もう誰も覚えてないであろうが、こっそりと更新
早乙女レイ編になります
ちなみに、今回はデュエルないです(汗
あと、長い前書きを削除しました
神楽坂とのデュエルから少しだけ時間が流れた。悪く言えば、流れてしまったと言わざるを得ない。この間も色々と情報を調べて回ったり、マリクからエジプト関連の資料をもらったりしているものの、これと言っていい成果は見られなかった。こればかりは、この世界での物語が進まなければ情報も得られない、と半分諦めてはいるものの、もどかしさは拭えなかった。さて、そんな話はさておき、現在俺はレッド寮で人を待っていた。その人物はこの寮の寮長である大徳寺先生だ。なんでも、頼みがある、ということだが……
「秋人君、待たせたにゃ~」
「いえ、特に待ってないですよ。暇でしたし」
噂をすれば、とやらだ。そこには少し大きな荷物を持った大徳寺先生の姿があった。その後ろには、帽子を深く被ったオシリスレッドの生徒の姿があった。うちに、あんな生徒がいただろうか? と思考を巡らせていると、大徳寺先生が説明を始めた。
「実は秋人君に折り入って頼みがあってにゃあ。ここにいる子は早乙女レイ君と言って、来週から編入する子なんだけども、彼の面倒を見てあげたいんだにゃあ」
「……俺が、ですか?」
早乙女レイ、という名前を聞いて俺は少し忘れていたこのGX時代の登場人物を思い出した。確か、カイザーこと丸藤亮に恋をしてアカデミアにやってきた小学生だったか。物語の中盤でまさかの飛び級からアカデミアに正式編入していたことを覚えている。むしろ、それ位しか覚えていないのが正直なところだが……
「そうなんだにゃ。彼、実力的にはラーイエロークラスだから少ししたらすぐ昇格する予定なんだけども、それまではオシリスレッドだから同じくラーイエロークラスの実力を持つ君に任せようと思うんだにゃー」
「それだったら、十代でもいいんじゃないすかね?」
「彼の部屋は3人部屋で満杯だからにゃあ。君の部屋は1人部屋だし、君“たち”になら、彼を任せられるからにゃあ」
……まあ、ばれているだろうなとは思ったが、ツァンと雪乃が部屋に滞在しているのは先生からすればわかりきった事実らしい。それ故に、俺に任せるということは先生もどうやら早乙女レイについては大まかに把握をしているようだ。まあ、あの人との繋がりを持っていることも含めてのようだが。
「はぁ……他には黙っていてくださいよ。今回の件は引き受けますから」
「むっふっふ、わかっているにゃあ」
そう言って笑いながら大徳寺先生は仕事があると言ってその場を後にしていった。残った俺と早乙女。俺はちらりと早乙女を見る。この至近距離ならわかるが、女性もののシャンプーの匂いが匂っているのがよくわかる。
「よろしくな、武藤秋人だ」
「あ、えっと、早乙女レイです……いや、レイだ。よろしく、頼む」
「……とりあえず、部屋に行こうか」
「あ、ああ」
こうして俺は早乙女を連れて部屋へと戻ることになる……戻るのは構わないのだが、大丈夫だろうか。主に、俺が。そんなことを考えながら歩いているとすぐに部屋についてしまう。俺は小さく1つため息を吐きながらもそのドアを開けた。
「ただいま」
「「おかえり」」
部屋には当然ながら雪乃、そしてツァンの姿があった。雪乃は机にカードを並べてデッキの構築に勤しみ、ツァンはベッドの上に寝っころがりながら女性誌を読んでいる。当然ながら二人とも部屋着である。
「な、な、なぁ!?」
「……あー、気にするな。俺の同居人だ」
「だって、ここは男子寮じゃ……」
慌てている早乙女を見て、藤原があら? と首を傾げる。
「秋人、そこのボウヤは誰? 見ない顔ね」
「ああ、こいつは早乙女レイ。来週から編入するらしい。それまで面倒を見てくれ、だと」
「ふぅん? 私は藤原雪乃、こっちはツァン・ディレよ。よろしく…………」
そう言って近づく雪乃だが、早乙女の近くに来た時点で立ち止まり、俺を見た。
「ねえ秋人? 貴方、どうして“男装”した女の子を部屋に連れ込んでるのかしら?」
「なぁ!? ち、違う! わた、じゃなかった、ボクは男……」
「嘘おっしゃい。どこの世界にこんな女性もののシャンプーを使う高校生がいるの。これ、女性もののいい奴よね。私もよく愛用するわ……それ」
言いながら雪乃が早乙女が被っていたその帽子を取り上げる。すると、そこからは綺麗な藍色の長い髪の毛が露わになった。
「あ、返して! ボクの帽子!」
「ふーん、女の子ね。どう見ても……で? 秋人、説明してくれる?」
そう睨み付けてくるツァン。俺も理由は知っているものの、それはあくまでも原作を知る故のこと。
「俺も知らん。男装していたのはわかってたけどな」
「ええ!?」
「大徳寺先生から言われただろう。お前を任せると……大方、厄介ごとだとは思ってたよ」
「あの先生ね。私たちが部屋にいることをいいことに……ダシに使われたと。ま、仕方がないわね。下手に逆らって部屋に居られなくなるのも困るし」
と、雪乃もやれやれとため息を吐く。そしてどうしたものかとオロオロする早乙女に、呆れた様子でツァンがため息を吐く。
「とりあえずボク達に説明してよ、君……なんで男装してこの学校に来たのかを」
*
突如秋人が連れてきた男装した女の子、早乙女レイからボクたちは事情を聞くことにした。そして理由を聞けば驚き、彼女はなんと小学5年生らしい。丸藤亮ことカイザーに一目惚れをした彼女は彼に告白をすべく、書類をでっち上げてアカデミアの編入試験へと紛れ込んだのだという。彼女曰く、恋する乙女は強いのよ、だとか。今年は秋人曰く生徒の出来が悪いという話を聞いていたから、きっと補充要員として行った試験なんだろうけど、まさかそれに紛れるとは。そして結果的に合格した彼女はこのアカデミアにやってきたということらしいけど……
「呆れて物も言えん」
「うぅ……ごめんなさい」
現在正座させらえているレイ。秋人の一通りの話を聞いた感想はこれだった。まあ、当然と言えば当然の反応だった。ただ、秋人はボクや雪乃が思っている以上に事態を深刻に受け止めている節がある。
「お前さ、この件は親の了承を得たのか? いや、してないよな?」
「はい……」
「親が警察に捜索願を出すかもしれない、とは考えなかったか?」
「え……」
秋人の言葉にレイの表情がみるみると青くなっている。まあ、こんな大胆な行動を許す親なんているわけがない。書類偽装をして小学校から高校へ飛び級するなんて普通じゃありえない。そう考えれば確かに、この子は家出をしてきてしまったようなものだ。
「ちょっと待ってろ。確認する」
そう言って秋人がスマホを取り出して誰かに電話をかけている。まあ、言わずもがな「あの人」のところだろうけど。
『この忙しい時期に何の用だ、武藤秋人』
「すみません、海馬社長……ちょっと、至急の報告と、調べてほしいことが出来たもので」
「かっ……!?」
「ほら、黙ってなさい」
ボクは言いながら大声を上げようとしたレイの口を押え、抱き込む形で膝の上に乗せる。その小さな体はすっぽりとボクの膝の上に収まっていた。
「ええ、そうです。それで……はい、はい。やっぱりですか。はい、わかりました」
そう短い会話ののち、通話を終了する秋人。その表情はやはりさっきと変わらず呆れた様子だった。
「どうだったかしら? 秋人」
「ああ、当然ながらすぐにでも運営にメスを入れるって。で、だ。早乙女……言ったとおりだ。お前の両親は警察に捜査願いを出している。それだけで済めば話は簡単だったんだが……」
「何か他にあるの?」
「どうやら、こいつの親族と、通っていた学校、地域の人間が総出でお前の事を捜索しているらしい」
秋人の言葉に、え……と、声を漏らすレイ。まあ、ボクもそんなことだろうなとは思った。この子、見た目からしてかなり可愛いし、小学生でありその上女の子だ。親が必死になるのは分かりきったこと……ボクのパパも同じことするだろうなってくらい親バカだ。でもきっと、女の子の親というのはそういうものなんだとママが言っていたのを思い出す。
「要するに、お前の身勝手な行動がことを大きくして、今、現在進行形で色々な人に迷惑が掛かっているということだ」
「そ、そんな……」
「恋する乙女が強い? 確かに、お前のその根性と行動力は強いと言えるだろう。けどな、その行動によって生じるリスクのことをお前は考えたのか? お前の親は警察に「あの子が家出をするはずがない。何か事件に巻き込まれているかもしれない」と必死に訴えたそうだ。その言葉を信じて、学校の先生も、地域の人たちも協力してお前を探しているんだ。当然ながら、お前の今回の身勝手な行動は「恋する乙女が強い」が理由にはならないぞ」
秋人の言葉に、とうとうグズグズと泣き出してしまった。それでも何かを言おうとしている秋人だけど、そこは雪乃がまあまあ、と止めに入った。
「秋人、落ち着きなさい。貴方の言葉は正論だけど、子どもにそこまで言っても理解してくれないわよ」
「理解してもらおうなんて思っちゃいないさ……だが、聞いたところ多くの人が此奴の捜索に参加しているらしい。学校じゃ先生だけじゃない、友達だって探しているらしい。それだけのことをしているという自覚は子供だからこそ持たせなきゃいけないだろ」
「そのとおりね……けど、見ての通り反省しているようだし、貴方は次の事に行動をお願いするわ。この子は私たちで見ておくから」
「はぁ……わかった、どうも女心ってのはわからなくてな。俺は大徳寺先生の所に行ってくる。その間にここの番号にかけろ。そいつの住んでる街の警察署に繋がるらしいから」
「了解」
そう言って秋人は部屋を出て行った。ボクは電話を掛ける雪乃から視線を外して未だボクの膝でグズグズと泣いているレイを見る。ボクはやれやれとも思いながらその目の涙を拭きとってあげることにした。
「ほら、泣かないの。今、秋人はいないわ」
「ご、ごめん、なさい……」
「怖かった?」
「はい……」
怒っている秋人を見たのは初めてだったかもしれない。そういえば、秋人には妹がいるとか。その影響なのかもしれないわね、秋人がこんなに怒っていたのは。ボクは頭を撫でて慰めながらレイと会話をすることにした。
「誤解しないでね」
「ふぇ?」
「秋人の事よ。さっきはあんなに怒ってたけど、普段は優しくて、とっても頼りになるの。今回の件だって、きっと秋人は分かってて貴女の事を受けたんだとボクは思う」
「どうして、ですか?」
目を赤くしながらボクを見てくるレイ。ボクはそんなレイの頭を撫でながら秋人の言葉を思い出す。彼はこういった「男装していたのは分かっていた」と。つまり、すでにその時点で厄介ごとなのはわかっていたのだ。これがもし、仮に十代たちの所になればもっとややこしいことになっていたはずだ。アイツもアイツで色々とトラブルメーカーだし
「大徳寺先生に色々と脅かされた部分もあったけど……基本的に秋人は困ってる人には手を差し伸べるのよ。ボクもそうだった。ようするに、アンタも今回の件を反省しておけば秋人は優しく接してくれるわ。カイザーのことも、もしかしたら考えてくれるかもしれない。ま、アンタが今回の件で反省せず、こんなことを繰り返す悪ガキだったら容赦しないでしょうけど」
「も、もうしません!」
「ならよろしい。あとでもう一回秋人に謝ってごらんなさい。許してくれるから。そして、お父さんとお母さん、学校の先生と友達、親戚の人、地域の人、警察の人……いろんな人に謝るの。ちゃんと反省しているのならみんな許してくれると思うわ」
「は、はい……」
ボクはそういって秋人が帰ってくるのを待つことにした。気づけば、レイは安心したのだろう、ボクの所にもたれ掛って眠ってしまっていた。ボクはやれやれとため息を吐きつつも優しく頭を撫でる。
「ふみゅ……」
今更ながら、なんだろうこの可愛い生き物は。なんか、目覚めてはいけないものに目覚めちゃいそうな気がするわ。それにしても、実を言えば今回はレイを応援してあげたい、なんて思っていたりもした。
「頑張りなさい、恋する乙女」
秋人の言い分は正しいし、理解している反面、こんな風にカイザーのことを一途に想い、気持ちを伝えたいと多くの無茶をしてこの学校までやってきた。という点は同じ女としては評価したい。ボクだって女であり、つい先日までは好きな人に想いを伝えたいと願う……言ってしまえばこの子と同じようなものだった。ボク自身、現在ではどうやってこの子の想いをカイザーに伝えることが出来るのかと考えている最中だ。
「やれやれね」
「そうね。あら? 寝ちゃったの?」
電話を掛け終えたのであろう雪乃が言いながらボクの隣に座り、レイを見る。
「うん、きっと安心したんだと思う」
「そうね……無茶をしているんですもの。好きな人のためとはいえ、子供ながらによくやるわ。内容は秋人の言うとおり、反省すべきことが多いけど」
「で? どうだったの?」
「ええ、ご両親に連絡して、また電話をかけてくるそうよ。後は秋人を待ちましょう」
なんだかんだで、ボクも雪乃もこの子についてはまた秋人がどうにかしてくれるのではないかと少なからず期待している。どうやら雪乃も思うところがあるようで、ボクと同じようにレイの頭を優しく撫でていた。秋人が戻ってきたのは、それから10分くらい後の事だった。
リメイク前との変更点
レイ、秋人に怒られる
現実的にこんなことしたら普通怒られるじゃすまないなぁとか思いつつもこんな感じに
雪乃とツァンのレイへの対応
同じく恥じらう恋する乙女。色々と思うところがあったのです
以下、感想と評価提供者紹介
Galcia様 Ranperu様 オルファンス様 カカン様 NOGAMI壱様 混沌の覇王様 シヒイシレアサ様 Hald様 enoch@一番いい装備様
感想、ご意見、ご指摘ありがとうございました。また、よろしくお願いします
ハル14号様 Kazuma@SB様 このよ様 マカビンビン様 koukouya様
評価ありがとうございました。頂いた評価以上の小説を作れるように努力してまいります
引き続き、感想、評価お待ちしております
次回、ノース校編は……
-
十代と万丈目のデュエルが見たい
-
デュエルよりも修羅場が見たい
-
レジーを付け狙う生徒と秋人がデュエル!