言霊の巫女は食の世界へ? 作:セシア
焔side
私は白夜からとりあえず元の世界に帰るまで一時休戦すると言われて頷いた。ここは私の知る世界ではなく、どこか別の世界なのだという。現にトリコたちの服装が全く見たことないものなのが何よりの証拠だ。私はトリコ達とガララワニ(トリコに聞いたらそんな名前らしい)のお肉を食べながらこれからどうするか考えた。ここが私の知る世界ではない以上、住む場所などもないし何よりこの服装では目立つ・・・かといって金目のものもないし・・・
「そういやトリコ、この肉一切れもらっといていいか?」
「ん?いいぞ」
白夜がそんなことを聞くとあっさりと了承するトリコ。何を考えているんだろう・・・?
「それより、白夜さんと焔さんこれからどうするんですか?」
「え、えっと・・・「どっか住める場所探すよ。な?焔」う、うん」
言葉があやふやな私の代わりに言う白夜のことを少し頼もしく思えた。でも、これは絶対に本人には言えない・・・と言うよりも、いつの間にか呼び捨てが当たり前になっている。
「と言ってもお前ら金とか持ってねぇだろ?」
「あぁ、そこらへんはうまくやるから気にすんな」
白夜は何か考えがあるのか余裕の表情だ。任せてもいいのだろうと考えていると、あることを思い出す。白夜の袖をクイッと引っ張った。白夜はこちらを向いて「どうした?」と首をかしげる。
「これ、返す。・・・ありがと」
少し恥ずかしげに渡すと、白夜がそれを受け取った。
「クスッ・・・どういたしまして」
白夜が笑うのを見てプイッとそっぽを向いてやる。絶対からかってる・・・トリコと小松は肉を焼いて次々に食べていた。白夜は「よくそんなに入るな」と苦笑いを浮かべながらそれを眺めている。そうしているうちにあっという間に夜が明けた。
そして、私は目の前の光景に唖然となる。バロンタイガーはすでに住処に戻って行ったのでそのことには驚いていないが・・・
「ってあれ!?全部食べちゃダメですよ!トリコさぁん!」
そう・・・あんなにあったガララワニのお肉が、今では骨だけになっていたのだ。そしてそれを食べたであろうトリコのお腹はこれでもかというほど膨れていた。
「食い物は残さず食べる。それが俺のルールだ!・・・あ〜もうお腹いっぱい」
キリッとした顔に似合わないセリフだと思いながら私は白夜の方を見た。白夜はトリコの姿を見て腹を抱えて笑っている。
「ククッ・・・こりゃ傑作だww」
「これ・・・笑い事なの?」
私は少し戸惑いながらトリコと小松の様子を見ていた。外の世界はこんな感じなのかと思いながら・・・
その後、私達はトリコの乗ってきた船というものに乗ってバロン諸島を後にした。運転している十夢(トム)さんという人は追求することなく私たちを乗せてくれる。あと、白夜はもらったガララワニのお肉を半分小松に渡してもう半分を十夢さんのやっている市場というもので出してはどうかと提案していた。その提案はあっさりと承諾され、その代わりにそれなりの大金を貰うという形で交渉が成立する。
それから、小松が上司にこの事を話したらしく、IGOからの報酬で私たちの住む場所とこの世界での身分証明書を提供してもらえた。
白夜曰く、トリコがあの肉を全部食べ尽くすことは予想していたのでそれを逆に利用する事を考えたらしい。なんとも
これは余談だが、十夢さんから貰ったお金で私達はこの世界で着る服を買った。私はあまり他の服を着たことがないために気に入った服を買ったが、白夜に「これも買っとけ」と言われて買った服はどこか危ないところに行く時に着ることにした。
ガララワニ編終わりです。
とりあえず出始めはできたことに一安心していますが、これから先がいろいろと大変そうなので頑張っていきたいと思います。