言霊の巫女は食の世界へ?   作:セシア

23 / 49
いよいよきましたフグ鯨洞窟!ここから先戦闘シーンもありそうですが、頑張ってみたいと思います。


入江の洞窟と白夜の気遣い

私達はココの家からフグ鯨が来る入江の洞窟まで来ていた。洞窟前にはかなりの美食屋達が待ち構えている。その中に、美食屋とは違う人が紛れ込んでいた。

「トリコ!!やっぱり来ると思ってた!!」

白夜はその人を知っているのか、苦虫を潰したような顔をする。

「また面倒な奴が・・・」

「白夜・・・?」

私は白夜の後ろに隠れながら首を傾げた。いつもなら苦笑いを浮かべる白夜が、こんな顔をするのだ。何かあったのかな?

「あ!四天王美食屋ココ!!?トリコとココのツーショットってテンコ盛りスクープ!」

嬉しそうにカメラをココさんに向ける女の人だが、ココさんの顔がなんだか辛そうに見えた。

「止めてくれないか!」

「え・・・」

ココさんの厳しい声によりカメラを向けるのを止めた。ココさん、何か辛いことでもあったのかな・・・?

「すまないね・・・余り撮られるの好きじゃないんだ」

そう言い顔をそむけるココさん。そして白夜が口を開いた。その顔はとても不機嫌な顔だ。

「ココに同感だ。そっちはスクープを撮るのが仕事なんだろうが・・・こっちは気が散ってならないし、今回は人見知りが激しい奴も一緒なんだ。撮るなら他をあたってくれ」

人見知りが激しい奴って絶対私のことだよね?確かに撮られるのは嫌だけど・・・何気に気遣ってくれる白夜の服をギュッと掴んだ。しばらくの間、重い空気が私達の周りを漂った。・・・が、その空気を小松が打ち破る。

「あ、ティナさんまた一人で撮影ですか!」

この女の人はティナさんというのか・・・というか、今のは小松に礼をいうべきだ。あの重い空気を少しマシにしてくれた。

「まあね、10年に一度のチャンスなのにスタッフは恐がって誰もきやしないんだから」

いや、そのスタッフの人が正しいと思う・・・

「こ、こんな危険な洞窟に・・・まさか、一人で行く気だったの?」

勇気を出して話そうとする私。やっぱり、白夜と一緒にいると少しはマシに話せる。当の本人はまだ不機嫌そうな顔をしていた。

「あはは;;でも確かに不穏な空気が」

洞窟の入り口の方を見ると、確かに殺気だった連中がいた。私は白夜のシャツを掴んだまま後ろに隠れる。白夜はそんな私の頭を優しく撫でてくれた。

「美食屋が捕獲したフグ鯨を横取りしようって連中だろ」

「洞窟から戻っても危険なんですね」

小松がすごく怯えた様子でいる・・・そりゃあ怖いものは怖いもんね。

「ま、実力の差も分かんねえならタダじゃ済まないだろうけどな」

「は、はははは;;じ、冗談ですよね?」

確かに、小松みたいに弱い人ならともかく・・・もしもっと強い奴のを横取りしようとしたならタダじゃ済まないかもしれない

「俺は何もする気はないぜ?ボソッ(軽く幻術見せればいいだけだし」

「ボソッ(やりすぎちゃダメだからね?」

「ボソッ(わかってるよ」

私達がそんな会話をしている間、ココさんがあの人たちのことをジッと見ていた。

「(ほぼ全員に死相が見える)」

「ぎょえええ!!?やっぱり怖い!!」

突然小松が悲鳴をあげるのに私はビクッと肩を震わせた。小松の悲鳴でこうなるの2回目だ。白夜はそれを見て肩を竦める。

「小松、いきなり叫ぶな・・・焔がびっくりしてるだろ。それと、煩くすると余計に猛獣が寄ってくるぞ」

「うぐぐぐ・・・すみません」

白夜の毒舌混じりの忠告に小松は慌てて口を閉ざした。本当に大丈夫かな?一応風の守護やっといたほうがいいのかな・・・

「(この洞窟にいる何かに命を取られると言うのか?)」

私がそんなことを考えている間、ココさんはジッと美食屋達を見ていた。何か心配事でもあるのかな・・・?

「さーて行くか!」

「は、はい!」

「焔、気を引き締めとけよ」

「分かった・・・!」

トリコ、小松、白夜、私の順に声を上げる。弓矢と持ってきていたナイフの確認をして覚悟を決める。トリコの声で私達は洞窟に足を踏み入れようとした時。

「幻の魚フグ鯨・・・・」

「「あ?/え?」」

「なんか嫌な予感が・・・」

ティナさんがポツリとつぶやいた。トリコと小松が素っ頓狂な声を上げる中、白夜だけがピクリと眉を寄せる。

「どんな食材か知りたい、私が知りたいんだから世界の皆が知りたいはずよ。この私がフグ鯨のおいしいニュースを世界に教えてあげるの!だから・・私も一緒に行くわ!!」

その言葉に、白夜の顔が嫌な顔になった。私は慰めるように白夜の手を繋ぐ。白夜は一瞬驚いたが、ギュッと握り返してくれる

「そう言われてもだね・・・」

ココさんが微妙そうな顔をする中、トリコが声を出した。

「ついて来たいんなら好きにしろ、思い立ったが吉日その日以降は全て凶日だ」

「ついて来んのはいいけど、こっちにそのカメラ向けるなよ」

トリコの言い分もあってティナは私達と洞窟に入った。白夜はいつもよりも低い声でそういったことから一緒に来ることは許可してくれたようだ。

さぁ、いよいよ出発だ。




主人公とティナさんの邂逅。そして、白夜の毒舌炸裂!普段嫌な顔をしない白夜がティナさんが関わると不機嫌になるようにしてみました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。