言霊の巫女は食の世界へ? 作:セシア
しばらくして、トリコ達が降りてきた。
「焔!急にどうしたんだ?」
「焔ちゃん・・・?」
トリコとココさんが困惑した様子で私を見る。咄嗟に動いちゃったけど、どう誤魔化そう・・・~_~;
「あのサソリゴキブリ・・・瘴気に侵されていた。そうだろ?焔」
「瘴気・・・?
白夜が真剣な眼差しで私を見る。小松は困惑した様子で言葉を聞き返した。誤魔化しが効かないから本当のことを言うのかな・・・?私はとりあえず頷くことにする。
「ココさん・・・さっき、あのサソリゴキブリについてた紫の靄・・・吸ったりしてない?」
「あぁ、離れたから吸ってないけど・・・焔ちゃんはあの靄がなんなのか知ってるの?」
良かった・・・もしココさんが瘴気を吸っていたら大変なことになってた。
「あの靄は瘴気って言う毒なんだよ。それも、解毒剤もないし抗体も作れない・・・吸ってたら大変だったぞ」
「「なっ!!?」」
「ヒィィ!?」
白夜が代わりに説明してくれた。その言葉にトリコとココは驚愕し、小松は悲鳴をあげる。
「でも、焔ちゃんの放った矢の光で消えたのは?」
さすがココさん・・・鋭いね。私は一つ深呼吸をして口を開いた。
「破魔の矢・・・」
「「破魔の矢?」」
トリコと小松が首をかしげる。やっぱり話しづらいから白夜に目を向けた。白夜はため息を吐きながら話し始める。
「言ってなかったけど、焔は巫女なんだよ。破魔の矢は穢れたものを浄化する矢・・・力のある巫女にしか使えない」
「つまり、あの瘴気を破魔の矢で浄化した・・・ということかい?」
ココさんが上手くまとめてくれたので私はコクコクと頷く。よかった、納得してもらえた・・・
「つか、焔って巫女だったのかよ?」
トリコの言葉に白夜が呆れ顔になったのは言うまでもない。初めて会った時服装みたよね?
「初めてあったとき巫女の服着てただろ・・・~_~;」
「「あ」」
トリコと小松、両方の声が重なった。小松も忘れてたんだ・・・
「それより、ココさん凄いね!あの虫達追い払っちゃうなんて!!」
キラキラと目を輝かせながら私はココさんを見た。ココさんはかなり動揺した様子で私のことを見る・・・この人、多分ある意味被害者だから。巫女としてもそうだけど、一人の人間として放っておけない!
「そうかな?僕は・・・毒人間だよ?」
トリコさんとココさんから美食屋は毒を持った生き物に対抗するために抗体を作ること、ココさんはたまたま毒に強い体質で多量の毒を摂取したことで獣も逃げるほどの猛毒を生み出せることを話してくれた。やっぱり、この人は被害者だったんだ・・・
「でも、ココさんはそれで人を傷つけたりしないでしょ?逆に助けてくれたよ?そんな人を嫌いになる理由なんてないよ!」
そう言って私は手を握った。ココさんはビクッと震えたけど、振り払うことはしない。
「焔ちゃん・・・」
戸惑うココさんの肩に白夜は手を置いた。
「ま、そういうこった。ほら、先に進もうぜ」
「あ、うん・・・」
私と白夜の様子を後ろから見ていたトリコは、小松にこういった。
「ココの血液から新しい血清を作りだそうとする科学者に追われたり、第一級の危険生物として隔離されそうにもなった。美食屋の仕事を離れたのもそんなしがらみから抜けだしたかったからだろうが・・・あの二人はそんなこと全く気にしてねぇな」
「だから・・・カメラを嫌がったんですね」
後ろの方の話を聞いていると、少し憤りを感じた。そんな理由でココさんを傷つけるこの世界の人間はどうかしている。ココさんは何もしてないのに・・・!そんなことを考えている私に白夜は半ば苦笑いを浮かべていた。
今回は破魔の矢や瘴気などの単語を出させていただきました。抜けたことに関しては本当に申し訳思います~_~;