、おやすみ」

 

 そう言ってミラは眠そうにあくびをしてカードの中に消えていき、俺もそれに苦笑しながら着替えてベッドに入った。勉強の疲れからかすぐに睡魔は襲ってきて、意識は闇へと落ちて行った。

 

 

 

 

 ……俺は夢を見ていた。それはいつか見た1人の少年がいじめられている夢。集団で1人をいじめている子供たち。止めようとも思うが体は動かず、これは夢か、と理解するには十分だった。子どもたちはその少年を殴り、蹴り、突き飛ばし……あらゆる暴力をその少年へ行った。見ていて不愉快な光景だ。

 

『返して、返してよぉ!』

 

 そしてそれ以上に不愉快になる光景が目に飛び込む。虐めていた少年の1人が、ライターを持ち出し、少年が大切にしていたであろうカードの入ったバインダーに火を付け、遠くへ投げ飛ばす。不愉快だ、もういい、やめてくれ……こんな夢はたくさんだ! 俺は強くこの夢が終わることを願う。段々と変わっていく景色の中、最後にその少年の恐ろしい言葉を耳にする。

 

――コンナ世界、ナクナッチャエバイイノニ……

 

 こうして、俺の世界は暗転した。

 

 

 

 

「っ……!? ハアッ、ハアッ! ゆ、夢……だよな」

 

「(マスター…? おはようございます。でも、まだ6時ですよ……マスター!? すごい汗です……どうしたんですか!?)」

 

 目を覚まして体を起こすと、カードから出てきたミラが慌てて俺に駆け寄ってきた。見ればミラの言うとおり、体中汗だくだった。さっきの夢のせい……か? あの夢、あの少年、あれってもしかして……

 

「(マスター、シャワーを浴びた方がいいですよ。風邪をひいてしまいます)」

 

「……そうだな、ありがとう」

 

 そう言って着替えを用意し、俺はシャワー室へと向かい、シャワーを浴びることにした。それから朝食をとって学校へ。テスト勉強はしたし、問題はないだろう。教室へ到着すると、翔と隼人はすでに教室でテスト前の追い込みをしていた。

 

「おはよう二人とも。十代は?」

 

「安定の寝坊ッス」

 

「一応、起こしたんだなぁ……」

 

 あいつはまったく……いくら筆記試験はそこまで大きな評価をされないとはいえ、0になるのはまずいだろうに。そういえば十代と言えば、今日は本格的に十代と万丈目のデュエルになるのかな。俺が万丈目とデュエルした後日、万丈目はやつあたりとして十代にもデュエルを挑んでいた。その結果は万丈目の惨敗。俺の使っていたHEROよりも性能が劣っていたHEROたちで十代は万丈目をボコボコにしたのだ。はっきり言って俺とのデュエルより悲惨だったから……あれから、万丈目が十代に闘志を燃やしているのはよく見ている。なんというか、世界が修正を施したようなほどに十代のドロー運は素晴らしかったな。そうなるとオシリスレッドの寮の人数的に1人部屋の俺は余ることになる……おれはいったい、誰とデュエルすることになるんだか。そんなことを考えていると、大徳寺先生が教室に入ってきた。どうやら試験が始まるらしい。

 

「じゃあ、これから中間試験の1時間目を始めるニャー! みんな教科書を閉じて、鞄にしまう! そしてかばんは後ろのロッカーに入れるんだニャー」

 

 こうして、月一試験が始まった。

 

 

以下、デュエルモンスターズの筆記試験

 

第一問 デュエル中で作成可能な無限ループを1つ答え、その詳細を書け

 

第二問 第一回バトルシティトーナメント本選出場選手をすべて書け

 

第三問 デュエリストキングダムで必要だった参加証明を4つ答えろ

 

第四問 KC社開発の現在の最新デュエルディスクは第何世代のものか?

 

第五問 特殊勝利条件はどのようなものがあるか

 

第六問 バトルシティにおいて禁止に指定されているカードの代表例をあげよ

 

第七問 デッキが0枚の時、貪欲な壺は発動できるか否かを答えよ

 

第八問 モンスターを特殊召喚したが、『神の宣告』により無効化して破壊され墓地に送られた。死者蘇生で蘇生できるか

 

第九問 モンスター攻撃時にリビングデッドの呼び声で他のモンスターが蘇生した。この場合、バトルはどうなるか

 

第十問 第一回バトルシティトーナメントにおいて残ったベスト4の名前を挙げよ

 

 

 ……と、まあこんな感じで100問の問題が出された。結構わからなかったり忘れていたりするような内容もあったが埋められるだけ全部埋めて後は机に突っ伏して寝ることにするのだった。

 

 

 

 

「秋人、起きて。解答用紙が回ってきてるわよ」

 

「……うん、あぁ、ツァンか。悪い…わかった」

 

 しばらくしてテストが終わったらしく、隣の席に座っていたツァンに起こされて体を起こす。解答用紙を渡して体を伸ばす。うん、良く寝たな……

 

「開始してから30分で寝てたわね……アンタ、ちゃんと問題解けたの?」

 

「まあ、それなりにね……十代たちは?」

 

「なんか、新しいカードパックが売店で出るらしくて、みんな行っちゃったわよ……ボクはそのパックのカードの内容知ってるから行かないけど」

 

 そう言って今回いいのあんまりないのよねぇ、とかため息を吐いているツァン。一応、親がカード開発に携わっているから情報が飛んでくるのだろう。

 

「情報のフライングゲットはずるいと思う」

 

「なっ……しょうがないでしょ!? パパが六武衆の発売データと一緒にリストを送ってきたんだから」

 

 ……まあ、しょうがないと言えばしょうがないけども。そんなことを言いながら欠伸をして席を立つ。時間的にはお昼なので、そんなに売店に人が集まっているなら今のうちに食堂で食事を済ませてしまおう。午後からは実技授業だしな。

 

「なら食堂に行こう。今なら空いているんじゃないか?」

 

「そうね、ボクもテスト勉強のせいでお弁当ないし……」

 

「そういえば、十代たちは売店にいったらしいけど、明日香や藤原たちは…「呼んだかしら?」うぉ!? びっくりした……」

 

 同じく売店か、そう聞こうとしたときに不意に後ろから声が聞こえてくる。後ろには藤原が立っていた。いつの間に俺の後ろに立っていたのか……

 

「さっきお手洗いから帰ってきたところよ。うふふ、ドキドキした?」

 

「ドキッとしたよ……驚く方でな」

 

 これでときめいたら逆にすげーよ。そんな会話を交わしながら俺たちは食堂へと向かう。明日香はももえやジュンコたちと先に行ったらしく、さらに言えば三沢は机の上でしきりに午後のためのデッキの確認をしている為とてもではないが声を掛けることが出来るような空気ではない。なので、結果的に雪乃、そしてツァンの3人で食堂へと赴くことにした。食堂に着けば予想通り、人はいつもより少なく、席は簡単に取れた。みんなそんなに新カードが欲しいのか……とちょっと内容が気になったりもする。

 

「そういえばボウヤ、貴方午後の実技試験はどうなの? 自信のほうは?」

 

「どうだろう。相手は同じオシリスレッドの誰か……のはずなんだけど」

 

 一応、学年ごとのデュエル試験のはずなので何人かの寮で知り合った顔見知りの中の誰かのはずなのだが、人数を考えればピッタリになっている。が、物語というメタ的な話をすれば十代は万丈目とデュエルをすることになる可能性が高い。となると、俺は1人だけ余るんだよな。

 

「オベリスクブルーに2回も勝ってるアンタ相手に、他のオシリスレッドが戦えるのかしら。ボクとしてはいじめになっちゃうんじゃないかって気がするんだけど」

 

「……案外、十代が相手だったりしてな」

 

 万丈目のデュエルの後に、もう一回、みたいな感じでまた十代とデュエルをすることになる可能性がある。

 

「(もし、十代さんだったらまたリベンジを……!)」

 

「(すまんミラ、お前が入るデッキはまだ調整中だ……)」

 

「(そんなぁ……!)」

 

 俺の言葉に、目に見えて落ち込んでいるミラ。まあ、あのデッキだとまだちょっと色々と辛い部分があるからな。もう少し、使えるカードとかの選びも調整しないと十代には勝てないだろう。魔法シンクロ、魔法エクシーズも考えないと勝てない気がしてきた。

 

「ん……?」

 

 そんなことを考えながら食事をしていると、ゾロゾロと多くの生徒たちが食堂へと流れ込んできた。そんな彼らはどこか肩を落としてがっかりしたような様子である。ああ、そういえば購買の新パックは全部どっかの誰かさんが大人買いをしたんだったな……そりゃ誰も買えないわ。

 

「どうしたのかしら? いきなり人が増えたわね」

 

「さあ? 大方、パックを買えなかった人たちが流れ込んできたんじゃない? あれ、十代のボウヤたちでしょう?」

 

 雪乃が指さす先にはカードを見ている十代の姿があった。十代はカードに夢中だったが翔と隼人が俺たちに気が付き、合流する。そして翔たちから俺の予想通り、カードパックは誰かに大人買いをされてもう既に存在しなかったという話を聞いた。まあ、十代だけ1パック残っていたのを手に入れたとのことだが。

 

「それにしても誰なのかしら? そんな大人買いなんて」

 

「生徒が行ったときにはすでになかったんだろ? ってことは授業中に誰か先生とかが買ったんじゃないか?」

 

「それ、本当だったらそうとう大人げないっスね……」

 

 まあ、確かに大人げないが、本土とこの島をつなぐ船が来るのは週に1度。ということを考えれば買い物に欲が出るのかもしれない。というか、購入に制限とかかければよかったのに、トメさんも。俺は午後の試験に使用するデッキを考えながら食事の箸を進めることにするのだった。

 

 

 

 

デュエル場

 

「万丈目! これでお互いライフは1000ポイントずつ! ここで攻撃力1000以上のモンスターを引いたら面白いよな!」

 

 午後になり、試験が始まった。本来ならば同じ寮の人間同士…つまり、同じクラス同士でのデュエルなのだが、今行われているのは十代VS万丈目のデュエル。万丈目が無理を言って十代とのデュエルを試験官に頼み、デュエルに至る。

 

「戯言を! そううまくいくものか!」

 

「でも引いたら面白いよな! ドロー! へへっ! 俺はフェザーマンを召喚!」

 

E・HEROフェザーマン ATK1000/DEF1000

 

「フェザーマンで攻撃! フェザーショット!」

 

「ば、ばかな!この俺がぁぁぁ!」

 

万丈目LP0

 

 十代のドロー……流石、としか言いようがないな。まあ、しいて言うなら昔アニメを見ても思ったがやっぱりXYZドラゴンは合体させないで殴りに行けばよかったのではなかろうか。そうすれば万丈目勝っていただろうに……慣れないカードを使うから、なんだろうけども。

 

「それにしても、俺のデュエル相手は誰だ……」

 

 俺は小さくため息を吐く。ちなみにだが、みんなそれぞれ試験を受けに行ってしまったのでここには俺一人だ。ミラに至ってはまだデッキが完成していないゆえに出れないということで凹んでカードに閉じこもってしまった。デュエルは終わっているのだろうが、勝敗などを書いて提出する列に並んでいる為戻ってきていない。俺は不戦勝とか、そういうのは無いよな?

 

『武藤秋人君、デュエルステージまで上がってきて』

 

 ……どうやら、そういうわけではないらしい。それにしても今の、響先生の声だよな? あの人オシリスレッドの主任だし、何か考えがあるのだろう。そう思ってデュエルディスクを腕に装着して壇上へと上がる。先生の事だ、誰か適当に生徒を捕まえて交渉してくれたのだろう……そう思っていた。だが、俺が壇上に上がったときにその目の前にいる人物を見て思わず顔が引き吊った。

 

「……響先生? どうして先生が、俺の前に“デュエルディスクを構えて”立っているんでしょうか。先生、さっきまでジャッジでしたよね」

 

「ええ、そうよ。貴方は特別に、私が相手になるわ」

 

「……マジすか」

 

「マジよ」

 

 そう言いながら笑顔で答えてデュエルディスクを起動させる先生。ちなみに、先生のデュエルディスクはクロノス先生が使うような教師用ではなく、生徒たちが持っているのと同じ一般的なデュエルディスクである。弟のプロデュエリスト、響紅葉でも勝てないって話のデュエリスト、響みどり……十代や雪乃、万丈目には悪いが、相手は完全に格上と見ていいだろう。唯一、俺のアドバンテージと言えば俺が先生の使用するデッキを何か知っているというところだけだ……だが、あのデッキ、知っていたところでどうにもならないくらいの展開力と強さを持ってるんだよなぁ

 

「勝てる気がしねぇ……」

 

「あら? 龍導院先生を倒したというのに随分と弱気ね?」

 

「……その龍導院先生より強いじゃないですか、先生」

 

 前に一度、教師同士のデュエルを見学したことがあったが、響先生は俺が入学試験の時に戦った龍導院先生を圧倒しているのを見ている。その時は響先生の強さに驚かされたくらいだ。

 

「私は結構君の事を評価しているつもりよ? 秋人君」

 

「というと?」

 

「あなたと十代君はオベリスクブルーの万丈目君と闘って勝っているのよ? ここ数年じゃ、そんなことはまったくなかった……故に、このデュエルでも期待するわ」

 

 そう言ってウィンクする先生。そう言われてしまっては頑張るしかないではないか……プロデュエリストさえ勝てない圧倒的強者に……。俺は一つ深呼吸をして気持ちを切り替え、デュエルディスクを構えた。

 

「授業が終わるのはあと20分といったところね……秋人君、最高の20分間にしましょう。期待しているわ!」

 

「よろしくおねがいします……!」

 

「「決闘(デュエル)!!」」

 




リメイク前との変更点

中間テスト問題
結構増やしました

虐めのシーン
描いてて夢に出てきたので少しマイルドにしました……いじめ、よくない

VSみどり先生
リメイク前ではゆきのんでしたが、みどり先生です。次回、堕天使デッキ!

NEXT 13「月一試験」(後編)

次回、ノース校編は……

  • 十代と万丈目のデュエルが見たい
  • デュエルよりも修羅場が見たい
  • レジーを付け狙う生徒と秋人がデュエル!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。