※今回、ものすごくデュエルが長いです。プレミなどがある可能性が大ですので、修正加筆お待ちしております!
「俺のターン! ドロー!」
フィールドには壁のモンスターが2体。だが、伏せカードが1枚伏せてある。これが武藤遊戯のデッキである以上、伏せられた罠はミラーフォース、もしくは魔法の筒……と、考えるのが妥当か? 他にも呪縛などもあるかもしれない……そう考えると黒・爆・裂・破・魔・導で一掃できれば話が早いのだが、生憎手札にはない。
「バトルフェイズ! ブラック・マジシャンでバフォメットを攻撃!」
「今、攻撃と言ったな? この瞬間、罠発動!『聖なるバリア-ミラーフォース-』! 相手の攻撃宣言時、相手攻撃表示のモンスターを全て「墓地のマジシャンズ・ナビゲートの効果発動!」何!?」
「墓地のこのカードをゲームから除外することで、相手の表側表示の魔法、罠をエンドフェイズまで無効にできる。よって、ミラーフォースは無効となる」
俺の言葉と共に魔導陣が出現し、そのミラーフォースのカードに何か魔法のようなものがかかり、その効力を失ってしまう。そして、そのままバフォメットは破壊された。
「そして、マジシャンズ・ロッドで幻獣王ガゼルを攻撃! さらに、ブラック・マジシャン・ガールでダイレクトアタック!」
「させるか! 手札の『クリボー』を捨てて効果発動! そのバトルダメージを0にする!」
最後の1枚はクリボーか……まさか、今の攻撃を防がれるとは思わなかった。確かに、今のシーンは武藤遊戯もやりそうだが……神楽坂は果たしてどこまで武藤遊戯になりきれるのか。フィールドには何もない……この状況でどうするのか
「……俺は『ワンダー・ワンド』をマジシャンズ・ロッドに装備し、生贄に捧げる。これによりカードを2枚ドロー。カードを2枚伏せてターンエンド」
「俺のターン! フッ……来たぜ、俺の逆転のカードが。魔法カード『天よりの宝札』! 互いのプレイヤーはカードを6枚になるようにドローする!」
天よりの宝札……神楽坂はハンドレスから6枚になるようにドロー……ここからの6枚ドローでどう動くかがわからんな。
「そしてドローフェイズ以外のドローで『ワタポン』をドローした! よって、このカードを特殊召喚する!」
ワタポン ATK200/DEF300
「さらに! このワタポンを生贄に捧げ、ブラック・マジシャン・ガールを召喚!」
ブラック・マジシャン・ガール ATK2000/DEF1700
フィールドに現れるブラック・マジシャン・ガール。が、しかし、その色がかなり違っていた。肌は褐色で、衣装は赤や黒を基調とするなど、どこかパンドラマジシャンを彷彿とさせるデザインのブラック・マジシャン・ガールである。恐らく、コピー故の姿なのだろう……が、ブラック・マジシャン・ガールは確か遊戯王DMIII 三聖戦神降臨の大会告知がされた時、その公開されたガールのイラストは初期イラストとは全く異なる形であり、色もあのカードのように色黒……というより、パンドラマジシャンに近いようなものだったという。実物を見たことが無いので何とも言えないが……本物はどうやらあの姿には納得していないご様子だ。フィールドの中にて、大声で怒っている。
『なにあれ!? あれってもしかしなくても私!? あんなの私じゃないぃ! 私あんな色黒じゃないもん!』
と、マナはご立腹だ。黒ギャルのブラック・マジシャン・ガールというのもかなりインパクトはあるんだけどな。マナがマナだった時代には彼女は色黒だった気もするが……そこは深くツッコミを入れないでおこう。
「更に、『強欲な壺』を発動してカードを2枚ドロー! 『魔法石の採掘』を発動して手札2枚をコストに『天よりの宝札』を加え、カードを2枚伏せる! 更に『天よりの宝札』! 更に『手札抹殺』! 互いのプレイヤーは全て手札を捨て、再び同じ枚数ドローする!」
今のドローからここまで使いまくるか……あのドロー運、確かに武藤遊戯に近いかもしれない。手札を捨て、手札を引き、得た神楽坂の手札は現在5枚。俺は6枚から全て捨てさせられ、再び6枚をドローした。フィールドにはブラック・マジシャン・ガールと、伏せカードが2枚。さて、ここからどうくる?
「今伏せていた装備魔法『魔術の呪文書』を装備する! ブラック・マジシャン、またはブラック・マジシャン・ガールの攻撃力を700ポイントアップさせる!」
ブラック・マジシャン・ガール ATK2000/DEF1700→ATK2700/DEF1700
「行くぜ! ブラック・マジシャン・ガールでブラック・マジシャンを攻撃! 『黒・魔・導 爆・裂・破』!」
「ぐっ!」
『ぬぅっ……!』
『お師匠様!』
武藤秋人 LP4000→LP3800
破壊させるブラック・マジシャン。そのブラック・マジシャンを破壊したことで、マナと、相手のブラック・マジシャン・ガールの攻撃力が上昇する。これでガールの攻撃力は3000……
ブラック・マジシャン・ガール(マナ) ATK2000/DEF1700→ATK2300/DEF1700
ブラック・マジシャン・ガール ATK2700/DEF1700→ATK3000/DEF1700
「メインフェイズ2で『サイクロン』を発動して、黒の魔導陣を破壊しておく。これでターンエンドだ。さあ、全力でかかってきな! 真っ向から粉砕してやるぜ!」
「俺のターン、ドロー」
手札のカードは7枚。そのカードは決して悪いカードではないのだが、この状況を打破できるかと言えばまた微妙なところだ。先程の『手札抹殺』によって何枚か使えるカードは墓地へ送られてしまった。フィールドにはマナがいるものの、攻撃力3000となったブラック・マジシャン・ガールを突破するにはまだ手札のカードが足りない。なにより、残された3枚の伏せカード……あの余裕の笑みを見るに、魔法の筒、六芒星の呪縛の可能性を否定できない。
「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド」
「俺のターン、ドロー! バトルフェイズだ! いけ、ブラック・マジシャン・ガール! ブラック・マジシャン・ガールを攻撃! 『黒・魔・導 爆・裂・破』!」
「速攻魔法『黒魔導強化』を発動! このカードは「甘いな! カウンター罠『マジック・ジャマー』! 手札1枚をコストに、その魔法カードの発動を無効にするぜ!」なっ……」
マジック・ジャマー!? あんなカード遊戯のデッキに入っていたか!? 確かに2001年発売のストラクチャーデッキ遊戯編には入っていたが、まさか、この世界のデッキにも入っていたとは。この世界じゃマジック・ジャマーは幻のレアカードと呼ばれていたはずなのに。
『キャア!?』
「ちぃっ……!」
武藤秋人 LP3800→LP3100
「俺はカードを1枚伏せ、これでターンエンドだ。さあどうした? 秋人、その程度じゃないだろう? この俺、武藤遊戯の従弟がそんなに弱いはずがないぜ」
「……エンドフェイズに伏せていた『永遠の魂』を発動。墓地に存在するブラック・マジシャンを特殊召喚する! これにより、お前のブラック・マジシャン・ガールの攻撃力は下がる。また震えている……“武藤秋人”が乗り越えられないなら、俺が代わりに乗り越えてやる。そして、俺は俺のデュエルをするだけだ」
「? 何を言っている? まあいい、ブラック・マジシャン・ガールの攻撃力は下がるが、お前のブラック・マジシャンでは攻撃力は届かないぜ」
ブラック・マジシャン ATK2500/DEF2100
ブラック・マジシャン・ガール ATK3000/DEF1700→ATK2700/DEF1700
そう言って余裕の笑みを見せてくる神楽坂。その立ち振る舞いはかつてのアテムに似ているかもしれない。その言葉や立ち振る舞いを見たことで震える俺の手。恐らくだが、“武藤遊戯の従弟が弱いはずがない”……この体の本来の宿主にとってトラウマ級の言葉。それに反応しているのだろう。数少ない情報からだが、武藤秋人という人物は色々な意味で弱い人間だ。この状況、本来の武藤秋人だったら逃げ出していただろう。そもそも、デュエルを受けなかったかもしれないが。だがそれでも、今目の前のデュエルから逃げるのは俺にとっても、そして武藤秋人にとってもいいことにはならない。何より、今の宿主は俺……故に、悪いが俺は俺のデュエルをさせてもらう。
「俺のターン……! 行くぞ、神楽坂。俺は手札から『強欲な壺』を発動してカードを2枚ドローする。さらに、永遠の魂の効果でデッキから『黒・魔・導』をサーチして発動。相手フィールドの魔法罠をすべて破壊する。これにより、ブラック・マジシャン・ガールの攻撃力は元に戻る」
「だが、このカードが墓地に送られたことでライフを1000回復するぜ!」
神楽坂 LP4000→LP5000
それと同時に破壊される六芒星の呪縛などの罠カード。これでフィールドにはブラック・マジシャン・ガールのみ。これなら問題はない
ブラック・マジシャン・ガール ATK2700/DEF1700→ATK2000/DEF1700
「バトルフェイズ! ブラック・マジシャンでブラック・マジシャン・ガールを攻撃! 『黒・魔・導』!」
「ぐっ……!」
神楽坂 LP5000→LP4500
「カードを2枚伏せてターンエンド」
「俺のターン! 俺は手札から『天使の施し』を発動。カードを3枚ドローして2枚捨てる。そして墓地のワタポンとクリボーをゲームから除外することで『カオス・ソルジャー-開闢の使者-』を特殊召喚する!」
カオス・ソルジャー-開闢の使者- ATK3000/DEF2500
開闢が来たか。フィールドのカードだけで対処はできるが、これ以上神楽坂が何をしてくるか。神楽坂の手札は5枚。この勝負、どうなるか
「俺は手札から『エフェクト・ヴェーラー』の効果を発動する。このカードを手札から墓地へと送ることで相手のモンスター効果をこのターン、無効にする」
「くっ、モンスター効果を無効にされたか。だが、カオス・ソルジャーの方が攻撃力は上だ! いけ、カオス・ソルジャー! ブラック・マジシャンを攻撃!」
「速攻魔法『ディメンション・マジック』を発動! フィールドのブラック・マジシャンを生贄に、手札から『チョコ・マジシャン・ガール』を特殊召喚! さらに、カオス・ソルジャーを破壊!」
「なに!? くっ……! 俺はカードを2枚伏せターンエンド!」
チョコ・マジシャン・ガール ATK1600/DEF1000
伏せカードか。攻撃反応型の罠はほとんど見た気がするんだが、何を伏せたのか。さらにいえば、今のカオス・ソルジャー-開闢の使者-が倒されたことで神楽坂も焦り始めており、武藤遊戯になりきれなくなってきている。畳み掛けるなら今か……
「俺のターン、ドロー! 俺は手札から『貪欲な壺』を発動する。墓地に存在する『マジシャンズ・ロッド』『マジシャンズ・ローブ』『エフェクト・ヴェーラー』2枚『マスマティシャン』をデッキに戻してカードを2枚ドロー! さらに、永遠の魂の効果で墓地から『ブラック・マジシャン』を蘇生する。さらに、チョコ・マジシャン・ガールを生贄とし、俺は手札から『沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン』を特殊召喚!」
ブラック・マジシャン ATK2500/DEF2100
沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン ATK1000/DEF1000
マナと、エフェクト・ヴェーラー以外のカードは手札抹殺で落ちたカード。これでかなり有利になった。
「沈黙の魔術師-サイレント・マジシャンは俺の手札1枚につき、攻撃力を500ポイントアップさせる。俺の手札は4枚、よって2000上昇だ」
沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン ATK1000/DEF1000→ATK3000/DEF1000
「攻撃力、3000だと!?」
「すっげぇ! サイレント・マジシャンって伝説のレベルアップモンスターだろ!? 確か、遊戯さんも使っていた!」
サイレント・マジシャンの登場に、十代がやや興奮気味にそう言った。まあ、確かにサイレント・マジシャンはレベルアップモンスターだがこのカードに限ってはそうではない。ややこしくなりそうだから深くは言わんでおこう。
「行くぞ、バトルだ! ブラック・マジシャンでダイレクトアタック!」
「罠カード『攻撃の無力化』! 攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了させる!」
「俺はこれでターンエンド」
フィールドにはブラック・マジシャン、そして沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン-対して、相手は何も出していない……このまま押し切れば勝てる。
「くっ……この俺が……最強の決闘者になったはずなのに……このカードたちさえあれば俺は勝てるはずなのに……!」
……率直な意見として、難しいだろうな、そのデッキで最強でい続けることは。そのデッキは武藤遊戯でしか扱えないと思う。前の世界ではデッキとはたんなるカードの束である意味合いの方が強い。このカードがカッコいいから作った、このカードが可愛いから作った、もしくは環境に食い込んで勝ち続けたいから作ったという意味合いが強い。この世界でもそれは変わらないが、それ以上にこの世界では本当にそのデッキを作り上げた人間の魂という意味合いの方が強い。ここぞという時のみんなのドローを見ているとそれを実感できる。たった1枚のカードから戦況をひっくり返し、逆転してみせる。十代がいい例だ。
「少なくとも神楽坂、お前は武藤遊戯ではない……なれない、と言った方が正しいかもな」
俺が武藤秋人ではないのと同じように。俺はどこまで行っても日向明人でしかないんだ。だが、神楽坂はどこか俺に似ている。だからこそ、俺はこいつを応援したいとも思う。だから……
「見せてくれ、お前のデュエルを……武藤遊戯ではない、神楽坂としてのデュエルを」
「だが、それは……俺は、デュエルが弱いから……」
「そんなことないぜ!」
弱気な神楽坂の言葉に、十代が声を上げた。さっきから翔と共にそのデュエルを興奮した様子で見ていた。
「すげーデュエルじゃねーか! 見ていてワクワクする! こんなに遊戯さんのデッキを使いこなしているなんて神楽坂の才能はスゲーよ!」
「十代……」
「だから、お前もそのデッキを信じて、見せてくれよ! お前のデュエルを!」
「デッキを、信じる……俺の、デュエルを……」
十代の言葉を小さく復唱しながらそのデッキを見つめる神楽坂。そして、何かを決意したように、そのデッキに手をかける。
「よし、行くぞ! 俺のターンドロー! 魔法カード『古のルール』発動! 手札の通常モンスターを特殊召喚する! 来い、ブラック・マジシャン!」
ブラック・マジシャン ATK2500/DEF2100
「さらに魔法カード『光と闇の洗礼』を発動! フィールドのブラック・マジシャンを生贄にデッキから『混沌の黒魔術師』を特殊召喚!」
混沌の黒魔術師 ATK2800/DEF2600
「このカードの召喚に成功したとき、墓地の魔法カード1枚を回収する! 俺が手札に戻すのは『天よりの宝札』! そして『天よりの宝札』発動! 互いのプレイヤーはカードを6枚になるようにドローする! ハンドレスから6枚ドロー! 魔法カード『死者蘇生』発動! 墓地から『ブラック・マジシャン』を特殊召喚!」
ブラック・マジシャン ATK2500/DEF2100
並び立つ2体の魔術師。そしてこのドロー運からの回し方はすごいな。だが、それでは俺のサイレント・マジシャンには届かない。次の一手はどう来るか
「そして今伏せた魔法カード『大嵐』発動! 互いの魔法罠をすべて破壊する!」
「させるか……沈黙の魔術師ーサイレント・マジシャンの効果で魔法カードを一度だけ無効にする!」
「読めていたぜ! 伏せたもう一枚、千本ナイフを発動! サイレント・マジシャンを破壊だ!」
ブラック・マジシャンの周囲にナイフが出現し、サイレント・マジシャンめがけて向かっていく。サイレント・マジシャンはそれを避けることは叶わず、破壊されてしまった。
「これでフィールドにはブラック・マジシャンのみ! 行くぜ、バトルだ! 混沌の黒魔術師でブラック・マジシャンを攻撃! 『滅びの呪文』!」
「罠カード『ブラック・イリュージョン』! このターン、自分フィールドの攻撃力2000以上の魔法使い族・闇属性モンスターはターン終了時まで戦闘では破壊されず、効果は無効化され、相手の効果を受けない!」
「だが、ダメージは受けてもらう!」
武藤秋人 LP3100→LP2800
何とか防いだ。しかし、フィールドの混沌の黒魔術師は厄介だ。だがそれでもなんとかするしかあるまい。
「カードを1枚伏せ、ターンエンドだ!」
「俺のターン! 俺は手札から魔法カード『融合』を発動! 手札の『矮星竜 プラネター』とフィールドのブラック・マジシャンを融合! 来い、『呪符竜』! このカードの召喚に成功したとき、互いの墓地にある魔法カードを除外する! 除外したカード1枚につき、攻撃力は100ポイントアップする! 互いの墓地の魔法カードは使ったカードは19枚。そして、お前の手札抹殺で落とされたカードが1枚あって20枚。俺の墓地の融合を除いた19枚を除外。よって、攻撃力は1900上がる」
「な、何!?」
呪符竜 ATK2900/DEF2500→ATK4800/DEF2500
神楽坂のライフは4500呪符竜だけでは削りきれない。ここは……
「『融合回収』を発動! 墓地の融合と矮星竜 プラネターを回収し、『死者蘇生』を発動! 墓地の『ブラック・マジシャン・ガール』を特殊召喚!」
ブラック・マジシャン・ガール ATK2000/DEF1700→ATK2300/DEF1700
『ふぅー、やっと帰ってこれた……あ! いいなぁお師匠様! マスター! 私も!』
「ああ、そのつもりだ! 融合を再度発動! 手札のプラネターとフィールドのブラック・マジシャン・ガールを融合! 来い、竜騎士ブラック・マジシャン・ガール!」
竜騎士ブラック・マジシャン・ガール ATK2600/DEF1700
フィールドに並び立つティマイオスに乗った2人。その威圧感は凄まじいものだ。これでフィールド上の陣形はかなり厚くなった。
「竜騎士ブラック・マジシャン・ガールの効果発動! 手札1枚をコストに、相手の表側表示のカードを破壊する! 俺が破壊するのは混沌の黒魔術師だ!」
「ぐっ……!」
「バトル! 呪符竜でブラック・マジシャンを攻撃!」
「まだだ! 速攻魔法『マジカルシルクハット』! ブラック・マジシャンを4つのシルクハットに隠すぜ!」
OCG版ではない、アニメ版のマジカルシルクハットか! たしか、ブラック・マジシャン、そしてガールがいれば発動できるうえ、罠までシルクハットの中に仕込むことが可能だったはず。しかも、あとから罠を伏せても隠せるカードのはず。しかも出たりするのも任意だったな。GX最終回でも未だに速攻魔法だったのを覚えている。
「呪符竜! 一番右のシルクハットだ!」
俺の言葉と共に攻撃する呪符竜。しかし、外れ。そのままガールで追撃するも外れてしまった。だが、まだだ!
「永遠の魂の効果でブラック・マジシャンを蘇生! 左のシルクハットだ!」
ブラック・マジシャン ATK2500/DEF2100
ブラック・マジシャンが破壊するも、そのシルクハットも外れ。そのままブラック・マジシャンが指を振って俺のことを煽っている。ちぃっ!
「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」
「俺のターン! 行くぜ、フィールド魔法『フュージョン・ゲート』発動! このカードがフィールドにある限り、手札、フィールドから素材となるカードをゲームから除外し、融合召喚を行う! 俺は手札のバスター・ブレイダーとブラック・マジシャンを除外! いでよ、『超魔導剣士-ブラック・パラディン』!」
フュージョン・ゲートだと!? 確かに、発売されていた遊戯デッキの中には入っていたのを覚えているが、まさかそのデッキにも入っているとは!
超魔導剣士-ブラック・パラディン ATK2900/DEF2400
「甘い! 竜騎士ブラック・マジシャン・ガールの効果発動! 手札1枚をコストに、ブラック・パラディンを破壊する!」
「読めていた! 罠カード『ブラック・イリュージョン』を発動! ブラック・パラディンはこのターン、破壊されず効果を受けない!」
っ! 呪符竜とガールはドラゴン族! さらに、プラネターも墓地にある! それに、手札抹殺の時にもう1枚プラネターがある! つまり……
超魔導剣士-ブラック・パラディン ATK2900/DEF2400→ATK4900/DEF2400
「行くぜ、バトルフェイズ! この瞬間に速攻魔法『拡散する波動』を発動! ライフ1000をコストに、これでお前のモンスター全部に攻撃できるぜ! さらに、攻撃されるお前のモンスターは効果を発動できない!」
神楽坂 LP4500→LP3500
「いけ、ブラック・パラディン! 『超・魔・導 烈・波・斬』! これで俺の勝ちだぁ!」
「まだだ! 罠カード『マジシャンズ・プロテクション』! フィールドに魔法使い族がいる限り、俺が受けるダメージは半分になる!」
武藤秋人 LP2800→LP350
破壊された順は竜騎士ブラック・マジシャン・ガール、ブラック・マジシャン、そして呪符竜。これにより、墓地に送られたことで呪符竜の効果が発動できる。
「メインフェイズ2に永遠の魂の効果を発動し、ブラック・マジシャンを特殊召喚する。さらに、リビングデッドの呼び声を発動し、ブラック・マジシャン・ガールを蘇生する」
ブラック・マジシャン ATK2500/DEF2100
ブラック・マジシャン・ガール ATK2000/DEF1700
「ぐっ……これでターンエンド! だが、攻撃力4900のブラック・パラディンは超えられない!」
「さらに残る2枚の手札で魔法を封じている」
「その通りだ」
確かにこの状況は厳しいな。2枚、魔法カードを使わせる必要がある。そのためには……あと1枚、神楽坂が使わざるを得ない魔法カードを引けなければ俺の負けか。
「いくぞ、俺のターン! ドロー……行くぞ、神楽坂。これがラストアタックだ」
「いいぜ! こい!」
「俺は永遠の魂の効果で『黒・魔・導』を加えて発動! ブラック・マジシャンがフィールドにいる時、相手の魔法罠ゾーンのカードを全て破壊する!」
「手札1枚をコストに、その魔法を無効にし、破壊する!」
ブラック・マジシャンが黒・魔・導を発動しようとするも、ブラック・パラディンが何か呪文を唱えてそれを妨害する。
「さらに、『黒・爆・裂・破・魔・導』! ブラック・マジシャン、そしてブラック・マジシャン・ガールがいる時相手フィールドのカードすべてを破壊する!」
「手札1枚をコストに無効にする! 俺の手札はこれで0枚……秋人、お前の手札は1枚。その手札1枚ですべてが決まる」
「その通りだ神楽坂。これは俺のラストドローのカード……俺が引いたのは、このカードだ。魔法カード『黒魔術の継承』を発動する!」
「黒魔術の継承……?」
「墓地にある『黒・魔・導』と『黒・爆・裂・破・魔・導』……つまり、魔法カード2枚をゲームから除外して発動する。デッキから『ブラック・マジシャン』、または『ブラック・マジシャン・ガール』と名のついた魔法、罠カードを1枚手札に加えることが出来る。俺は『黒・魔・導・爆・裂・破』を加えて発動する。ブラック・マジシャン・ガールがフィールドにいる時、相手の表側のモンスターすべてを破壊する!」
俺の言葉と共に、マナの杖から黒・魔・導・爆・裂・破が発動し、ブラック・パラディンがその光へと呑みこまれた。神楽坂の手札は0枚。そして、伏せカードもない
「バトル! ブラック・マジシャンとブラック・マジシャン・ガールで攻撃!」
「……俺の、負けだ」
神楽坂 LP3500→LP0
*
「神楽坂」
デュエルを終えた俺と十代はゆっくりと神楽坂へと歩み寄る。立ち尽くしていた神楽坂はそっとデュエルディスクにあったカードをまとめて俺へ差し出してきた。
「さすがは、武藤遊戯の従弟だな。俺の負けだ……俺にはこのデッキは荷が重すぎる」
「そんなことはないさ。後半の猛攻はお前も危なかった。もし、一歩間違えれば俺の負けだったかもしれない」
「そうだな! どっちが勝ってもおかしくない、最高のデュエルだったぜ! 神楽坂のデュエル!」
俺の言葉に同調してか、十代がやや興奮気味にそう神楽坂にいう。その言葉に、驚いた様子の神楽坂。
「俺のデュエル……」
「ああ、お前のデュエルだ! あんな風にカードを扱えるなんてやっぱりすごい才能だぜ!」
「そのとおりだ」
不意に、そんな声が聞こえてきた。振り向くと、そこには何人もの生徒たちがいた。その中にいた1人。言葉の主であるオベリスクブルーの生徒がゆっくりと歩いてくる。それは……
「カイザー……!?」
「お兄さん!?」
そう、そこにいたのはカイザーこと、丸藤亮の姿だった。
「お兄さん、だけじゃない明日香さんや他のみんなも?」
「俺達も一足先に武藤遊戯のデッキを見に来ていたんだが、クロノス教諭がカードが盗まれたということで捜査に協力していたんだ」
ざっと見るだけでも50人はいるだろうその生徒たち。お前ら全員寮から抜け出してきたのかよ。これ、よく他の先生に見つからなかったな
「最初、見つけたときは止めるつもりだったんだが、あまりにも止めるには惜しいデュエルだったのでな、みんなで観戦させてもらっていた」
ポカンとしている神楽坂だが、突如拍手が起きる。
「良い物見せてもらったよ!」
「凄かったぞ! 2人共!」
「みんな……」
「確かに、人のデッキを勝手に持ち出したのは良く無いが・・・武藤 遊戯のデッキが戦うところを此処のみんなが見たかったのもまた事実」
亮は言いながら俺の手にある武藤遊戯のデッキを見つめる。
「武藤秋人の言うとおりだ。誰しも、そのデッキを使えばいいわけでも、その使い手になりきれればいいわけでもない。大切なのはどれだけそのデッキで、そのカードたちで勝ちたいと願うか、そしてそのカードを信じるかだ。後はお前次第だな……それと、武藤秋人、お前もまたいつか、デュエルしたいものだ」
そういうと、カイザー亮はその場を後にする。それにつられて帰っていく他の生徒たち
「さて、と。俺達も帰ろうか。もう0時回ってる……」
「おう、そうだな!」
「あ、待ってくれ武藤!」
「ん?」
帰ろうとする俺達だったが、そこで神楽坂が俺を呼び止める。その雰囲気は先程とは違う、武藤遊戯を真似たものではない穏やかなものだった。
「またデュエルしてくれ。今度は誰かを真似たものじゃない、俺のデッキと!」
「ああ、もちろんだ……誰かを演じるのなんて、俺だけでいいさ」
「……? 秋人何か言ったか?」
「いや、別に」
首を傾げる十代だが、そっか! と流して神楽坂に視線を向ける。
「いいなぁ! 俺ともデュエルしようぜ神楽坂!」
「ああ、もちろんだ十代!」
こうして、武藤遊戯のデッキ盗難事件は幕を閉じた。無事に武藤遊戯のデッキはクロノス先生のもとへ返還した。後日、その展覧会が開かれるわけだが、俺を含めた複数の生徒が響先生に見つかってしまい、反省文を書かされた。クロノス先生も給料を減額されたのは言うまでもない。ちなみに、雪乃とツァンは見つからず俺の部屋に戻っていたとか……解せぬ
リメイク前との変更点
黒いブラマジガールはいるのに普通のブラマジ?
なんつーか、黒いブラック・パラディンはおかしいかな、と
呪符竜、竜騎士ガールそろい踏み
ぶっちゃけ、この2枚がフィールドに並ぶと壮観です。プラネターは効果を使われないかわいそうな子……
神楽坂のドロー
宝札→魔法石の採掘→宝札→手札抹殺
混沌の黒魔術師→宝札回収 3回も使ってるがな
カイザーについて
実は秋人とはここが初対面
響先生につかまった?
あのクソ広い学園で当直が1人なのはおかしいかな、と
Next 33「恋する乙女」(前編)
人姫様 kiri坊様 couse268様 イナビカリ様 ヴァイロン様
交響魔人様 もうだめパオ様 bowblack様 万屋よっちゃん様
感想、ご意見、ご指摘ありがとうございました。また、よろしくお願いします
shinpu様 konndou様 airel様 龍音様 ザイン様 神代様
評価ありがとうございました。頂いた評価以上の小説を作れるように努力してまいります
引き続き、感想、評価お待ちしております
次回、ノース校編は……
-
十代と万丈目のデュエルが見たい
-
デュエルよりも修羅場が見たい
-
レジーを付け狙う生徒と秋人がデュエル!