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感想ありがとうございました。これからも感想、ご意見、ご指摘などお待ちしております
神崎蓮也様
小説評価ありがとうございました。頂いた評価をしっかりと受け止め、頂いた評価以上の小説を書けるよう努力してまいります
さて、27話です。今回は数話ぶりにあの人が登場です。では、お楽しみください
Side秋人
雪乃そしてツァンからの告白を受けて早5日。ツァンも、俺も、風邪が治りなんとか完治した。というか、次の日にツァンはすっかり治っていて、俺だけが治るのが遅かった。元々この体、俺が入って以降でかなり無理をしていたからな。そのせいもあるだろう。前の世界の時の体よりだいぶ脆い。今度からトレーニングでもしようかな。あれから結局、俺自身の事を2人に打ち明けてはいない。風邪のせいでそれどころではなく、看病をしてくれる2人にそんなことをいきなり打ち明けることはとてもではないができなかった。またどこか話せる機会があればいいが、信じてくれるかと不安がある。さて、話は変わるが今日からは完全にアメリカ校も休校となるため人が激減する。なので、俺はとある人物に連絡を取ることにした。それはこのアメリカに来る途中で出会った人物……
『やあ、秋人じゃないか』
「どうも、マリクさん」
その人物の名はマリク・イシュタール。かつて千年丈を保有し、レアカードを強奪する犯罪集団である「グールズ」を組織した人物である。もっとも、現在はその影も形も見当たらないのは確かだが。
「エジプト展はまだやってます?」
『ああ、あと数日で終わるけどね。やっぱり興味あったのかい?』
「ええ、一応」
『そうか。じゃあ博物館の場所をメールで送っておくね。当日は入口で会おう』
「ええ、宜しくお願いします」
そう言って電話を切って椅子の上に座る。これでとりあえず約束は取り付けられた。何かわかる可能性は低いかもしれないが、何もしないよりはマシだ。そんなことを考えていると、俺の部屋の扉がノックされる音が響き渡る。その後に扉が開く。そこには雪乃とツァンの姿があった。
「秋人、そろそろ夕食だけど一緒に食べに行きましょう」
「ああ、今行く。ちょっと待ってくれ」
デッキをケースにしまって、さらに鍵のついた鞄にそれを仕舞い込んでから、すっかり馴染んだ赤い帽子を被って雪乃たちと合流する。で、その後に両脇に二人が立つのはもう慣れてしまった。たまに手を握ってきたり、腕を絡ませてきたりは前から雪乃がやってきているので慣れてはいるものの、ツァンまでそれをやってくるというのは…………まあ、あれだ。意外だった。そして2人が俺へ告白するきっかけであり、目の敵にしているレジーはと言えば、実家に帰っているのでいない。メールで近々、うちに遊びに来てとか言っていた。
「ね、秋人。明日は観光巡りに行かない?」
「あー……それなんだけどさ、ちょっと俺、用事があるんだ」
「用事? このアメリカに?」
「ああ、人と会う約束をしていて、その人の「女?」……いや、男」
誰かと会うと、言う言葉に対して雪乃から鋭い視線が飛んできた。まあ、大方レジーのことと予想をしているのか。
「じゃあボク達も行くわ。いいでしょ?」
「あー……わからん、一応後でメールしてみる」
「で、誰なの? 会う人、というのは」
「空港で少しだけ会っただろ? 第一回、バトルシティトーナメント準優勝者のマリク・イシュタールだよ」
俺の言葉に驚く二人。あの空港での一幕ではマリクとは喋る機会はあまりなかったからな。特に二人は恐怖でそれどころではなかっただろう。夕食後、メールの結果OKという内容のメールが送られてきていた。
*
翌日 ワシントンD.C. スミソニアン博物館
「ここがワシントンD.C.最大の博物館、スミソニアン博物館……」
「初めて来たけど、広いわね……」
「ああ、ここはいろんなものが展示されているからな」
アメリカ、ワシントンD.C.にあるスミソニアン博物館。ここは前の世界にもあった……いわば、実在する博物館だ。スミソニアン博物館はワシントンD.C.とその周辺に位置する総合博物館・研究施設で、その規模は文字通り古今東西からありとあらゆるものが集められたすさまじいものであるにも関わらず、入場料は一切タダという……とんでもない博物館である。ちなみに、その集められたものというのが所有者を不幸にするという『ホープ・ダイヤモンド』、アポロ17号が月から持って帰ってきたという『月の石』、人類史上初めて人を乗せて空を飛んだ『ライト兄弟の飛行機「ライトフライヤー号」』の複製機、さらには本物の『スペースシャトル』や、『家庭用核シェルター』、徳川13代将軍・家定の正室、天璋院篤姫が婚礼で使用したと確認された『駕籠』とか、あと、昔は期間限定で『スーパーファミコン』とかも置かれていたのを覚えている。他にも恐竜の化石や巨大象のはく製など、上げればキリが無い。そんな博物館の入り口には特別出張展示エジプト展の看板が置かれている。そしてその入口の前に1人の男性の姿があった。褐色の肌に、薄い金髪の男性の姿
「マリクさん、お久しぶりです」
「やあ、秋人。久しぶりだね……それと、君たちが秋人の友達だね。僕はマリク・イシュタールだ……といっても、空港ではその姿を見ていたけど」
「は、初めまして……! ツァン・ディレ、です」
「藤原雪乃、です。初めまして」
紅葉さんの時以上に緊張している二人……まあ、二人も決闘者だから『バトルシティトーナメント準優勝者』という肩書を持つ決闘者が目の前にいれば、緊張するのも無理はないだろう。
「ははは、そんな緊張しなくても……じゃ、早速行こうか。中で姉さんやリシドも待っているし」
「お姉さん……というのは、確か、決勝トーナメントで海馬社長と闘ったイシズ・イシュタールさんでしたよね。あと、リシドさん、というのは決勝トーナメントベスト4にいた城之内克也さんとデュエルをした人でしたっけ」
「ああ、その通りだ」
そう言って歩く俺達だが、この第一回バトルシティトーナメントに関しては記録映像があり、それを見る機会は何度か存在している。リシドに関しては最初「マリク・イシュタール」と名乗ってはいたが、のちに訂正などが文章で書きしめされているのでリシドの名についても広く知られている。で、その有名人がこの博物館に後二人もいるとなれば……まあ、二人は緊張しまくりである。出かける前はデートだとか言って二人とも上機嫌だったのだが、今はそんな余裕もなさそうだ。様々なものが展示されているのを横目に、エジプト展が行われている場所へと辿り着いた。さすがはアメリカの博物館と言ったところか、期間限定用の展示場も広い。
「すごい……こんなに展示物があるなんて」
雪乃の言葉に同意する。アニメや漫画などではそこまで多く取り扱っているような感じはしなかったのだが、その広い展示場に並べられた数々の展示物はその長いエジプトの歴史を語るには申し分のない物だ。発掘された貴重な宝や千年アイテムのレプリカなどが並ぶ中、俺はそのガラスケースの中に飾られた1つの壁画を目にする。
「……これが」
「(おー! お師匠様とファラオですね!)」
「(うむ、そうだな……お久しぶりです、ファラオ)」
その壁画にはこの世界におけるデュエルモンスターズの原点ともいえる物が飾られていた。1人はドラゴンを、そしてもう1人は魔術師を石版から出現させ対峙する1枚の絵。これがファラオこと、アテムと神官セトのデュエルを描いた壁画……まさか、実物をお目にかかることになるとは思わなかった。マハードもそのファラオ、アテムの絵を見てどこか懐かしんでいるように見える。俺は二人に懐かしいなら見てきてもいいといって許可を出す。二人にも思うところはあるだろう。
「ん?」
そんな二人を見送った後、その隣にはまた別の壁画が置かれているのが目に入った。なんだこの壁画……ほとんど文字が潰れているし、絵も掠れていて見えない……けど
「これは、扉か?」
そのわずかに見えるのは扉のような絵……そして3つのモンスターを描いたような姿。そして、1匹の竜……これも戦いを現しているのだろうか。
「それは最近出土した壁画です」
「っ……!? 貴女たちは……」
褐色の肌に黒い髪をした女性がいつの間にか俺の隣に立っていた。その横には顔にタトゥーを刻んだ大柄な男性が立っている。
「申し遅れました。私はこのエジプト展の責任者、イシズ・イシュタール。こちらは付き人のリシド。初めまして、武藤秋人……遊戯のご親戚とマリクから聞いています」
「初めまして……武藤秋人です。それで、この壁画には何が?」
「正直な話、この壁画は私たちでもまだ解析が出来ていません。ただわかるのは隣の壁画……名も無きファラオの後の時代の出来事を記したものである、と」
名も無きファラオ……アテムが王として君臨した後の時代の出来事。これは俺も完全に分からない話だな……
「この時代の壁画はまだ新しいものだ。しかし、これは故意に消された跡がある」
「故意にって……どうしてそんなこと」
説明をしてくれるリシドの言葉に、思わず俺はそんな言葉をこぼす。しかし、リシドは首を振る。だが、イシズは俺にその予測を教えてくれた。
「もしかしたら、何か未来に記してはならないものだったのか……それとも、何者かが未来にこれを知られるとまずいと思ったのか……」
「…………」
「イシズ様。そろそろ」
「ああ、もうそんな時間ですね。秋人、そろそろマリクやお友達と合流して、一緒にお昼にしましょう。ここのランチは絶品ですよ?」
「あ、はい。そうですね……是非」
俺はそのイシズの言葉に従い、共にマリクたちと合流するために館内を進む。ただ、あの壁画の事は、どこか気がかりではあった。
*
博物館 食堂
「どうかしら?」
「ええ、とてもおいしいですよ」
リシドが持ってきてくれた食事を食べる俺達。席には俺と雪乃、ツァンの他、マリク、イシズ、リシドが座って食事をしている……が
((味が判らない……))
そんな表情の二人である。まあ、あのバトルシティトーナメント本選に出た人間8人のうち3人が同じ席に座って一緒に食事をすればそりゃ味もわからないか、俺の場合は海馬社長のせいで嫌でも慣れてしまったのもあるけど……聞いた話、あのバトルシティは初めて神のカードが人目に触れるなど伝説的なものが多かった。伝説の決闘者はなにも遊戯だけではない。その名を連ねた者たちは伝説(レジェンド)は初のバトルシティで名を連ねた者たちにも与えられていた。故に、あの迷宮兄弟も遊戯と闘っただけで有名、というわけである。
「そういえば秋人たちはデュエルアカデミアから来たのでしたね。デュエルはよくするのでしょう?」
「ええ、最近では皆さんが知っている人だと……海馬社長とデュエルをしました」
「セトと……ですか? 最後に彼に会ったのはいつだったか……」
社長の名前を聞いて驚くイシズ……さん。どう見ても、俺の言葉と共に雰囲気が変わっている。あれ? 俺なんか変な地雷踏んだ?
「セトはどうでしたか? 元気そうでした?」
「え、ええ……それはもう、かなり」
上機嫌に高笑いして攻撃力4500のモンスターで連続攻撃をしてくるくらいには元気でしたよ、はい。
「そうですか……最近会っていないのに……連絡だってしたのに……自分はアカデミアで生徒とデュエルなんかして……だったらもっと私と会う時間を……」
と、なにやらブツブツと言い始めるイシズさん。すると、俺の腕をグイとマリクが引っ張ってくる。
「(あ、秋人、姉さんの前で海馬の名前は出さないでくれ! 姉さん、最近海馬から連絡もらってないから凹んでいるんだ!)」
え、マジでか……まさかとは思うけど……まさかねぇ。いくら漫画やアニメでそういう描写がなかったとはいえ……あの反応、マジで?
「(マジすか、マリクさん、リシドさん)」
「(うん、マジだ。オベリスク託したり、本戦で戦ったりしてて…………そのほかにも、色々あってね)」
「(その上、連絡先は知っていても海馬も多忙故にメールでしか返事をよこさないのだ)」
うへぇ……この世界の二人ってそんな感じなのかよ。そういえば、前に社長とテレビ電話したときに花とか送ってあったのが見えたけど……あれ? 社長の嫁は青眼(キサラ)……ああいや、それは神官セトのほうだ、うん。現実的に考えればそうなることもあるよな。マリクを救えないって言って一度あの島で死ぬつもりだったイシズを見て社長も遊戯にカードを託してたし……それに、この世界はその本編から何年も先の世界。その間に、色々あったんだろう、うん。この後、マリクたちが何とか話を逸らすことで何とかするのであった。
*
エジプト展エリア
「……やっぱり、気になるんだよなぁ」
一人、俺はエジプト展エリアに食後戻ってきた。この壁画、やはり気になる。3体の巨大なモンスターと、1体の竜……このモンスターの形、形だけならデュエルアカデミア地下に封印されているという三幻魔のカードに似ているような気がする。それはM&Wを生み出したペガサスがそれを基に作ったのだとしたらなんの違和感もないのだが……問題はこの扉と、竜。この扉は幻魔の扉に見えなくもない……だが、このドラゴンの姿。これはまるで……
「その壁画、興味がおありかい?」
「え? ええまあ……不思議だなって。エジプト局の人が『故意に消された可能性がある』って言っていましたから」
俺はいつの間にか横に立っていた老婆にそう返した。老婆は俺の言葉にそうだねぇ、と言いながら壁画を見つめる。
「世の中にゃ、残しておくべき記録と、残すべきでない記録があるさね……」
「これは後者だと……? でも、何故?」
「ヒッヒッヒ……もしかしたら誰かが似たようなことを起こしてしまわないようにかもね」
……誰かが、同じことを? これはいったい、何を現しているのか……
「この古代文字には断片的だけど書かれているのは『異世界』『冥府』『希望』『絶望』、そして『未来』……ヒッヒッヒ、どうしてそんなものが書かれているのやら」
「おばあさん、この文字読めるんですか?」
「ああ読めるとも……なんせ『精霊界の文字』と同じだからねぇ」
……!? 待て、この婆さん今なんて言った!? 精霊界の文字だと!?
「婆さん、アンタ何者だ……」
「あたしゃ、しがない旅の旅行者さ……お前さんこそ何者だい? 『精霊を3体も連れて』。さっきからウロウロ見ているあの子たちもお前さんの精霊だろ?」
「っ……!?」
この人にも、カードの精霊が見えるってのか!? さっきから懐かしそうにマナやマハードはこの辺を徘徊していたが、それが見えるとは! その言葉に警戒してか、俺の一番近くにいたミラが杖を構える。
「ヒッヒッヒ、御嬢さん。そんな物騒なもんしまいなさいな……あたしにゃ効かないよ」
「(何者ですか……)」
ミラも驚きを隠せない。俺も同じくだが、戻ってきてくれたマハードやマナも、警戒しているのが判る。
「そうさねぇ、本職はしがない占い師さ。1つ、アンタに助言をしてあげるよ。『今のままじゃ』アンタの目的は達成できない。もっと変わっていかないとねェ……そして、その『時』が訪れたとき、アンタは選択肢を迫られる。それがどうなるかは……アンタ次第だよ」
そう言って婆さんは歩いて行ってしまった。俺たちは呆然としてその老婆を見送ることしかできなかった。老婆はやがてその人ごみの中へと消えてしまうのだった。
「今のままじゃ、ダメ……って、どういうことなんだ」
「(マスター……大丈夫ですか?)」
「(ん、大丈夫だよ……)」
そろそろ戻らないとさすがに怒られるな。あの婆さんの言っていたことも気になるけど……頭の隅に置いておくことにしよう。そう心に決め、みんなのところへと戻ることにするのだった。
完全新規でのためリメイクとの比較は無し
マリク、イシズ、リシド登場
あと数話で別のDM勢も出るんじゃよ
イシズと海馬の関係
私的にこのカップリングはすごく好きだったので今回はこのような感じに。本来なら海馬×青眼(キサラ)ですが、人間同士にするとこの2人も好きです
壁画について
後々、秋人に必要となるもの
ただし、セブンスターズ編までは特にない
謎の老婆
この老婆はまたの機会に登場
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次回、ノース校編は……
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十代と万丈目のデュエルが見たい
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デュエルよりも修羅場が見たい
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レジーを付け狙う生徒と秋人がデュエル!