遊戯王-孤独に巻き込まれた決闘者-R   作:秋風

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たくさんの待ってました、という感想欄のメッセージありがとうございます。
とりあえず、また明日内視鏡の手術があるのですが、それまで暇なので執筆したらなんかかけたので更新。
これからもたくさんの感想やアイディアなんかもお待ちしております。
まあ、うれしいコメントたくさんいただいている裏で、すごい勢いでお気に入りの数が減っててなんか悲しくもなりますが、まあ、今更見る人もいないだろうと、割り切ってます。楽しんでいただける方だけ、見ていただければ
これからもよろしくです

今回はセブンスターズ編を開始。いろいろとリメイク前のとは違って端折ってます


セブンスターズ編
44「始まりを告げる闇の決闘」(前編)


 レジーの告白を受けてから、数週間が経過した。そんなあくる日、雪乃がとある問題を抱えて帰ってきた。その日、大徳寺先生と十代たちの誘いで自由参加の課外授業へ行くことになった(俺は新パックの発売調整などで同行ができなかった)のだが、アカデミアをもっと知りたいというレジーの願いを聞いた雪乃とツァンも課外授業へとついていったらしく……結論から言おう、なぜか原作で十代が持っていたはずのペンダントの欠片を持って雪乃が帰ってきた。帰ってきた際は俺を見たツァンが大泣きして一目散抱き着いてきて、雪乃もそれに続いてきた。レジーはまあ、そのあと夜にちょっと怖かった、という程度だったが。

 

「墓守たちの世界、か」

 

「ええ、前に旧特待生寮で体験したこと以上にすごいことを体験した気がするわ」

 

 その日の夜、泣きつかれて眠ってしまったツァンと、それに寄り添ってレジーが寝たころ、俺は雪乃から事の顛末を聞いた。言ってしまえば、課外授業で異常な現象に見舞われたためアカデミアにあった遺跡のようなところに避難したら、墓守の世界へと飛ばされた。で、捕まった仲間を救うべく原作では十代が行ったデュエルを雪乃が務めたのである。結果から言えば、圧勝だったらしいが。

 

「貴方がくれたデッキですもの。負けるはずがないわ」

 

まあ、今の雪乃の持っているデッキはこの時代ではまだ存在していない『デミス』と『ルイン』を混ぜた複合デッキである。正しくは、女神ルインと悪魔デミスだけではなく、美神ルインと、覇王デミス。そして、それをサポートする、まだ発売していない儀式サポートをぶち込んだデッキ。この時代であれば、よっぽどのことがない限りは負けないだろう。ツァンは六武衆、レジーは天使族とテーマを好むが、雪乃の好むのはテーマではなく『儀式召喚』を主体としたデッキだ。儀式そのものをテーマとするならば、『ヴェンデット』『霊魂鳥神』『カオス・ソルジャー』『サイバー・エンジェル』『サクリファイス』『占術姫』『デミス・ルイン』『ドライトロン』『影霊衣』『ネフティス』『メガリス』『リチュア』『魔鍵』『リブロマンサー』『ヌーベルズ』と多彩で、一通り回してもらったところ、『デミス・ルイン』と『リチュア』が一番しっくり来たらしい。まあ、他にも儀式青眼があるが、あれはこの世界だと俺と社長しか運用できないので使わせていない。

 

「その時に出会った『墓守の暗殺者』のサラを無理やり連れてきたら……こうなったの」

 

『……墓守の暗殺者の、サラだ』

 

 そう、そこにいたのは墓守の暗殺者のサラである。彼女、アニメでは確か明日香の兄貴である吹雪に恋をしていて、今雪乃の持っているペンダントを雪乃に託して想いを伝えてほしいと言って別れるつもりだったのだが、雪乃がそれは自分で伝えるべきだと無理やり連れてきたらしい。まあ、原作見ていても思ったが、あのまま残るって彼女碌なことにならんだろう。作中でも長に折檻されてたし。そう考えれば、雪乃の判断は正しかったと思う。

 

「ご丁寧にどうも。武藤秋人だ。ミラ、マハード、マナ、出てきて」

 

『初めまして、久遠の魔術師ミラです』

 

『ブラック・マジシャン、マハードだ』

 

『ブラック・マジシャン・ガールのマナだよ! よろしく!』

 

 俺も同じように俺が持っているカードの精霊たちを見せた。雪乃は十代からカードの精霊という存在と、俺が同じようにカードの精霊を持っていることを教えられたらしい。

 

「久遠の魔術師ミラはともかく、ブラック・マジシャンとブラック・マジシャン・ガール、このカードを貴方が特待生寮で召喚していた時に様子がおかしかった理由がわかったわ」

 

「そういうことだ。なんで遊戯兄さんが俺にこの2人を託したのかはわからないんだが」

 

 とりあえず、雪乃は今後、サラを受け入れて相棒にするらしい。そうなると、墓守デッキが必要になるな……この時代の墓守はそうでもないが、俺の知る墓守って、ひたすら墓地を利用するデッキを殺しに来る超鬼デッキなんだが……とりあえず、あとでリスト出すか。そんな話を終えると、雪乃は俺に抱き着き、俺をベッドに押し倒した。

 

「おい、雪乃?」

 

「……今回は、死ぬかと思ったわ。だから、今日はたくさん慰めて頂戴」

 

 ツァンと同じく、雪乃にも我慢の限界が来たらしい。体を震わせ、目は涙が流れていた。俺はそれを受け止めて、抱きしめてやることにした。考えてみれば、雪乃やツァン、そしてレジーだって普通の学生で一般人だ。こんなオカルトな恐怖体験をすればトラウマになってもおかしくはない。

 

「よく、頑張ったな。雪乃」

 

「ええ、ありがとう秋人」

 

 こうして、夜は更けていくのだが、この時、ベッドの近くでサラが「いいのかあれは!?」と驚き、ミラとマナが「この部屋に住む以上あれは日常です」「諦めようね~」なんて会話をしているのは、聞かなかったことにした。そして、近いうちに始まる新たな戦いに、俺は雪乃を抱きしめながらどうするべきか思案するのだった。そのあとのことは、ご想像にお任せする。

 

 

 

 

 あの恐ろしい体験から、次の日の放課後。私たちは校長室へ呼ばれることとなった。サラは今、カードの状態で眠っているようで、朝に『砂糖を吐きそうだ』と体調が悪そうにしていた。まあそれはともかく、呼ばれたのは秋人、私、ツァン、レジー。そして、明日香、十代のボウヤ、万丈目のボウヤ、三沢のボウヤ、カイザー。校長室に入ると、そこには響先生とクロノス先生がいた。

 

「よく集まってくれました」

 

 校長は私たちにそう礼を言いながら、私たちを集めた理由を話してくれた。この島には『三幻魔』と呼ばれる、あの神のカードたちにも匹敵するカードが封印されているのだという。どうやって目の前のちっぽけなカギで封印しているかはともかく、そのカードを狙ってセブンスターズを名乗る連中がデュエルアカデミアに挑戦状をたたきつけてきたとのこと。そしてそれは、在学する学生たちと教師が受けて立つというのが伝統らしい。その7つの鍵を守護することが私たちへの依頼。覚悟がある者がとってほしいという言葉に、十代のボウヤ、万丈目のボウヤ、三沢のボウヤ、明日香、カイザーが引き受けて手に取る。そして響先生はしばらくの間出張となるためクロノス先生が。そして、最後の1つ。これを秋人に頼みたいと校長は依頼した……のだけど。

 

「お断りします」

 

「え、なんでだよ、秋人」

 

 秋人は、その依頼を拒否していた。十代のボウヤたちは前の代表選のこともあって面倒くさいからか、と思っているようだけど、どうやら違うらしい。その理由を秋人は話してくれた。

 

「リスクとリターンがあまりにも合ってない。その伝統とやら云々はこの際置いておきます。それが昔からのルールなら、そんな挑戦受けるなとか、ここで鍵を壊せばいいとか。そんな野暮なことは言いません。けど、どう考えても危険な依頼なのは間違いない。こちらが伝統としてデュエルで受けて立つのはまだしも、それ以外の方法、例えば直接命を狙って鍵を狙ってきたら? 人質を取って鍵をよこせと強要してきたら? それで被害が出たら? 校長先生、貴方は責任をとれるんですか? 覚悟があればなんて、それ教師が生徒に言う言葉じゃありませんよ?」

 

「それは……」

 

「なにより、依頼と言ってますけど、説明を聞く限り無報酬のつもりですよね? 勉強や経験になるから、なんていう理由でそんな危険な仕事を生徒にさせるなんて、貴方はそれでも教師のトップに立つ人間なのかと疑いたくなるんですが?」

 

 いつにもなく、棘のある言い方というか、秋人らしくない言い方だと思った。言いすぎだ、という声もあるけど私はそうは思わない。確かに、秋人がいうリスク。挑戦を受けて立つ人間、そしてその周りの人間に危険がないわけがない。そんな価値のあるものを狙う集団が素直にデュエルだけで諦めるというわけがないのは、わかる話だ。

 

「校長、やはりしっかりと説明はすべきです」

 

「響先生……」

 

「秋人君の言う通り、これは危険な依頼。報酬は用意してしかるべきもの。それは当然です。何よりも、生徒の安全は私たち教師が守らねばならないものです。不信感を抱くのは当り前ですわ」

 

 と、ここで響先生が助け船を出した。その響先生の言葉に、校長先生はわかりました、と私たちに追加で説明をしてきた。聞けば、このセブンスターズの挑戦状はこの学園の理事長から校長に連絡がきたらしい。校長もその伝統については知っていたけど、実際に行うのは初めてであり、当初は響先生も含めて教師陣が反対したが、理事長の権限で押し切られてしまったそうだ。つまり、校長はそのまま理事長のメッセンジャーとなっていたにすぎないと。それは、校長の権限なさすぎないかしら?

 

「秋人君の言う通りです。本来であれば、きちんとした報酬も、安全に対する言及もすべきでした。教師として、大人として恥ずかしい限りです」

 

「そうだな。確かに危険なデュエルだ。俺たちの安全や、周りの生徒たちだってその挑戦について周知していないなら危険が及ぶ。そう言った対応は、アカデミア側にしっかりやってもらいたいな」

 

 そう三沢のボウヤもいう。確かにその通り。その言葉に、校長はしっかりと金銭的な報酬、それぞれカギを持つもの、そしてその周りの人間に対する怪我の保証、警備の強化を約束し、改めて秋人へ依頼をした。それにしても、その理事長というのは何者なのかしら。どうしてかたくなに、その挑戦を生徒にやらせようとしたのか。今回の教師の枠も、1つと限定されていたらしいし。

 

「……わかりました。お受けします。ですが、その約束が反故にされた場合、俺は即行でこの鍵を粉々に砕いて海に捨てますので、そのつもりで」

 

 こうして7人の鍵の守護者が決まり、私たちは寮へ戻ることになった。時刻は夜。夕食を終えて、秋人はセブンスターズに備えるためにデッキを引っ張り出して調整している。

 

「どう? 調整のほうは」

 

「一応は終わった。後は、どのタイミングでセブンスターズが仕掛けてくるかだな」

 

 聞いた話では、すでに一人がこの学園の中に侵入したという情報がもたらされたらしい。警備を強化する前だろうから仕方がないけれど、この学園のセキュリティはもう少しどうにかならないのかしら?

 

「ま、秋人なら何が来ても大丈夫だと思うけどね」

 

「そうね、ダーリンが負ける場合それはたぶん、もうほかのみんなも勝てないと思うわ」

 

「……どうかな、いったいどんなデュエルを仕掛けてくるのか、見当がつかないからな」

 

 確かに、かつて秋人がした闇のデュエルは、実際に怪我を伴うものだった。そういわれると確かに、万が一ダメージを受けて倒れたらその時点で敗北となるだろうし、難しいかもしれない。

 

『ほう、大層な自信だな。鍵を持つ者。ならば俺の相手になってもらおうか』

 

「「「「―――⁉」」」」

 

 その突然の声に、私たちは全員がそちらを向く。その玄関口に立っていたのはマスクをつけた男。いつの間に、いいえ、いつからそこにいたというの。とっさに秋人がその男の近くにいたツァンを抱き寄せて後ろに隠し、私とレジーもその後ろへと隠れた。その後ろ手に、私はサラの入っていたデッキケースを手に取った。その見えてしまったあるものに、気が付いたからだ。

 

『サラ、聞こえている? あの男の、あれは……』

 

『そ、そんな……あれはあの人に託したペンダントの片割れ⁉』

 

 そう、かつて異世界からやってきたという男にサラが託したペンダント。私も持っているそれが、その男の首にあったのだ。あれがサラの探していた男の人なのか、それともその男から奪ったものなのかはわからない。だけど、鍵を持つ者、という言葉を聞く以上、この男がセブンスターズの1人なのだと確信した。

 

『我が名はダークネス。貴様を最初に葬り、そのカギを手に入れさせてもらおう』

 

「……表に出な。相手をしてやる」

 

 そういって手にデュエルディスクをセットする秋人。デュエルをするのにさすがにこの部屋は狭い。けど、ダークネスの面の赤いクリスタルがまばゆい光を放つ。

 

『その必要はない。ふさわしいフィールドに招待してやろう。“闇のデュエル”にふさわしい、そのフィールドにな!!』

 

 その眩しさに一瞬目を閉じる。けど、次に感じたのは熱。熱い、いったい何がどうなって……っ!?

 

「きゃああああ!? なに、なんなのこれ!?」

 

「こ、これって、アカデミアの火口の真上!?」

 

「これが、あの男の力?」

 

 ツァンが悲鳴を上げる。当たり前だ。私だって気絶したいくらいの恐怖体験だ。この前の体験の比じゃないくらいに。不思議な光の檻の中に私たち3人は閉じ込められ、年に1度使われる火口近くのデュエルフィールドに私たちは移動していた。しかも、秋人はそのフィールドの上だけど、私たちの下は火口。この檻が消えれば私たちは死ぬ。

 

『そいつらは人質だ。逃げようなどとは思わぬことだぞ』

 

 そういって笑みを浮かべるダークネス。そんなダークネスに対して、初めて見る怒りの表情で、秋人は言い放った。

 

 

「おい、お前、あいつらに手を出しておいて……

 

 

無事で済むと思ってんじゃねぇぞ……!

                          

『生半可な覚悟で臨んではつまらん。そして、このデュエルに敗北した者はこのカードに封印されるのだ……ふはは、さあ、始めよう、闇のデュエルを!』

 

 よく見えないけど、そのカードは白紙のカード。けど、サラを、精霊のカードを手にしたからわかる。あれは危険だ。ドス黒いオーラが見えている。すると、レジーが隣で大声を張り上げた。

 

「秋人! 駄目よ! 冷静さを失わないで!」

 

「レジー? それってどういう……」

 

「私たちという人質、そしてその私たちの命に制限時間を設ける、そんな状態で戦ってごらんなさい! 冷静な判断でデュエルができるはずがないわ! 怒りに飲まれては駄目よ! “私がどうしてそんなことを言うか”、貴方ならわかるでしょう!?」

 

「……!」

 

 いったい、何の話をしているのだろう。レジーの言葉に、秋人の表情が一瞬だけ戻った。そして、両手で頬を叩くと、レジーに頷いた。

 

「3人とも待ってろ、すぐに助ける!」

 

『チッ、余計な真似を……』

 

「いくぞ、ダークネス。そのカードに封じられるのはお前のほうだ」

 

『くはっ、いうではないか……いざ』

 

 

「『決闘(デュエル)!!』」

 

 

 




というわけで、セブンスターズ編開幕。次回はダークネスとのデュエルが始まります。

前作との変更点と追加
墓守の話全カット。”武藤秋人”の話はまた別の機会に

鮫島校長の扱い
やっぱり何度見返してもこの人教育者向いてないんだよな

響先生不在
優秀な人ほど肝心な時にいない法則

VSダークネス
次回、ダークネスとの闘い

レジーの言葉
漫画版の十代VSレジーの時の一コマを思い出させる発言

ガンマレイ様 オヤP様 七夜夜刀様 麺馬鹿様 楠葉様 まつもっこり様
gxdh様 無意識牡鹿様 無類様 blackfenix様

感想ありがとうございます。また、感想いただけると嬉しいです。

45「始まりを告げる闇の決闘」(後編)

秋人が今後使用するデッキ

  • シンクロ
  • エクシーズ
  • 融合
  • ビートダウン
  • バーン
  • テーマデッキ
  • OCGガチデッキ
  • 主人公の模倣デッキ
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