言霊の巫女は食の世界へ? 作:セシア
お礼参りと新たな出会い
フグ鯨洞窟から帰って数日経ったある日。
私と白夜は絶命の洞窟を訪れていた。目的は命のユリを分けてもらったお礼だ。お礼というのも、フグ鯨のヒレ酒とお刺身を持ってきた。本当は一人で行きたかったんだけど・・・。白夜に見つかった上に怖い笑顔で詰め寄られたから素直に話したら一緒に行くことに・・・(-。-;
「ったく、説明してくれりゃ良かったのになんで黙ってたんだよ」
「だって、白夜機嫌悪そうだったんだもん」
最近何があったのか、白夜の機嫌が悪いことが多くなった。それに、一人でどこかに出かけることも増えたのだ。
「はぁ・・・別にお前のせいじゃねぇからそんな顔すんなよ。最近誰かに見られている感じがしてならなかったんだよ」
「え?もしかして今も・・・?」
私は少し警戒しながら周りを見たが誰もいないし気配もない・・・
「いや、俺が一人の時だ・・・ほら、着いたみたいだぞ」
白夜に言われて前を向くと、前に来た時と同じく広いところに出た。前の方には命のユリが今でも咲き誇っている。前来た時はかなり一生懸命だったから気にしてなかったけど、少し怖い・・・
「主さん?いますか?」
恐る恐る声を出してみると、奥の方で何かが動いた。こちらの方に近づいてくる。
《む・・・?焔か?》
「うわぁ・・・デケェな。イテッ」
なんとなく白夜の足を踏んで向きなおる。主さんはこの前より少し大きくなったみたいだ。
《そこの男は誰じゃ?》
「この人は白夜、私と同じで飛ばされてきたの」
「どーも。このバカがご迷惑かけました」
ガシッと私の頭を鷲掴みにする白夜。私はジタジタとそれから逃れようとするけどなかなか取れない・・・
「白夜!痛い!」
《仲がいいのだな》
「これのどこが仲良く見えるの!?」
しばらく暴れるとようやく白夜が離してくれた。キッと白夜を睨むと余裕の顔でいる。
「ほら、礼するんだろ?」
「分かってるよ・・・( *`ω´)これ、良かったらどうぞ」
私はフグ鯨のヒレ酒とお刺身を主様の前に出した。
《おぉ、フグ鯨か。久しく見なかったな》
主さんは昔色々なところに旅をしていたそうで、その時にフグ鯨を見かけたこともあるそうだ。それにしても、なんかこの場所に他の気配があるような・・・隠れてるのかな?
「主さん。この場所・・・私たちの他に何かいます?」
「あん?・・・確かに、かすかだが気配がするな」
白夜は少し眉を寄せた後に気配に気づく。
《おお、そうだった。実は焔に頼みたいことがあったんじゃ》
そう言って主さんは尻尾を上げた。そこには、怪我をした黒い狼が寝そべっていた・・・
はい。こんな感じで始めましたオリジナル編前書きにお書きしたとおり、かなり短いですがお付き合いいただければ幸いです。
次回、黒い狼の正体とは一体?洞窟の主の頼み事とは?
どうぞ、お楽しみに!