遊戯王-孤独に巻き込まれた決闘者-R   作:秋風

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お久しぶりです。
実に2年ぶりの更新。2年どころじゃないけども(汗
評価でボロクソに言われてから創作意欲をなくし、さらには仕事が忙しすぎてエタっておりましたが、何とか帰ってまいりました。
現在はマスターデュエルでしか遊んでないので現在の環境が全然わからないところもありますが、心変わりが帰ってくるくらいにはぶっ飛んでんだなぁ、くらいは理解しております(笑)

実のところ、現在、持病の慢性膵炎で入院しており、ノートPCで執筆して投稿しております。まあ、この小説を覚えている方もそういないだろうということで、こっそりと予告もなく投稿です。

今回はレジー告白回。次回からは時間があれば、セブンスターズ編です。
では、どうぞ。


43「学園対抗デュエル戦:レジーの決意」

「へぇー……すごいわね、綺麗。さすがはデュエルアカデミアの本島ね」

 

「で? 話ってなんだ? レジー」

 

 ペガサスとのデュエルを終えてから数時間後。俺はレジーに話があるといわれて学内を抜けて屋上へと訪れる。前に、ツァンがあの名前も知らないボンボンに襲われた場所だ。その屋上のベンチに座り、俺はそうレジーに問う。

 

「んもぅ、ちょっとは世間話に付き合ってくれてもいいじゃない」

 

「話すことがあるなら、いくらでも待つが……ただまあ、夕食までには踏ん切りつけてほしいな。今日、十代の祝勝会の約束しちまったから」

 

 ぷんぷん、と擬音が聞こえてきそうな風に頬を膨らませるレジー。そう、今日十代が交流戦で勝てばいくらでも好きなものを作ってやるという約束をしたのだ。まあ、それに便乗してレッド寮のメンツが祝勝会をしたいだなんてはしゃぎ始めたもんだから、今は14時とはいえ、レジーの様子を見るに大切な話だろう、とは思っているのだが。

 

「ふふっ、そうだったわ、雪乃から聞いたわよ。おいしい料理、作れるんですってね」

 

「おう、今日の夕食は期待しておけ」

 

「……ね、秋人」

 

「なんだ?」

 

「好きよ。貴方のこと。心の底からね」

 

 レジーからの、突然の告白とともに唇にキスをされる俺。数秒固まった俺だが、再起動してレジーを見た。レジーに顔は赤く、耳まで真っ赤だ。そして、若干手は震えているのが見えた。どうしてこんなことを、そういう前に、レジーが口を開く。

 

「貴方が、雪乃やツァンと恋人同士であることは知っているわ。そして、私もどうか、その1人にして欲しいの」

 

「お前、自分で言ってることわかってんのか?」

 

「もちろん」

 

 それはあまりにも無茶、無謀な話である。法律的にも、そして、すでに恋人となっている雪乃やツァンからしても。そして、俺自身の問題からしても。しかし、レジーはにっこりと笑みを浮かべる。

 

「2人からは、許可は得ているわ。私の想いを伝えることも、もし、許してくれるなら受け入れてもらうこともね」

 

「なんてこった……」

 

 あの2人、いつの間に。いや、多分俺が十代と合流したときにその話をしたのだろう。そして、レジーはそういいながらスラリと足を延ばした

「それに、貴方との“約束”……今こそ使う時ではなくて?」

 

「お前、それはずるいだろ……」

 

 それは、レジーがオシリスの攻撃によって倒壊した電柱から俺をかばった時のことである。今でこそ傷はきれいに消えているし骨こそ折れていなかったが、けがをしたレジーに俺はできる限りのことならいうこと聞くという約束を交わしてしまったのだ。それをまさか、今ここで使ってくるとは思わなかった。

 

「私は使えるものはなんだって使う。それこそ、惚れた貴方を繋ぎ留めるためなら」

 

「……? それって、どういう」

 

「私の勘、なのよ。貴方、このままだと私から、ううん、私だけじゃない。私や雪乃、ツァンの前から、手の届かない遠い所へと行ってしまいそうな、そんな気がするの」

 

 なんで、この世界の女たちはこうも勘がいいんだ。ある意味、呆れそうになる。だが、事実、いつかは俺という存在は消えて、武藤秋人にこの肉体を返す時が来るのだ。

 

「秋人は私のこと、嫌いかしら?」

 

「……嫌いじゃないよ。女性としても魅力的だ。その好意も嬉しい」

 

「けど、受け入れられない何かが、貴方の中にある」

 

「……!?」

 

 レジーの言葉に、俺は目を見開く。そんな俺に、レジーはクスリと笑う。

 

「雪乃たちの言ったとおりね。貴方が、雪乃とツァンと恋仲でありながら、ちょっとだけ距離感があるというか、あの子たちが一方的だったのが気になっていたの。それでもいいわ。私はあなたの隣にいたい。だから、どうか、私とも付き合って。秋人」

 

 そう告白をするレジーの手は、震えていた。俺の手を握り、今にも泣きだしそうな目で俺を見ながら。俺だって、本音を言うなら受け入れるのだってしてやりたい。だが、雪乃も、そしてツァンもそうだが、本当の俺という存在を、彼女たちは知らない。今の雪乃とツァンとの関係ですら俺にとっては受け入れているようで受け入れ切れていない。

 

「レジー」

 

「……何かしら」

 

「今から話す話を、聞いてもらえないか?」

 

 こうして、俺は語ることにした。俺という存在が何者なのかを。それは、レジーが海馬社長、ペガサス会長に次ぐ、3番目の秘密の開示者となることを意味していた。俺自身の存在と、武藤秋人という存在の関係性。本来あるはずのないカードの存在理由。これから起こりうる未来の出来事。それらを語り、そのうえで俺はレジーに問う。

 

「こんな俺でも、お前は好きでいると言えるのか? こんな得体のしれない俺を」

 

「そのこと、雪乃やツァンは知っているの?」

 

「知らない。が、いずれは伝えなきゃいけない。お前らが愛した人間はそこにはいないって」

 

 そう俺は告げる。しかし、レジーはさっきとは打って変わり、俺を睨みつけていた。

 

「嘗められたものね、私も、雪乃もツァンも」

 

「……え?」

 

「異世界の人間の魂、それには驚いたわ。けどね、そのあなたがいつかは消えるなんて、誰が決めたのかしら?」

 

「それは……」

 

 確かに、それは俺が武藤秋人の魂が戻ってくれば、俺という存在は消えるだろうという推測から出した結論である。いやまあ、そもそも武藤秋人の魂がどこにあるんだって話ではあるのだが。

 

「それに、その程度で私たちが貴方を諦めるとでも?」

 

「え?」

 

「雪乃とツァンだって言ったんじゃないかしら。貴方が消えることがあるなら、地獄の果てまで追いかけるって」

 

 ……そういえば言ってたな、そんなこと。何で知ってるんだと思ったけど、多分2人が話したんだろう。俺が、2人の告白にためらった理由も知っているところを見るに。

 

「もし仮に、貴方が何かの役割をもってこの世界に来たとして、それが終えて帰ることがあるなら貴方と共に行く。もちろん、パパやママには悪いと思うけどね。もしくは消えてしまうというなら消さない方法をいくらでも模索する。消えたとしたら意地でも蘇らせてみせる。私は諦めが悪いの。それは知っているでしょ?」

 

 そういってウィンクするレジー。まあ、確かにこいつの諦めの悪さは知っているが……彼女にとって、いや、レジーだけじゃない。雪乃とツァンにとって、俺はそこまでの存在なのか。

 

「けど、そんなこと……」

 

「できない、とは思わないわ。貴方の知るこの世界で、いくらでも不思議なことは存在する。なら、貴方をこの世界に留めるか、救う方法だってあるかもしれない。違うかしら?」

 

「……は? いや、それは確かにそうだが」

 

 なんでそれを知っているんだ、レジーが。いや、彼女からすればソリッドビジョンのオシリスが現実に影響を与えるというのを見ているからそれを理解しているのか? だがそれ以外にも、俺は確かに知っている。今のこのGXという時代であれば2期や3期はそれだろう。現実にそぐわない現象。5D‘sで言えば地縛神から始まり、未来からの敵どころか、主人公が過去へ飛ぶ。ZEXALで言えば、主人公は半分人間じゃなかった。Arc-Vで言えば、5つの世界があったし、主人公はとんでもない存在だった……。

 

「それに、貴方の話を聞いて確信が持てたわ。“あの夢”は夢じゃないって」

 

「夢?」

 

 夢、とは何のことだろうか。すると、彼女は1枚のカードをデッキから取り出した。それは、彼女のエースカードとなっている『The splendid VENUS』のカードだった。

 

「このカードを手に入れてから私は毎晩、夢を見るようになったの」

 

「どんな夢だ?」

 

「私が、何かの手下になって、いろんな人を闇の中に引きずり込む、そんな夢よ」

 

「なっ……」

 

 彼女から聞かされたのは、漫画版GXでの彼女そのものだった。ミスターマッケンジーが黒い靄に覆われ、人が変わったかのように自分を恐怖でしばりつけたこと。響姉弟をデュエルで倒し、謎の力でその闇の中へと引きずりこんだこと、十代とのデュエルに負け、自身も闇の中へと引きずり込まれたこと。結果として、その闇が十代にデュエルで負けたことでその夢は終わり、以後は見ていないこと。

 

「貴方の、上位世界の話を聞いて思ったの。それは、貴方の世界の物語の1つの私だったんじゃないかしら? 私が使っていたあの力だって、何かのオカルトな力のはず」

 

「だからレジー、君は俺の話をすんなり受け入れられたのか」

 

「確証はなかったけどね。今日の交流戦の代表である十代君を見て驚いたわ。夢で見た人がいるんだもの。その様子を見るに、秋人、貴方は私のこと、出会った時から知っていたでしょ」

 

 俺が頷くと、やっぱり、と笑って見せるレジー。その笑みはなぜか嬉しそうだった。そして、カードを仕舞うと、俺の手に自分の手を重ねる。

 

「私も貴方を支える力になりたい。貴方のことを知ったのならば、なおさらね」

 

「レジー……どうして、君はそこまで俺に?」

 

「あら、今更それを聞く? 貴方はもう、私にとってはかけがえのない存在なのよ」

 

 つい、そんなことを聞いてしまった。俺はこの世界にとっては異物だ。というか、「自分は異世界からきて、今は自分とは違う人間の魂に入ってます」なんていうやつを誰が好きになるんだ。そう思っていた。だが、レジーにとっては、そんなことは関係ないという。俺は、あの時に彼女たちに言った時と同じことを言う。

 

「いつか、俺がこの世界から消えることになったら?」

 

「消させないわ。元の世界に戻るというならしがみ付く。貴方をこの世界に連れてきた何かが消そうというなら意地でも守って見せる」

 

「後悔するかもしれないぞ? 俺なんかを好きになったことを」

 

「貴方はもう少し、自分を評価するべきよ? マイダーリン?」

 

 そういってレジーは俺に唇を重ねるのだった。

 

 

 

 

 結論から言うと、私、レジー・マッケンジーは秋人の恋人となることができた。秋人はキスの後に、小さくため息を吐くと「俺の負けだ」と、降参した。彼の行く末は彼に起きるであろう何かによって変わっていく。それは、彼が知っている『物語の私』がいい例だ。

 

「……? どうした、レジー?」

 

「いいえ、なんでもないわ」

 

 そういって私は彼の手を繋ぎながらアカデミアの下の階へと戻るために歩を進める。最中に、雪乃やツァンたちに、この話はまだきっと早いので秘密にすると秋人はいう。来るべき時が来たら話すべきだけど、彼の非現実的なこの話を信じられるか、と言われば難しいからとのこと。聞くところによると海場社長には彼しか持ちえないはずの青眼の白龍や、決闘王が持っている三幻神などを見せ、ペガサス会長には彼が持っていた異能の正体や、過去のことを話して納得させたという。特に、ペガサス会長は自身もオカルトな体験をしたからすぐ信じてくれたのだとか。一応、雪乃は闇のゲームというもので秋人がモンスターに傷つけられたのを見たことがあるが、それでも話す内容としてはまだ薄い。かくいう私も、夢の件がなければ納得できなかったかもしれない。まあ、私の場合はあのオシリスコピーカードが齎したとんでもない光景を見せられたから若干オカルトってこの世にあるんだな、って感じにはなっているけど。

 

「で、雪乃やツァンにはどう説明するんだ」

 

「それなら大丈夫よ、ほら」

 

 そういって私が指さす先に2人が待っていた。雪乃はそうでもないけど、ツァンはどこか不機嫌そうにしている。あたりまえだけど。

 

「ただいま2人とも」

 

「……その様子を見るに、成功したのね」

 

「むぅ、けど、一番は皆で決めるんだからね!」

 

 私の態度に、結果を分かったらしい。私が離れると、ツァンは私を恨めしそうに見ながらも、秋人へ抱き着いた。

 

「ちょ、ツァン」

 

「今日、ボクは朝から秋人に触ってない」

 

 そういって顔をぐりぐりと押し付けていた。そんな彼女が可愛いと思うのは私だけの秘密だ。そして、そんなツァンの扱いにも慣れているのか、よしよしと、ツァンの頭を撫でている。ツァンは「べ、別に嬉しくないし」と言っているけど、顔が緩んでいる。

 

「さ、ツァン、ほどほどにしなさい。帰ったら十代の坊やの祝勝会の準備があるんだから」

 

「むぅ、そうだった……」

 

「さて、何を作るか……とりあえず、レッド寮の冷蔵庫内容はメールで大徳寺先生からもらったから、足りないものを食堂で頼んで譲ってもらうか」

 

 そういって歩き始める秋人の隣を2人が歩く。その中に私が入れるのは、嬉しくもあり、そして、秋人のことを知って、一層この時間を大切にしなければと思う。この先何が起ころうと、絶対に秋人を守ってみせる。それは、あの夢を通して得体のしれないものに味あわされた恐怖を知る私にだけができること。

 

「レジー? 食堂へ行くぞ。ついでに昼食も済ませよう」

 

「ええ、今行くわ」

 

 秋人の声に答え、私は雪乃の隣に並び、3人とともに食堂へ向かうことにするのだった。

 

 

……少し先の未来、“私たちは”選択を迫られる。それを、私はまだ知らなかった。

 




リメイク前との相違点

新規オリジナル回のためなし。
あえて言うなら、十代VS万丈目サンダーのデュエルがなくなりました。

秋人の葛藤
3人の想いを受け入れつつも、ペガサスとの会話を若干引きづってます

レジーの告白
やっとここまでかけました。

レジーの夢の話
実は、連載当初から決まっていました。秋人が作り出したカードに触れることで、影響が及ぼされる人物が少しだけいます。

3人のこれから
仲良く、しかし、時にはライバルとして、修羅場もあるよ!

次回 セブンスターズ編 開幕
44「始まりを告げる闇の決闘」



ヴァイト様 ニンジャ0号様 リョウ@様 天導 優様 二等ヘイ(*ゝω・*)ノ様 無類様
感想ありがとうございました。またの感想をお待ちしております。

ウルトラマンジオウ様
評価をしていただきありがとうございました。
これからもこの小説をよろしくお願いいたします。

感想評価をお待ちしております。

秋人が体験する外伝 作者の頭にあるネタで、見てみたい題材

  • 遊戯王×ボイスロイド編
  • 遊戯王×アイマスシンデレラガールズ編
  • 遊戯王×東方project 幻想入り編
  • 遊戯王×FGO編
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