言霊の巫女は食の世界へ?   作:セシア

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前回の続きです。更新が少し遅れてすみませんでしたm(_ _)m


恩返しと伝説の美食屋

白夜side

俺がトリコ達から離れてしばらく走ると、焔を担ぐ男の姿が目に入った。アイツが焔を攫ったのか・・・!そしてそいつの先には蠍ゴキブリが・・・

(おいおい、焔はこいつら苦手なはずだよな?)

そんなことを考えていると、アイツが焔を投げようとしていた。その行動に俺は怒りを覚え、焔を蓮とすり替える。気づかせる間もなく俺はそいつの背中を蹴り飛ばした。いきなりの不意打ちにそいつはあっけなく倒れ、蠍ゴキブリの餌食に・・・ざまぁみろ。そしてそのまま俺は腕の中にいる焔に目を向けた。

俺はこいつのことを守りたい・・・初めて知った気持ちに俺は戸惑いを感じた。

 

焔side

「遅くなって悪かったな・・・おわっ!?」

私は白夜に降ろされたと同時に白夜の方に飛び込んだ。さっきからぽろぽろと涙が止まらない・・・

「焔・・・怖かったのか?」

いつもならからかうのに、今の白夜の声は真剣で優しく聞いていたくなる声だ。すごく落ち着く中、私は震えながらコクリと頷いた。すると白夜は何も言わずに私を抱きしめ返す。

「本当にゴメンな・・・俺がちゃんと気付いていればこんな目に合わなかったのに・・・」

その言葉に私はフルフルと首を横に振った。白夜は来てくれたのだ。だから何も悪くない・・・それよりも・・・

「蠍ゴキブリ達は・・・?」

「あぁ、こいつらなら俺らを襲う気はねぇみてぇだ」

白夜に言われて恐る恐る見ると、確かに蠍ゴキブリ達は私たちを襲うこともなく頭を下げていた。

「どうして・・・」

「一番前のやつ見てみろよ」

一番前の蠍ゴキブリを見て、私は納得した。その蠍ゴキブリは先ほど瘴気に侵されていたやつなのだ。多分仲間を説得してくれたのだろう・・・

「ありがとう・・・もう巣にお帰り」

蠍ゴキブリ達は頷いてその場から去って行った。

「焔、トリコ達のところに行くぞ」

「それより小松は・・・」

小松がデーモンデビル大蛇に襲われていることを思い出して聞こうとしたその時・・・!

-ドゴーン-

遠くですごい音がした。そしてそっちは、小松が投げ捨てられた方だ。

「小松・・・!わっ、白夜!?」

小松のところに行こうとして私は白夜に背負われた。

「足が震えて動けねぇだろ。走るからしっかり掴まってろ」

「う、うん・・・!」

白夜に背負われて戸惑いながらギュッと服を掴む。ずっと警戒しかなかったのに、いつの間にか心を許していた。でも、なぜか悪い気がしない・・・。

そんなことを考えていると、白夜が急に止まった。恐る恐る顔を出すと、そこには倒れている小松と、動かなくなっているデーモンデビル大蛇。そして・・・でかいお爺さん。

「だ・・・誰?」

「安心しろ、列車の時の爺さんだよ」

列車の・・・あ、白夜がトリコ達に聞こえないようにつぶやいていた伝説の美食屋さん?

「お主らは列車の・・・」

「その様子だと、小松の心臓は止まってるんだろ?」

心臓が・・・止まってる・・・?それって・・・私の体が震えだす。過ぎったのは両親の死・・・

「そうじゃよ。じゃが、この子には酒の恩がある」

おじいさんは一つのノッキングガンを取り出して小松の体に押し当てた。

「なにを・・・「大丈夫だよ」でも・・・」

「音によるショックで心臓が止まってるなら、別の方法でショックを与えればいい。見てみな」

白夜に言われて見てみると、ノッキングガンで心臓にショックを与えて小松の心臓が動き出した。すごい・・・

「あとは、この子の鼓膜を修復して」

お爺さんが小松の耳に何かを入れて鼓膜を修復してくれた。この人・・・いい人だ。

「もう大丈夫・・・ほら、起きんか」

「おいおい・・・あんたが起こしたら・・・」

白夜がすごい苦笑いを浮かべてそれを見ていた。小松が目を覚ましておじいさんを見た瞬間、その場から逃げ出す。白夜はそれを見て吹き出した。

「ギャアア!?でかい爺さんの化け物〜!!」

「化け物じゃと!!?命の恩人じゃぞ!」

「だから言っただろ・・・ww」

小松が“命の恩人”と聞いてなにがあったのか思い出す。

「はっ、焔さんは・・・!!?」

「ここにいるよ」

私は白夜の背中から手を振る。そんなことをしていると、おじいさんが持っていたものを持って歩き出した。

「あの、ありがとうございました!」

私は頭だけでもペコリと礼をする。それに対しおじいさんは・・・

「そうじゃ、洞窟の砂浜に何か得体の知れない者が近づいて来とるからフグ鯨を捕ったら直ぐ帰った方がいいぞ」

と言い残して去って行った。本当に不思議なお爺さんだったな・・・




白夜さんがしたのは、幻の力で相手に一瞬の隙を作ってすぐさま入れ替えるというものです。次回もお楽しみに!
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