言霊の巫女は食の世界へ? 作:セシア
白夜の質問に、ヨハネスさんはサングラスを指で直した。そして静かに答える・・・
「今回お二人に来ていただいたのは、先日送られてきたモノについて所長が直々に聞きたいと言われたからです」
先日・・・?あ、アレのことか・・・。
フグ鯨の毒を浄化出来たのを気に、いろいろ試した結果・・・ただの水を霊力で浄化して作った“霊水”にも同じ効果があることが分かった。とはいっても、直接霊力を流して浄化するよりも効果は弱いのだけど・・・それを非公開を条件にプレゼントするって言ってたんだっけ。
「ん?なんだ?送られてきたものって」
「あー、今面倒だから所長さんと一緒に話すよ」
トリコが首を傾げていうに対し、白夜は頭をかきながら言った。この仕草は面倒なことになりそうという合図だ。
「それよりも、楽しみですね!トリコさん、白夜さん、焔さん!」
暗くなりそうな話を変えたのは目を輝かせた小松。こういう時、小松の存在に感謝してもし足りないくらいだ。
「分かってるのか小松。リーガルマンモスがいるのは第一ビオトープだぞ?」
トリコが呆れたような顔で言う。
「はい、グルメ研究が盛んで観光にも有名な島ですよね」
「新たな美味が生まれる島、通称グルメガーデンと言われているのでしょ?」
私は一度も行ったことはないけど、なんだか楽しそうなところじゃないか。そんなことを考えていると、白夜が深いため息を吐いた。
「焔、そんな楽しそうなとこにリーガルマンモスがいると思うか?」
「あ、もしかして・・・(ーー;)」
白夜の言いたい事が分かった。こういう楽しそうなことには裏があるということを言いたいのだ。
「表向きはそうなってるがな・・・」
トリコの話だと、この島は研究によって放し飼いされた猛獣やクローン何かがウジャウジャいるらしい。観光地に使われているのは、その僅かな所なのだそうだ・・・。
「やっぱりな・・・そんなことだろうと思ったよ」
呆れ顔の白夜は内心では面倒なことになったと思っているだろう・・・。
「また、超過酷な旅になりますね」
「小松。覚悟しとけよ」
小松はすごく怯えた様子でいる。トリコは笑いながら少し怖いことを言っているけど・・・私もそこに行くのだ。あれから私は自分の弱さを痛感した。白夜に少し鍛えてもらったけど、どうしても不安になっていた。
「・・・小松、少し席変わってくれ」
「え?あ、はい!」
そんなことを考えていると、白夜と小松が交代した。そして白夜が私の頭をガシッと掴む。
「なーに辛気臭い顔してんだよ」
「痛っ!!?白夜痛い!」
必死になって白夜の手から逃れようとするけどなかなか逃れられない・・・
「当たり前だ。痛くしてんだから・・・ボソッ(安心しろ、何があっても俺が守ってやる」
私にしか聞こえないようにそう囁く白夜。そのあとやっと手を離してくれた。私はしばらく白夜のことを睨んでからそっぽを向く。心の中では少し嬉しく感じていたのは内緒だ・・・そうこうしているうちに着いたようだ。
あれが、第一ビオトープ。通称グルメガーデン
その入り口へ・・・
数日ぶりの投稿になります。お待たせした人は申し訳ございません!時々遅れて出していきそうになりますが宜しくお願いします!