言霊の巫女は食の世界へ? 作:セシア
ティナ達が離れていったあと、俺はヨハネスさんの方を見た。
「そ、そこまでしなくても・・・」
「マスコミに聞かれては不味い話があってね」
極秘の話なのだろう・・・それなら、俺もこの場にいない方がいいのでは?
「俺も離れた方がいいか?」
「いえ、白夜さんは大丈夫です」
なんで俺は大丈夫なんだ?疑問に思っていると、ヨハネスさんがトリコに向き直った。ヨハネスの目的はトリコらしい。トリコはなんか表情が暗い気がするが・・・
「トリコさん、会えて良かった。丁度、頼みたい仕事がありまして」
「ぁあ?IGOなら専属の美食屋がいっぱい居んだろ、何も俺じゃなくても…」
そう言い掛けたトリコの言葉を遮る様にヨハネスは告げる。サングラスが怪しく光った。
「"虹の実"が実りました」
「何ッ!?」
なんだ?虹の実って・・・トリコの目つきも変わるくらいものなのか?
「に、虹の実ぃ!?気温や湿度によって、七色に味を変える幻の木の実ですか!?」
小松が驚いて大声をあげた。てか、そんな木の実があんのかよこの世界は・・・
「ちょ、声がデカいぞ!誰かに聞かれたら如何する!?」
「いや、そんな話をこんな所でしたアンタも悪いと思うぞ?」
しかも、そんな幻の木の実の話を俺にしてもいいのかよ?一応俺一般人のはずなんだが?
「そりゃ大声にもなりますよ!25mプールの水に虹の実の果汁をほんの1滴垂らすだけで、プールの水全てが濃厚で芳醇なジュースに変わるという程、果汁濃度の濃い実だと…」
「おいおい、ほんの一滴でそこまでなるなんて・・・そんな木の実本当にあんのかよ」
そんな木の実があるなら下手したら海に垂らしただけで海全体をジュースにできるんじゃないか?
「1つ5億の値で取引されるとも聞きましたが…、絶滅したって話じゃ」
たった一つで5億・・・凄いどころじゃねぇぞ。それに絶滅したはずの木の実が存在するのかよ?
「勿論、天然の物ではありませんが…」
「成る程、IGOお得意の品種改良ってヤツか」
品種改良?この世界ではそんなことができるくらいにまで技術が発展してんのか?俺がいた世界とは大違いだな・・・
「唯、問題が1つ・・・。虹の実がなる"虹の木"に"トロルコング"が巣を作り、誰も近付けないんです」
「トロルコング!?」
小松のリアクションがいちいち大きくなってくるのにはいい加減鬱陶しくなってきたな・・・まぁ、別にいいか。
「最強のゴリラ、トロルコング。先日、1両20億するグルメタンク3両を出動させましたが壊滅…。全て引っくり返されました。重さ40tの戦車を簡単にですよ…」
うっわ、そんなゴリラいんのかよ・・・てか、一両20億するのが3両ってことは合計60億・・・それを壊滅させるゴリラ相手にどうしろって言うんだ。
「因みに、捕獲レベルは9」
捕獲レベルのことはこの前小松から聞いた。当然その時は凄い苦笑いを浮かべたもんだ。
「捕獲の難易度が9!?この前の300歳のガララワニが捕獲レベル8ですよ!?」
「焔も連れて来ればよかったかもな・・・」
あいつの音なら少しは落ち着かせられそうだし・・・。でも出来るかどうか分からねえから無理か。
「焔といえばアイツどうしたんだ?」
「治療に使える食材の勉強中」
今日同じこと二回言ったよ・・・あいつはあいつで頑張ってるから今回は俺が頑張るか。
「ふーん・・・忙しいんだな。虹の実食ってみてぇし・・・。ま、久々に顔でも出すか。"懐かしき庭"によ」
「懐かしき・・・庭?」
トリコにとっては懐かしい庭なのか?まぁ、行ってみればわかるか。俺たちはIGOが用意した車に乗ってトリコの言う庭に向かって行った。さて、今回はどんなことが起こるのか・・・楽しみだな。
はい、次回は主人公sideの方をやりたいと思います。ちょっと出てくるのが早すぎる人が二人・・・この先はお楽しみで!