闇と影   作:春の雪舞い散る

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人の出会いは不思議なもので精霊の巫女との出会いが埋もれる才能を掘り起こしお眠れる才能を揺り起こす


新たな人材

「私の分を分けたら結構な量を食べると寝てしまいました」

瑞穂に説明され

「顔色が悪いのだから素直に休めば良いのに無理してましたから…」

そう言ってりんの寝顔を見る春蘭を見て

(そのりんより更に顔色の悪い貴女に言われても説得力はありませんよ?)

そう思っていると

「瑞穂さんに見ていただきたい事があるのですが少し宜しいでしょうか?」

そう言われて

「ここでは不味いのですか?」

そう聞くと

「はい、少なくとも馬車からは出た方が…」

そう答えるので忍とりんの寝顔を見ると変わらず熟睡していたので

「わかりました」

そう言って春蘭と馬車から降り小屋の外に出た

「まずこれをご覧ください」

そう言って春蘭が見せたのは三寸位の小枝で

「それがどうかしましたか?」

春蘭の言いたい事がわからずそう聞くと

「見ていただきたいのは…」

そう言って大きく息を吸うと

ー溶っ!ー

そう唱え息をゆっくり吐き出すと小枝はみるみるうちに小さくなり春蘭の手にその痕跡を残すだけになった

「私に目覚めた力でもうひとつは…」

そう言って手刀を切ると二間程離れた樹の葉が半分に切り裂かれた

葉が落ちたなら偶然と言えなくもないけど半分になった葉の残り半分は枝に付いたまま

「これらの力を得ましたがこれの使い方や制御を学ぶ必要がありますしその一方でもっと強化したい気持ちも有ります…」

そう言われて

「わかりました、命様と阿とも相談しましょう…

ですがもしかしたらミナとりんも?」

そう春蘭に聞くと首を横に振り

「二人に聞いてみないとわかりませんが可能性は高いです」

そう言われて

(春蘭、ミナ、りんも本格的に巫女としての修行をさせる時期かもしれません…

踊りの稽古は新たに加わった三人の巫女達も合わせて時間を取るようにしたいですから現状の報告を兼ね観月様に相談しましょう…)

そう考え

「二人が落ち着いてから話を聞きましょう…

貴女も戻り食事をとりなさい」

そう言われて春蘭も馬車を降りライ達と食事をとる事にした

春蘭に遠慮するライ達の質問が留美菜に集中するのは自然の成り行きで命との出会いから聞かれた

食欲の余り無い春蘭が皆より先に食べ終えると食器を下げようと立ち上がるのを見た蛍が

「後片付けは私達がしますから春蘭様も暫く馬車で腰掛け休んでいてください

ミナ様とりんちゃんの具合が悪い中春蘭様も倒れたら留美菜ちゃん一人に負担を掛けてしまいます」

そう言われた春蘭も

「わかりました…命様の様子を見てから少し身体を休めます」

そう言ってふらつく足取りで命の眠る馬車に向かった

馬車では半ば眠っている表情の命がつぼみに手伝ってもらいながら食事をとっているのを見た

その様子に安堵の溜め息を吐くと空いている席に座り込み眠りに落ち気付いた謡華がその身体に毛布を掛けると溜め息を吐き

「りんが無理をしていると溢してましたがもっと無理している貴女が言っても説得力無かったですよ?」

そう言ってやっと身体を休める春蘭を見てホッとする謡華だった

 

馬車が再出発する頃には雨はすっかり上がっていたけど

「今から次の湯町を目指すには中途半端な時間だから途中にある馬借組合が建てた無人宿に泊まりませんか?

次の宿は天然の温泉を囲った露天風呂風呂も有りますから調子の悪い人達も回復するかもしれないですよ?」

そう大樹に言われた瑞穂がその提案を受け入れて無人宿を目指す事にした

春蘭が目を覚ましたのは既に宿に着き洗濯物を下ろしているところで

「春蘭、目を覚ましましたか?」

そう声を掛けてきた謡華に水筒を手渡されお茶を一口飲むと

「ええ、スッキリした目覚めです」

そう答える春蘭に

「瑞穂さんに絵と貴女の刺繍、つぼみの組紐、つぐみの竹細工、しずくの編み物に草の実等を纏め…

海斗に王宮に運んでもらう準備をして欲しいとの事ですが大丈夫ですか?」

そう聞かれたので

「大丈夫です、今から取り掛かります」

そう春蘭が答えると

「お願いします、その間に私は命様に貴女とミナさん、ライ、つぐみ、しずく、りんの入浴の支度をしますから終わったら一緒に入りましょう」

そう言われたので

「宜しくお願いします…」

そう答える春蘭だった

草の実に関しては草ブドウ、ムカゴ、と草の実ではないけど木苺に湯下の町で貰った干した木の実や草の実が小さな篭に詰められていてそれを渡された

それを瑞穂に指定された荷物と収支報告書、澪とりんから聞いた話を纏めた物と一緒にして瑞穂の下に向かうと既に海斗とシーホースに翔が待っていて

「この手紙も頼みます」

そう言われて受け取った物を自分の書類と纏め海斗に渡すと受け取った海斗に巾着袋とメモを一枚渡し

「巾着袋の中には霊玉化した雷精様と雷精様の霊力が込めれた霊玉が多数入ってますから翼様に渡してください

これに書いてあるのが荷物の内容です」

そう言われ受けとると一度目を通し胸ポケットに仕舞い

「シーホース様、宜しくお願いします」

そう声を掛け飛び乗るとその海斗の肩に翔が止まりシーホースも静かに浮き上がり王宮に向け駆け出した

 

海斗達を見送る瑞穂と春蘭の二人に

命を抱いた謡華とまだ少しふらつくミナ、つぐみとライに手を引いてもらっているりんとしずくが近寄り

「温泉に行きましょう」

そう謡華が声を掛けてきて春蘭も頷き一緒に向かった

脱衣所は洗い場になっていて留美菜、麦、澪、美景、蛍が洗濯をしていて

「悪いね、僕は元気なのに手伝わなくて…」

そう言われて澪が

「何のんびりはいるつもりでいるんですか?

今だってりんちゃんとしずくちゃんの手を引いてあげてるんでしょ?」

そう指摘されて

「そうだね…わかったよ、そっちは頼んだよ

僕は僕のすべき事をするからさ」

そう言ってりんとしずくの脱衣を手伝い自分も服を脱ぐと二人の手を引いて浴場に入った

ミナも同じ様につぐみの脱衣を手伝い自分も脱いで浴場に入り謡華は命の服を脱がせ春蘭はライ、りん、しずくの服を綺麗に纏め

「洗濯物が多いけど頼みますね」

そう声を掛けると

「早速私達にも出来るお仕事が有って嬉しいです」

澪がそう言うと麦、美景、蛍も笑顔で頷き留美菜と一緒に楽しそうに話していた

「に、人魚姫がぁーっ!」

そう叫ぶライの声を聞いて留美菜と顔を見合せると一同も浴場に向かった

(今更何を言っているのだろうか)

そう思っていた春蘭も見て驚き

「り、りんも人魚姫に?」

そう呟くと留美菜もそう呟いていた

「尾ひれを湯に浸け座る二人の人魚姫…留美菜、映見さんを呼んできてっ!」

そう言われて気付いた留美菜が慌て馬の世話をしている阿と瑞穂と映見の下に行き

「り、りんも人魚姫になっちゃって…だから春蘭さんが映見さんを呼んできてって言ったから…」

そう留美菜が言うと

「行ってください、その様子を早く王妃様にお見せ出来る様に」

「それが貴女のお役目で有り他の者では代われない事

馬の世話は私達に任せてくれれば良いですからね」

阿と瑞穂に言われて慌ててスケッチの支度をすると温泉に向かった

コバルトブルーの魚体を持つ命とマリンブルーの魚体を持つりん

気が付くとりんの髪の色もマリンブルーに変わり瞳の色は藍色に変わっていた

しかし身体に変化が起きたのはりんだけでなく身体を洗い終えたミナもまた変化した

髪の色は抜けるような青空を思わせるブルースカイに瞳は青緑へと変わっていて湯に浸かるとすっかり回復した

勿論しずくの体調も良くなりつぐみも快方に向かっている

そして春蘭も身体を洗い終えると身体に変化が起きていた

黄色い髪に翠の瞳そして父親譲りの小麦色肌は母親と同じく雪の様に白く…

今は温泉の湯でほんのり赤く染まって居るけどまだ自覚はない

「帰ったら一緒に漁のお手伝いしようね、りん…」

そう声を掛けると

「はい、海の中迄でもお供します」

そう答えると

「みこが一杯教えたげるね」

そう笑顔でいい

「りんのおとーさんとおかーさん驚くかな?」

と笑って言うと

「お父さんは驚くけどお母さんって滅多に表情変わらないから驚いてもわかりません…」

そう言われて

「う~ん…そーゆわれてみたらあんましひょーじょー変わるとこ見たこと無いからそーぞーできない…」

そう言って考え込む命に

「命様もそう思いますよね?」

  そう言って笑い合うそんなのどかな一時だった

 

王都が見えてきたので

―ここまで来たら後は一人で大丈夫やろ?ボクはチサ様ン所行くから気張るんやでっ♪―

海斗の返事を待つ事無く無責任なことを言って飛び去る翔を見て

「あーあ、行っちゃったよ…」

と、呟きシーホースからも呆れている感情が感じられる海斗に

―一応観月には知らせといたるからボチボチ来いやっ!―

翔の声が響いたので

(うん、頼むよ)

と、だけ答える海斗だった

突如として王宮の上空に現れた青い馬体のシーホースの姿を見た王宮の内外の者が驚きの声をあげ見上げる中…

観月に言われて海斗の出迎えに来た吽は

「何をしている、さっさと降り来なさいっ!」

そうキツい口調言う吽に

「門の前に降りて門を通った方が良いのでしょうか?」

そう聞いて来る海斗に

「今更そんな事を気にしてどうするのだ?グダグダ言ってないでさっさと降りるっ!」

そう命令口調で言われシーホースに着地してもらうと転げ落ちるように吽の前に立ち上官に対する儀礼をしようとしたら

「その様な物は無用、それよりまずはお前達の主、観月様にご挨拶を…

私が部屋まで案内するからついてきなさい」

と、言うと王女宮の三階の客間に通された海斗を観月が待っていて観月に気付いた海斗が観月に見惚れていると

「私の顔が何か?」

そう言われて

「す、すいません…よく叱られるんです、女性の顔をそんなにじろじろ見るのは失礼に当たりますって…

でも、観月様の様に美しい方は初めて見ましたから…」

と言うとその言葉に

「命はどうなのですか?命の騎士志望の貴女がその様な事を言って良いのですか?」

そう問い掛ける観月に

(意地の悪い事を聞く方ですね…)

吽はそう考えたものの海斗の答えははっきりしていて

「はい、綺麗な顔立ちだけど命様は未だ美しいと言うより可愛いって言葉の方が似合う気がします」

だったので

「確かに命様は次世代の一、二を争う美人候補でしょうが未だその争いに命様が名乗り出るのは早いでしょうね…」

そう吽も言うと

「そうですか?まぁ良いでしょう…」

そう述べた観月に見よう見まねで高貴な女性に対する挨拶をし荷物を渡そうとする海斗に

「私には手紙を渡し後の荷物は本殿で王妃様にお渡ししなさい」観月にそう言われても動かない海斗に呆れ

「何をしているのですか?観月様をお待たせして」

そう吽に言われた海斗は

「直接お目に掛かる事すら憚られる様な方に僕が直接お渡ししても良いのでしょうか?」

そう言って戸惑いを隠せない海斗に

「ぐずぐず言って観月様をいつまでもお待たせしない、さっさとお渡ししなさい」

そう言われて慌てて手紙を差し出すとわざと海斗の手に触れ真っ赤になる海斗の反応を面白がっていたけど読み進める内に

「海斗、他の書類も出しなさい」

そう言ってそれも受け取ると新しく入った少年少女達と命に歌を指導する謡華の身長体重からスリーサイズまで

それらが記された物をユウに渡すと

「これに記されたサイズの侍女の制服と見習い騎士の平服と謡華と言う方のスーツを用意して王妃様の執務室に

海斗はそれを受け取り着替えたら王妃様の執務室に来なさい、吽…案内してあげなさいそう言って三人に退室を促し観月自身は美月の事務室に行き

「ユカ、必要最小限の荷物と若月の服をある程度纏め伯母様の執務室に来なさい」

そう伝えると王妃の執務室に向かった

 

そうた言って執務室に入ると入り口から数歩入った所で平伏すると

「命様の使いで参りました見習い騎士の海斗です、お初にお目に掛かります」

そう顔を上げる事なく言う海斗に

「そんな所に踞っていては持ってきた物を受け取れませんよ?」

そう笑って言われ吽にも

「命様の騎士になるのならばなれなさい

命様は女神の祭典の後に他国を歴訪するのですからその際命様のお側でお守りしなければならぬのにその様な事でどうします?」

そう言われて

「わ、わかりました…」

そう答えると王妃の足下に控えリュックからまず春蘭から預かった春蘭達の作品の入った藤篭から渡すと受け取った王妃は

「これは組紐の様ですね?」

そう聞いてくる王妃に

「それは峠の街から命様のお側に付くことを許されたつぼみと言う者が作った物で彼女の母親が内職で組紐を作っているので習ったそうです」

そう説明され

「丁寧な作りですね?もっと経験を積み色々な色柄の物を作れる日が楽しみです」

そう言って観月に預けると

「これは竹細工の盆ざるですね?」

そう言って取り出すと

「それは同じくつぐみと言う者が作った物で彼女の実家は竹細工の工房で彼女の母親は名人と言われる職人です」

そう説明され

「もっと色々な作品を見たいものです」

そう言って観月に預けると次に取り出したのは毛糸を編んだショールで

「それはしずくと言う者が作った物で王都では余り馴染みはありませんが山の方では有名な職人の母親から習ったそうです」

そう説明されると観月が補足に

「それは染色前の毛糸を使った物ですが美月が支援し染色技術を学んで貰いますからそれで編むだけでかなり変わる筈です」

そう聞いて

「経済的にもかなりの恩恵を受ける話ですね?」

そう観月に聞くと

「欲しい素材を得るための先行投資です」

と、そっけなく言うと王妃は

「公の場での着用はともかく冬場の寒風が流れ込む時の夜着の上に羽織ると温かそうですね?」

そう言って観月に預けると最後に白いスカーフとハンカチを数枚取り出し

「これは木綿のスカーフとハンカチですが…これをわざわざ?」

そう言ってスカーフを広げると

「こ、これは…」

と、言葉に詰まる王妃に

「伯母様、そのスカーフがどうかなさいましたか?」

そう訝しげな表情で聞く観月に

「見てみなさい…」

そう言われて渡されたスカーフを手に取り広げてみると

「みこが描かれた刺繍ですね?」

観月の言葉に

「春蘭様が施した刺繍と聞いてます」

そう聞いて

「もっと良い素材で作らせたいですね?伯母様」

そう話す観月に

「そうですか?私はとてもきにいりましたよ

このスカーフは私が貰うとして後の五枚有るハンカチはどうしますか?」

そう聞かれた観月は

「私と真琴達に嵐で分けさせてもらいます」

そう答えると次に取り出したのはこれはムカゴにこちらは木苺、そして草ブドウ

干した木の実や草の実と干したキノコや山菜等です」

そう言って篭ごと渡すと

「良い香りがしますね?これ等は後で厨房に運ばせましょう」

観月にそう言われて

「最後は額付きの三枚の絵と同じ絵の額なしが三枚です

これで僕が預かってきた物は全てです」

そう言われて渡された絵は命が笑顔で食事している物

命が温泉から跳ねている物に舞台に舞い降りる命の三枚の絵で額の無い物は治安維持局に提出する物だろう

「僕の役目は無事終わりましたからそろそろ帰って宜しいですか?」

観月にそう聞くと

「命が気になるのはわかりますがもう暫く待ちなさい」

観月にそう言われて大人しく待っていると

「ユウとユカ、観月様に呼ばれただいま参上しました、入っても宜しいでしょうか?」

そう言われて観月が

「入りなさい」

そう答えると

「失礼します」

そう告げて二人が入ってきた

「ユウ、海斗に渡しなさい

海斗、それは貴方達に支給される制服です受け取りなさい」

そう言われて受け取ると人数が多いだけあって結構な数になるだけに量も嵩張った

「ユカ、阿が貴女の助けを必要としています

見習い騎士の海斗と共に命の元に行きなさい」

観月の話を聞いて

「身分は見習い騎士ですのに霊獣の騎士様なのですか?素晴らしいですね」

そう言われて慌てた海斗は

「い、いいえ…僕は未々シーホース様に乗せてもらっているだけの未熟者ですから…」

そう答える海斗に

「それがわかっているのなら早くシーホースに認められる一人前の騎士になりなさい

少なくともお前は誇り高き霊獣がその背に乗る事を許した者なのだから乗りこなす可能性を秘めていますからね」

そう吽に言ってもらい

「はい、当面の僕の目標ですから頑張りますが…」

ユカを見て

「応援要請をしたのは瑞穂様です」

と、言おうとした海斗の気配に気付いた吽が

「男のお喋りは嫌われる…」

そう言って海斗を黙らせた

「では海斗、ユカをたのみますよ」

そう観月に言われてユカを案内することになったけど未だこの時の海斗にはユカを連れていくことの重大さを知らなかった

「それとこれは大公家の見習い騎士に支給する短剣です

他の三人の物も有りますから戻ったら渡してあげなさい」

そう言って四本の短剣を受け取り一本は自分の腰に差し残りの三本折り畳んだリュックと共に肩掛けカバンに仕舞いユカを伴い命の元に戻る事になった

まず自分がシーホースに股がりユカに手を差し伸べ吽に手伝われ海斗の後ろに横座りになると

「ユカ様、出発します」

そう言うとユカにしがみつかれて真っ赤になる海斗を見て呆れている吽とまるで溜め息をついたように息を吐き出したシーホース

海斗の受難の時が始まった

「ぁ、あのユカ様そんなにくっつかなくても落ちませんからもう少し離れて貰えませんか?」

背中に当たる双丘と尻に当たる太股の感触が気になって仕方無いので出来れば離れて欲しかった

でも、ユカからしたら海斗をからかって楽しんでいるのだから離れる気は毛頭無い

シーホースが再び溜め息を吐いた

 

(海斗…戻ってきたようですが…)

渋い表情の阿に気付き海斗が一人ではなく同行者を連れて来たのに気付いた春蘭

「そんな顔をユカ様にはお見せしない方が良いですよ?」

そう春蘭に言われ心の中で溜め息を吐く阿

シーホースが降り立ち阿に下ろして貰いそのまま暫く阿に抱き付いていたユカ

やっとユカから解放された海斗は

「顔を洗ってきます」

そう春蘭に言ってその場…ユカから離れようとしたら

「大樹達は食べられる物の採取に行ってますから手伝いに行ってください」

そう言われホッとすると様子のおかしい海斗を心配した命が

「海斗、そんなに早く力が欲しいの?」

そう聞かれた海斗は

「出来るのなら早く強くなりたいけど…

でも、命様のお顔を見て安心しましたシーホース様も僕に力をお貸しくださってますので我が儘ばかり言ってられませんから…

では、僕は大樹達の手伝いをしてきますから」

そう言って大樹達の向かったと思われる方に入っていった

「さて、阿様…シーホース様から荷を下ろして下さい」

そう言って荷を下ろして貰い

「有り難うございました、シーホース様…

春蘭、制服の支給をしますが何処でするのが良いですか?」

そう聞かれた春蘭は

「宿の食堂が良いと思います」

そう答えると荷物を

「解りました、阿様はそちらに荷物を運んで下さい

春蘭は全員をそこに集めて下さい」

そう言われて阿はそのまま荷物を持ってユカを案内し春蘭は見習い侍女達を集合させた

「私は観月様の下で美月の仕事をお手伝いさせて頂いているユカと言う者です

今日から春蘭の手伝いをする様観月様のご指示で参りましたから皆さん、宜しくお願いしますね」

そう言って頭を下げると

「ライ、こちらに来て下さい」

そう言われてユカの前に立つと

「貴女の制服一式です、貴女だけサイズが合わなかったと聞いてますから三着有りますから着替えて来なさい」

そう言ってライに手渡し

「次に麦、貴女には着替え用に二着用意して有りますから着替えて来なさい」

麦に手渡すと

「何故わざわざ一人ずつ手渡し何ですか?」

麦にそう聞かれたユカは

「こちらに来る途中名前だけは覚えて来ましたがそれだけです

ですからこうして一人ずつ手渡し名前と顔を一致させてます」

そう言われて

「凄い、制服の支給をただ配るんじゃなくちゃんと意味の有ることにしてるんですね」

そう感心して着替えに行く麦

「次に澪、貴女も二着ですから着替えて来なさい

次、つぼみも二着ですが貴女の組紐、王妃様のお言葉を伝えます

もっと技術を磨き色々な柄の組紐を作れる様になりなさい…

それから観月様からは命達の着物の帯留めを作れる様目指しなさいですから…お二人が期待してますよ、頑張りなさい」

そう言われて受け取ると着替えにいった

「次、つぐみは王妃様のお言葉を伝えます

もっと色々な作品を見たいものです、でしたから暇を見ては新しい物を作りなさい」

そう言われて制服を受け取ると着替えにいった

「次、美景も二着ですから着替えて来なさい

次、蛍も二着ですから着替えて来なさい

それと貴女達が届けてくれた山の幸厨房に持って行ったら喜んでましたよ?

干した物なら手に入るが生のままのは中々手に入らないし見る目が有るらしく美味しいとこを集めてある

そう言ってましたからね」

そう言って二人にも手渡し最後に

「貴女がしずくですね?王妃様が貴女の作ったショールをきにいってました

観月様からは美月の支援で毛糸を染色の技術を学んで貰いますから試作品で色々作ってみなさいと仰ってましたよ」

そう言われて制服を受け取ると着替えにいった

「留美菜は取り敢えず一着でりんは二着持って来てますから仕舞って置きなさい」

そう言って二人にも手渡すと三弦の手入れをしている謡華の前に行き

「もしお嫌で無ければ瑞穂様も着られているこちらの服を貰って頂けませんか?」

そう言ってスーツを見せると以外とあっさり

「有り難く頂戴します」

そう言って受け取ると

「一人旅の間は着た切り雀でしたから一度本格的な手直しをしたいと思ってましたので丁度良かったです

人様の前で歌う時以外はこれを着ていようと思います」

そう言ってスーツを受け取ると着替えにいった

「ミナ、春蘭…身体の調子はどうですか?」

そう聞かれたので

「私は疲労のピークを越えたようで最近落ち気味だった食欲も戻り前より調子が良い位です」

そう春蘭が答えるとミナも

「私も温泉に入ってすっかり落ち着きました…」

そう答えるのを聞いて

「ミナは能力に変化は有りましたか?」

そう聞かれたので

「私の力はかなり狭い範囲で雨を降らせたり水球を現せる程度でどう扱えば…何が出来るのかわかりません…」

そう言われてユカは

「この水の豊かな歌の国でも乾燥地帯はありますからそういった場所では水はとても貴重な物ですよ?」

そう言って反応を見ていると

「ですがそれは既に命様がもっと大きな力を振るえます…」

との予想通りの答えに

「確かに命様の方が大きな力が振るえますが…こうも考えられますよ?他の者が出来る事をわざわざ命様の手を煩わせても良いのか?

他に出来る者が居るのならその者に任せ命様には他の事をしていただいた方が…

休める時には休んでいただいた方が良くないでしょうか?と…」

そう言われて気付いたミナが

「命様と自分を比べるから辛いんでしたねわかりました、もう少し今の自分に何が出来るのかを考えてみます」

やっと前向きな発言をするミナに

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