皆さんこんにちは、秋風です。まさかの1日2回更新……アイディアがすぐ浮かんだので投稿することにしました。まあ、今日の0時にも投稿できるように頑張ります。ペースが遅いとも意見を頂いていますし、こういう風にたまに更新できるときには更新しようかと思っています
読んでいて途中で飽きたという方もいらっしゃるようですし、そうならないためにも頑張って更新していきますのでよろしくです
万屋よっちゃん様 うさぎたるもの様 Galcia様 ジェガン様 荒波に飲まれる者様 赤鉄様 遍ねく様 緑茶つー様 火星の紳士様 龍音様 メソ…様 Ranperu様 親爺さん様 0・The Fool様 遊霧様
感想、ご意見、ご指摘ありがとうございました。これからもよろしくお願いします
ジェガン様 ヒデカズ/叶多様 龍音様 おやじ様 そらいおん様 青坂様 仲島様
小説評価ありがとうございました。頂いた点数以上の小説を目指して頑張ります
引き続き、小説の感想、ご意見、ご指摘、評価をお待ちしております。
今回は少し駆け足になってしまった感じが少し否めないので、こうしたらいいのでは?という修正点があればよろしくお願いします
第13話です。どうぞ
Side秋人
「「決闘(デュエル)!!」」
武藤秋人VS響みどり
武藤秋人LP4000
響みどりLP4000
「先攻は秋人君、貴方よ」
「それじゃ、遠慮なくいきます…俺のターンドロー! モンスターを1枚セットしてターンエンドです」
「セットだけ……か。今回はどんなデッキなのかしらね? 私の知る限り、色々とデッキを使っているみたいだけど」
「それは見てのお楽しみ、ということで1つ」
俺が先生に対してそういうと、それもそうねと言ってデッキへ手をかける。
「私のターン、ドロー! 私は手札から『ヘカテリス』を墓地に送り効果を発動。デッキから永続魔法『神の居城-ヴァルハラ』を手札に加える。そしてそのまま発動。1ターンに1度、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、手札から天使族モンスター1体を特殊召喚できる。私は手札から『堕天使アスモディウス』を特殊召喚!」
堕天使アスモディウス ATK3000/DEF2500
「……ヴァルハラから堕天使が出てくるのはどうなんでしょう、先生」
「そんなこと言っても、召喚は取り消してあげないわよ? バトルフェイズ! アスモディウスでセットモンスターをAttack!『デス・パレード』!」
「セットしていたのは『グリズリーマザー』。このカードが戦闘で破壊された時、デッキから攻撃力1500以下の水属性モンスター1体を表側攻撃表示で特殊召喚できる。俺はデッキから……『カエルスライム』を攻撃表示で召喚!」
カエルスライム ATK700/DEF500
「カ、カエルスライム!?」
フィールドに現れるのはカエルの頭の形をしたスライム。フィールドに現れた瞬間、周囲の観客席から驚きと悲鳴が聞こえる。まあ、そうだろうな……ソリットビジョンのシステムを初めて呪ったわ。正直、ちょっと気持ち悪い。今回はレベルの低いモンスターを中心としたデッキだ……まあ、完全に相手の不意をつくデッキなんだけどな。
「カエルスライム……珍しいカードを使うわね」
「ええ、今回の俺のキーカードです」
キーカード、という俺の言葉に響先生は少し考えた様子だったけど、それをやめてメインフェイズ2へと移る。
「ターンエンド……さて、どんなふうに戦うのか見せてもらうわ」
「俺のターンドロー! 俺は2枚目のカエルスライムを守備表示で召喚します」
カエルスライム2 ATK700/DEF500
「2枚目……何をしてくるのやら」
「すぐにでもお披露目したいですけど生憎準備が終わってないので粘ります。さっき特殊召喚したカエルスライムも守備表示にしますね。カードを1枚伏せてターンエンド」
周囲は何がしたいのかわかっていないらしい。その中でも唯一ニヤニヤ見ているのが十代だ。アイツはアイツでこのデッキの内容知っているからな。たまに俺の部屋でカードいじったりしているせいで。
「私のターンドロー……いったい何を狙っているのかは知らないけど、私は手札から魔法カード『トレードイン』を発動。『堕天使スペルビア』を墓地へ送ってカードを2枚ドロー…さらに、『おろかな埋葬』を発動して『堕天使ゼラート』を墓地へ送るわ」
着々と堕天使が墓地へ……すぐにでも仕掛けてくるのかな。まだ手札にカードは揃っていないから時間を稼がないと。
「バトル! カエルスライムへアスモディウスでAttack!『デス・パレード』!」
「させません。永続罠カード発動、『グラヴィティ・バインド-超重力の網-』。このカードがフィールド上にある限りレベル4以上のモンスターは攻撃を行えません」
攻撃しようとしていたアスモディウスがグラヴィティ・バインドの網にかかり、攻撃をストップさせた。一方のカエルスライムはその網の目のサイズが大きいためかすり抜けて跳ねている。おいこら、跳ねるな……ビチャビチャいってるじゃん
「仕方がないわね……カードを2枚伏せてターンエンドよ」
「俺のターンドロー! 『強欲な壺』を発動してカードを2枚ドロー…カードを1枚伏せてターンエンドです」
「私のターンドロー……手札から『死者蘇生』を発動。墓地の『堕天使スペルビア』を特殊召喚! このカードの召喚に成功した時、墓地から堕天使を1枚特殊召喚できる。私は堕天使ゼラートを召喚するわ」
堕天使スペルビア ATK2900/DEF2400
堕天使ゼラート ATK2800/DEF2300
フィールドに並び立つ3体の堕天使たち。放たれるプレッシャーに思わず圧倒される。藤原とのデュエル以来だな、こんなに上級モンスターが並び立っている状況というのは。ただ、統一されたシリーズのモンスターが並んでいるとまた違う感じがするが……しかし
「重力の網の効果で攻撃ができないのになぜ、という表情ね。秋人くん」
「……引いたんですか」
「ええ、もちろん。手札から『大嵐』を発動! フィールドの魔法、罠を全て破壊する!」
だよな。そうじゃなきゃこんなにフィールドに展開をしない……だが、俺もただでやられるようにデッキを組んではいない!
「破壊される瞬間、罠発動『和睦の使者』! このターン、相手モンスターから受ける全ての戦闘ダメージは0になり、自分のモンスターは戦闘では破壊されない!」
「なるほど、本当に粘るつもりのようね。ターンエンドよ」
「俺のターン! 手札から『天使の施し』を発動。3枚ドローして2枚を捨てる……来たな。俺は3枚目の『カエルスライム』を召喚!」
カエルスライム3 ATK700/DEF500
フィールドに並び立つカエルスライム3体。うん、普通に状況がシュールだな。堕天使3体が並び立つフィールドに対してこちらは3体のカエル。圧倒的にこっちは弱い……会場でも一体何を考えているのかと疑問の声が上がっている。まあ、そうだろうな……この世界での概念に「攻撃力の低いモンスター」「レベルの低いモンスター」というのは“ハズレカード”として見向きもされない事が多い。実際、十代のHEROは弱いモンスター、という評価だったしな。
「3体のカエルスライム……それで私の堕天使たちにどう立ち向かうのかしら?」
「それでは、お見せします……十代風にいうと、カエルたちにはカエルたちの戦う舞台というのがあるんですよ、先生! 俺はフィールド魔法『湿地草原』を発動!」
デュエル場が湿地草原へと姿を変えた。その影響か、カエルスライムたちのテンションが上がっているような気がする。
「このフィールドカードは自分フィールドの水族・水属性・レベル2以下のモンスターの攻撃力を1200ポイントアップさせる! よって、カエルスライムの攻撃力を1200ポイントアップさせる!」
カエルスライム1 ATK700/DEF500→ATK1900/DEF500
カエルスライム2 ATK700/DEF500→ATK1900/DEF500
カエルスライム3 ATK700/DEF500→ATK1900/DEF500
「そしてさらに、装備魔法『下克上の首飾り』を3枚、カエルスライム1とカエルスライム2、そしてカエルスライム3にそれぞれ装備する! バトルフェイズ!」
「……! バトルフェイズ!? 確かにカエルスライムたちはパワーアップしているけど攻撃力はまだ……」
「それはどうでしょうね、先生! カエルスライム1で堕天使ゼラートを攻撃! この瞬間下克上の首飾りの効果を発動する! このカードの装備モンスターがバトルするとき、そのバトルするモンスターとのレベル差×500ポイント、攻撃力をアップさせる! カエルスライムとゼラートのレベル差は6! よって3000ポイントアップさせる!」
カエルスライム1 ATK1900/DEF500→ATK4900/DEF500
「攻撃力、4900!? ……させないわ! 罠発動『獄炎』! 手札1枚をコストに攻撃モンスターを破壊し、その攻撃力の半分のダメージを与える!」
「げっ……!」
武藤秋人 LP4000→LP1550
カエルスライムが攻撃のために声を出そうとするが、その瞬間にカエルスライムは燃え上がり爆発してしまう。だ、ダメージがでかい。だが……!
「2体目は防げないはず……! 2体目のカエルスライムでゼラートを攻撃! いけ!」
「っ……!」
響みどりLP4000→LP1900
「そして、3体目のカエルスライムでスペルビアを攻撃! これで俺の勝ちです!」
「それはどうかしら? 速攻魔法『収縮』を発動! 攻撃してきたカエルスライムの攻撃力を半分にするわ」
カエルスライム3 ATK4900/DEF500→ATK2450/DEF500
カエルスライムが攻撃として声を上げて攻撃するが、その攻撃はスペルビアに弾かれてカエルスライムに激突。爆発してしまった。
「うわっ……!」
武藤秋人 LP1550→LP1200
「あなたの組み立てた作戦は見事だったわ。高いレベルのモンスターを使う人への対策といったところかしら?」
「その通りです。まあ、他のカードも入れていますけど。カードを1枚伏せてターンエンド」
「私のターンドロー! そろそろ決めようかしら……バトルフェイズ! スペルビアでカエルスライムをAttack!」
「罠発動! 『ガード・ブロック』! 相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動! 戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする!」
「けど、2度目は防げない……でしょ? 秋人君。アスモディウスでダイレクトアタック!」
「て、手札から『バトルフェーダー』の効果を発動! ダイレクトアタックを受けるとき、このカードを手札から特殊召喚してその後バトルフェイズを終了する!」
あ、あぶねぇ……今のドローで引いていなかったら負けていた。手札からの防御用カードは何枚か入れていたけど、さっきの段階では手札はなかったからな。というか、これで受けて負けかと思ってたわ。
「よく防げたわね。カードを1枚伏せてターンエンドよ」
「俺のターン……ドロー! ……! 『命削りの宝札』を発動! デッキからカードを5枚になるようにドローし、5ターン後にすべて捨てる!」
ここでこのカードを引けたのは運がいい。だけど、この5枚で2体の堕天使に通用するかどうか……通ると信じよう。
「俺は手札から『サイクロン』を発動! 先生の伏せているカードを破壊する!」
「伏せられていたのは『堕天使の幻惑』……このカードは相手の攻撃宣言時にしか発動できないカードよ。よってそのまま墓地へ送られる」
これでフィールドには2体の堕天使のみ。これなら行けるはずだ。
「手札から俺は『スピード・ウォリアー』を召喚! このカードは召喚したターン、元々の攻撃力を倍にする! そして装備魔法『進化する人類』をスピード・ウォリアーへ装備! 自分のライフが相手のライフより少ない時、装備モンスターの元々の攻撃力は2400になる」
スピード・ウォリアー ATK900/DEF400→ATK2400/DEF400
「……なるほど、つまり」
「そう、スピード・ウォリアーの効果で攻撃力は倍になる! バトルフェイズ! スピード・ウォリアーで堕天使スペルビアを攻撃! 『ソニック・エッジ』!」
スピード・ウォリアー ATK2400/DEF400→ATK4800/DEF400
スピード・ウォリアーが加速してスペルビアへと向かっていく。
(やったか…!?)
俺がそう思った途端、スペルビアへソニック・エッジが当たる直前に互いのソリッドビジョンが消え、スピード・ウォリアーの攻撃は当たることはなかった。
「「!?」」
一瞬、互いに何が起きたのかと驚くが、その直後にチャイムが鳴り響く。つまり、時間切れである。先ほど言っていた先生の制限時間である20分が経ってしまったのだ。俺の世界の大会などでは時間切れになってもそのターンの終わりまで行わせるのと、エキストラターンが存在する。しかしこのデュエルアカデミアでは生徒の数の多さゆえにきっちりそこで終わりということになっているのだ。故に20分経ってしまうとどんな状況であろうと終わり、引き分けとなってしまう。後数秒早ければ、俺の勝ちだった……が、残念ながらそれは叶わなかった。悔しいな。そう思っていると、みどり先生が近づいてくる。
「お疲れ様、秋人君。いいデュエルだったわね……もし、制限時間がなかったらあなたの勝ちだった。間違いなくね」
「ええ、それだけに悔しいです」
「でもいいデュエルだったわ。レベルの低い、攻撃力の低いモンスターたちを駆使して私の堕天使を追い詰めたんだから……それに、みんなもびっくりしているんじゃない?」
先生の言葉とともに、会場では拍手が巻き起こる。そして「がんばったな!」「やるじゃないか!」と、クラス関係なく声援が聞こえていた。引き分けなのでクラスの昇格などはないが、先生も評価には期待してね、と言ってデュエル場を降りていった。俺もデュエル場を降りると十代たちが駆け寄ってきていた。十代、翔、隼人、三沢、そして藤原、ツァン、明日香である。
「おつかれ秋人! 惜しかったな」
「ああ、十代。お疲れ様……もうちょっとだったんだけどな」
「そうね、驚きだわ。ボウヤ……レベルの低いモンスターでもあんなふうに活用できる。今日は勉強になったわよ」
「そうね、ボクも面白いデュエルだったと思う」
そう藤原やツァンが言ってくれたり、更には三沢が後でデッキレシピを教えてくれ、と頼んできたりとすぐに賑やかな場となった。そんな感じに会話を交わしながら、デュエル場を後にする俺たち。だが、そこでなぜか悪寒が走る。誰かに見られたような、そんな視線。それを感じた直後、おぞましいほどに寒気が走った。
「……!?」
「? 秋人、どうした?」
「今、誰かに見られたような……?」
視線を感じたのは観客席だが、多くの生徒達が試験を終えて帰ろうとしていてごった返しているため、誰が俺を見ていたのかはわからない。誰かに見られた、というだけで手汗が出ている。いったい、今のは何だったのか……そんな不安を抱えながらも、俺は十代たちとデュエル場を後にした。
*
デュエルアカデミア 食堂
『お疲れ様ー!』
初めての月一試験が無事に終わり、各自のPDAにはそれぞれ結果が送られてきた。筆記はマークシートだったし、午後は実技試験、とはいえこんなに早く試験の結果が出るとは先生たちどれだけ頑張ったのだろうか。それとも、脅威のKC社の技術なのか……まあ、気にしたら負けだろう。結果は全員が補習もなく終わりという結果になった。なので、みんなでパーティのようなものをしたいと十代が言い出し、デュエルアカデミアで食事を取ることになったのだ。基本、ここの食堂は夜にはやっていないのだが、月一試験の日は俺達のように騒いだりするやつや、採点を終えて集まる先生のために1日だけ夜も営業している。
「それにしても十代は良かったのか? ラーイエローにならないで」
「俺は赤が好きだしな。それに、クラスなんてどこだろうとデュエルはできるし」
「……そうか」
三沢の問いに答えながらエビフライを頬張る十代。一応、十代は万丈目に勝ったということでラーイエローへの昇格を言い渡されたのだが十代はそれを拒否し、オシリスレッドに残ることにしたのだ。その十代の言葉に三沢は少し残念そうにしている。確かに十代の言うとおり、クラスが違うことでの格差などは少しずつ無くなっているので十代にとってはクラスの昇格など些細な事なのだろう。まあ、仮に昇格しても荷物を移動させるのも大変だと思うのは……
「ボウヤも惜しかったわね。あと少しで響先生を倒せたのに……倒せていたら、イエローには上がっていたと思うわよ」
「ああ、そうだな……けど、次は勝つさ」
次はああいうデッキではなく、もっと殺意の高いデッキを使用するしか響先生に勝つ手段はなさそうだけど……それでも勝てるかはわからないな。先生、ちょっと手を抜いている感じもしたし。
「それでも成績は上位ね。ボクだって今回かなり勉強したのに」
言いながらツァンはその俺の成績表と自分の成績表を見比べている。5教科については俺も中身が大学生だからな、落ちないように復習した故に点数はほとんど落とさなかった。デュエルモンスターズは結構ミスもあったが、それでもマシだ。これが期末試験で更に広がるとなると、少し不安にもなるけどな。
「でも、今回は秋人のデッキには驚かされたわ。ローレベルモンスターデッキ……そんなデッキもあるのね」
「それだけどな明日香、あれだけじゃないぞ、ローレベルデッキ。例えばだけど、ワイトを使うワイトデッキとか」
「ワイトって……あのワイト? あのモンスターも戦えるの?」
と、不思議そうに首を傾げる明日香。あれ? でもワイトキングとかって出てきたのはGXの時代とかだった気がするんだけどな……まあ、やっぱりレベルの低いモンスターたちはあまり認知されていないんだろう……使い方によっては強くなるのになぁ、なんて思いながら明日香に説明をしたり、十代たちと騒いだりするなどして楽しく夕食を過ごすのだった。だが、その間も俺はあの時感じた視線のことが忘れられなかった。
それからしばらくして食事会は終わりを迎え、全員で寮の方へと歩き出した。帰ったらすぐに就寝時間だから急いでデッキとかもしまわないと。そう思いながらみんなと歩いていると、一人のオシリスレッドの生徒が歩いてきた。その生徒は俺達が通り過ぎると俺に声をかけてきた。
「よぉ武藤。久しぶりだな」
「……誰だ?」
突然声を掛けられて足を止める俺たち。だが、俺はその生徒を見たことがない……同じオシリスレッドならば、食堂なり廊下なりで顔を合わせることがあるはずなので、どこかで見たことはあるはずなのだが。それに、武藤秋人を知っているようだが、俺は知らないので首を傾げるしかないのだがなぜだろう……なんだか、コイツと目を合わせたくない。
「知り合いか? 秋人」
「心あたりがないんだが……どこかで会ったか?」
十代が俺に聞くが、俺もよくわからないのでそうその生徒に聞いてみた。すると、俺の言葉に一瞬呆けたような顔をした生徒だったが、すぐにその顔を歪ませ笑い始めた。まただ、コイツの笑いがすごく不快に感じる。
「あっはっは! 嘘だろお前! 『お前』が『俺』を覚えていないわけないだろう!」
「……どういうことだ?」
「本当に忘れたのか? よほどショックだったみたいだな……あの頃はさんざん“遊んで”やっただろ? なぁ? ……小学校の時によぉ」
そう言われた瞬間、突然俺の脳内でフラッシュバックが起きる。それは今日見た夢の記憶。一人の少年が何人もの同年代の子どもたちにいじめられている時の姿。殴られ、蹴られるという暴力、そして周りからの罵倒。挙句の果てに大事にしていたであろう、デュエルモンスターズのカードが入ったファイルに火を放たれるという、あの光景……そして、その顔が影でハッキリとしなかった子どもの一人の顔が鮮明に見え始める。カードを燃やした張本人の顔……今、目の前にいる男子生徒の顔が…!
「っ…! ……!?」
急に俺の身体は震えだし、目からはなぜかボタボタと流れ落ちる。体の震えを止めようとするも止まらない。そして突如、俺はその場に膝をついてしまった。
「秋人!?」
「どうしたの秋人!?」
体の震えは未だ止まらず、俺は倒れそうになる体を十代に支えられる。そして、ようやく理解した……この生徒は、武藤秋人を虐めていた人間の一人なのだと。
「思い出したか? ははは、相変わらず情けない顔してやがる。その顔はあの時と変わらねぇなぁ」
「お、ま…え……うぐ、うぇ!」
うまく言葉も出ず、歯もガチガチと震え始めている。挙げ句の果て、情けないことに吐き気まで出てきてしまった。これは、武藤秋人の「身体」がこの男に対して恐怖しているというのだろうか。そんな俺を見てか、十代がその笑っていた生徒を睨みつける。
「お前! 秋人に何をしたんだよ!」
「別に『今は』何もしてないさ……ガキの頃に、遊んだ仲だぜ。俺達が一方的に、だがな」
「……貴方、確か去年中等部で問題を起こして停学処分になっていた生徒ね。カツアゲ、暴行、夜遊び、強制のアンティルールデュエル、その上禁止カードを詰め込んだデッキでの強行デュエル、さらにデュエルディスクの改造……そのせいで進学はオシリスレッドになったという話も聞いていたけど、本当だったようね」
明日香がそう言いながら「遊んだ仲」というのを理解してか、同じくその生徒を睨みつけた。本来、デュエルアカデミアに中等部からいる人間は自動的にオベリスクブルーへと昇格できる。だが、その生徒は問題を起こして停学になったせいで退学こそ免れたがオベリスクブルーからの入学はできなかったようだ。
「はっ、それがどうした?それに、お前らには用はねぇんだ……俺はそこで蹲っている泣き虫君に用があるんだからよぉ」
「お、れに……?」
「そーだ、お前にだ……お前、どうやってあんなカード手に入れたんだぁ? お前が持っていたカードは1つ残らず灰にしてやったはずなのによぉ……しかも、あの先公にも勝てるほどの実力は無かったはずだぜ? それが気になってよぉ」
「カードを、は、灰ですって……? アンタ、秋人にそんなことをしたの!?」
ツァンの言葉に、生徒は笑いながら「そうだ」と応えて笑っていた。
「俺だけではなく、当時はクラスの殆どが加担していたなぁ……“あの”伝説の決闘者が親戚にいるくせに決闘はからっきし、その上カードを集めることしかできない根暗と来れば、俺達みたいなのが可愛がる的でしかなかったからなぁ……! そうだろ? 武藤遊戯の従兄弟、武藤秋人君よぉ!」
その生徒の言葉に、俺の意思とは反してその体の震えが増し、さらには逃げ出したいという恐怖心まで出てくる始末。そして同時に巻き上がってくる憎悪。許せない、許せない、許せない……そんな言葉が頭に響き渡ると、俺の中で何かがはじけ飛んだ気がした。
Side十代
まさか、秋人が遊戯さんの従兄弟だったなんて……だけど、そんなことで誰かを虐める理由になんてならねぇ! 何より、秋人は秋人で、遊戯さんは遊戯さんのはずだ。こいつも、それに秋人を虐めていたっていう連中も許せねぇ……!
「オラ、いつまで泣いてんだ。前みたいにカードを渡せよ。また灰にしてやるからよぉ」
「そんなことさせるかよ!」
俺はそう叫ぶと、近寄ろうとする生徒の前に立ちはだかる。すると、その生徒はどこか俺のことを馬鹿にしたかのように笑っていた。
「ハッ、友情ごっこか? 優しいねぇ……ならお前が俺にカードを渡すか? ああ?」
「誰がお前になんかカードを渡すか! デュエルだ。お前が勝ったら、俺のカードを……全部やる」
「アニキ!?」
「ほーう? それはおもし「ただし、俺が勝ったら、もう二度と秋人に近づくな」くくく、いいぜ、いいぜ、面白い! そのデュエル受けてやろう」
俺の言葉にみんなが驚く。俺だって本当はこんな風にデュエルをしたくない。だけど、目の前で友達が苦しんでいるなら助けたい。それに、こんな奴に負けるつもりはない。こんなカードを大切にしないようなやつ、決闘者でもなんでもねぇ! そう思いながら俺はデュエルディスクを腕に装着する。
「くくく、面白い! 良いだろう、デュエルを……おいおいおい、何やってんだお前」
「何が……って、秋人!?」
気配がしたので横を見ると、そこには腕にデュエルディスクとデッキを装着した秋人の姿があった。だが、その秋人の様子がどこかおかしい。目は虚ろで、焦点が定まっていない。それに、どこか雰囲気がいつもと違う気がした。
「どいて、くれ……俺がデュエルをする」
「秋人……!? だけどお前……」
「いい、から……十代が、やるんじゃ、意味が無いんだ」
そういって俺の前に立ち、秋人がデュエルディスクを展開した。そんな様子に秋人を虐めていた生徒はニヤリと笑ってデュエルディスクを展開する。
「お前から来るとはなぁ……どうせ今日のデュエルだってイカサマだったんだろぉ!? お前が強いわけねーもんなぁ!」
「……お前と言葉を交わす気は、ない。とっととこい」
「ほざきやがって雑魚が! 潰してやるぜ!」
「「決闘(デュエル)!」」
デュエルが、始まった。
リメイク前との違い
VS響先生の堕天使デッキ
本気出したら秋人のデッキは今回瞬殺だったかもしれん
秋人のデッキ変更
前は天使パーミでしたが、今回はカエルです。そろそろエクシーズとシンクロは出さないとなぁ……
勝敗
まさかの引き分け。決闘小説でこういうシーンはあんまりないかな? ということで導入。まあ、結果的には秋人の勝ちなんですけどね
ゲス生徒その2
本物の武藤秋人のいじめの主犯格です。ちなみに、私も昔カードを燃やされるということに似たようなことやられました。私の場合は発覚して相手の親が弁償してくれましたけどね…
次回、ノース校編は……
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十代と万丈目のデュエルが見たい
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デュエルよりも修羅場が見たい
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レジーを付け狙う生徒と秋人がデュエル!