言霊の巫女は食の世界へ? 作:セシア
焔が滝丸と出会っている頃・・・
白夜side
俺は今かなり不機嫌な顔でいるだろう・・・。理由は簡単、さっき連れて行かれたはずのティナが追ってきた挙句、トロルコングと戦っている(という名のノッキングしている)この場をカメラで撮影しているのだ。ただでさえこの鬱陶しいほどの数で襲ってくるトロルコングたちの相手に忙しいというのに、はっきり言って気が散ってならない。トリコが小松を背負って戦っている間、何故か俺まで手伝う羽目になってしまったのだ。まあ、暇だからついてきた俺も悪いとは思うがな?そんなことを考えていると背後にいたトロルコングが俺の頭上めがけてでかい手を振り下ろした。
「「白夜!/さん!」」
二人の声が響く中、俺はため息を吐いて幻術を一つ使った。幻術と言っても俺が蓮の花を残して消えたように見せかける簡単なものだ。そして本物の俺はそのトロルコングの背後にいて・・・
「ノッキング!」
そいつの足にノッキングを喰らわせてやった。
そして次に襲ってくるやつもノッキングして黙らせる。
「ったく、どんだけ数がいんだよ・・・」
「白夜!お前さっきのは・・「幻術だよ。やられたように見せかけて実は偽物でしたって感じの」心配して損した!」
酷えこと言うなトリコ・・・これでもこの幻術はあまり使いたくなかったんだぜ?疲れるしそこにカメラで撮ってるティナがいるし・・・
「さっさと終わらせるっきゃないか・・・それも難しいだろうけど」
俺がそう呟きながらトロルコングの相手をしていると、トリコがトロルコングに捕まった。やべ、今俺はそっちに行けないしどうする・・・と思っていたら、トロルコングがトリコを離した。さっき舐められた時に着いた下っ端の匂いがこの雨で取れたのだろう・・・。そうとわかったトリコは例の化身みたいのを出した。
(いつ見てもゾッとするなあれは・・・)
そう思っていると、トリコのアレにビビって隠れた白い毛並みのコングに気づく。トリコは気づいてないが、その背中にいる小松は気づいたみたいだ。
-ガッシャーン!!-
そんなことをしているうちにトリコの近くに雷が落ちた。俺はその場から遠いところにいたから平気だ。
「クッ!!」
「うがああ!」
「大丈夫か?」
小松がすんごい声出してたけど大丈夫なのか?見た目まだ元気そうだけど・・・あの白いコングまたいち早く逃げたな。
それにしても・・・
「危ねえな…虹の実に当ったらどうすんだ」
溜息を吐く俺と背中にしがみついている小松にトリコが突然こんなことを聞いた。
「白夜!小松!今の雷で真っ先にビビった奴はドイツだ!?」
「え?何でですか?」
「まさか、あれがボスなのか?」
確かに他のトロルコングと違う部分はあるんだが・・・(てか、ほとんど白い毛むくじゃらだから全く違う)。
「で、でもボスつて一番ビックリしないのが」
「逆だよ、群れのボスに必要なのは強さ以上に危機管理能力!危険を真っ先に感知するのがボスの器だ!!」
あー成るほど・・・・。危機管理能力は群れをまとめる長に必要な力ってわけだ…!奈落も一応?あるみたいだし。
「なら、あの白い奴だな」
「はい、あの白いゴリラです」
「あいつか、年長者の証の白い毛並み。シルバーバック!見つけたぜ!よく見つけたな小松!白夜!」
へー、あの白い毛って年長者の証なのか・・・これは知っておいても損はない情報だな。
「俺ははただ周りを見てただけだ」
状況からこっちの方が数が少なかったしな。
「僕は、トリコさんの背中にいると不思議と冷静になれて・・・」
なるほど、いい精神力してるよ。小松か・・・トリコの次に面白い人材だ。
「さて、俺の体についてる下っ端の匂いは完全に流れ落ちたって事だな」
そう言いながら、白いゴリラの前まで移動する。他のゴリラ達皆ビビって道開けてるし。やっぱりあの化身は相当おっかねぇんだな・・・。
「ぐるるるる!!!」
「・・・・・・・・・」
トリコがじっとボスを見ている。なんか目にはすごい凄みを感じるのは・・・あいつも同じだろうな。
「ぐる・・・・・・・」
ボスゴリラまでトリコの獣を見たのか、あっさりと頭を降ろした。獣を従えるほどの力・・・
焔の力とはまた違った力だな。あれはある意味脅しだ。
静かな決着の後、漸く雨が上がった。虹の実が綺麗に輝く。
「虹の実だ!」
「・・・・・すげえ綺麗だな」
ただ一言それしか言いようがない程綺麗だ。
これを焔が見たらどう思うだろう?後で持って帰ってやるか。
「うわー・・・て、ティナさん!何でここに!?」
「あ、あ、つい引かれちゃって!!」
ばれたら怒られるもすまないな。ドンマイ・・・でもこれは自業自得だ。それよりも・・・
「トリコ!持って帰る実は一つだけだろ?」
でないとこいつらの生活が困るはずだ。
「あぁ!コイツ等の生活を脅かす事はしねえよ」
「み、皆さん!おいしいニュースです!これが虹の実!」
ティナがカメラをトリコが掲げる虹の実に向けるが・・・それはガードされた。
「だから勝手な取材は困ります!」
ヨハネスさん、やはり来たか・・・・て、やっぱりつまみだされるティナ。コング達も呆れてる。
虹の実捕獲を書きました。次回は虹の実の実食を書きたいと思います。お楽しみに