闇と影   作:春の雪舞い散る

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自然は隠れ潜む危険が一杯で常に牙を潜め狙った獲物を逃さない?


油断大敵

で、相談なんだけど今日から春蘭達のお稽古を結界内でさせようと思うんだけど媛はどう思う?」

命がそう問い掛けると媛は

―良いんじゃないの?特にミナと春蘭にお姉ちゃんとりんはね…

でもその四人をみこが教えるなら私はライと澪、つぐみの稽古を着けても良いんだよ?ー

命の問い掛けにそう答えると

「他の巫女達は?」

そう聞き返すので

ー霊力の高まりが違うよ、他の巫女達は巫女としての修行をみこが着けてあげなきゃね?ー

媛にそう言われて

「留美菜や澪の様にはやってあげないの?」

命のその言葉に

ーみこ、貴女が指導者でしょ?私は二人の霊力に干渉して使い方を教えただけなんだからねー

そう冷たく言い放つと

「媛の出来ることなら…」

―…何寝惚けた事言ってるの?

巫女達はみこの元に集まったんだから代わりの者がして良い事は任せても良いけどこれは貴女の役目のはずでしょ?―

命の言葉を遮り厳しく言うと言葉を失っている命に

「命様、そろそろ朝のお祈りをしませんと…」

春蘭にそう言われて我に返った命は巫女達に向かい

「じゃあ朝のお祈りをしよっか…」

そう声を掛けて祈り始める命と巫ら女達

その巫女達に向かい

ー今夜から夜眠る前にアクエリアス様の結界内で踊りの稽古をして貰おうって思うけど良い?ー

そう一同に問い掛けると媛以外がはいと返事したので

ーミナ、春蘭、留美菜、りんは自習でつぐみ、ライ、澪は媛が指導しますー

つぼみ、しずく、麦、澪、美景、蛍は私が踊りのお稽古を通して精霊の巫女としての修行も行うから頑張ってね

媛もお手伝いよろしくねー

そう声を掛けると媛も

ーはい、わかりましたー

と、穏やかに答えるのを聞いてホッと息を吐く命

その後は前日と同じく過ごし就寝時間前になり寝床に就いた巫女達の霊体を呼び出し結界内での修行を始めた

命が朝言った通りにミナ達は自習だけどミスが有ればすぐに媛の指摘が飛ぶ

三人の指導の傍ら四人への気配りが出来るらしい媛に驚く七人に

ー余所事考えてちゃだめでしょ?ー

そう注意されて無心に踊りの稽古に集中し始めた

ーまずは踊り始めず各々の精霊を感じなさい私からの踊りの指導はそれからですー

そう言って命が巫女達の霊力を刺激し活性化すると精霊の声を聞き対話始めた…

その様子を見て

ー巫女達よ、踊り始めなさいー

そう声を掛けると踊り始めた巫女達は勿論踊り自体は未々でも踊りにより霊力を高めるコツを覚えた様で少しずつ霊力を高め始めた

 

巫女達の修行を終え命と媛は

ー自分達の修行をするから―

そう言って巫女達の霊体を生身に戻すと再び結界内に隠った

一方二人はユカに

「命様からの伝言です

巫女達の踊りのお稽古はアクエリアス様の結界内でするから留美菜達のお勉強再開して…との事です」

と、伝えると

「わかりました、留美菜とりんは自習させて春蘭…貴女は傍らで質問に答えてあげなさい私は他の子達に勉強を教えますから」

と、言われて

「私は手伝わなくても宜しいのですか?」

春蘭にそう聞かれたユカは

「未だ今の人数なら問題有りませんから刺繍の作業を進めなさい」

と、答えるユカに

「承知しました」

そう言ってミナと共に作業を始めることにした

三日目の朝結界内で自らの歌の稽古の間春蘭達の航海の無事の感謝の気持ちを捧げる踊りを始める事にし

媛にはライ達見させ

その後春蘭達に自習させて歌の稽古を終えた命が麦達、ライ達自習を媛が見守り朝の稽古は終わり

朝食後はその他の巫女達の稽古を着け媛は踊りの自習

ミナと春蘭各々の創作活動で留美菜とりんは自習で見習いの巫女達はユカの指導で勉強をしこの日は春蘭、留美菜、りん、マキで昼食の支度

午睡の後は前日までと変わらず四日目もこの日と同じく一日を過ごしそして釣り大会当日

早朝にも関わらず多くの参加者が集まり開会の時を待っていた

町長の挨拶とルール説明が行われ命の大漁祈願の踊りが終わると大会開始、各自思い思いの釣り場に散って行った

名人の呼び声高い大樹とそのライバルの海斗の二人は大会運営委員として参加

参加者への指導…初心者への指南も含めて会場を走り回った

ユカと春蘭は同じく運営委員として大会運営そのもののお手伝い

本部に詰めミナとマイとスーは本部で海斗と大樹が知らせる途中経過を記録したり来客の応対をしたりするのが役目

留美菜とりんは鍋を作って屋台で参加で後の巫女や見習いの侍女と見習い騎士達は初めての休日

勿論見習い騎士達は釣り大会に参戦したし他の巫女達や見習いの侍女達は初めて訪れた北の町の散策を楽しんでいた

なので阿は命を連れ大樹達同様釣り大会の会場内の巡回で忍は大会本部詰め

瑞穂は休みの少女達の引率役に振り分けられ媛は美輝に抱かれ行動を共にする事になり各々に一日を過ごす事になった

と、言っても特にの観光地でもなく特産品が農作物のこの然程大きくない街に少女達が喜んで見て回る所は少なかった

なので少女達は早目の昼食を摂ると留美菜とりんの屋台の手伝いをする事にして二人に休憩するように言うと

「じゃあユカ様達が詰める本部の人数確認と大盛り希望者の確認をお願い出来ますか?」

留美菜にそう言われて麦は

「わかったよ、留美菜ちゃん…蛍と…」

「私とつぐみ、しずくの四人で交代に入るから任せて下さい」

と、蛍に代わってこずえが言うと

「後の子達はユカの側で本部に詰めて居る者の食事の交代等しながら勉強しなさい

媛、私達は大樹の元に行きましょう…案内して下さい

彼から食事をさせますからね」

と瑞穂に言われて美輝を見ると美輝に頷かれて瑞穂の肩に止まると

―こっちだよ―

そう指示される方向に駆け出す瑞穂を見送り四人に屋台の説明をする留美菜とりんだった

 

午前中は何事もなくのどかな釣り大会でたけとりゅうと街一番の釣り名人の老人が三つ巴優勝争いを演じていたけど地の利で先行する老人を二人が追い掛ける展開だ

運により易い型は鯉の部門ではれんが二尺近い良型を釣り上げ川衣ではたかが尺近い物を釣り上げていた

初心者達も大樹や海斗の指導よろしく優勝には縁遠くてもそこそこの釣果上げ楽しんでいた

特に女の子達は参加賞の若月のエプロンは皆貰えるから釣りに血眼になる必要はない

参加費が要らない代わりに釣り上げた魚は主催者である美月が引き取りその代金を大会運営費に充てる事になっているからだ

因みに子供を含めた男性参加者にはつぐみが編んだ竹製の魚籠が配られる事になっている

なので上位入賞を狙わない者達は初心者の子達にコツを教えたりと和気藹々の光景があちこちで見られていた

 

(何だろう?嫌な気配がする…)

―瑞穂…―

媛の呼び掛けに

「何者かが潜んでる気配…ですね?」

そう聞かれた媛は

―気のせいかと思ったけど貴女も感じてたんだ…

私も注意して探知するけど気を付けて―

媛に言われて

「承知した」

短く答える瑞穂に

―右斜め前方から微かな気配がした…―

そう伝え

―大樹、異常無い?―

そう問い掛けると

(嫌な気配を感じるけど周りの子には気付かせて騒ぎにならないよう距離を開けるようにしてる)

と、答える大樹に

―そう、そちらに注意が向いて私達の接近に気付けない程度の者なんだ…

もう暫く頑張って、今瑞穂とそいつを退治るからね―

そう伝えてから

―あれは水牛蛙?なんかすごく大きいけど…―

媛の素朴な疑問に

「この先の大湿地帯の固有種ですね…私も実際に見るのは初めてですが」

瑞穂の話に

―人間の子供なら楽に呑み込む事が出来そうだね?―

そう問い掛けると

(あまり想像したくはありませんが…媛は特に気を付けなさい)

その瑞穂の思念にムッとしながらも確かにあれだけの数が居たらかなり厄介であるのは間違いないから

ーわかったよ、注意するー

と、答えて頷く瑞穂を見ながら

ーどのタイミングで仕掛ける?ー

そう問い掛けると瑞穂の答えは

(大樹達があの岩影に入ったら仕掛けましょう)

そう言われたので

ー大樹、大樹達が前にある岩影に入ったら仕掛けるからー

と、伝えると

(わかった、岩影の先は開けた川原になってるからみんなを走って逃げさせる

どうやら異様な気配に気付いてるけど怖くて言い出せないみたいだから任せて)

そう返事を返すと

ー大樹があの先は開けた川原だから皆を走らせるって大樹が…ー

そう瑞穂に大樹の考えを伝えると

(それは丁度良いですね、大樹達が岩影に入ったら一気に攻め込みましょう)

瑞穂も了解してそう媛に言うと二人で大樹達を見守った…

後ろの敵の気配に気を配りながら小さな子達を誘導する大樹が岩影に入ると

「皆、走れっ!何者かは解らないけど敵はここで俺達が食い止めるからとにかく走れっ!」

そう叫ぶとほぼ同時に媛の氷の矢が何体かの敵を貫き横から瑞穂が斬りかかった

―瑞穂、退いて…氷の矢を乱射して足止めして皆が逃げる余裕を作るから―

媛がそう叫ぶと瑞穂が飛び退きそのすぐ後に数十本の氷の矢がその場に降り注いだ

(低温に弱いカエル達は遠回りしなきゃ進めないはず…)

媛の期待通りに氷の矢の直撃を受けなかった水牛蛙達は氷の山を避ける為遠回りを余儀なくなり町の子達はその間に無事逃げ切り引き返してきた大樹を加えた三人で殲滅した

無論逃げ出した者に対しては追撃は行わず逃げるに任せてではあったけど…

「操られていただけでしょうから全滅までさせる必要は無いでしょう…」

と、言うと大樹が水牛蛙達死骸を見ながら

「闇の汚染は見られないから弔いを兼ねて回収して売りに出しましょう

その見た目通りに水牛の肉に似た味で結構珍重されてるんですよ」

その大樹の言葉に

「畜産が盛んでかった頃はかなりの地域で食べられてたそうですね?」

と、瑞穂に聞かれた大樹は

「未々肉は贅沢品ですからね」

そう言って溜め息吐くと作業を始めることにした大樹だった

 

「阿…熊だよね?アレ」

命に言われるまでもなく気付いた阿が

「はい、ですが妙ですね…

海斗が見回りしている辺りならともかくこの辺りには熊が迷い込むような餌場は無いはずかですが?」

そう言って首を捻る阿に

「取り敢えず様子を見よう、あの子を刺激しないでできれば山に帰って欲しいから…」

祈るように言う命に阿も

「そうですね、無用な殺生は避けたいものですね…」

そう静かに答えたけど二人の願いも虚しく熊は人里目指しておりしかも釣り大会の会場に向かっている

「不味いよね…」

そう言って暫く考え込んでから

「止まりそうにないから行ってくる…」

そう阿に告げるとスーっと降下して熊の進路に立ちはだかると両手を広げ

「このまま進んじゃダメだよ、お願いだから引き返して」

命が穏やかに頼むけど熊は命が目に入らないかの様にその歩みを止めないばかりか立ち上がると右の手を大きく振り上げ命を睨むとその手を降り下ろした

「命様っ!」

絶望的な悲鳴にも似た叫び声で呼び掛ける阿が驚く光景が見えた

命の手の先に現れた水の盾と言うよりはクッションに遮られた熊の手は水に捉えられて身動きが出来ないでいる

「よ、良かった…じゃ有りません

もしもの事が有ったらどうするつもりだったんですか!?

全く、取り敢えず春蘭には黙っておきますがもっとご自愛下さいっ!」

と、言われて不思議そうに

「みこちゃんと受け止める自信有ったんだけどな?」

そう命に言われて

「はぁっ…やはり春蘭に…ひいては真琴様に報告します…」

と、溜め息を吐きながら言われて

「えっ?何で…」

そう呟く命のその反応が悲しく

「ご自分でお考えください…」

そう言われたけど訳のわからない命は考えるのを止めて(まっ、いっかぁーっ…?)

と、いつもの諦めの結論で落ち着く事にした

その間放置されていた熊が暴れまくっていたけど腕が抜ける気配は微塵もない

命様、この者は一体どうするおつもりですか?」

痛々しい者を見る目で熊を見ながら問い掛ける阿に

「今さっき気がついたんだけどこの子もう死んでる…

酷い事するよね?殺して操るなんて…せめて操り人形の状態から解放してあげないと可哀想だよね?」

命に聞かれた阿が頷くと怒気と共に霊力が膨れ上がり

ー青竜牙っ!ー

呪文によって現れた青竜が熊の斜め上にその牙を剥いた…何も無いはずの空間に…

しかし阿の目には見えなかっただけで確かにそれは居た…

恐らく死霊使いだろうそれの断末魔の思念が阿の耳(?)にも聴こえたのだから

熊の遺体を見下ろしながら考え込む命の耳に調子外れの歌声が響いてきた

その…あまりにもの耳障りな歌声に眉を潜めながら近付きつつある声の主が現れるのを待っているとその男は二人の前に現れ

「ぃよぉーっ、別嬪さん達っ♪」

そう声を掛けて来たけどその第一声に白けた命と阿は男に構う事無く

「この子どうしようか?取り敢えず他の敵も居るかも知れないから見回り続けたいんだけど…」

命の言葉に阿も目を閉じ考え込んでいると

「この熊は仲間と獲物のどっちなんだい?お嬢さん方」

男がそう聞くと

「そのどちらでもない、この者は死霊使いだろう男に殺され使役されていたのだから…

言わば犠牲者だろうからな」

淡々と語る阿に男は

「なら俺に譲ってくれないか?勿論ただでとは言わない

こいつらと交換でどうだ?」

と言って見せられたのは下処理を済ませた大鴨だろう生肉の塊が三つ

それを見た阿は命を見ると命は黙って首を横に降り

「みこ、そーゆーのわからないから阿に任せる」

そう言われたので

「わかった、交換しよう」

そう答えが返り阿に肉の塊を渡しついで男も熊を担ぐと

「あばよっ!」

そう声を上げ山に帰って行くのを見送り

「良かったのですか?熊は売ればかなりの額になるんですよ?」

そう聞かれたけど

「それはちゃんと処理したらでしょ?あの子には悪いけど肉は固いし独特の癖が有るって聞いた事有るよ

皮だってちゃんと処理して鞣さなきゃ売り物にならないだろうしね

それに悪い予感するんだ…阿に運んで貰ってる余裕はないし置いといたら持ってかれちゃうよ?どうせ最初に見付けた誰かにね」

と、言う命の言葉に溜め息を吐きながら

「多分そうなるでしょうね…」

そう呟く阿に

「ならまだ妥協できる取引した方がましでしょ?」

命に言われて

(確かにそうだな…)

そう頭の中で考える阿だった

その阿に向かい

「暫く気配を探ってみるから警戒の方は阿に任せるね」

そう告げると祈り始めることにした命は探知の結界を意識的に張り巡らせると蠢く大群に気付き

「居たよ、案内するから連れてって」

阿に手を伸ばしそう告げると阿も命の脇の下を抱えると両肩の上に股がらせて座らせ案内してもらう事にした

「やっぱし媛もそこに向かってるみたいだよ…

勿論シーホースも気付いてる感じだし…」

そう言われ山肌を駆ける阿も次第にその気配を感じ始めやがてその気配の主が何者か気付いた

「何で"あんなの"がここに…」

そう呟く阿の視線の先に居る生き物は竜蛇…竜邪とも言われる大怪蛇で本来歌の国は棲息域ではない大蛇

それがいつの頃からか度々目撃されては人や家畜を襲っているとの報告も有るのだが用心深く捕物で捕獲された試しが無い

(命様…どうしますか?)

目でそう聞いてくる阿に命は

ー今媛と共同で張った結界を狭めてるからもう少し待ってー

と、告げられ様子を見ていると大蛇もこちらに気付いたようでしきりに威嚇してくるけど警戒してるせいか近付く気配はないらしい

相手は十尾居るらしいけど未だ視認できてない

媛の冷気で攻撃力を下げても生け捕りは叶わず全滅させるしかなかった

供養になるかはわからないけど遺体は町の人達が回収して料理して食べるそうで蛇の代金はユカと交渉してる

それと先程の鳥肉の塊三個は総合ランキング上位三名の副賞として命からの提供品として委員会に提供された

結局亀の甲より年の功…

総合優勝は釣り名人の崔という老人で最後の最後まで追い掛けるたけとりゅうの二人から逃げ切った

部門別では鯉はれん、川衣はたかがそのまま逃げ切った

数年ぶりの町の釣り大会は命とその従者達の裏表の活躍で大盛況の内に幕を閉じたのだった

 

 

④夏祭り

 

そして待望の豊作祈願の夏祭りの当日が訪れた

実際は数日前から町に住む親類縁者を頼って泊まり掛けで遊びに来てる者が沢山居て賑やかになってはいた

それでも皆その高まりつつある興奮を抑えて我慢していた

自ら主催の釣り大会とは言うものの結構名前を貸しただけ、みたいな主催者も少なからず居る中

参加者の為予定してなかった大漁祈願の踊りを舞いただでさえ盛り上がりを見せていた大会をいやが上にも盛り上げたのだ

それに聞いた話によると

「大好きな踊りを見てもらうのが嬉しいから踊るのだ」と…

そして聞いた

「楽しそうに踊る…歌うように舞う舞姫が舞い降りた様な錯覚を感じた」

と言う老人達の言葉を…

町の集会場に集まり町長の夏祭りの開始の宣言が有り命の豊作祈願の踊りと地の精霊への奉納の踊りが奉納されて夏祭りは始まった

当初の計画では春蘭は命の代理人として夏祭りの実行委員と命と実行委員とを繋ぐパイプ役

ユカとミナは若月のブースを出し参加者として数名の巫女達と参加

命は瑞穂に担がれ、供の巫女達と祭りの参加者や訪問客と触れ合いながら会場内を散策

そして阿は大樹と海斗の二人と見習い騎士四人を指揮し会場内の警備班の協力をするはずだった

しかし、既に海斗が霊獣シーホースに股がりし霊獣の騎士なのはかなり知れ渡っている

当然海斗に白馬の王子を重ねる女の子は相当数居たし用事で海斗に案内される巫女達を羨望の眼差しで見詰める子達が居たのを知っていたから阿も

「海斗は警備班から離れシーホース様の協力を仰ぎ希望者を空に案内しなさい」

そう指示したからそれを聞いて主に女の子達が順番待ちの列を作り祭りを盛り上げるのに一役買い町長を始め祭りの実行委員達を喜ばせた

勿論主役は命で命が町が村だった遠い昔から在る村の鎮守の守り神様を祭った社の前で豊作祈願と地の精霊への奉納の踊りを奉納し見物人の為に水の精霊への奉納踊りと大漁祈願と大漁の感謝の気持ちを奉納する踊りを舞い

暫しの休憩の後歌も披露して祭りを大いに盛り上げた

それに命が豊作祈願を会得し踊るようになって以来湯町から北の町にかけての田畑の生育状態が目に見えて良くなり始め町に活気が出始めていた

巫女たちや見習いの侍女達も若月やその他の屋台の手伝いで祭りを盛り上げ祭りは大盛況の内に幕を閉じた

なので反省会の名で行う実行委員達の慰労会は翌日に持ち越され屋台の参加者も顔を出した

当然ながら店の手伝いで列に並べなかった子達が寂しそうに話してるのを聞いた海斗が

「なんだ、そんな事位言ってくれたらお安いご用なのに」

そう言って昨日より長い時間案内してもらい本人達は勿論その事を気にしていた両親達も喜ばせた

その様子を見ながら町長はユカに

「端から引き受けていただける訳ないと決め付けずお願いして良かったですよ」

そう話し掛けられ

「命様達が秘密裏に対処した異変も知らずに惨事が起こってから知らされる所でしたから…

全てはなるようになっただけなのかもしれませんね…」

そう言って町長に酒を勧めるユカ

命の今回の旅も折り返しとなり今まで北に取っていた進路は明日からは東に向け王都目指す事になる

ミナや春蘭は勿論留美菜やりん達の成長とこの旅で命の元に集いし少女達も各々の特技など頼もしい存在

(最初はどうなる事になるのか不安の内に送り出しただけにこの成果は観月様もお喜びでしょうね)

そう考えながら春蘭が淹れてくれたお茶を啜るユカだった

 

 

 

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