遊戯王-孤独に巻き込まれた決闘者-R   作:秋風

16 / 53
遅くなって申し訳ない…こんな深夜に投稿して誰が見るんだよ、と自分で頭を抱えております

ちょっと仕事の方が忙しくなって遅れてしまいました。


GMS様 スターダスト様 うさぎたるもの様 ぢょにー様
渡り猫様 リョウタロス様 通りすがりの二次好き様 暗色様
遊霧様 助さん様 万屋よっちゃん様 赤鉄様 Ranperu様
Galcia様 龍牙様 ちにゃ様 読み専太郎様 navi様 アルグール様

感想。ご指摘、ご意見ありがとうございます。今回、一番感想が多かったかもしれません。これからも頂いた評価と点数以上になるように頑張ります

では15話です。少しずつ物語が進んでいきます


15「秋人と明人」

Side明人(秋人)

 

 そこは何もない、真っ暗な闇の中だった。目を開いているはずなのに、見渡す限り闇が広がっていた。唯一、自分の体が見えていることで自分の視力がなくなったわけではない、ということを理解できる。とはいったものの、それより……

 

「ここはどこだ? 俺は確か、あのオシリスレッドとデュエルをしていたはず、なんだが……あー、もう、なんで俺はエクシーズやっちゃうかなぁ。エクシーズはまだしも、社長にも見せていないRUMまで使っちまったし。俺のバカー!」

 

 さっきまでの行いがあまりに馬鹿過ぎて頭を抱えて思わず叫んでしまう。エクシーズ召喚はシンクロ召喚と同じくこの時代にはまだない召喚方法だけど、シンクロを使ってしまっている以上今更感もあった……故に近々使ってもいいかな、とか考えて持っていた。海馬社長も自分の青眼デッキにエクシーズを採用することも考えていたようだから使った時は問題ないかとも考えていた……が、まだ、社長にはRUMは見せていない。あー……多分だけどまた社長から電話来るなこれは……あー、なんて説明したもんかなぁ……そんなことを思いながらもう一度周囲を見渡す。駄目だ、何も見えねぇ……

 

「夢だとしても、目が覚めないことにはなぁ……」

 

 この世界での夢のなかとか、ろくなことがないぞ、絶対に。俺は座って今日起きたことについてを考えることにした。

 

「あの時、なんか……頭の中で何かが弾けたんだよな。あの生徒に対しての恐怖が怒りに変わって、無意識にデッキを選んで、自分で自重していたカードさえ戸惑いなく使って……まるで俺の意思ではなく、武藤秋人の身体がそうしたかったみたいに」

 

 あの時の俺は何もできなかった。身体は震え、立っていることすら困難なほどに。だが、突如身体は動き、口も動いた。まるで俺の意思などないものかのように、決闘まで始めた。言葉も、行動も、感情すら、あれは俺ではなかった。そう考えると本来のこの体の持ち主である「武藤秋人」の行動だったのか、とも考えたがそうなると、その武藤秋人は何処に行ったんだ、という話になってしまう。武藤秋人は何処に行ったんだ……

 

「あの時の夢は、やっぱり『武藤秋人』がいじめられていた時の記憶だったのか」

 

 この世界で初めて目を覚ました時、そして今日の朝見ていた夢…あれは武藤秋人がこの世界で受けたいじめの数々。力の暴力、言葉の暴力、嫌がらせ……そして、大切にしていた宝物を灰にされるという苦痛。理由はただ、伝説の決闘者が血縁にいながらも弱い、というただそれだけの理由で……。言えなかっただろうな、武藤遊戯にはこんなこと。お前が決闘(デュエル)が強いせいで自分がいじめられるんだ、なんて……そして、あの時の言葉

 

―――こんな世界、なくなればいいのに

 

―――この世界から逃げ出したい

 

 そんな彼の願いが、俺をこの世界に呼び寄せたのか。少なくとも、俺がこの世界に来ることになったきっかけには違いない。だが、その大本になった原因がわからん……遊戯のように千年アイテムを持っていたわけでもないだろう。だけど、この世界の“あの国”が絡んでいる可能性は絶対にあるんだよなぁ……遊戯王の世界のことを考えると

 

「どこかで調べてみる必要があるかもしれないな………うん?」

 

 そんなことを考えていると、どこからか声が聞こえてきた。声、というよりもこれは泣いている声だよな? なにかわかるかもしれん……そう思って俺は立ち上がりその声の方へと一歩、また一歩と歩いて行く。何処までも続く暗闇の中で、一人の人間が膝を抱えて座っていた。俺はこの男を知っている……黒い髪と、それに少し混ざった赤い髪……その人間は……

 

「武藤秋人……」

 

 俺はそう名前を呼んで声を掛けるが反応が無い。もしかして俺が見えていないのか? そう思って俺は気付いてもらおうと、膝に顔を埋めている少年を触ろうとする。しかし、その手は空を切り、そのままの勢いで地面があるであろう場所へと手が向かっていく。思わず手をつこうとするが、その地面はいつまで経ってもやってこない。

 

「え、ちょ、うああああああああああああああああ!」

 

 俺はそんな叫び声とともにその闇の広がる場所から落ちていくのだった。

 

*

 

 

デュエルアカデミア 医務室

 

Side十代

 

 秋人を医務室へと運びこんでしばらく時間がたった。秋人は未だ目が覚めてはいない。時刻はもう0時を過ぎていた。あれからまず明日香たちが職員室へと駆け込み、話のわかる響みどり先生に事情を説明してくれた。響先生もすぐに動いてくれたため緊急で職員会議が開かれているみたいだ。議題は勿論あのオシリスレッドの生徒についてだ。停学処分が解けて早々に改造されたデュエルディスクを使用し、さらには禁止カードを使ってまでデュエルをしたというのはかなり問題視されたらしい。秋人は今、別室で眠っている。その部屋から検査を終えて出てきたであろう保険医である鮎川先生に声を掛けた。

 

「先生、秋人は……」

 

「外傷は無く、バイタルも安定している……でも、それはデータ上だけの話ね。データとして反映されない“心の傷”。これは私でもどうしようもないわ……事情を聞いている限り、詳しくはわからないけどその問題を起こした生徒に対しての怒りが爆発した後、反動でこうなったと推測できるわ。最初はトラウマを思い起こしていたみたいだけどそれが限界を超えた結果と言ったところね……最悪の場合、目が覚めるかどうか」

 

「そんな……」

 

 秋人は何も悪くないってのに……クソっ! ついさっきまで楽しく笑っていて、一緒に騒いでたってのに、どうしてこんなことになっちまったんだ。

 

「それにしても、秋人があの武藤遊戯の従弟だった、なんてな」

 

「ええ、別に秋人も隠していたつもりはないと思うわ……ただ、言いたくても言えなかったって感じはあるけど……従兄が伝説の決闘者……それだけで、周囲は期待していたんでしょうね、もしかしたら秋人も強いんじゃないかって」

 

 三沢の呟きに、明日香がそう返した。確かに、その通りだ。俺も何も考えないで秋人が遊戯さんの従弟だって知ったら俺もそれを期待して決闘を挑んでいたかもしれない。

 

「秋人は目が覚めても秋人のままでいてくれるかしら?」

 

「どういうことだよ、ツァン」

 

「今まで知られたくなかったことを知られたのよ? 目が覚めたとき、ボクたちに変わらずいつもみたいに接してくれるかしら?」

 

 もしかしたら、学校をやめてしまうかも……と呟くツァンの言うことは、少し納得できた。知られたくないことを知られる。この狭い学園ではすぐに話が広まってしまう可能性だってある。ここにいるみんなはそんなことをしないと信じているけど、秋人が同じように思っているわけじゃない……でも

 

「確かに、秋人は遊戯さんの従弟かもしれねぇけど、秋人は秋人だ。俺たちが変わらなかったら、秋人も変わらないさ」

 

「そうだねアニキ。僕たちがいつも通りに秋人君に接すればいいんだ」

 

「そのとおりなんだなぁ……」

 

 そんな会話をしていると、部屋に響先生が入ってきた。どうやら職員会議は終わったらしい。

 

「あ、先生」

 

「こんばんは、みんな。秋人君は?」

 

「まだ寝ています」

 

「そう……なら、貴方たちだけにでも伝えておこうかしら」

 

 伝えておくってのは、多分あの生徒の事だろうな。いったいどうなったんだろう。

 

「違法改造を行ったデュエルディスクの使用、ルールを無視し、禁止カードを詰めに詰め込んだデッキの使用、さらに今までの問題行動をすべて含めて彼は退学になったわ。さらに言うと、KC社のブラックリストにも載るそうよ。彼は今後の生活の中で、デュエルモンスターズに関わることは一切できないと思っていいわ」

 

 響先生の言葉に、安堵する俺たち。これでまた、ただ停学処分とかだけだったらどうしようかと少し心配していたんだよな。もう二度とあんな奴の顔は見たくねぇし……それにしても、響先生が対応してくれて助かったぜ……この人じゃなきゃ、多分こんなに早くには動いてくれなかっただろうし

 

「秋人君には目が覚めてから伝えるわ。もう彼が怯えることはない。きっと「うわあああああああああああああ!?」っ……!?」

 

 響先生が言いかけたその時、秋人が寝ている部屋から悲鳴のようなものが聞こえる。俺はすぐに部屋のドアを開けた。そこには体の上半身を起こし、汗をびっしょりと掻いている秋人の姿があった。息は荒く、焦点が定まっていない。

 

「秋人! しっかりしろ!」

 

「ボウヤ、落ち着いて! 大丈夫だから」

 

「……十代、藤原、みんな? 俺は……」

 

 俺や雪乃の声で我に返ったのか、少し呼吸が落ち着き俺たちの事をその目が映していた。すると、秋人はその汗をぬぐいながら、不思議そうに周囲を見渡していた。

 

「ここ、保健室だよな……なんで俺、ここにいるんだ?」

 

「それなんだけど秋人君、あなたどこまで覚えているかしら?」

 

「……えーと、俺の事を虐めていた奴が出てきて、決闘して……えーと?」

 

「そう、そこまでしか覚えてないのね……」

 

 鮎川先生の言葉に首を傾げる秋人。あの時のアイツを殴ったこととかは一切覚えていないみたいだな。

 

「デュエルの後に緊張の糸が切れて気絶したのよ、ボウヤ」

 

「あー……そうなのか、すまん、迷惑をかけたみたいだな」

 

「気にするなよ、お前は何も悪くないんだからさ」

 

 俺がそういうと、秋人は「ありがとう」と言って、笑っていた。よかった、どうやらいつもの秋人に戻ってくれたみたいだ。

 

「そういえば、俺がデュエルをしたあの生徒はどうなったんだ?」

 

「ああ、それなんだけど……」

 

「私が説明するわ、十代君」

 

 そう言って響先生が出てきて、秋人に事情を説明してくれた。響先生はとりあえず、もう秋人はあの生徒に悩まされることはないと説明した。秋人もそれを聞いて安堵のため息をついている。

 

「教師を代表して謝罪するわ。あんな生徒を高等部に上げてしまったことも今回の騒動の発端だし……その生徒からの話では何人かの先生があの親に金を掴まされていたようなの。その教師も後日処分を検討している……ごめんなさいね」

 

「そうですか……教えてくれてありがとうございます」

 

「さて、とりあえず貴方たちももう自分の寮に戻りなさい。明日は休みとはいえ、就寝時間は過ぎているんだから」

 

 そういえばもう0時過ぎていたっけか。思い出したら眠くなってきたぜ……秋人も大丈夫みたいだし、帰るとするか。

 

「秋人君は大事をとって、今日はここで寝てね」

 

「あー…はい」

 

 それじゃあね、と響先生が出て行った。俺たちもそれに続こうとすると、秋人が俺たちに待ったをかけた。

 

「みんな、悪かったな。色々迷惑かけて……それに、遊戯兄さんのことを黙っていたのも」

 

「気にすんなよ、俺たちは友達だからな! それに、秋人は秋人だ」

 

「そうっス! 武藤遊戯さんは関係ないっスよ」

 

「別に遊戯さんの従兄だからって変な目で見たりしないんだなぁ」

 

「そうだとも、お前はお前だ」

 

「それに、言いたくないことなら別に言う必要はないでしょ?」

 

「私は武藤遊戯に興味はないわ。興味があるのはボウヤ、貴方ですもの」

 

「ボクも同じ。そんなことより、早く寝なさいよ……?」

 

 俺の言葉の後、翔、隼人、三沢、明日香、雪乃、ツァンがそうそれぞれ言葉をかける。その言葉に、秋人は笑みを見せてくれた。

 

「ああ、そうだな……おやすみ、みんな」

 

 

 

 

Side秋人

 

「ふぅ……」

 

 十代たちが出て行った部屋で俺は患者用ベッドの上で横になった。すると、それを見計らってかミラがカードから姿を現した。

 

「(マスター……その、お加減はいかがですか?)」

 

「ああ、もう大丈夫だよ……ごめんな。心配掛けただろ」

 

「(いえ、いつものマスターになってくれてよかったです)」

 

「……いつもの、か。さっきの俺はそんなに怖かったか?」

 

 俺の言葉に、ミラは驚いた表情を見せていた。

 

『もしかして……デュエルの後のこと、覚えていたんですか!?』

 

「一応、お前が魔法みたいなのを使ったところまでは覚えているよ。あの時は俺も止めようとしたんだが、歯止めが聞かなかった……武藤秋人はそうとう虐められていたとみえる」

 

『あの、マスター? 仰っている意味がよくわからないんですけど……』

 

 そう言って首を傾げているミラ。ミラになら喋っても大丈夫だろう。俺の事を……次、こうなったときにミラならすぐに対処してくれそうだしな。

 

「ミラ、お前には本当のことを喋っておくよ」

 

 俺はそういって、ミラに説明する。俺が別世界で生きていたこと、この世界が俺の世界ではフィクションとして登場した漫画、アニメの世界だということ、ある日突然、大量のカードたちと共に“武藤秋人”へと憑依してしまったこと。そして、そうなってしまった原因と元の世界への帰還方法を探すためにこのデュエルアカデミアへと入学したこと。ここ最近で見た、武藤秋人のことと、武藤秋人の言葉。説明を終えてミラを見ると俺の話についてこられないのか、それとも信じていないのか、驚いた表情から固まったままでいた。

 

「つまり、俺は武藤秋人であって武藤秋人ではない。器は武藤秋人だが中身は別人なんだ」

 

「(マスター……でも)」

 

「……おそらくだが、武藤秋人もカードの精霊を見ることが出来たんだろう。元の世界で俺にはそんなすごい能力は無かったからな。きっとミラは日向明人(俺)ではなく、武藤秋人の精霊で……「(違います!)」ミラ?」

 

 俺が言葉を言い終える前に、ミラは強く叫んで俺の言葉を否定して俺を睨み付けていた。

 

「(マスターは優しくて、良い人で、いつも他人のことばっかり心配している方で! 例えマスターが“武藤秋人”という人物でなかったとしても! 私は『あなたの』精霊なんです! そんなこと言わないでください!)」

 

 若干、涙ぐみながらもミラは大声で一気にそう俺へと怒鳴りつけた。肩で息をしながらボロボロと涙をこぼすミラ……その言葉が嬉しくなり、笑みがこぼれる。

 

「(マスター?)」

 

「ありがとう、ミラ……そう言ってくれると嬉しいよ。そうだな、俺は、俺だ。あの泣いていた武藤秋人をこの体に戻して、元の世界に帰れるようにしないとな……それまで俺の相棒として、俺を助けてくれ、ミラ」

 

「(……はい、マスターのためなら)」

 

 その言葉を聞いてから俺は静かに眠りにつくのだった。

 

 

 

 

Sideミラ

 

「……元の世界に帰るために、か」

 

 マスターが寝てから、私はその言葉を繰り返していました。私はカードの精霊。確かに私も本来ならこの世界には存在しないカードなのでしょう……気が付いた時にはもう目の前にマスターがいたのですから、私の知っている知識とはかみ合わない。私という存在は間違いなく、マスターがこの世界に来たことによって生み出された存在……だからこそ、です。マスター…優しいあなたの事です。これからも武藤秋人の魂が本当の体に宿っても困らないように貴方はこの世界で生きていこうとするのでしょう。でも、マスター…貴方が繋いだ絆は貴方だけの物……決して、帰ってきた魂の絆にはならないんですよ? それに、私に手伝ってほしいと言っても、私、本当は手伝いたくないんです……だって、マスターの言葉通りなら元の世界に戻ってしまったら、私とももう会えないかもしれないんですよ? その時私はどうしたらいいんですか? 教えてください、マスター……

 

「ミラ、大丈夫か?」

 

「……ええ、大丈夫です。やはり、お近くにいらっしゃったんですね?」

 

 不意に後ろからかかった声に振り返り、私は目の前に立つ2人の人物にそう聞いた。1人は黒い魔術師のローブに身を包んだ男性。名前は「ブラック・マジシャン」……魔法使い族として高位に位置する方。そして、もう1人は青と桃色の衣装を身に纏った女性。名前は「ブラック・マジシャン・ガール」。お二人も私と同じくデュエルモンスターズのカードに宿る精霊であり、そして武藤遊戯の精霊でもあります。

 

「うん、お師匠様と一緒にお話は聞いてたよ。ごめんね、盗み聞きになっちゃって。本当は私たちの事をこの子に教えてあげるべきなんだけど……マスターにも、この子の手助けをして欲しいって言われていたのに」

 

 ブラック・マジシャン・ガール、こと、マナさんは言いながら眠っているマスターの頭を優しく撫でている。お二人の存在は、ブラック・マジシャンことマハードさんからまだ隠していてほしいということでした。というのも、マハードさんいわく、昔見た“武藤秋人”とは違いすぎる……と、その動向を探っての事でした。結果的にはマハードさんの言うとおり、マスターは別世界から別人格が宿っていることがわかりました。

「この世界は彼にとっては空想の世界と類似した別世界、か。まさか、我々が架空の存在として物語に登場する者になるとはな」

 

「びっくりですよね! 遊星君とか、未来の十代君のこととかである程度耐性はついているつもりでしたけど」

 

「……そうだな」

 

「それにしても、どうして秋人さんの体に別の人の人格が入ったんでしょう?」

 

 それは、私も気になるところです。私もマスターと同じようにこの世界に来た途端に生まれた存在なのでその辺がまったくわかりません……

 

「彼の言っていた『武藤秋人』の願い……それがトリガーとなったのは間違いないが、そうなった原因がわからないから何とも言えん。もしかしたら我々の知らないところで何かが動いているのかもしれん……」

 

 そう言ってマハードさんは腕を組んで考えている。お二人は今後どうするつもりなんでしょうか……そう思っていると、その疑問をそのままマナさんがマハードさんに聞いてくれました。

 

「お師匠様は結局どうなさるおつもりなんですか?」

 

「……マスターは我々を封筒に入れる前に言った。『彼を守ってくれ』と。だが彼は『武藤秋人』ではない。しかし」

 

「今の秋人さんも放ってはおけない……ですよね?」

 

「ああ、その通りだ」

 

 マナさんはそういってマハードさんに笑顔を見せます。どうやら、お二人もマスターのことを一緒に支えてくれるようです。

 

「普通なら、いきなり別の人間に乗り移ったなどとなれば混乱したり発狂したりするものだ。しかし、彼はそれでも元の世界に帰ろうとしている……それが、本来の武藤秋人という人間のためにならば、我々もそれを見届ける必要がある」

 

「ですよね! お師匠様! よーし、がんばるぞぉ!」

 

「とはいっても、現段階ではマスターも我々を使ってくれないので我々が見えていないから力の貸しようがないがな」

 

 どうも、マスターは普通に見える精霊と、デュエルで使わないと見えない精霊という分野があるらしい。私やマハードさん、マナさんは後者で、ハネクリボーは前者でした。

 

「でもきっと、そのうち使ってくれますよ」

 

「そうは言ってもミラちゃん、私のカードは世界に1枚しかないカードなんだよ? 自慢じゃないけど、私なんか使ったらシンクロ召喚やエクシーズ召喚なんかより騒ぎになっちゃうよ」

 

「そうですね……マスターがマナさんを使わざるを得ないイベントか、それともマナさんに気づいて召喚してくれればいいんですけど」

 

 そうだよねぇ、とため息を吐くマナさんに苦笑しながら、私は眠っているマスターを見る。これから先、またきっと悪いことが起きる……でもマスター、きっとあなたの事は私が守ります。この先、何があっても……たとえ、この命を投げ出してでも、守りますから

 




リメイク前との変更点

校長先生登場せず
あの時のを振り返ると不自然だったな、と。なので、今回はみんな大好きなみどり先生に登場して頂きました

ブラマジ登場
ようやく登場です。お前たちのデッキはもうできているんだ……はやく書かせてくれ…
前作ではミラが見えるようになる話で登場でしたが、今回はちょっと遅く登場です

NEXT 16「闇の決闘」

次回、ノース校編は……

  • 十代と万丈目のデュエルが見たい
  • デュエルよりも修羅場が見たい
  • レジーを付け狙う生徒と秋人がデュエル!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。