言霊の巫女は食の世界へ? 作:セシア
しばらく歩くと、ココさんが止まった。この先に深い穴がある・・・
「トリコ!!」
ココさんは後ろを歩いていたトリコを呼んだ。さっきの悲しそうな顔ではなくて、真剣な顔をしている。切り替えが早い・・・さすがココさんだ。
「100メートルほど真下に向かって巨大な穴が広がっている」
「え!」
風の声を聞くと、この先には蠍ゴキブリなどはいないようだ。でも、もっと強い奴がいるらしい・・・どんな奴なんだろ?私がそんなことを考えていると・・・
「目が効くから、僕から先に降りるね」
「じゃあ僕ココさんと降ります!良いですよね!」
小松がココさんの背中にしがみ付いた。ココさんは驚いた顔をしている・・・。よかったこの世界に小松みたいな人がいて・・・
「あ、僕には毒が!」
「行きましょ!ココさん!!」
「小松君...」
ココさんも納得したのか、小松を乗せて下にゆっくりと降りて行った。二人が降りて行くのを見ていると、途中何か小さな光が見えた。なんだろう・・・とても綺麗
「あれは...海ホタルか!!行くぞ二人とも!」
トリコがそんなことをいう中、私は海ホタル達に懐かれていた。私何もしてないよ?白夜がそんな私の前に来てしゃがむ。
「トリコは先に降りてくれ。ほら、危ねぇから乗れ」
「あ、うん」
海ホタル達にバイバイと言って白夜の背中に乗る。白夜の背中って何気に暖かいんだよね・・・
トリコの背中は大きいけどしがみつかないと振り落とされそうで怖いのだ。トリコのあとに降りていくのは、多分巻き込まれないようにするためだろう・・・。大体降りて行くとココと小松が見えた、二人とも海ホタルに見とれているようだ。私たちの周りにもまだついてきている。
「海ホタルが居るって事は!砂浜の洞窟が近いってことか!」
「と、トリコさん」
勢いよく降りてくるトリコに汗をながす小松。私は内心でドンマイと思いながら周りを見ていた。そんなことをしていると、白夜に「焔」と話しかけられる
「さっき、四魂の欠片拾っただろ?」
「うん・・・なんでこの世界にあるのかは分からないけど、奈落があの子を狙ったのと関係あるのかな?」
白夜にそう聞くと「さぁな」と答えた。白夜の顔はとても不機嫌そうだ・・・
「俺も詳しく聞いてないが・・・だとしたら辻褄があう。まだこの世界のどこかにある可能性もな・・・」
「この欠片、私が持っててもいい?」
私は四魂の欠片を守る巫女ではないけど・・・他の人だと悪用したりしたら大変だ。
「その方がいい・・・ちゃんと持ってろよ」
「うん」
私たちはそんな話をしながら降りている。下の方を見ると、トリコが小松達に近づいていた。
その様子を眺めていたその時・・・!
『ぎゃー!!!???』
下から男の悲鳴が響き渡った。私はビクリと震えて白夜にしがみつく。怖い・・・。
「美食屋か!・・っ!?」
男の悲鳴を聞いたからか、海ホタル達は居なくなってしまった。この時、私は胸を抉られるような感覚に襲われる。これは何か悪いことが起こる時に出る予知・・・何かが起こるというの?
「何か....来る!トリコ!」
そんなことを考えている私の意識はココさんの声で現実に引き戻された。
「あぁ!一気に下りるぞ!白夜!!」
「聞こえてる!焔、しっかり掴まってろ!」
「う、うん・・・!」
トリコやココさんがいるんだ・・・何か起こるはずがない。大丈夫、大丈夫と私は自分にいい聞かせた。白夜がロープを離して、一気に下まで降りて行き地面に到着した。私は未だに落ち着かない鼓動の音を止めるために勾玉の念珠をギュッと握る。そんなことをしていると、前の方から何か来た。あれは・・・アゲハ?それともコウモリ?
「な、何ですか!あれ!」
「アゲハコウモリの群れだ!」
あ、両方でした・・・でもあの子達の声何か変。
-アイツガクル!ニゲロ!!-
アイツ?いったい何から逃げているんだろう?
「小松君、焔ちゃん、下がって」
「は、はい」
「ん・・・」
ココさんに言われて小松の隣に立つ。まだ鼓動が止まらない・・・いったいどうすればいいの?そう思っていたその時、私は後ろから口を塞がれ担ぎ上げられた。担ぎ上げたのは知らない男・・・あの感覚と同じ感覚に私は理解した。あの時のアレはこのことだったのだと・・・私はもがきながら男に気づかれないように針を白夜のそばに投げる。白夜なら気づいてくれるはずだと信じて・・・
主人公の予知能力は勘に似たようなものと思ってください。そして次回、白夜sideもしていきたいと思います!お楽しみに!