とある転生者の試練   作:雷灯かがり

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今回は閑話となっています。


第3話 ガンドの脅威

「待てー!!、今日こそあんたに私のガンドを当ててやるんだから……!!」

 

「落ちつけ凛、あれはただの軽い冗談だったんだ!とりあえずその手を下ろしてください!」

 

「これが落ち着いていられるかー!!」

 

どうしてこうなったのか、現実逃避ついでに過去を振り返ってみる。

 

 

 

▽ ▽ ▽

 

 

 

あれはもう日も落ちて、すっかり暗くなった肌寒い夜だった。俺と遠坂は、教会から出てすぐの下り坂でとりとめもない話をしていた。時間が経ったら真っ先に忘れるような会話。

俺があのようなことを言わなければ。

 

「そういえば、遠坂が撃ったガンドって本当に効果があるのか?」

 

「そんなのあるに決まっているじゃない。どう?効果があるのかあなたで試してみる?」

 

「当てられるものならあててみろよ、まぁどうせそんなカスいガンド、当てられても痛くも痒くもないけどな」

 

「なぁんですってーーーー!!!!!あったまきたーーーー!!!!!」

 

 

 

▽ ▽ ▽

 

 

 

……という感じで怒り狂ったあかいあくまからの鬼ごっこが始まり、一度もあたらずにその日から一週間後の今日に至るというわけだ。

いつまで続くのだろうかこの鬼、もとい悪魔ごっこは。早く諦めてくれるとこっちの気も休まるといものだが……。因みに今も現在進行形で機関銃のようなガントが俺を襲っている。

本当ならばもうとっくに一発ぐらい当たってもよさそうなのだが、持ち前の直感と周りの環境が俺を救っている。今いる場所は学校の裏の雑木林。一発もあたらずに逃げおうせるには最適な場所なのである。

 

…………む、音がしなくなったぞ。なんとか今日も逃げきれたらしい。じゃあさっさと家に帰るかと思い、帰り道へ足を踏み出した瞬間に何かが当たった感触がした。

 

「ハァ、ハァ、ようやく当たったわね……!」

 

振り返ると、ちょうど木の陰から出て来て肩で息をしている遠坂凛(あかいあくま)の姿が。まずい、確かガントとは呪いの塊だ。っ……、なんか頭がくらくらしてきた。

 

「さあ観念してもらうわよ。」

 

なんだか意識が遠くへ……。バタリ

 

 

☆―☆―☆

 

 

「はっ、ここはどこだ?」

 

どうやらぐっすり寝ていたらしい。じゃあとりあえず起き上がって……と思ったが、体がいつもより重くてダルい。さらに何故か身体中汗で濡れている。怖い夢でも見たのだろうか? 寝る直前のことを思い出してみよう。

…………む、だんだん思い出してきたぞ。そうだ、確か遠坂に追いかけられて―――――?

それでどうなったんだろう? 記憶がない。わかった、遠坂に追いかけられたのはそうなんだよ、夢なんだよ。

あー、夢で良かったなー。

 

 

 

だが、時を置かずに気付いてしまった。ここは衛宮邸の寝室ではなく、遠坂の家の寝室だったということに…………!!!

ああ残念、過去の俺は捕まえられたらしい。足音が近づいてくる。考えてみると、此処での生活は短かったけれど、なかなかいいものだった……。グッバイ士郎、後は頼んだ。俺がいなくなって絶望するんじゃないぞ。言峰師匠、まだ八極拳あんまり覚えてないのに逝ってしまってすみません。泰山の麻婆豆腐の良さは結局わかりませんでした。

神様?、そっちへ戻ってくるの、意外と早そうです。俺がいた世界の友よ、生きて帰りたかったけれど帰れなそうだ。ああ、もうちょっと、生きたかったな…………。

 

「衛宮くん、入るわよ?」

 

……そういうのは入る前に言う言葉だ。間違っても入ってから言う言葉ではないと思う。

 

「どう? 体調、大丈夫そう?」

 

心配そうな目を俺に向けてくれているが、大丈夫だと言った瞬間殴る、蹴るなどの暴行をされるのだろうなー、と自分は悟っていた。

だから、

 

「いや、けっこう体調わるいわ…」

 

こう言っておけば死なずにすむ。

 

「そう、だったらおもいっきり殴らせてもらうわよ!」

 

「なぜに!?」

 

「だってムカついたんだもん!こんぐらい、いいでしょう!」

 

「だからといって病人を殴るのはいかがなものでせうか!?」

 

「うっさい!」

 

こういうときに使うのだ、あの言葉を。

 

「不幸だぁーーーーー!!!」

不運?

どっちも同じようなモノだ、良くない意味で。

 

 

 

☆―☆―☆

 

 

 

時は過ぎ、第5次聖杯戦争の1週間前になった。

 

 




次回は第5次聖杯戦争の直前の様子を書く予定です。
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