剣姫と白兎の物語   作:兎魂

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豊穣の女主人での生活...夜


9 ロキファミリアとの出会い

豊穣の女主人の二階の一室。昨日までは倉庫として使われていたがベルとリューの努力によりなんとか人が寝れるようにはなった。

 

「クラネルさん。それでは今日からこの部屋をお使いください。この階には他の従業員もいますので何かあればお声がけください」

 

そういうと部屋から出ていこうとする。

 

「待ってください!あの...どうして僕なんかにここまでしてくれるんですが?」

 

「私たち従業員も今日のミア母さんの様子には少なからず驚いています。ですが...クラネルさんがミア母さんのお知り合いにそっくりのようでほっておけなかったといっていました。それにあなたからはとても純粋な気を感じます。全く穢れがない気です。私も少しでもあなたに邪な気を感じれば反対しましたがあなたは信頼に足る人物だと判断しました」

 

リューは表情を和らげてベルの手をとって続ける。

 

「私たちエルフは他の種族と違い他人との肌の接触を著しく拒みます。私も例外ではなくむしろ他のエルフ以上に触られることに対して嫌悪感がありました。しかしなぜかあなたに最初に手を触れられたときに心が安らいだ。私の故郷にある大樹を見上げているような感覚でした。むしろあなたがどんな人物なのかとても興味があります」

 

リューは多少頬を染める。

ベルも顔を真っ赤にしてありがとうございますと頭を下げた。リューがベルの部屋から出ていきベッドに横になる。

 

(今日オラリオに来たばかりなのにもうこんな美人な人達と知り合いになれたよおじいちゃん。僕頑張るからね!)

 

そんな事を考えながら眠りに着いた。

 

早朝

 

(小声)「ベルさーん朝ですよー」

 

シルが一切の物音を立てずにベルの部屋に入ってきた。カギは不用心にもかかっていなかった。

シルがベルの顔を覗き込み笑顔になる。まだあどけない顔ながら整った顔立ちはかわいくもあり凛々しくもありついついいたずらしたくなるシルであった。ベルの顔をつつこうとした瞬間

 

遠慮がちにノックが聞こえた。

 

「クラネルさん朝ですよ...シル。今日はやけに早いですね」

 

ベットに片足をかけていたのを瞬時に戻してリューに気が付かれないように溜息をつく。

 

「昨日ベルさんとあまり話せなかったから早めに来たの、リューこそやけにベルさんを気にかけているけど...」

 

シルの背後に般若が見える...顔は笑顔なのに...

 

「ミア母さんにクラネルさんの面倒をみてやってくれといわれたので...私一人では見切れないかもしれないのでシルも一緒にみていただけるとありがたいのですが」

 

「ありがとうリュー!」

 

シルがリューに抱き着く。するとベルが目を覚ました。

 

「んー...おはようございます。...ってえぇぇ!なぜお二人が僕の部屋に」

 

一気に眠気から覚醒したベルが驚いて声を上げる。起き抜けに目の前に美少女がいるという生活に慣れていないベル。そもそも女性に対して免疫がないに等しいのに朝からいきなりは心臓に悪い。昨日はなんとか頑張って話していたというのに...もっと慣れていかないと。そう心に誓った。

 

「あはは。ベルさんを二人で起こしに来たんですよ!このお店の朝は早いですから今日も一日頑張りましょう!」

 

髪はぼさぼさでまだ寝巻を着ているベルは大急ぎで着替えようとして上半身裸になる。

 

「キャッ!」

 

「あ...」

 

ベルは急いで着替えなくてはという気持ちが先走りすぎて部屋にまだシルとリューがいるのを忘れていた。

シルは顔を隠すふりをしながらベルの上半身に目線はロックオンだ。リューは目線を若干そらし見ないようにしている。

 

「それではクラネルさん。私とシルは部屋の外で待っていますので着替えたら外に出てきてください。洋服はそこのタンスにしまってある物を使用してください」

 

それでは、とリューが名残惜しそうにしているシルを引きずって部屋を出てった。ベルは頭を抱えてベッドの上でのたうちまわってからリューに言われたとおりに着替えるのであった。

 

「お待たせいたしました。こんな服着たことがないのでこれでいいでしょうか?」

 

ベルの服は黒のパンツにワイシャツ。それに赤と白のチェックのネクタイというスタイルだ。更にその上からエプロンというシュールな組み合わせだ。基本的にベルはホールには出ずにミアの手伝いでキッチンでの補助作業行う予定である。

 

「似合うじゃないですかベルさん!」

 

シルが満面の笑みで褒めてくれる。

 

「クラネルさんはもう少しかわいらしい格好の方が...いえ」

 

リューは小声で言った為ベルの耳には聞こえなかったが隣のシルにはばっちり聞こえていた。後でこれをネタにからかってやろうと思うシルである。にやりといやらしい笑みを浮かべた。

 

3人で階段を下りていくと他の定員達が店内の掃除をしているところでアーニャという名前の猫人(キャットピープル)とクロエという名前の猫人(キャットピープル)が箒で床のゴミを払っていた。

 

「おはようございます」

 

ベルが二人に声をかける。

 

「やっと起きて来たにゃ白髪頭。みゃーたちはもうお仕事してるのにゃ。先輩より先に起きてきて掃除をするのが後輩の常識にゃ」

 

アーニャがぷりぷり怒っている。

 

「アーニャ。クラネルさんは昨日オラリオに着いたばかりでとても疲れていたのでしょう。明日はきっと早起きしてくれるはずです」

 

すかさずリューがフォローを入れてくれる。リューさんには頭が上がらないなと内心肩を落とすベル。それを横目で見てにこにこしているシル。

 

「昨日からやけに新人を気にかけてるにゃ?リューまさか...新人のことが...」

 

クロエがかリューをからかう。リューは一瞬顔を赤くするがすぐにいつもの無表情に戻りミア母さんにあいさつしに行きましょうとベルとシルをつれて厨房に入っていく。

 

「「「おはようございます」」」

 

三人が挨拶をするとミアは仕込みの手を止めて笑いながらあいさつを返してくる。

 

「三人ともおはよう。ぼうず昨日はよく眠れたかい?」

 

「はい!眠れました。今日からよろしくお願いします!」

 

「よし!いい返事だ。ただし明日はもう少し早くおきな」

 

ミアの笑顔から一転般若の顔にベルの背中に冷たい汗が流れる。明日は絶対早く起きようと心に誓った。

 

「ベルは今日はあたしの手伝いだ。料理の心得はあるかい?」

 

ベルは家で祖父と一緒に夕ご飯を作っていたので野菜の皮むきから鶏の絞め方までお手の物だった。ただ魚介を扱う事がほとんどなかった為魚をさばくことは苦手だとミアに報告した

 

「なるほどね。じゃああたしがさばき方指導してやるから一週間で覚えてみせな。今は料理のできる男がもてるんだよ」

 

ミアが半分冗談でいった言葉をベルは信じうおーーやるぞーーと気合を入れて仕事にとりかかった。

やはり料理の経験がある為一度教えるとそこそこ上手くミアも機嫌をよくし自分の技術を教えていくのであった。他の従業員たちは隠れてその様子を見ていたがミアのひと睨みによりそれぞれが持ち場に戻る。

 

「今日も張り切っていこうかね!」

 

豊穣の女主人は多くの冒険者が集まる。お客さんが来てくれるのはいいが厨房やホールスタッフは地獄のような忙しさだ。店員達も臨機応変に動かなければならない。店内の案内。接客。調理。会計など様々な仕事がある。ベルもミアの手伝いに並行して店内に料理を運んだりと大忙しだ。パタパタ動く姿は店内にいるお客にも好評の様で眺めているだけで癒されると評判になった。ただしこのお店には女性店員しかいないと思っている冒険者がほとんどの為男装をしている女の子として噂になった。後に悲劇を生むことはまだ誰も知らない。

 

 

ベルが豊穣の女主人で働き始めて1週間がたとうとしていた。今日はロキファミリアが入店する日である。

 

「おまえたち。今日はロキファミリアが入店するよ。騒がしくなるだろうから気合いれな!」

 

「「「はい!」」」

 

全員が返事をする。ベルも初日に少し起きるのが遅くなってしまったのを巻き返そうと毎日誰よりも早く起きて店内の掃除をしていた。その甲斐あって店員たちともしっかりと打ち解けて緊張することもなく話せるようになった。

 

「ミア母さん!ロキ様はかわいい女の子が好きということで今日はちょっと趣向を変えてみようと思うんですがいかがでしょうか?」

 

シルが満面の笑みを受かべてミアに進言する。ミアは訝しそうな顔をしたもののとりあえず内容を聞いてみることにした。

 

「これです!」

 

シルが出したのは獣耳。獣しっぽ...いわゆるコスプレ衣装のようなものだった。

 

「どれかを選んでベルさんに着けてもらおうと思うんですがいかがでしょう?」

 

ミアは盛大な溜息をつく。

 

「とりあえずベルに聞いてみな。そんでまあ似合っているなら今日だけ許可しよう」

 

ちらりとベルの方をみるとよく意味がわかっておらず首をかしげている。

 

「ベルさん!絶対...絶ッッッッツ対似合うんで着替えてもらえませんか?」

 

「いや...でも...これ女性用の制服ですよね?さすがに恥ずかしいというか...」

 

「大丈夫です!問題ありません!私を信じてください!」

 

シルがベルの顔数センチの位置まで顔を寄せて力説する。他の店員たちに助けを求めようと見渡すがみんな一斉に顔をそらす。リューでさえも止めるべきだという気持ちと見てみたいという気持ちが半々でおろおろしている。結局シルの説得に負けて今日だけということで全てを任せることにした。

 

「ではさっそくですがどの動物にしましょうか!」

 

このテンションのシルを止めることはできない。ならば自分たちも楽しもうと店員達の意志は固まる。

猫、犬、豚、牛、山羊、狼。いろんな種類の動物のセットがある。

 

「クラネルさんなら兎がいいんじゃないでしょうか?」

 

なんだかんだいってリューも乗り気である。

 

「兎だとそのまますぎるかなって思って...以外にこれなんかいいかなと」

 

それは狼のセットだった。ベルの中性的な顔に狼の耳としっぽは上手くマッチしており他の動物より似合っているようだった。しかし...

 

「さあベルさん!服もこれに着替えてください!メイクは私が行うので安心してください!」

 

「!?こ...これは...」

 

シルが新たに出してきた服装は先ほどまでのロングスカートとは違い明らかに丈が短い...

 

「えっと...シルさん?」

 

「さあベルさん!男に二言はありませんよね?」

 

(は...はめられた...シルさんかわいい顔して悪女だ...)

 

ベルは肩を落としてうなずくしか選択肢がなかった。

 

1時間後

 

「完成しましたぁー!」

 

その場にいた全員。ミアでさえも言葉を失った。ミニスカートに絶対領域を演出する黒いニーハイ。首には紅いチョーカー。薄く化粧をした姿はまさに美少女そのもの。更に恥ずかしさからかもじもじしている仕草は凶悪だ。初めてこの姿をみたら誰も男だとは思うまい。

 

「にゃー白髪頭は本当に男かにゃ?」

 

アーニャとクロエがにゃふふっと含み笑いをしている。

 

「クラネルさん...大変似合っていますよ!」

 

リューも頬を赤く染めプルプルしている。

 

「ベルさん!素敵ですよ!」

 

シルはもう満面の笑みだ。自分のセンスに満足しているようだった。

 

ミアの方に目線を送ると無言で親指を立ててうなずかれる。

 

(おじいちゃん...オラリオは怖いところです...)

 

ベルは心の中で初めてオラリオに来たことを少し後悔した。

 

肩を落とすベルをみてさすがにかわいそうになったリューがフォローを入れる。

 

「クラネルさん。クラネルさんは基本的には調理場にいるのでそこまで目立たないと思いますよ!」

 

「リューさんお気遣いありがとうございます。ミアさん...ロキ様への紹介の件はお願いしますね?」

 

「ああ。そっちはまかせときな!」

 

ベルは今日を乗り切ればちゃんとした冒険者になれるかもしれないということだけを考えて耐えることを決意した。

 

 

ロキファミリアの皆様ご来店!

 

「「「「いらっしゃいませー!」」」」

 

オラリオ最強派閥の一翼であるロキファミリアの入店である。今日は貸切で遠征の無事帰還を祝してお祝いのようだ。参加している面々も第一級冒険者が勢ぞろいしている。中心の大きなテーブルにロキを筆頭に第一級冒険者の面々が座り後の席は早いもの準で座るというのが暗黙の了解になっている。

定員達は大忙しで酒を配り用意が完了する。

 

「みんな席ついたかー。それじゃ始めるでー!遠征お疲れさん!かんぱーーーい」

 

うおーーと全員が杯を上げて乾杯する。酒の消費がはやい。このままではベルがホールに参戦するのも近い。

 

アイズ ヴァレンシュタイン 第一級冒険者にてレベル5の強者である。彼女は以前お酒を飲んでやらかして以来飲むことを止められている。いつものようにハニーミルクを頼みくぴくぴ飲んでいる。一杯目を飲み終わりおかわりをしようと店員を呼び止める。

 

「すみません...これのおかわりを..!」

 

(このお店にこんな子いたっけ...白くてかわいい...なんだか懐かしい匂いがする)

 

「ハニーミルクですね?かしこまりました。少々お待ちください」

 

店員は忙しいようでぱたぱた走って行ってしまった。声をかけようかと思って手を伸ばしたがその手をおろしてしまう。

 

(いや...私の手は血で汚れている。あの純粋そうな子に触る資格なんてない...)

 

ずーんと黒いオーラをだしているアイズを見てアイズの母親代わりであるリヴェリアは苦笑する。後でうまくとりなして会話の機会くらい作ってやるかと一人考えていた。

 

そこそこ時間もたち店内状況はやや落ち着いてきていた。飲みすぎてつぶれているものも多々いるがまあ別に気にすることはないいつもの風景だ。ミアはそろそろロキにそれとなくベルのことを伝えるつもりでいた。

しかし、予想だにない事件が起こる。

 

 

ベート、ローガ レベル5にしてロキファミリア随一の俊足の持ち主で絶対的な実力主義者である。彼は馬鹿騒ぎしている仲間たちを横目に一人酒を飲んでいた。

 

「失礼いたします。こちらエールになります」

 

 

白い髪の(外見は)美少女がベートに酒を運ぶ。ぶすっとした態度の彼は定員のほうなど見ずに酒を受け取る。しかし...

 

(ん!?なんだこの匂いは...)

 

人狼(ウェアウルフ)であるベートは匂いに敏感である。彼は絶対的な実力主義者の為いくらかわいくても弱者には興味がない。しかし本能的にベルの潜在能力に気付いた。後ろ姿で顔はわからないがなかなかいい女だな。普段なら男と女の違いくらい分かるが今は潜在能力の方に意識がいって男の娘であることに気が付かなかった。彼は後に後悔する。

エールを一気飲みし杯を上げて店員を呼ぶ。

 

(今度は顔ぐらい拝んでやるか...!!!)

 

ズキューン ベートのハートは打ち抜かれた。

 

(な...か...かわいいじぇねえか...)

 

酒の勢いもある。よしっと立ち上がって白い髪の店員に近寄る。...

 

「おい!」

 

 

ベル視点

 

(い..忙しい。まるで台風だ。杯が開くペースが半端ではない。恥ずかしいけど僕もホールに出ないといけないかな...)

 

などとベルが考えているとちょうどヘルプの依頼がくる

 

「にゃーー白髪頭!ホール手伝うにゃ。1番テーブルと2番テーブル担当してにゃ」

 

ベルはうなずく。このやりとりもこの一週間で大分慣れた。まあこの衣装さえ気にしなければ大丈夫だろう。

 

 

「ハニーミルクですね?かしこまりました。少々お待ちください」

 

金髪の女性から注文を受ける。

 

(いい匂...というよりなにか懐かしい匂い...。でもすごい美人だなー。ロキファミリアに入ればこんな人とも知り合いになれるかも)

 

邪な考えを持つベル。しかし彼にも天罰...試練が降りかかる。

 

「失礼します。こちらエールになります」

 

(この人人狼(ウェアウルフ)...かな?一人だけ雰囲気違うしちょっと怖いかも...)

 

ベルが渡した杯を一瞬で空にした青年がまた注文をしてくる。内心びくびくしているベルであるが仕事は仕事なのでなんとか対応する。

 

 

 

 

 

 

「おい!」

 

びくっとするベル。

 

「あ..あのご注文は?」

 

(怖い...なぜかいろんな意味で怖い...泣きそうだ。)

 

(こいつ潤んだ目で見上げてきやがる。さては俺に気があるな?)

 

ベートの思考は正常ではない。普段ならもっとクールな彼だが酒とは怖いものでいつもの彼ではない。

 

周囲のロキファミリの団員達も何事かと自分たちに視線を向けている。先ほどの金髪の女性もこちらをみてなにやら考え込んでいるようだ。

 

「おまえ名前は?」

 

ベーとがじりじりと距離を詰めながら話しかけてくる、ベルはじりじりと後退しながらなんとか会話をする。

 

「ベルといいます」

 

「いい名前じゃねえか。俺はロキファミリアの ベート ローガだ」

 

「ベートさんですか。よろしくお願いします。あ...あのちょっと距離が...」

 

ついにベルは壁際まで追いやられてしまう。

 

すかさずベートは左手で壁に手をついてベルに顔を寄せる。

 

「ベル。おまえ俺の女にならないか?」

 

ざわ...ざわ...ざわ...

 

(あのベートが女の子を口説いている!?ウソだろ!?)

 

周囲の団員達もベートの行動を観察して驚愕している。しかしどうなるのかとワクワクしているようだ。中でも主神であるロキは満面の笑みだ。それも悪い笑顔である。

 

「しかし...ベートにもあんな趣味があったんやな」

 

神であるロキは魂がみえる。魂にも色があり種族や性別によってその魂の色に変化がある。よってロキから見れば男か女かなどすぐにでもわかるのだ。だがしかし、あえて何も言わずに黙って眺めている。

 

(しかし...あの魂の色はアイズの魂の色と似とるな...しかも一つの体に魂がダブって見えるやん。片方は消えそうなくらい弱弱しいけども。ホンマなにものなんや)

 

ロキはまた面白いことが起きそうだとワクワクしているようだ。

 

 

 

 

(このベートって人どんどん近くにくるんだけどどうしよう。一応お客様だし...)

 

壁際まで追い詰められて冷や汗をかくベル。あまりの緊張に呼吸は乱れ頬は上気する。

 

ドンっとベルの顔の横にベートの手がくる。

 

「ベル。おまえ俺の女にならないか?」

 

(!!!あれ!?これっておじいちゃんが昔いってた壁ドンってやつ!?でもこれって女の子に対してやるやつじゃ...俺の女になれ!?...どどどどうすれば。おじいちゃんたすけてーーーーー)

 

(ベルよ...強く生きるのじゃ...そんな声が聞こえた気がした)

 

 

アイズは考え込んでいた。あの子を助けた方がいいのかどうかを。

 

(あれは...嫌がってる...よね?助けた方がいいのかな...でも私なんかが行ったら怖がられちゃうかも...でも...)

 

一人であわあわしているアイズを見て団長であるフィンと副団長であるリヴェリア。ガレスは苦笑いをしている。この3人も本人が本気で嫌がっているのかが判断できずしばらくは傍観する姿勢だ。店員たちにいたってわきゃあきゃあいいながら眺めている。助けてくれそうな人は...いない。

 

 

 

「ベル...目つぶれよ」

 

ベートはベルの顎を片手でくいっと持ち上げ顔を近づける。どんどん距離が近くなる。キスまで残り3秒...

なぜかぎゅっと目をつぶるベル。

 

(ベルの思考は完全に停止した...)

 

 

 

 




読んでいただいている皆さんありがとうございます。

今回はロキファミリアとの出会いです。ベートさんに襲われているベルですが次回どうなってしまうのでしょうか...(ー_ー)!!

ちょくちょく読み返しているので微妙な文章は随時訂正していきます。

これからもよろしくお願いいたします。

追記
この物語では神ならだれでも魂が見える設定で書いております。フレイヤは他の神よりさらに鮮明に見えるという感じなのでご了承くださいm(_ _)m

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