言霊の巫女は食の世界へ? 作:セシア
私がムスッとしながら外の景色を見ていると、近くに人の気配が近づいてくることに気づいた。
「おいこら!!」
近づいてきたのはいかにも野生的な格好をした大男。後ろには似たような格好をした男が二人。
「「ん?」」
トリコと小松はなんだ?って顔でその大男を見た。私は白夜のTシャツを掴んで白夜の後ろに隠れる。白夜は苦笑いを浮かべながらその3人組を見ていた。私のこの性格は今に始まった事ではないのだ。
「酒が足りねえと思ったらこんな所に沢山あるじゃねえか!舐めやがって、俺は美食屋ゾンゲ様だぞ!!」
大声を張り上げる大男を見て私は顔をしかめた。Tシャツを掴んだ手に力が入る・・・こんな大声で騒いだら他の客の迷惑だ。でも、私ではそのことを言えない・・・
「やいやいやい!」
「見て驚けよ!ゾンゲ様の人生のフルコース!」
私がそんなことを考えているとも知らない子分らしき二人が一枚の紙切れを出す。・・・が、それは左右逆になっていた。この人達、馬鹿なの?
「アレ?普段僕が料理で使う食材ばかりだ・・」
「唯一珍しいのは、ガララワニだな」
白夜は動じずにそう言いながら私の手を握った。これはもう少し我慢しろという合図だ。
小さく頷いた私はそのまま話を聞いた。一番珍しいガララワニは1mの小型だったらしい。はっきり言ってこの人達馬鹿としか言いようがなかった。
「こらぁ!酒よこさねえとひでぇ目に・・「おいアンタ」あぁ?」
男の言葉を遮ったのは白夜。顔がとても不機嫌なのは、たぶん演技だ。ついでに今立ち上がっている。
「ゾンビだかなんだか知らないけどな、他の客の迷惑も考えられないのか?マナーも守れねぇ客はつまみ出されても文句は言えねぇぞ」
すごい、演技なのに本当に怒ってるみたいだ。
「ゾンビじゃねぇ!俺はゾンg「だから静かにしろって言ってんのが分かんねぇのか?いい加減にしねぇと車掌呼んでつまみ出してもらうぞ?(殺気)」・・・チッ、今日のところは勘弁してやる」
白夜の殺気に怖じ気づいたゾンビは部下を連れて逃げて行った。白夜は「ふぅ」と息をついて座り、私の頭を撫でる。もう大丈夫という合図だ。撫で方が優しいから気持ちいい・・・
「白夜さん・・・凄いですね」
「そうか?ほら、もう手放しても平気だろ?」
「ん・・・」
私は白夜のTシャツから手を離した。それを見てトリコが察したようだ。
「焔が怯えてたから追い返したのか?」
聞かれた白夜本人は少し不機嫌そうな顔をした。あれ?これは演技じゃない?
「こいつが人との関わり苦手なの知ってるだろ?あぁいう奴がいるとしばらく話せなくなるから困るんだよ」
白夜がそんなことを言っている間、ふと目の前にいる人に気づいた。
「・・・白夜」
私は白夜のTシャツを少し引っ張った。
「ん?あぁなるほど・・・何か用か?爺さん」
目の前にいたのは白髪リーゼントのお爺さん。さっきの人より怖くないけど、この人は只者じゃない気がする。
「すまんが酒を分けてくれんかのぉ?今飲んでるものが無くなってしもうて」
「あ〜・・・トリコ、小松。分けてやってもいいか?」
「あぁ、いいぜ」
「どうぞどうぞ!」
トリコの許可を得て白夜は今ある酒瓶をお爺さんの前に出した。それとは別に一番良さそうな酒を1本お爺さんの前に出す。
「これは俺からだ。騒がしちまって悪かったな。
ボソッ(お互い頑張ろうぜ、伝説の美食屋さん」
「!ありがとうごぜえます、旦那。この酒の恩は・・・いつか・・ギヘ」
白夜が呟いた言葉にお爺さんが一瞬反応を示した。トリコと小松には聞こえていなかったけど、私には聞こえたのは白夜がそうしたからだろう・・・お爺さんはそのまま去って行った
はい、今回はモブキャラの3人と謎のお爺さんを出しました。まぁ、謎のお爺さんの正体は後々わかるんですが・・・。何気に原作崩壊してますのでタグに付け足しておきました。次回はいよいよあの人が登場!誰だかはお楽しみで!