言霊の巫女は食の世界へ? 作:セシア
ココさんの真剣な目を見ながら私は次の言葉を待った。ココさんは低い声で、まるで忠告するような口調で話す。
「フグ鯨の産卵場所には行くには全長数十キロ、深さ800メートルに及ぶ猛獣達が潜む迷宮を抜けなければならない。そして・・・もっと厄介なのは地獄から来た魔獣デビル大蛇が生息している事だ」
「で、デビル大蛇!??」
小松の悲鳴に似た声にビクッと肩が震えた。いきなりそんな声を出すからびっくりしたのだ。
「太古の昔最強と言われたバトルウルフ、奴と肩をならべた魔獣だ」
「これまた厄介な奴がいたもんだな」
白夜の方を見ると、いつも以上に深い苦笑いを浮かべている。そんな顔をするほど強い猛獣なのだろうか・・・?私が不安そうな顔をする中、近くから笑い声が聞こえた。こっちもいきなりのことでビクッとなる。
「あははは!危険なのは分かったって、何なんだ?占いに出てんのか?俺や小松に、焔や白夜の命がねえとでも」
「あ・・・・」
陽気な声なのに内容がかなり重い・・・私は白夜の服の端を掴んだ。
「死相でも見えるってか?」
死相・・・その言葉で私の中にある不安が増える中、白夜が私の手を握った。白夜の方を見るといつも以上に頼りになる顔をしている。これは見たことないけれど、何があっても守るという意味なのだろう・・・私は強く頷き、白夜の服を離して手を握った。
前までは警戒していたはずなのに、いつの間にか白夜のことを信じるようになっている自分を不思議に思いながら・・・。
「・・・何年ぶりになるかな、美食屋の仕事は」
「!じゃあ!!」
ココさんの言葉に小松の顔がパァと明るくなる。それに応えるようにココさんも笑った。
「同行するよ」
「よっしゃあ!!流石ココ!!」
小松とトリコが大喜びする中、ココさんが小松のことをジッと見ているのを私は見逃さなかった。この旅で、小松の命が危ないかもしれない・・・。それが顔に出ていたのか、白夜が私の頭にポンと手を置いた。さっきの掴むではなく本当に手を置く方だ。
「大丈夫だよ、あいつは弱いけどそう簡単には死なない。お前も感じてるんだろ?」
「うん・・・小松には何かある。自然の力とは別の・・・不思議な何かが」
そう呟きながら私は未だに喜ぶ小松の方を見ていた。それをココさんが見ていたとも知らないで・・・
ココside
僕は初めて二人を見て少し違和感を覚えていた。まず、焔ちゃんは自分の電磁波とは別の何かに守られている・・・。それは自然から発せられる電磁波と似たようなもので、それらは彼女を慕うように纏わりついていた。キッスが彼女に懐いたのも、その自然と似た電磁波に惹かれたものだろう・・・。彼女がキッスから降りた後に小さく何かを呟いた時も内容は聞こえなかったけど、それを呟いた瞬間に彼女に纏わりついていた電磁波が優しい色に変わってキッスの方に向かったのが見えた。キッスが心地よさそうにしていることから害のないものだろう・・。
彼女のことはまだ良かった。だが、問題はもう一人の白夜という男だ。彼から感じる電磁波は、見たことのない不吉な電磁波だった。それも、複数の何かが混ざり合ったような電磁波だったのだ。彼は一体何者なのか?本当に敵ではないのか・・・僕はそんな疑問を浮かべながら二人を見ていた。僕はまだ知らない・・・彼が不遇な運命を持っていることなど、知るよしもなかった。
ココさんから見た主人公と白夜はいい印象と悪い印象に別れましたが、もしココさんが白夜の正体(奈落の分身であること)を知ったらどういう反応をするんでしょうか?それはまだ先の話ですが、その時まで行けるように頑張ります!