言霊の巫女は食の世界へ?   作:セシア

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オリジナルです!虹の実と違って少し短いですが、できるだけ楽しめるように頑張りますのでよろしくお願いします!


オリジナル:矢がなる木と片目の少年

白夜がグルメ中央卸売市場にいる頃・・・

焔side

白夜が情報を集めに行っている間、私はこの世界の食材に傷などを治療するための食材を探していた。前にヨハネスさんという方から貰ったという本を読み漁る。ガイドみたいなものに載っているので結構わかりやすかった。

いろいろ読み漁っている最中、気になるものはページに折り目を入れておく。だいたい読み終わった後、まず私は一つのページを開いた。これは治療には関係ないが、弓矢を使う私にとって見過ごせないものだったのだ。

「矢がなる木・・・矢な木(やなぎ)。柳のように矢が垂れ下がると言われる木らしいけど・・・」

見に行った方がいいよね?私の矢もたくさんあるわけじゃないし、なくなったりすれば戦いになった時に困るのは自分だ。

「あ、そういえば矢な木の近くにもうひとつ気になる物があった・・・」

そう呟いて私はそのページを開く。矢な木がある森の少し離れた所にある洞窟の奥にあると言う傷を癒す蜜を出すユリ・・・命のユリ。

「ちょうど近いし、見に行ってみよう。あった時は少し取っていけば怪我した時に役立つと思うし」

この世界に来て私は少し変われた気がする。森の守護者としてずっと森の中にいた頃より、行動することが多くなったのだ。トリコが言っていた言葉・・・“思い立ったが吉日、その日以降はすべて凶日”また今度でもいいやと思って後悔するよりも、すぐに行動して後悔した方がいい。私はすぐに着替えて準備を始めた。服装は白夜に選んでもらった動きやすい格好・・・着るのはちょっと嫌だったけど、今回は危険な場所の可能性があるからこれの方がいいと判断したのだ。白夜といえば・・・

「もし白夜が帰ってきていなかったら驚くかもしれない・・・置き手紙を残そう」

別に白夜がどう思おうが知らないが、一応残しておいても問題ないだろうと思った。私は“矢がなる木のある森に行ってきます。焔”

と書置きをテーブルの上に置いてリュックを背負い、弓矢を持って家を出た。ついでに言えば、私たちが住んでいるのはあまり人が来ない森にあるツリーハウスという木の上にできた家。木の上を登ったりできる私達にとっては動きやすい場所だ。

「さて、場所は・・・あっちだな」

私は目的の森に向かうために走り出した。

 

数時間後・・・

少し走った後に休憩したりして矢な木のある森に向かう最中、私は見事に迷ってしまった。周りは深い森で来た道さえもわからない・・・。

「どうしよう・・・来た道もわからないから帰れないし・・・」

やっぱりもっと詳しく調べておけばよかった・・・。この森に人はいなさそうなので、人に聞くことはできないが・・・私にはもうひとつの方法があった。

「よし、一か八かやってみよう」

私は持っていた弓の弦を思いっきり引いてこう囁いた。

「“風よ、我が願いを音とともに伝えよ”」

どうか凶暴じゃない子が来ますように・・・そう思いながら弦を離す。すると、澄んだ音が森中に響いた。

-ピィーーン-

音が鳴り響いてしばらく・・・遠くから何かの足音が聞こえてきた。これは猛獣の音じゃなくて・・・

「ヒヒィーン!」

「え、馬!?」

こちらに駆けてきたのは猛獣ではなくて馬だった。それも白くて綺麗な馬・・・ついでにその馬の上には人が乗っていた。

「と、止まれ!そこの君避けて!」

その人が必死に止まるように言うが止まらない・・・このままじゃ私が避けてもこの馬や人が怪我しちゃう!

「お願い、止まって!」

-キキーッ-

私が目をつむってそう言うと、急に止まったような音が聞こえた。私はそっと目を開けると、きっちり止まって私の顔を見ている馬の姿が・・・

「た、助かった・・・君、大丈夫かい?」

「え、あ・・・は、はい。大丈夫・・・です」

やっぱり人と関わるとこうなっちゃうか・・・。そういえば、この子私の言うこと聞いてくれたということは・・・この子はあの音を聞きつけてきたんだ。

「散歩してたらこの子が急に走り出したもんだから・・・本当に大丈夫?怪我とかしてない?」

「へ、平気・・・です。あと・・・ごめんなさい」

私は馬から降りて怪我とかしてないか心配するその人に謝った。

「どうして君が謝るんですか?」

「じ、実は・・・」

私は言葉があやふやになりながらも自分がやったことを説明した。

「そうだったのか・・・」

「ほ、本当に・・・ごめんなさい!貴方も、ごめんね」

私はさっきから私のそばに寄ってくる馬を撫でて謝る。すると、馬は私の頬にすり寄った。

《気にするな、俺は呼ばれたから来ただけだ》

「その子も怒ってないし、僕も気にしてないよ。それより、“矢な木”がある森に向かってるんだったよね?」

私はコクリと頷くと、彼はニコッと笑った。

「それじゃあ、僕が連れてってあげるよ」

「え、でも・・・」

迷惑なんじゃないかと思っていると、馬が私の首元の服を咥えて持ち上げた。

《呼ばれて何もしないのお断りだ》

「その子も連れて行きたいみたいだしね。僕は滝丸、君は?」

クスクスと笑う彼・・・滝丸さん。私は馬に「分かったから降ろして」と言って降ろしてもらうと、礼をした。

「わ、私は・・・焔」

「焔ちゃんか。それじゃあ行こう」

私は恐る恐る滝丸さんの手を取って馬の上に乗せてもらった。そして、そのまま森の中を駆け抜けていく・・・




はい、今回はセンチュリースープの時に出てくる滝丸を出しました。ついでに言うと、主人公のもう一つの力・・・“言霊”を使ってみましたがどうでしたか?それと、オリジナルのものも出してみました。矢がなる木・矢な木《やなぎ》は柳の画像を見て思いつきました。後から出てくる命のユリの説明は本編で!もう一人驚きの人物を出す予定なのでお楽しみに!
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