大樹、炎、海斗、たけも取り敢えず板場で待機し力仕事を手伝いなさい
ミナ、命様と媛を連れ温泉に入り舞台の…」
そう言いながら命とミナが居る筈の場所に目をやると二人とも居らず溜め息を吐いて
「ユカさん、取り敢えず私は部屋に行き着物や小物を支度しておきますから二人に部屋に来るようお伝えください」
そう言って部屋に向かった
「ユカ様、指示された物を持ってきました」
そう言って大樹と炎が担いできたのは看板で その上に張り付けた紙に
ー歌う人魚姫様ご一行宿泊の舎ー
ー期間未定で今夜より命様の歌と踊りを上演中ー
と、二枚の看板に記入し玄関に置きに行くと早速暖簾を潜って三人の老婦人が現れ代表の一人が宿泊の手続きをしている
すると静かな宿の廊下をトタトタと足音をさせて帳場に近付いてくる
勿論足音の主は命で少し遅れて
「命様、廊下は走ってはいけませんっ、歩いて下さいっ!!」
帳場の前を竪琴を背負った蒼い髪の少女が駆け抜けその後を侍女の服を着た…
こちらも未だ少女と言って差し支えない年頃の娘が足早に後を追いかけている
「申し訳有りません、お見苦しい所をお見せしまして」
そう頭を下げ通り過ぎるのを見た三人組の二人が
「今の見ました?」
「ええ、はっきりと…」
「本当に噂通りの愛らしいお姿をなさってますね」
そう話しているのがユカの耳にも聞こえてくる
暫くして息も絶え絶えのミナがユカの前に現れ
「申し訳有りません…命様を見失ってしまいました」
そう頭を下げて近付いてくるミナに同じく申し訳なさそうに女将が
「命様ならあちらに…」
女将が指さした方で二人の客と話をしていた
「うん、今お支度してるからそれが済んだら媛とせんせえーとミナの四人で温泉に入るんだ
そいでその後舞台の支度してもらったら舞台に立つんだよ」
いつの間にか帳場に客が集まり命の話を聞いていた
特に水の中で人魚になると噂されているためもしかしたら人魚姫に会える?
そう期待しない方がおかしいが
「命様、それがお分かりなのでしたらミナと部屋に戻りまずは温泉に入って舞台の支度を為さってください」
そう言われて
「はーい」
と、答えミナに手を引かれ部屋に向かうと他の客達も宿泊の手続きを急ぎ始めたので取り敢えず女将も含め四人で手続きを済ませた
ユカは板長と食材の交渉をしていたが問題は酒で既に配達可能な時間ではない…
そう愚痴る板長に
「何を言ってるのですか?
三人もの元馬借が居るのですよ?店が開いてるのならば彼らを使いに出せば良い事です
酒に限らず必要な物があるのでしたら遠慮なく言い付けてやってください」
そう言われて驚きの目で見た物の
(本物の大物だな…)
そう関心する板長は板場に戻り
留美菜とりんは客を部屋に案内し荷物運びに阿、瑞穂、忍も手伝い宿を活気付かせた
取り敢えず第一陣の客を捌き終えると女将が皆にお茶を出し
「所でユカ様にお聞きしたいのですが宿を探させる時に何故命様の名前を出させなかったのですか?
かなり苦労したみたいでしたよ?」
その命を見た時から感じていた疑問を口にすると
「私達は肩書きで客を選ぶような宿に大切な命様をお泊めさせる気はありませんし…
逆に先程の命様の振る舞いを見て何と言うのでしょうね?
まぁ今更二人を追い返した事を悔やんでも遅いんですよ
幸運の女神に後ろ髪は無いのですからね?」
そう言って艶然と微笑むユカだった
その後ユカは板場で大公領風の料理を作って板場の手伝いをすることにした
命が部屋に戻ると媛が声無き泣き声をあげ泣いていて様華にしがみついていた
「媛、どうしたの?」
命がそう心配そうに聞くと
「命様がいけないのですよ?留美菜ちゃんが側に居ない媛を一人にしてほっぽらかしてるからです」
そう謡華にキツく言われて
「ごめん、媛」
そう言われても嗚咽の止まらない媛の身体をやさしく包み込む謡華は「媛、みこちゃんも反省してますから皆で温泉に入りましょう」
そう言って宿の浴衣に着替えたミナと謡華に連れられて温泉に向かった二人
しかし向かった先の温泉の入り口は既に人だがりが出来ていて既に順番待ちの様で諦めて帰ろうとすると
「皆さん、待望の人魚姫様がお見栄ですよ道を開けましょう」
と、言って先を譲られて
「皆のが先に来てたのに何で?」
不思議に思った命が聞くと
「私達は命様と入りたいからですよ?」
そう言われて
「そうなの?」
と、やはり命には理解出来ない答に頭を悩ませなからも謡華に手を引かれて脱衣所に入るとやっと他の者達も脱衣所に入り浴衣を脱ぎ始めた
その中にあって命と話していた老婦人がミナに
「確かミナさんと仰いましたね?宜しければこの娘さん達に命様のお世話をさせて頂けませんか?」
そう言われた二人が驚いてその婦人を見ると
「私達は湯治で連泊しますから未だ機会はありますけど明日のお昼前には宿を立つ貴女達には今夜しか有りませんでしょ?」
そう笑顔で答えると
「命様はこのお姉さん達と入りますか?」
そうミナに聞かれた命は返事をする代わりに二人の前に立つと両手を上げるのを見て
「命様は脱がせてと言ってますよ?
お任せしても宜しいでしょうか?」
ミナが二人に声を掛けると
「は、はいっ!任せてください…」
「命様、宜しくお願いしますっ♪」
そう答える二人に
「一応風呂場は走らない、身体はちゃんと洗うと真琴様との御約束は忘れてませんね?命様
もし風呂場内を走ったり身体を洗わせ無い様でしたら注意してくださいね」
そう言われて
「そんな恐れ多いことして宜しいのでしょうか?」
そう聞かれてミナは
「湯下の町の温泉では風呂場で走って人とぶつかったと聞いてますから遠慮なく」
そう言われて
「そうですね…何か有ってから反省しても遅いですからね…」
そう言って頷くとミナの胸元がモゾモゾ動いて小さな顔後こちらを覗き見ていることに気付いて
「何か居る?」
そう声をだすとひょこっと顔を出す媛を見て
「あの子は媛…ホントの名前は知らないから皆媛って呼んでるの
アクエリアス様から守ってあげてってゆわれて預かった子なの」
命からそう説明されて
「アクエリアス様から…だから天使様の様なお姿なんですね?」
そう一人が言うともう一人も
「命様にも似てらっしゃいますね」
そう話す二人に
「私はこの娘、媛のお世話をしますから命様はちゃんとお姉さん達の言う事を聞いて良い娘にしてくださいね?」
そう言って互いに風呂場に入っていった
二人に命を任せ媛の世話をするミナは何故か懐かしい気持ちに浸っていた
何故なのかは良くわからなかったけど媛の世話をするのは楽しくその表情で媛の考えている事がある程度
良くも悪くも感情が顔に出るから分かりやすい
が、それはある意味間違いで何と無く理解している間に媛がミナに心を開き素直に感情を見せているだけに過ぎなかった
ふと命を見ると人魚姫の周りは凄い人だかりになっていて老いも若きも華やいだ声をあげていた
やがて入浴時間も終わり命は宿の浴衣で媛は麦が作ったワンピースに着替えて控え室に向かい舞台の支度を始めた
帳場では既に春蘭が仕事をほぼ把握出来たのとある程度落ち着きを見せてきたので春蘭一人に任せ
勿論留美菜とりんの方も春蘭との会話の中で出てきた漁師の鍋を川魚を使って作ってみてはどうだろう?
と、言う話になりその支度中
勿論蛍は野菜等のカットの手伝いに回ったし魚の扱いに慣れた大樹も手伝いに入った
そうこうしている内に命の舞台の時間になり命がまず奉納の踊りを舞った
すると命の前に湯の精が現れ命の身体を借り温泉の神を讃える踊りを舞わせ教えると
―しずく…霧の精と共に私とも歩んで欲しい―
と、言われ
―麦、私は豊穣の女神に支えし草の実の精…
私達の主人、豊穣の女神を呼び覚ますのに力を貸してください―
と、要請してきたし
―きみ、私は草の精…私と共に人と精霊の絆を編んでゆきませんか?―
精霊達の申し入れを受け入れを受け取り命の周りに居る見習い侍女達は皆精霊に巫女となり
(風華が戻って来次第観月様に報告した方が良さそうですね?)
ユカが考えていると命の歌も終わり舞台を終えた命がいつもの様にミナの膝に座ろうと近付くと我が物顔で座る者が居た
勿論命に対してそんな振る舞いを出来る…と言うかする者はない
春蘭やユカなら出来なくも無いけどミナの膝に座ろうと言う気もせねばならない理由も無い
暫くの睨み相の末命に
「命様、私の膝で良ければお座り下さいませ…」
そう謡華が言わねばどちらも引きそうにない険悪な空気になっていてだろう
そんなこんなで大騒ぎの湯町の夜は更けていった
「大樹、薬師の里の人にはどうすれば会えますか?」
その夜遅くにユカと春蘭に呼び出されそう聞かれたので
「明日の朝薬の受け取りの為会う予定になってます…」
そう答えると
「王妃様の使いで春蘭を会わせたいのですがお願い出来ますか?」
そう頼まれて
「薬を持ってくる人なら俺達となら会ってくれますから逆に俺達の方が更に北の町まで薬を運んで良いのか聞きたいです」
そうお願いされると
「北の町…確か特産品に蕪の赤葡萄酒漬けと言うのがありましたね?
序でに買ってきてくれますか?」
そう頼み
「そうですね…小樽を一樽頼めますか?」
そう言われて
「了解しました」
そう答えると
「ミナと媛に海斗を同行させますから明日は頼みますね、今夜は早く休みなさい」
そう告げて大樹を下がらせた
「大切な用事ではありますが春蘭とミナは息抜きになればと思ってます…
媛、ミナを困らせてはいけませんよ?」
そう言われてもミナを独り占め出来る嬉しさから余り聞こえてはなさそうだった
取引場所は山裾の休憩小屋の前で男は急斜面を駆け降りてきて二人を見ると
「大樹と海斗…珍しい組合わせと言うか始めてじゃないのか?この組合わせは」
そう笑いながら言われて
「はい、実は会って頂き方をお連れしたのですが良いですか?」
そう大樹に聞かれた男は
「わしにか?わしに会って何が面白いのかは知らんがは他ならぬお前達の頼みなら会おう」
そう言われて
「こちらは命様お側付きの侍女のミナ様と春蘭様です」
そう二人を紹介すると春蘭を見た時一瞬目が止まったが表情に変化はなかった
「私は春蘭と言いますが実は貴方に読んで頂きたい手紙を王妃様よりお預かりしています」
そう告げて手紙を手渡すと受け取ったその男は
「何故わしなのだ?」
と、聞くと
「この様な言い方をして気を悪くするかもしれませんが里の方としか伺ってませんから出会えた貴方に読んで頂くのです」
その答を聞き手紙を開いて読むと
「大樹に海斗…今日はこの二箱だけだから馬車に積んでいつものように北の町の問屋に頼む
海斗、お前の側に居るのは普通の馬ではあるまい?」
そう聞かれた海斗は
「はい、命様からお預かりした霊獣シーホース様です」
そう答えるのを聞いて
「そうか…(命様、水の精霊巫女がこの若者達の主人か…)海斗、お前とお嬢様とそちらのお嬢さんの三人が乗っても差し支え有るまい?」
と言われて
「はい、勿論大丈夫です」
と、答えたけどある意味海斗の方が大丈夫ではなかった…まだまだ未熟者だったから
ミナを前に乗せたのが微妙で乗馬の経験の有る春蘭に後ろに乗ってもらいミナが横座りで前に座るととても目の毒なモノが見えてしまった
元から一行の中でも豊かな胸の持ち主が胸元に収まる媛のせいで余計に強調されているのだ
なものでシーホースの三人と忍の者の様な身体能力の男にとっては然程の時間は掛からないもののませてる海斗にはかなり厳しい試練になった…
一行が里の門の前に降り立ち
大樹、炎、海斗、たけも取り敢えず板場で待機し力仕事を手伝いなさい
ミナ、命様と媛を連れ温泉に入り舞台の…」
そう言いながら命とミナが居る筈の場所に目をやると二人とも居らず溜め息を吐いて
「ユカさん、取り敢えず私は部屋に行き着物や小物を支度しておきますから二人に部屋に来るようお伝えください」
そう言って部屋に向かった
「ユカ様、指示された物を持ってきました」
そう言って大樹と炎が担いできたのは看板で その上に張り付けた紙に
ー歌う人魚姫様ご一行宿泊の舎ー
ー期間未定で今夜より命様の歌と踊りを上演中ー
と、二枚の看板に記入し玄関に置きに行くと早速暖簾を潜って三人の老婦人が現れ代表の一人が宿泊の手続きをしている
すると静かな宿の廊下をトタトタと足音をさせて帳場に近付いてくる
勿論足音の主は命で少し遅れて
「命様、廊下は走ってはいけませんっ、歩いて下さいっ!!」
帳場の前を竪琴を背負った蒼い髪の少女が駆け抜けその後を侍女の服を着た…
こちらも未だ少女と言って差し支えない年頃の娘が足早に後を追いかけている
「申し訳有りません、お見苦しい所をお見せしまして」
そう頭を下げ通り過ぎるのを見た三人組の二人が
「今の見ました?」
「ええ、はっきりと…」
「本当に噂通りの愛らしいお姿をなさってますね」
そう話しているのがユカの耳にも聞こえてくる
暫くして息も絶え絶えのミナがユカの前に現れ
「申し訳有りません…命様を見失ってしまいました」
そう頭を下げて近付いてくるミナに同じく申し訳なさそうに女将が
「命様ならあちらに…」
女将が指さした方で二人の客と話をしていた
「うん、今お支度してるからそれが済んだら媛とせんせえーとミナの四人で温泉に入るんだ
そいでその後舞台の支度してもらったら舞台に立つんだよ」
いつの間にか帳場に客が集まり命の話を聞いていた
特に水の中で人魚になると噂されているためもしかしたら人魚姫に会える?
そう期待しない方がおかしいが
「命様、それがお分かりなのでしたらミナと部屋に戻りまずは温泉に入って舞台の支度を為さってください」
そう言われて
「はーい」
と、答えミナに手を引かれ部屋に向かうと他の客達も宿泊の手続きを急ぎ始めたので取り敢えず女将も含め四人で手続きを済ませた
ユカは板長と食材の交渉をしていたが問題は酒で既に配達可能な時間ではない…
そう愚痴る板長に
「何を言ってるのですか?
三人もの元馬借が居るのですよ?店が開いてるのならば彼らを使いに出せば良い事です
酒に限らず必要な物があるのでしたら遠慮なく言い付けてやってください」
そう言われて驚きの目で見た物の
(本物の大物だな…)
そう関心する板長は板場に戻り
留美菜とりんは客を部屋に案内し荷物運びに阿、瑞穂、忍も手伝い宿を活気付かせた
取り敢えず第一陣の客を捌き終えると女将が皆にお茶を出し
「所でユカ様にお聞きしたいのですが宿を探させる時に何故命様の名前を出させなかったのですか?
かなり苦労したみたいでしたよ?」
その命を見た時から感じていた疑問を口にすると
「私達は肩書きで客を選ぶような宿に大切な命様をお泊めさせる気はありませんし…
逆に先程の命様の振る舞いを見て何と言うのでしょうね?
まぁ今更二人を追い返した事を悔やんでも遅いんですよ
幸運の女神に後ろ髪は無いのですからね?」
そう言って艶然と微笑むユカだった
その後ユカは板場で大公領風の料理を作って板場の手伝いをすることにした
命が部屋に戻ると媛が声無き泣き声をあげ泣いていて様華にしがみついていた
「媛、どうしたの?」
命がそう心配そうに聞くと
「命様がいけないのですよ?留美菜ちゃんが側に居ない媛を一人にしてほっぽらかしてるからです」
そう謡華にキツく言われて
「ごめん、媛」
そう言われても嗚咽の止まらない媛の身体をやさしく包み込む謡華は「媛、みこちゃんも反省してますから皆で温泉に入りましょう」
そう言って宿の浴衣に着替えたミナと謡華に連れられて温泉に向かった二人
しかし向かった先の温泉の入り口は既に人だがりが出来ていて既に順番待ちの様で諦めて帰ろうとすると
「皆さん、待望の人魚姫様がお見栄ですよ道を開けましょう」
と、言って先を譲られて
「皆のが先に来てたのに何で?」
不思議に思った命が聞くと
「私達は命様と入りたいからですよ?」
そう言われて
「そうなの?」
と、やはり命には理解出来ない答に頭を悩ませなからも謡華に手を引かれて脱衣所に入るとやっと他の者達も脱衣所に入り浴衣を脱ぎ始めた
その中にあって命と話していた老婦人がミナに
「確かミナさんと仰いましたね?宜しければこの娘さん達に命様のお世話をさせて頂けませんか?」
そう言われた二人が驚いてその婦人を見ると
「私達は湯治で連泊しますから未だ機会はありますけど明日のお昼前には宿を立つ貴女達には今夜しか有りませんでしょ?」
そう笑顔で答えると
「命様はこのお姉さん達と入りますか?」
そうミナに聞かれた命は返事をする代わりに二人の前に立つと両手を上げるのを見て
「命様は脱がせてと言ってますよ?
お任せしても宜しいでしょうか?」
ミナが二人に声を掛けると
「は、はいっ!任せてください…」
「命様、宜しくお願いしますっ♪」
そう答える二人に
「一応風呂場は走らない、身体はちゃんと洗うと真琴様との御約束は忘れてませんね?命様
もし風呂場内を走ったり身体を洗わせ無い様でしたら注意してくださいね」
そう言われて
「そんな恐れ多いことして宜しいのでしょうか?」
そう聞かれてミナは
「湯下の町の温泉では風呂場で走って人とぶつかったと聞いてますから遠慮なく」
そう言われて
「そうですね…何か有ってから反省しても遅いですからね…」
そう言って頷くとミナの胸元がモゾモゾ動いて小さな顔後こちらを覗き見ていることに気付いて
「何か居る?」
そう声をだすとひょこっと顔を出す媛を見て
「あの子は媛…ホントの名前は知らないから皆媛って呼んでるの
アクエリアス様から守ってあげてってゆわれて預かった子なの」
命からそう説明されて
「アクエリアス様から…だから天使様の様なお姿なんですね?」
そう一人が言うともう一人も
「命様にも似てらっしゃいますね」
そう話す二人に
「私はこの娘、媛のお世話をしますから命様はちゃんとお姉さん達の言う事を聞いて良い娘にしてくださいね?」
そう言って互いに風呂場に入っていった
二人に命を任せ媛の世話をするミナは何故か懐かしい気持ちに浸っていた
何故なのかは良くわからなかったけど媛の世話をするのは楽しくその表情で媛の考えている事がある程度
良くも悪くも感情が顔に出るから分かりやすい
が、それはある意味間違いで何と無く理解している間に媛がミナに心を開き素直に感情を見せているだけに過ぎなかった
ふと命を見ると人魚姫の周りは凄い人だかりになっていて老いも若きも華やいだ声をあげていた
やがて入浴時間も終わり命は宿の浴衣で媛は麦が作ったワンピースに着替えて控え室に向かい舞台の支度を始めた
帳場では既に春蘭が仕事をほぼ把握出来たのとある程度落ち着きを見せてきたので春蘭一人に任せ
勿論留美菜とりんの方も春蘭との会話の中で出てきた漁師の鍋を川魚を使って作ってみてはどうだろう?
と、言う話になりその支度中
勿論蛍は野菜等のカットの手伝いに回ったし魚の扱いに慣れた大樹も手伝いに入った
そうこうしている内に命の舞台の時間になり命がまず奉納の踊りを舞った
すると命の前に湯の精が現れ命の身体を借り温泉の神を讃える踊りを舞わせ教えると
―しずく…霧の精と共に私とも歩んで欲しい―
と、言われ
―麦、私は豊穣の女神に支えし草の実の精…
私達の主人、豊穣の女神を呼び覚ますのに力を貸してください―
と、要請してきたし
―きみ、私は草の精…私と共に人と精霊の絆を編んでゆきませんか?―
精霊達の申し入れを受け入れを受け取り命の周りに居る見習い侍女達は皆精霊に巫女となり
(風華が戻って来次第観月様に報告した方が良さそうですね?)
ユカが考えていると命の歌も終わり舞台を終えた命がいつもの様にミナの膝に座ろうと近付くと我が物顔で座る者が居た
勿論命に対してそんな振る舞いを出来る…と言うかする者はない
春蘭やユカなら出来なくも無いけどミナの膝に座ろうと言う気もせねばならない理由も無い
暫くの睨み相の末命に
「命様、私の膝で良ければお座り下さいませ…」
そう謡華が言わねばどちらも引きそうにない険悪な空気になっていてだろう
そんなこんなで大騒ぎの湯町の夜は更けていった
「大樹、薬師の里の人にはどうすれば会えますか?」
その夜遅くにユカと春蘭に呼び出されそう聞かれたので
「明日の朝薬の受け取りの為会う予定になってます…」
そう答えると
「王妃様の使いで春蘭を会わせたいのですがお願い出来ますか?」
そう頼まれて
「薬を持ってくる人なら俺達となら会ってくれますから逆に俺達の方が更に北の町まで薬を運んで良いのか聞きたいです」
そうお願いされると
「北の町…確か特産品に蕪の赤葡萄酒漬けと言うのがありましたね?
序でに買ってきてくれますか?」
そう頼み
「そうですね…小樽を一樽頼めますか?」
そう言われて
「了解しました」
そう答えると
「ミナと媛に海斗を同行させますから明日は頼みますね、今夜は早く休みなさい」
そう告げて大樹を下がらせた
「大切な用事ではありますが春蘭とミナは息抜きになればと思ってます…
媛、ミナを困らせてはいけませんよ?」
そう言われてもミナを独り占め出来る嬉しさから余り聞こえてはなさそうだった
取引場所は山裾の休憩小屋の前で男は急斜面を駆け降りてきて二人を見ると
「大樹と海斗…珍しい組合わせと言うか始めてじゃないのか?この組合わせは」
そう笑いながら言われて
「はい、実は会って頂き方をお連れしたのですが良いですか?」
そう大樹に聞かれた男は
「わしにか?わしに会って何が面白いのかは知らんがは他ならぬお前達の頼みなら会おう」
そう言われて
「こちらは命様お側付きの侍女のミナ様と春蘭様です」
そう二人を紹介すると春蘭を見た時一瞬目が止まったが表情に変化はなかった
「私は春蘭と言いますが実は貴方に読んで頂きたい手紙を王妃様よりお預かりしています」
そう告げて手紙を手渡すと受け取ったその男は
「何故わしなのだ?」
と、聞くと
「この様な言い方をして気を悪くするかもしれませんが里の方としか伺ってませんから出会えた貴方に読んで頂くのです」
その答を聞き手紙を開いて読むと
「大樹に海斗…今日はこの二箱だけだから馬車に積んでいつものように北の町の問屋に頼む
海斗、お前の側に居るのは普通の馬ではあるまい?」
そう聞かれた海斗は
「はい、命様からお預かりした霊獣シーホース様です」
そう答えるのを聞いて
「そうか…(命様、水の精霊巫女がこの若者達の主人か…)海斗、お前とお嬢様とそちらのお嬢さんの三人が乗っても差し支え有るまい?」
と言われて
「はい、勿論大丈夫です」
と、答えたけどある意味海斗の方が大丈夫ではなかった…まだまだ未熟者だったから
ミナを前に乗せたのが微妙で乗馬の経験の有る春蘭に後ろに乗ってもらいミナが横座りで前に座るととても目の毒なモノが見えてしまった
元から一行の中でも豊かな胸の持ち主が胸元に収まる媛のせいで余計に強調されているのだ
なものでシーホースの三人と忍の者の様な身体能力の男にとっては然程の時間は掛からないもののませてる海斗にはかなり厳しい試練になった…
一行が里の門の前に降り立ち