そう望まれたので
「承知しました、お湯を用意致しますから暫くお待ちください」
そう言って仕度に掛かっているとチサにユウにユキと瑞穂に支えられながら蒼白い顔色のユミが不機嫌そうな顔付きで現れ
「あ…ちょうど良い、ユミ良い薫りのお茶が少し残ってるみたいだから飲んだら?」
そう言われて渡された湯呑みの温くなったお茶を飲み干すと
「ぉぃしぃ…」
と小さく呟き
「もう無いの?」
という声に
「今春蘭に新しく淹れて貰ってますから待ちなさい」
そう言われて暫く待つとティーポットと湯呑みを人数分用意しお茶を満たして配った
一同はまず香りを楽しみ一口啜ると驚いたが
「美味しい、冷めても美味しいけどこの位の温度が一番美味しいんじゃないかなっ!?」
そう興奮気味に言うユミに観月、ユウ、ユキの視線が集まり
「寝起きのユミがマトモに喋ったよ…」
驚いてそう言うユキに
「べ、別に好き好んで寝起き悪い訳じゃないんだから放っといてよ?私だって辛いんだからさ」
そう言って不貞腐れるユミに
「ゴメンゴメン謝るってばっ♪でもユミ、このお茶があれば明日から目覚めばっちりの朝が迎えられるんじゃないの?」
ユキに言われユウも
「貴女の低血圧は大公邸の見習い侍女達まで知ってるくらい有名ですからね」
そう言って笑い
「はいはい、ユミを弄るのはそれまでにしておきなさい
そう言う訳ですからこれからは朝のお茶の仕度は貴女に任せます」
そう話していると他の少女達と戦士達も次々に目を覚ましたので
「お茶を飲んだら仕度をして命とお祈りをして来なさい」
そう指示された少女達の為にお茶を淹れて賑やかな朝のお茶の時間になりその賑わいに誘われた王妃とユイも出されたお茶を喜び
「私達も都合を着け来ますから頼みますよ、春蘭」
そう言われてひたすら恐縮する春蘭だった
「所で今日は何を作るつもりなんですか?」
事情を知らない春蘭が?と言う顔をしていると
「私達は五日のお勉強岬にお出掛けお菓子教室の日ってサイクルで一週間を過ごしてるんですよ」
りんに言われ
「ですが…」
春蘭の言いたい事に気付いたユウは
「前回は例外です、みこちゃんがいかなきゃ意味がありませんからね」
そう言って同意を求めるとチサは
「みこちゃんが行けないのに行ったらきっとおへそ曲げますよ?」
とチサがおどけて言うと鬼百合も
「ちげぇねぇなっ!」
と、言って豪快に笑っている
「特に決まって無いならこのお茶に合うお菓子等はどうですか?」
と王妃が提案すると
「もうひとつ捻りを加えた物にします」
そう答えるユウだったがその日作られたのは春蘭の淹れたお茶で生地を練り込んだクッキーだった
その日の夕食後にマナとマユの二人に内示があり寝起きする場所は命の部屋のままユイの指導を受ける様にと言う物
つまり二人にはユイの美月での仕事だった経理事務担当と観月の秘書を二人に分けて学ばせるための人事である
命を取り巻く環境は新しい段階を迎えているのかも知れなかった…