とある転生者の試練   作:雷灯かがり

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第8話 嵐の前の静けさ

昼飯を食べ、身の回りの事も終わって暇になった。ので、刀の手入れでもしようかと思う。

昨日の戦いで刃こぼれはしていないものの、随分と昨日の戦いで刃が傷ついた気がするからだ。

研ぎは和室で行うのだが、多少切れ味が悪くなっている程度なので、二日もかからないし、そもそも観賞目的ではなく、実用目的なので、それに比べたらあまり手間もかからず、大体三、四時間くらいで終わる。

それに、見た目も追及すると、切れ味だけを追及するのに比べると工程がいろいろ増えるため、もはや俺の手には負えない。今でさえ、砥石を正しく掛けているか心配な状態なのだ。これ以上難易度をレベルアップさせる気はない。

じゃあ早速移動して、準備を整えるか。

 

 

☆―☆―☆

 

 

やはりというべきか、予想通り四時間ちょいで終わり、空はすっかり夕暮れとなっていた。

そういえば、昨日、あの後どうなったのかが気になる。今日一度も士郎の姿を見かけてないし、何かあったのてはないかと勘ぐる。

 

「アサシン、昨日っていうか今日の深夜何かあった?」

 

「いえ、特に何もなかったですぞ。一回、魔術師殿のご兄弟と女の魔術師がサーヴァントを連れて外に出かけましたが、また戻ってきたので問題ないかと。あと、彼らが出かけていた間はずっと魔術師殿の護衛をしていたので、何があったかは彼らに直接聞くのですぞ」

 

「ん、ありがとう。あと、その女の魔術師はまだ家の中にいるのか?」

 

「魔術師殿が起きたときにはすでに帰っていましたぞ」

「なるほど、わかった。あ、そう言えばまだアサシンの状態を確認してなかったな」

 

遠坂に言われていたのに、まだ確認してなかった。全く自分の間抜け具合には呆れるばかりだ。

目を閉じて、アサシンの状態を確認する。

 

 

 

クラス:アサシン

 

マスター:衛宮 生嗣

 

性別:男性

 

身長・体重:二百十五㎝・六十五キログラム

 

属性:秩序・悪

 

筋力:B 耐久:D

 

敏捷:A 魔力:B

 

幸運:C 宝具:C

 

クラス別能力

 

気配遮断:A+

 

自身の気配を消す能力。完全に気配を絶てば、ほぼ発見は不可能になるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。

 

保有スキル

 

投擲(短刀):B

 

短刀を弾丸として放つ能力。

 

風避けの加護:A

 

中東に伝わる台風避けの呪い。呪文と共に神への祈りをささげることで、風の魔術への耐性を持つ。

 

自己改造:C

 

自身の肉体に異なるモノを移植、主に他のサーヴァントの心臓(霊核)を取り込むことで自身の能力を増強させることが可能。

 

 

これがアサシンの能力か。これらのスキルをどうやって使うかが今後の課題だな。

 

「暇だし、居間でテレビでもみるか」

 

テレビのニュースでなにか他のサーヴァントの手掛かり的なものを見つけられたらいいのだが。

 

 

―――……なにもない。

手掛かりどころか、いくらチャンネルを回しても、面白い番組すらやっていない。

士郎が帰ってきたら深夜でのことを問い詰めるのだが………。

 

 

 

ガチャッ

 

お、この音は鍵があく音。やっと帰ってきたらしい。反射的に玄関に向かって走る。

 

「ただいま」

「ただいま帰りました」

 

「ん? 四人で帰ってきたのか」

 

その四人とは、士郎、セイバー、桜、藤ねえである。

 

「成り行きでな。セイバーをうちに泊めるか相談してるんだ」

 

「ふーん、お茶でも淹れようか?」

 

「いや、いい。俺がいれる」

 

「遠慮すんなって。士郎は昨日今日の出来事で疲れてるんだから、あんまり無理するなよ」

 

「………そうか、悪いな」

 

「気にするな、いつも士郎に俺は助けてもらっているからな」

 

 

 

お茶も五人分淹れ終わり、セイバーの下宿の件にも片がついたみたいだ。

夕食は士郎が気合いを入れてつくったらしく、

 

鰹のたたき風サラダから始まり、ピリリと辛いらしいネギソースをかけた唐揚げ(全く辛く感じなかったのはなぜだろう?)、それに定番の肉じゃがに、おそらくメインディッシュと思われる天ぷら各種。

ここ最近の衛宮家の夕食で一番豪勢な夕食である。

こんな素晴らしい夕食を話ながら食べれるだろうか?否、そんな失礼なことはできない。俺には素晴らしい食事に対しては無言で食べなければならないという掟があり、そんなことはできない。

そう言えば、衛宮邸に来てからはフランス料理などのヨーロッパの食事は食べてない気がする。いや、和食も美味しいのだが、たまには向こうの本格的な料理を食べたいというか。駅のちかくや商店街には一応あるが、今持っているお金的にいけないというか。

そう言えば、俺や桜はともかく、藤ねえが食事中に何も喋っていないというのは珍しい。なにか企んでいたのではないだろうか?

その藤ねえというと、

 

「さて。ごはんも食べたし、そろそろ時間かな」

 

お茶を飲みながら時計を見る藤ねえ。

時刻は9時過ぎであり、いつもなら二人とも帰る時間だ。

 

「藤ねえー。帰るなら桜の見送り頼むー」

 

台所からは士郎のそんな声が聞こえる。

 

「――――――――――」

 

返事はない。

藤ねえは我関せず、といった様子でテレビを見ている。

 

「もしもーし。聞こえなかったんですか、藤村先生」

 

士郎は居間に戻ってきてペチペチと藤ねえの頭を叩く。

すると、

 

「悪いけどそれは却下。しばらくは桜ちゃんを送ってあげられないから」

 

なんて、言葉は解るけど、意味不明な返答が返ってきた。

 

「? なんでさ。藤ねえ、何か用でもあるのか?」

 

「えっとね。用じゃなくて、今日から私もここに泊まるから」

 

なんて、意味不明な返答が返ってきた。

 

「「――――――――はい?」」

 

「あ、桜ちゃんもどう? お家の方には私から連絡を入れておくから安心だよ。女の子三人、一緒にいた方が楽しいでしょ?」

 

「あ…………は、はい、是非! 藤村先生、頼もしいですっ!」

 

なんというか、一気に衛宮邸の住人が増えそうだ。

 

「よーし!それじゃあ奥の座敷を使おう! 布団もいっぱいあるし、浴衣も人数分あるわよー!セイバーちゃんもいいわよね?」

 

「………………」

 

セイバーは黙っている。

無理もない、展開が速すぎるもの。

困ってしまったセイバーは、士郎に相談を求めたらしい。

 

「ほらそこ、内輪話は禁止なんだから。

そういうわけで、セイバーちゃんはこっち。士郎は男の子なんだから和室に1人でもやっていけるでしょう」

 

「セイバー、俺は洋室の方に住んでいるんだ。だから、士郎は和室で1人ってことだ」

 

ああ、なるほど、という風にセイバーは頷く。

 

そして話は決まった。

セイバーの下宿は許され、藤ねえと桜がここに泊まることになった。

この調子だと、またここに住むことになる人が増えるかも知れない。

―――そして、自分の部屋に帰り就寝。

よく眠って、明日に備える。

さて、明日はどうしようか………………。

 

 




アサシンの幸運がCになったぞ!やったね!
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