とある転生者の試練   作:雷灯かがり

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まだ選んでいない選択肢は後々拾っていく予定です。



※11月16日、サブタイトルと行間を変更しました。


第14話 分岐点

 

 

 

あの後遠坂が事務室から教会に学校で起こったことの隠蔽について連絡をし、俺は士郎達の前でずっと佇んでいたのだが、そろそろ今後の方針を遠坂と考えようと思う。その切っ掛けは、

 

「衛宮くん。スゴく辛いのは分かるけど、サーヴァントはまだ何体も残っているのよ。下手したら、今日わたしたちを襲撃に来るかもしれない。桜と士郎のことは聖杯戦争中は一回忘れて、残っている敵のことを考えないと。酷なことを言うけどね、そうしないと今度は貴方の番になるわよ」

 

と、遠坂が俺に助言してくれたからだ。

で、今この三階の廊下には遠坂、セイバー、遅いと怒られたアーチャー、そして自分が集まっている。話し合いをここでするのはアレなので、場所を移動しようというのが遠坂の意見だ。だが、俺の直感的にはまだ移動しないほうがいい気がする。

 

 

一、学校の裏で話し合う。

 

二、直感に従いここで話し合う。

 

 

 

 

☆―☆―☆

 

 

 

 

二、直感に従いここで話し合う。

やはり、今まで外れたことがない直感に従ったほうが良いだろう。何かしらの奇跡が起こるかもしれないし。

 

「いや、ここで話そう。俺の直感だと、その方がいい結果を生むらしい」

 

「そう、ならそうしましょう。貴方の直感はよく当たるからね。綺礼と組み手をしていたときも、直感で大体避けていたらしいわよ」

 

「ほう。ならばランサーと戦っていたときも殆ど直感で避けていたのか?」

 

アーチャーが俺に話しかけてくるのは珍しい。何故かあいつは俺を避けている感じがしたが、気のせいだったようだ。

 

「もちろん。数撃くらいはちゃんと眼で確認したけど、ほぼ全ての攻撃を直感で回避したぞ。サーヴァントの攻撃を眼で見切れるわけない」

 

「そうか、では話を戻そう。ライダーが消えて、サーヴァントは私とセイバーとアサシンを除いて残りはバーサーカーとランサーだけになったわけだが――――。どちらから先に倒す?」

 

「俺はバーサーカーがいいと思う。ランサー陣営はどこにいるのかわからないけど、バーサーカー陣営の場所は知っている」

 

本当はランサーのマスターの居場所は目星が付いてるのだが、完全に確定したわけではないので言わないでおく。

 

「えっ、なんでアンタはバーサーカーの居場所知ってんのよ? アイツらのついての情報はわたしたちの方が持っているはずなのに」

 

「俺の生まれはアインツベルンの城だからな。まあ、俺が生まれた城って言ってもドイツだから、冬木の方の城は場所しか知らなくて、内部の構造とか熟知している訳じゃないぞ」

 

何故に冬木の城の居場所を知っているかというと、わからん。なんかこっちの世界に来てすぐの頃は暇だったので、頭の中の情報を探っていたら見つけたとしか言い様がない。

 

「え!? アインツベルンの………。ってことはバーサーカーのマスターの兄に当たるの!?」

 

「兄じゃない、弟だ。因みに、つい昨日までは半信半疑だったが、セイバーともアインツベルン城で十年前に会っていた」

確信に至ったときはもう、すごく驚いたな。例えるのなら、雷に打たれた感じと言うべきか。ありふれた比喩だが、これが一番そのときの自分の状態を表している。

 

「なるほど、マスターは切嗣とアイリスフィールの実の子でしたか。だから彼女らの拠点の場所を知っているのですね」

 

「そういうことだ。で、その拠点の周囲には結界が張ってある。それは侵入者の出入りを監視するための結界だ。だがまあ、そんなことはどうでも………よくは無いが、もっと重要なことがある。バーサーカーと、どこで戦うかということだ」

 

「確かにあの筋肉だるまと戦う場所は選んでおいたほうがいいけど、問題はアイツが城の中に穴熊する場合よ。たとえバーサーカーと戦うのに向いている場所を見つけたとしても、ずっとアイツが城の中に籠っていたら意味がないわ」

 

「じゃあ場所を選んでから、そこにイリヤ達を誘導しよう。誰が囮になる?」

 

俺が一番囮に向いていると思うのはセイバーだ。セイバーなら、確実にバーサーカーと戦いながらその場所に誘き寄せることが出来る。

アーチャーは確実とは言えないし、アサシンではそもそもバーサーカーの体に傷一つつけられない可能性が高い。

それを提案しようとしたとき、

 

「――――投影(トレース)開始(オン)

 

死んでいたはずの士郎が突然動きだし、あまつさえ魔術で双剣を出現させ、

 

「――――む!?」

 

後ろに全力で回避した自分の右肩を切りつけた。

………なぜ士郎は生き返ったのか。

………どんな魔術で双剣を出現させたのか。

………なぜ俺をそれらの剣で斬ろうとしたのか。

疑問は尽きないが、一つ俺にもわかることがある。それは、衛宮士郎が俺を敵対視しているということだ。嫌な予感がするから、念話でアサシンを教会から呼んでおく。

 

 

「…………なんで、桜を殺した」

それが俺を敵と見なす理由か。どうやら、学校の人たちよりも間桐桜の方が衛宮士郎にとっては重要らしい。

 

「答えろ。なんで桜を殺したって聞いてんだよ……!」

「桜を殺さなければ彼女以外の学校にいた人は全員死んでいた。俺は、自分たちと桜を天秤にかけただけだ。士郎は桜のほうが大事なのか……?」

 

「自分勝手なことを言っているのはわかってる。だけど、俺にとって桜は他の何よりも一番大事だ。お前にはわからないだろうけどな」

 

 

 

 

 

 

 

「………………そうか。衛宮士郎、一つ聞きたいことがある」

 

「なんだよ。言っとくけど、質問は一回限りだからな」

 

「死ぬ前のお前と生き返った後のお前ではいろいろと違いすぎる。死んでいた間に何があった?」

 

一、衛宮士郎は真実を話す。

 

 

二、衛宮士郎は真実を話さない。

 

 

 

 

☆―☆―☆

 

 

 

 

一、衛宮士郎は真実を話す。

 

 

 

「…………なんか死ぬ直前に神様と名乗るヤツに出会って、ソイツに『並行世界の衛宮士郎に乗り移ってもらう。その世界にいる衛宮生嗣を殺せば生き返らせてやる』って言われた」

 

はっ?

 

「あと空耳だろうけど、『これでアレを苦しめられる。やったぜ』っていう声が聞こえた」

えっ、なにやってんのあの神。まさか大聖杯を壊す寸前になったら大蜘蛛召喚とかありませんよね?

「名前聞いてなかったけど、お前が衛宮生嗣か?」

 

「――――――――」

 

黙秘権発動。これ以上あの神の思い通りにはさせない。

 

「ええ、コイツが衛宮生嗣よ。頑張って殺してみれば?」

 

「ちょっ、まっ、遠坂、お前なに言っちゃってくれてんの!?」

 

ふふん、と勝利の笑みらしきものを浮かべる遠坂。

まさかお前も俺の敵になるというのか―――――!?

 

「そうか、なら一石二鳥だな」

 

と言って、俺に斬りかかってくる並行世界の衛宮士郎。だが、大人しく斬られるつもりは毛頭ない。

 

「なに――――!?」

 

後ろに跳んでから、窓ガラスを割って外に出る。三階から飛び降りるなど普通は自殺行為だが、

 

「アサシン、着地よろしく!」

 

アサシンを呼び寄せたおかげで、無事校庭に着地することが出来た。ちょうど校庭には救急車で駆けつけていたが、すぐにアサシンは霊体化させておいたのでバレてはいないはず。

ほ、ほら、俺の周りにいる人達も、首を傾げているだけですぐに校内に行ったし。バレてない、よな?

 

「逃がさないぞ」

 

ふぇぇ~、まるで修羅と化した士郎くんが自分を襲ってくるよ~。どないしよ~?

い、いまのは気の迷い的なナニカなんだ。だからアサシン、そんな眼で俺を見るな。居たたまれない気分になるだろうが。

ま、まあそんなのは置いといてですね、冷静に今の状況を俯瞰して、次にどうするか考えなければいけないだろう。

まずは話し合いだよな。えんじょいとーきんぐ。

 

「お、落ち着け。まずは周りの状況を見て、その手に持っている刃物をどうにかしようか。魔術は隠蔽しなきゃいけないんだ。果たし合いなら場所をつくるから」

 

「どこで殺る?」

 

……神様、俺は何か人に殺意を向けられるような悪いことをしましたか? 自分、全然見覚えが無いんです。

って、今の状況はあのバカ神が原因じゃん。俺、あの空間に戻ったら部屋にあったらしい球体を思いっきり殴るんだ。

 

「バーサーカーを倒したら、アインツベルン城でしよう。あそこなら人目につかない」

 

「確かにあそこは果たし合いには持ってこいだが、バーサーカーを倒した後、イリヤはどうするつもりだ?」

 

「どうするって………、安全なところにいてもらうつもりだけど。お前はこれからどうするつもりだ?」

 

「俺もアインツベルン城に行く。お前は出来るだけ早く殺りたいからな」

 

えぇ……(困惑)。それはつまりバーサーカーと戦い終わったらすぐに殺し合うということでしょうか……。

ま、でもバーサーカーと戦うのはセイバーとアーチャーに任せればいいから、体力は使わないだろ。アサシンには見張りをしてもらえばいいし。

待てよ、殺り合うってことは俺にも得物が必要だ。アサシンに取りにいってもらおう。

 

『アサシン、今すぐ俺の刀取ってきてくれないか?』

 

『了解しましたぞ、魔術師殿。教会のことで報告があるのですが、それは終わってからで良いですかな?』

 

『ああ、終わってからで頼む』

 

『では魔術師殿、ご武運をお祈りいたしますぞ!』

 

アサシンは衛宮邸の方へ向かっていった。

そして、校内にいた遠坂はアサシンと念話をしている間に校庭(こっち)に来ていたようだ。

 

「じゃ、急ぎの用事もあるようだし、早速行きましょうか」

 

「家に帰って宝石の用意とかしなくていいのか?」

 

「……ま、問題ないでしょ。こっちはサーヴァントが三人もいるんだから」

 

 

タクシーを呼んで中に入る。定員は四人なので、後ろの席はけっこうキツキツだ。ここに来てセイバーが霊体化出来ないことが仇となったか……。

ここからアインツベルン城がある森の前まで車では二十分ほどだが、車酔いが酷い自分にはけっこうキツイ二十分なので、さっさと寝る。寝ようと思ったらすぐに寝ることが出来るのは俺の長所の一つなのだ…………。

 

 




猛暑日、熱帯夜、眠れない夜………うっ、頭がっ!
というわけで、いよいよ夏が近づいて来ました!
人によって夏に対しての思いは違うと思いますが、私は夏バテ・夏風邪になるのを防ぐため、健康管理に気を付けなくてはならない季節です。
では皆さん、楽しい(?)夏をお過ごしください!



二、衛宮士郎は真実を話さない。

このルートは、ifルート集の5ー1から見ることができます。
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