剣姫と白兎の物語   作:兎魂

53 / 60
団員達もお疲れのようです。


53 白兎のお礼2

黄昏の館

 

「皆お疲れさん!よう頑張ってくれたなぁ。今日はいくらでも騒いでええで!」

 

黄昏の館の門の前、子供達一人一人を自分で迎え入れる為一足先に帰ったロキが大きく手を広げながら皆を待っていた。

 

門を通る際には抱きしめ、手を叩き、頭を撫で、皆が笑顔で黄昏の館へと入る。

 

「とりあえずウチが何か飲み物でも持ってくるから皆談話室で待っててくれるか?」

 

ロキにそういわれ談話室に集まった団員達だったが......

 

ガラガラと飲み物の大量に乗ったカートを押しながらロキが談話室に入るとそこに広がっていたのは......

 

「フィン、皆疲れてたんやな......ほんまにお疲れさん」

 

壁によりかかり目を閉じる者、椅子に座り目を瞑る者、ソファにダイブしていびきをかいている者......全員熟睡しているようだった。

 

「ロキ、ガレス、リヴェリア、皆に毛布を掛けるのを手伝ってくれるかい?」

 

皆のその様子を眺めていたフィン達は眠っている団員達一人一人に優しく毛布をかけこのファミリアの団員達を改めて誇りに思った。

 

「明日にはベル達も僕たちの家に帰って来るし夜は盛大に宴でも開こうか。豊穣の女主人を予約して......」

 

そう提案しようとしたフィンの言葉をリヴェリアが遮った。

 

「フィン、明日はおそらくまだ無理だと思うぞ、ミアはおそらくまだ18階層にいるだろう。他の3人にかなり無理のある進軍をさせてしまったからな。すぐにはまともに動けないはずだ」

 

そういうことならと、盛大な宴はミア達が無事に帰還してからということになり明日一日は皆に完全な休暇を取るようにと指示をだすことにした。

 

 

「そやなー......それなら一番厄介なフレイヤの報酬を先に払ってまうか。もちろんベルの体調が一番大事やけど、ぶっちゃけ今のベルはウチの目から見て以前にもまして生命力が漲っとる。それもほとばしるほどにやな、あの調子なら問題ないはずやで」

 

「そうじゃろうな、儂らから見ても今にも動きたくてたまらない感じが伝わってきたわい」

 

ガレスはいつのまにか手にしているグラスに並々と注がれたエールを一気飲みすると大声で笑った。

 

「まあウチの予想がただしければそのうち......」

 

ロキ達がそんな話をしているとバタバタと足音をたてて一人の団員が談話室へと足を踏み入れた。

 

「おお、疲れてるのに門番ご苦労さん。客人やろ?」

 

にやりと笑うロキの言葉を聞いて団員は驚いた顔をして答えた。

 

「はい、神フレイヤがお一人でお見えです。報酬の件で話があると」

 

「まったくあいつも抜け目がないやつやなぁ。さてどんな要求をされることやら......」

 

「ロキ、僕も同伴しようか?」

 

フィンの問いかけにロキは首をふった。

 

「あいつがわざわざ一人できたっちゅうことはウチと二人で交渉ってことや。まあどこかに護衛としてはきてるやろうけどな。あいつかてウチらに喧嘩売るようなことはせんはずやから安心しとき。まあ報酬の内容次第では血をみることになるかもしれんけどなぁ......」

 

そんな楽しそうな顔をしないでくれと嘆くフィンに冗談やっと笑いながらロキはフレイヤが待つ門前へと急いだ。

 

 

「ベルは問題なく治ったようね、ロキ」

 

門前にいたフレイヤを庭へと通し交渉を始める。といっても今回はフレイヤに大きな借りがある為よほどの要求をしてこない限り全ての条件を飲むつもりだ。

 

「どこかでみてたんか?あそこにはウチの子たちがいるから強い気配があればすぐ気が付くはずやけど」

 

フレイヤはくすくすと笑いながらロキも知ってるでしょ?と意味深な言葉をなげかける。

 

ため息をついたロキはフレイヤにどんな要求でもできる限り対応する旨を伝えた。

 

「私の要求はこれだけよ」

 

そういうとフレイヤは指を3本たてた。

 

「まず一つ目、明日の夜バベルのお店にベルを招待するわ。一緒に食事でもと思って......もちろんフロアは丸ごと貸切にしてあるわ」

 

その言葉をきいてロキは答える。

 

「ベルの体調が問題なければやで?ウチも同伴するけどええか?それとフロア前にはウチの子供達も何人かきてもらう」

 

「ええ、もちろんいいわ。私も何人か呼ぶつもりでいるの。ベルも喜んでくれるはずよ」

 

ニコリという笑み、ベルも喜んでくれるという言葉に少しひっかかるものがあるもののその件は了承した。

 

「じゃあ二つ目ね。ベルの二つ名の候補をいくつか考えてきているのだけど。どうかしら?」そういうとフレイヤはロキにスクロールを手渡した

 

元来ロキファミリアの団員達の二つ名はよほどのことがないかぎりロキが考えた名前を付けていた。その権利を譲れということだ。

 

「......ベルがランクアップするとは限らんで?ってかこの【女神の白兎】とか【純白の天使】とかなんやねん」

 

むすっとした顔をするロキの目が一つの名前のところで止まる。それは次の神会でロキが発表するつもりだった名前だ。

 

「フレイヤ、おまえどこまで知ってるん?......まあこの二つ名ならええわベルも喜ぶはずやからな。先におまえにいわれたんはくやしいがウチも同じ名前を考えとった」

 

にこにこしているフレイヤの顔にそうだと思った、っとかいてあるようで腹立たしい......

 

「さあ、私にも情報提供者はたくさんいるし、それにある程度は推測できるもの」

 

「3つ目はなんや?」

 

不機嫌そうなロキは先を促した。

 

「そうねぇ、それはベルに直接お願いしようかしら?」

 

ピクッとロキが反応を示す。

 

「ベルの体とかぬかすんやったらゆるさんで?」

 

「大丈夫よ。間違いなくあなたも喜ぶはずだから」

 

そういってフレイヤはロキに背を向けた。

 

「じゃあ明日、ベルに問題がなければ19時にバベルで待っているわ。それと神会は3日後に開催よ」

 

そう言い残しロキの返事も聞かずにフレイヤは背を向け黄昏の館を去っていった。

 

「ウチも喜ぶってなんやねん......まあ大丈夫やと思うけど明日ベルが帰ってきたらこの話せなあかんな」

 

ため息をつきながらロキは黄昏の館の中へ。

 

次の日

 

一足先に返ってきたベートからもうすぐベル達が帰ってくると報告を受け急いでまだ熟睡している団員達をおこした。

 

黄昏の門前に集まり今か今かとベル達が帰ってくるのを皆が待ちわびている。

 

「帰ってきたぞーー!!」

 

門の上から見ていた団員の一人が声をあげる。

治療院にいた皆は黄昏の館の前に大事な家族達がいることを目にして走り出した。

 

「「「ただいま帰りました!」」」

 

今回の9階層で戦ったメンバー、リリー、刹那、ルナ、ベルが皆の前に並んで頭を下げた。

 

「皆さん、僕の為にいろいろとご迷惑をおかけして......」

 

そういって頭をまた深々とさげるベルをベートが後ろから抱き上げ皆の方へひょいっと投げた。集まっていた団員達に抱き留められ気にするなと、助かって本当によかったと泣きながら言われベルの目にも涙が溢れた。

 

「僕、すごく幸せです。今日のこと絶対忘れません......そうだ!僕皆さんにお礼がしたいので僕にできることならなんでもいってください!」

 

涙を拭いて笑顔で答えるベル。

「「「なんでも......?言質はとったぜ、わよ!!」」」

 

男も女も関係なくベルを担いで黄昏の館の中へと帰っていった。

 

「ベルが......連れていかれちゃった......」

 

ぼそっとつぶやくアイズだがその顔には柔らかな笑みを浮かべている。

 

「アイズたん、皆もおかえりぃ!!......んーなんや皆えらい顔がつやつやしとらん?」

 

ベルと同じ部屋で一晩過ごした皆の顔を一人一人まじまじと見てロキが首をかしげた。

 

「ま......まさか!」

 

べしっとロキの頭をティオネがはたきロキが想像しているようなことはないと、自分の操は団長の物だからと大声で断言した。

 

「んと、皆でベル分を摂取したから......かな?」

 

「アイズさん、その言い方だとまたロキに誤解されます......」

 

昨晩あったことを思い出してか、わずかに頬を染めながらレフィーヤはうつむいた。

 

「たしかに抱き心地はよかってですね隊長!」

 

「ふわふわで、できれば抱きながら寝たかったでござる!」

 

「定期的に摂取することで我は......私はおかしくなりそう......」

 

皆の照れたような様子に興味深々なロキはにやにやしながら問いただした。

 

昨晩の様子

 

部屋に並べられたベットを全てつなげ皆でその上に輪になって座っている。

無論、ベルの僕は部屋の隅で寝ますという言葉は却下だ。

 

「皆元気になってよかったね!」

 

にっと笑いながらティオナはベルを含めた4人を順番に抱きしめた。その力強さに体の骨がミシミシとなる......

 

「うん、間に合って本当によかった......9階層で何があったか聞いてもいい?」

 

リリー達は自分たちの知る限りの情報を答えた。強化されたキラーアントをルナの魔法で一掃したこと。その後に出てきたミノタウロス......そしてベルが戦った闇派閥のこと......

 

途中途中でいかにベルがかっこよかったかを頬を染めながら力説する3人に照れながらベルは頬をかいた。リリー達が覚えていることはミノタウロスにダメージを与えたところまで、その後どうやってベルがミノタウロスを倒したのかという話になった。

 

「ええとですね,それは僕のスキルに関わることなんですが......」

 

ベルはちらりとアイズの方を向いて少し考えた後答えた。

 

「すみません、少しロキ様に聞かなければならないことがあるので今はスキルの力としかいえません」

 

正座をしてペコリと頭を下げるベルをアイズが後ろから抱きしめ頭をもふもふと撫でた。

 

「うん、大丈夫。ベルが話せるようになったらでいいよ」

 

ベルの衰弱ぶりを見ていたアイズ、ティオネ、ティオナはスキルの代償がベルのあの状態ならロキに相談するということも納得だ。ましてやリリー達がいる場で生命力を代償にした限界突破を使ったなどといえばまた落ち込んでしまうことは分かっている......

 

「あ!でも最後は刹那さんたちが刺した刀に僕の魔法で電撃を流して魔石を砕きましたよ!それにルナさんがいなかったら大量の強化されたキラーアントに苦戦しましたし皆の勝利です!」

 

「「「ベル!!」」」

 

ベルの笑顔に癒される......

アイズに抱きかかえられているベルを次は私の番っとティオナが交代しなぜか順番にハグする流れができていた。ベルの頭に顎を乗せ目を閉じると森林浴をしているような気分になる。

 

「そういえばベルもこれでレベル2になるわね、刹那とルナももう少しでレベル2だったはずだからおそらくあがるわ。リリーはランクアップしたばかりだからさすがにしないでしょうけど、それでもステータスはかなりあがるでしょうね」

 

ティオナから順番が回ってきたティオネがベルを自分の前に座らせ頭を撫でながながらそんなことをいう。ベルはといえばもう抵抗しても無駄だと悟りいろいろと意識してしまわないように自分を律している......男ならばこの状況を楽しむのじゃ!と祖父の言葉が聞こえてきそうだがベルにはまだまだ経験が足りない......

 

「もうレベル2ですか......おそらくこのオラリオでも前例のない最速でのレベル2ですね、ベル、これで遠征にも参加できるかもしれませんよ?」

 

レフィーヤは最初少し遠慮したもののティオナに手をベルの頭の上に乗せられるとその感触がよかったのかその後しばらくの間もふもふと撫でていた。

 

「そういえばベルの髪に少し金色の髪が混ざっていますね。これはどういうことでしょうか?」

 

今度はリリーがベルをハグしているがふとそんな質問をした。

ベルの髪の色が変わったのは精霊の血をひくアイズの血を飲ませたからだ......このことを知っているのはアイズ、リヴェリア、レフィーヤしかいない。

 

「んと......」

 

困った表情のアイズをみかねてティオネがフォローする。

 

「それもベルのスキルに関係しているかもしれないわね、それに髪色が変わっても手触りも変わってないし問題ないわ!」

 

グっと皆に親指を立てる。

 

「たしかにそうでござるな。ベルの髪は相変わらずもふもふでござる」

 

順番が回ってきた刹那がもふもふと頭をなでる。さすがに抱きしめることは照れてできないようだ。

 

「そうだ!僕皆さんにお礼がしたいので僕にできることがあればなんでもいってください!」

 

リヴェリアママからの宿題でもある報酬の支払い、ベルは何が報酬になるかわからなかった為自分にできることならなんでもするつもりだった。

 

「「「「「なんでも......」」」」」

 

一瞬時が止まったかのようにシーンと静まりかえる......

 

順番がまわってきたルナがおそるおそるベルの髪に触れる。ジワジワと体の芯から何か癒されていくような気分になる。個人差はあるものの皆がこのような感覚になるのはやはりベルには何かあるのかもしれない。

 

「ベルはきっと私達とパーティーを組むことはもうほとんどないと思うから......今度一緒に魔法の訓練をしてほしい。私もレフィーヤ隊長やリヴェリア様のようにベルや皆を助けられる魔法使いになりたいから」

 

おそらく今回レベル2へと上がるベル。そして強さという面で考えるとこれからは更に上のレベルの団員達とパーティを組むことになるだろう。ルナが素の自分の言葉で小さな声ではあったがお願いした。自分の趣味のことをお願いしないあたりしっかりと考えているようだ。

 

「そんなことでいいんですか?もちろんいいですよ!」

 

ルナがおずおずと差し出した手をぎゅっとにぎりベルは了承した。今のルナの精一杯のお願い、きっとルナの魔法がいつか皆を助けることになるだろう......

 

「じゃあ私は料理でも教えてもらおうかしら。団長もベルの料理おいしいっていってたわ。その味を伝授してほしいの!」

 

ティオネのお願いももちろん問題なく了承した。ミア母さん直伝の料理を教えます!とベルも張り切っている。他の4人は慎重にお願いを考えているようで神妙な顔つきをしていた......

 

その後も4人のお願いは決まらなかったがいつでも大丈夫ですとベルがいったことでその場で考えることは止め、眠くなるまで遠征の話やベルの為に素材を取りに行ったことなどを話し夜も深まったところで眠りについた......

 

現在に戻る

 

「なるほどなぁウチもその場にいたかったでぇ!えらい楽しそうなことやっとったんやなぁ」

 

にやにやといやらしく笑うロキを放置し他の皆はワイワイと騒がしい黄昏の館へと入った。その日の昼間は黄昏の館で皆のお願いを聞いたり、9階層での出来事を話したり、遠征での話を聞いたりと忙しく過ごしていた。ロキの目からみても疲れている様子は一切見せずむしろ溢れ出る生命力のおかげで動きたくてたまらないのを抑えているようだった。

 

「ベル、別に今日じゃなくてもよかったんやで?皆の夕飯まできっちり作って疲れたやろ?」

 

「大丈夫です。皆に今日の夜の話をしたらフレイヤ様が相手ならなるべくはやく報酬を払った方がいいとおっしゃっていたので。それにロキ様もアイズさん達もいますし」

 

ビシっと正装をしたベルとロキがバベルの前へと到着する。その後ろには武装したアイズ、ベート、ティオナの3人もいる。この3人はフレイヤへの報酬でバベルへと行くことを話した際真っ先に護衛をかって出た3人だ。これ以上高レベルの冒険者を連れて行くこは止めているが、もし何かあったらすぐ動けるようにフィン達も待機はしている。

 

フィン曰く

【おそらく問題はないが準備は怠らないようにということだ】

 

バベルの高級レストラン前に護衛の3人は待機して大きな扉を開けて入室する。

 

バタンと扉が閉まると更に奥の部屋の扉があきオッタルが姿を現した。

 

「......えっと!!??」

 

「ぶっひゃっひゃっひゃっひゃ」

 

オッタルの姿を見たベルは思考停止し、ロキは大爆笑していた。

 

「フレイヤ様がお待ちだ」

 

二人の様子を気にすることなく淡々としゃべり奥へと案内した。

オッタルはウエルカム!ベルクラネル【ハート】という文字とかわいくデフォルメされたベルの顔が大きく描かれた服を着ていた。

 

「あの......」

 

「ベル・クラネル。頼む、何もいわないでくれ」

 

「......はい」

 

ロキが涙を流しながら笑っている隣で僅かに肩を震わせているオッタルをなんともいえない表情でみているベル。これが混沌というものか......

 

「ここだ」

 

短くそういうとベルとロキは奥の部屋へと通された。

 

オラリオの夜景が美しく見える豪華な部屋に胸が強調された白いドレスを着ているフレイヤが待っていた。普通の人間ならその姿を見ただけで心まで魅了されてしまうだろう。

 

「フレイヤ様、この度は......」

 

フレイヤはベルの言葉が終わる前に立ち上がってベルの唇に指を当ててその先の言葉を遮った。

 

「私がしたくてしたことよ、気にしないでいいわ」

 

その割に報酬要求したやんけ!という言葉を飲み込みながらロキは席についた。

同じくベルも座るように指示され席に着く。

 

「どうだったかしら?オラリオでも腕利きの仕立て屋に服を作ってもらってオッタルに着てもらったの」

 

「いやあの服をあんな筋肉ムキムキのオッタルが着とったらホラーやで。なあベル?」

 

「ええと......」

 

正直怖かったですとは口がさけても言えない。

 

「そう、かわいいと思うのだけれど」

 

悲しそうな顔をするフレイヤにいたたまれなくなりベルは口にしてしまった。

 

「そうだ!今回の事でフレイヤ様にいろいろとしていただいたようで僕お礼をしたいんですが」

 

にっとわずかにフレイヤが笑う。

 

「お礼なんていいのよ、でも、そうね......それじゃあひとつお願いを聞いてくれるかしら?」

 

「僕にできることなら......」

 

なんでもっという前にロキがベルの口をふさいだ。神の前で、さらに言えばフレイヤの前でなんでもするなんていうことは言ってはいけない......

 

「私を楽しませてちょうだい」

 

ロキがピクリと反応する。

 

「フレイヤ?」

 

「大丈夫よ、いったでしょ?あなたも楽しめるはずだと」

 

不審げな顔のロキをよそに話を進めた。

 

 

「楽しませる?ですか。ええと何をしたら......」

 

「じゃあまずは服からね」

 

パンパンとフレイヤが手を叩くと扉の奥からシルが姿を現した。

 

「シルさん!?どうしてここに!?」

 

「ベルさん!元気になったみたいでよかったです。フレイヤ様とは昔から懇意にさせてもらってるんですよ」

 

シルは立ち上がったベルの手をぎゅっと握ると笑顔で笑った。

 

「さあ、隣の部屋に着替えを用意してます。行きましょう!」

 

まだ混乱するベルをなかば無理やり連れて奥の部屋へと入っていった。

 

扉の向こうからわずかにベルの声が聞こえる。

 

「ええ!?またこれを着るんですか!?」

 

「大丈夫ですよ、メイクもしっかりしますから安心してください!」

 

「いやいやいや、そういうことでは......それに前回よりも丈が短いような」

 

「フレイヤ様もきっと楽しみに待ってますよ?」

 

その言葉に撃沈したベルはおとなしくシルに全てをまかせた......

 

ロキとフレイヤが無言で酒を飲むこと十数分後、ガチャっと扉を開けて出てきたベルをみてフレイヤは満面の笑みを、ロキは鼻血を出しそうなほど興奮した......

 

「あ、あの...少し丈が短いんですが......」

 

恥ずかしがりスカートの丈を気にする仕草がフレイヤとロキのハートを打ち抜いた

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 




読んでくださっている皆様いつもありがとうございます。

今回は挿絵を入れたかったので少し長くなってしましました<m(__)m>

またお気に入りや評価もたくさんしていただきありがとうございます。

感想の返信でも書きましたがいろいろと兎魂と語り方がもしいましたらお気軽にメッセージください。返信は順番になるので遅くなるかもしれませんが<m(__)m>

少々仕事がいそがしくまとまって書く時間があまりなく遅くなりましたが無事更新できました。また読んでいただければうれしいです<m(__)m>

挿し絵は月島キリカさんに書いていただきました❗

これからもよろしくお願いいたします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。