言霊の巫女は食の世界へ? 作:セシア
グルメ中央卸売市場へ
白夜side
俺達がこの世界に来て数日経った。この世界での事を理解できた俺はよく外に出て情報を集める。もちろん元の世界に戻るための情報もそうだが、この世界のことに慣れるための情報も得たほうがいいと思ったのだ。
ここ、グルメ中央卸売市場に来たのもそのためである。ここではかなりの種類の食材が
そんな事を考えていると、奥の方で何やら騒がしいのに気づく。周りの話に耳を傾けると誰かが喧嘩しているらしい。
(野次馬もいる中ご苦労なこった・・・どれ、俺も見に行ってみるか)
俺は野次馬に紛れて人の輪の中心に向かった。
「なんだとっ!?もういっぺん言ってみろ!」
野次馬の中心に近づくと、怒声が鳴り響いた。そこを見ると、見た目からして魚屋の店主(太ったおっさん)が怒っている。
「えーえー!何度でも言ってあげるわ!このピスタチウオ、口が開いてる!新鮮じゃない証拠!この食材を放送しても、視聴者を1gも感動させらんない!!」
あの怒声に怯える様子もなく言い返したのは、ピンクのスーツ(服とかに関してはいろいろ情報を集めたから大体の服は知ってる)に身を包んだ女。結構気の強そうなやつだな〜と呑気な事を考えている。どうやら新鮮じゃないものを卸していることに文句を言っているようだった。様子を見ていると、彼女の仲間らしい人が止めようとする。
「ぉ、おいティナ!まだ中継してんだぞ!」
カメラ止めてCMにすればいいのにてもしくはさっさと済ませればいいのに何してるんだろこいつら・・・。そんなことを思ってると女はスタッフの言葉で冷静になったのか態度が変わったけど怒りはまだ治っていないようだ。見えない様に隠しただけ・・・うまいこと隠すな。そこは見直した。
「・・・失礼致しました。以上、大盛り上がりで活気付く市場からティナがお伝えしました」
営業スマイルってヤツか。あっさりと終わらせたな・・・。そしてすぐにさっきの人格に戻る。
「で、どこまで話したっけか?」
「キ、キャラが急変した・・・」
ん?聞き覚えのある声・・・と思ったら近くに小松がいた。すごく唖然としてる・・・
「小松か?数日ぶりだな」
「え?白夜さん!?」
小松は俺の方を見て驚いていた。まぁ、あれから会ってないしあの時と違って今はこの姿(Tシャツとズボン)だもんな・・・髪はそのまんまだけど紅はつけてない。
「そんなに驚くか?まぁ、最初と服装違うし仕方ねぇか」
「はい・・・ビックリしましたよ。焔さんは一緒じゃないんですか?」
「アイツは治療に使える食材の勉強中だ。俺はちょっとした情報収集してたんだが・・・」
そう言いながら俺は喧嘩している二人の方に目を向けた。
「ニュースは情報の密度、重さが命!鮮度の落ちたピスタチウオの情報は、1gの重みも無い!視聴者は満腹にならない!"グルメTV"、"グルメキャスター"のティナの放送コード的には、アウトです!!」
すんごい剣幕に捲したてるティナと呼ばれた女の話を聞いていると、知らない言葉が出てきた。
「"グルメTV"…?」
俺は自分で見たものなどを情報としているのでそこら辺の情報には疎い。
「食材のニュースを主に取り扱っているTV局です」
「なるほど、そのままなのか。ありがとな、小松」
「い、いえ…」
グルメTVか・・・そちらの方の情報も集めてみるのもいいかもしれないな。
次回も白夜sideです。主人公sideはもう少し後になりますのでお楽しみに!