「なら近くの漁港で航海の安全祈願と大漁祈願の踊りを奉納したいです」
そう答えると
「その後漁港に隣接する市場でご飯とか買ってって楽しくお喋りしながら食べたいよね?」
「湖の側が良いとやっぱりお鍋は自分達で用意したいです…」
そう留美菜が言うと
「湖の側なら水遊びの後身体を温めるお茶を淹れたいですね」
そう雪華も言い
「疲れているでしょうに…」
そう言われて雪華が
「そうですね、全く疲れてないと言えば嘘になるけどだからこそ私達の元気の源のみこちゃんを思い浮かべる事が出来る場所に行きたいんです
私達の大好きなみこちゃんを思いながら過ごしたいんです」
そう言われて成る程と思い
「アーレス様、明日私は非番ですから私がご案内し私の部下に手伝いを頼みましょうか?」
シューにそう言われて
「わかった、巫女様達と相談し必要な物は言いなさい」
そう言って許可を出し明日早朝精霊の巫女様達による大漁祈願の踊りを奉納して頂く旨の通知をして夕食時を迎えたのだが…
不快感も露のメイド達を見ながら考え込み
「侯爵様、今の方達を化粧室に呼んでください、アーレスさんとシューさんも来てくださいね?」
そう言って案内されたメイド達にいきなり
「ここに座ってくださいっ!」
そう言って鏡の前に座らせメイド達が
(えっ?何この展開?)
そう戸惑っている内にメイクを済ませ
「ほう、成る程…全く印象が違う…お前達、確かそろそろアレク様に面談のお客様が訪れる筈ではないのか?」
そう言って仕事に戻らせ戸惑いながら化粧室をでる三人を見送りながらアーレスが
「さすがです、よい勉強になりましたが…面白いのはこれからでしょうね?」
そう笑って言うアーレスの言葉の意味がわからないのはシューも同じだった
そして侯爵が訪問者との会談を終え見送りも済ませてアーレス前に行き
「す、凄いですっ!いつもなら全く見向きもされない私達なのに中には私達見て頬を赤らめる方まで…」
そう興奮気味に話すメイド達に
「幼くてもあの方達はあの美月で鍛えられ観月様に命王女様の供を認められた方達なのだからね」
そう言われて
「はい、私達が愚かでした」
そう言って小姓頭のアーレスすら見た事の無い素直さに内心驚きながら
「期間は未定ながら暫くこちらに滞在する巫女様達はやはり幼い少女達で習った事以外は未々知らない事が多い
皆さんは南国の歌の国生まれなのだから雪深いこちらの事を色々教えて差し上げなさい
私は巫女様達の勉強を見させていただいているが知らない事を知らないと素直に言うしこちらに来るまでの間も初めて見る物を素直に驚いてた
辛炎ハムも命様の御付きの騎士の方が悪戯に食べさせ辛そうにしていたがお父さん達にお土産に持って帰ったら喜びそうだねっ♪と、言ってらしたのだからね」
そう言われて嬉しそうに
「はい、他の子達も私達を見て驚いてたし羨ましそうな視線を感じましたから…
私達の知ってる事で喜んで頂ける物が有るのなら…」
そう言ってはにかむメイド達に
「氷の精の巫女の留美菜様はその精霊様の霊力で調理場でお手伝いしていただき代わりに料理長から侯爵領風の料理を基礎から真剣に習われてますよ?
それはそれでお前達は明日休みだった筈だが予定はあるのか?」
その初めてされた質問に驚きながら
「いえ特に、予定はありませんが?」
そう正直に答えると
「そうか、明日巫女様達は早朝漁港にて航海の安全祈願と大漁祈願の踊りを奉納してくださりその後市場で買い物をして湖で水遊びの後に食事をなされるそうだから興味があるなら早起きしなさい」
その嬉しいお誘いに驚きながらも楽しい予感に旨膨らませる三人のメイド達だった
漁港の関係者もはっきり言って忍以外の巫女様達の幼さに失望し
(まぁお遊戯レベルじゃ期待しん方が良いようだな?)
そう思いながらみていると
(おいおい、誰だよお遊戯レベルなんだろう?何て言ったのはよ?)
そう言って驚き目を見開いて踊り終えた忍に
「貴女は我が国の王女になられたからわかりますが何故他の他国の巫女様達まで私達の為に?」
そう問い掛けられ
「一人は違いますが三人は漁師の父と尼海女の母を持つからでは理由になりませんか?」
そう答えると
「成る程、巫女様達には私達は父親と同じ職業の人間だからみたいな感じでな良いのだろうか?」
そう言われて
「人魚媛のりん様は首都で命様がお留守の間もう一人の人魚媛と踊っていたいたしもう一人の人魚媛は今も首都の漁港で踊っておられるが…
命様が白夜の国に訪れた際その途中賑わって無い豊作祈願の祭りを見て豊作祈願の踊りと地の精霊への奉納の踊りを舞いたいと申し入れ
歌の国では貴女が踊りを奉納して以来作物の生育状態が良くなったと言う噂を聞きますが私達もその恩恵を受けても良いのでしょうか?
そう命様にそう聞いたそうだ」
シューのその言葉に何も言わず先を促すと
「みこは伯母様と月光お兄さんが好きだしみこにそんな力が有るなら奉納の踊りを舞ったら喜んでくれるよね?と…
勿論あの方達もアレク様と奥様が好きだしお嬢様達とも仲が良いのだからそれ以上の理由が要るならそれが精霊の巫女の本来の役目ただそれだけだし…
命様に至っては覚えた踊りを見てもらいたいだけなのだそうだからね?」
そう言われて
「政治的な思惑はないと?」
その問い掛けには忍が
「人前でお気に入りの侍女や場所こそわきまえますが国王様の膝に座り料理を食べさせてもらう子ですよ?
まぁ喜んで食べさせてる国王様にも問題が有る気もしますが…
前衛基地や長期間の航海任務を終えた海軍の兵やその家族を労う宴なのだから微笑ましく思う者しかいません」
その様子を想像して
「確かに余りその様な事は考えては居られない様ですね…」
そう感慨深げに呟くと苦笑いを浮かべ
「いいえ、余りではなく理解出来ないあの子は全く考えてないと言っても構いません
ですから命様に説明する時には観月様すら難しい言葉は使わずざっくりと説明してますよ?
それに何より命様を始め周りにいる子達は基本的にお祭り騒ぎが大好きで楽しみたいのだから歌や踊りに意味はあっても歌い踊ること自体には意味も理由も有りません
強いて理由付けするならただ歌が好きだから歌い…踊りが好きだから踊るただそれだけです」
そう話している間に着替えを終えたりんと留美菜と二人を手伝ったなみと雪華が忍とシューの元に戻ってきたのでメイド達を呼ぶと私服姿の彼女達が現れ各々に
「リリー」
「ロゼ」
「ともえ」
と名乗り奉納の踊りを見て魅了された三人は巫女様達のファンなり年下の巫女達に様を付けるのに何の抵抗もなくたった
だがそれは今日付き合わされた非番の騎士達も同じで最初は
(精霊の巫女だかなんだか知らんが何で折角の休みに何で子守りをせにゃならんのだっ!)
そう思って不機嫌だったのが奉納の踊りを見てその態度は恭しいモノへと変わりシューに満足させ買い物に付き合うことに
買い物をしながら
「あ…この魚って大樹君達が釣ってきた魚に似てるね?」
そう留美菜が言うと
「うん、北の町で大樹君と海斗君が准騎士になったお祝いした時だよね?私達がアライにしたもんねっ♪」
そう話していると
「大樹様は釣りが好きなのですか?」
そうシューに聞かれたので
「好きと言うか私達は知らなかったけど海軍の兵隊さんやお父さん達は知ってたみたいだったよね?名人って」
留美菜がそう答えると
「あー、たけ君も大樹君の事師匠って言ってたね…鬼百合さんと張り合える位上手なたけ君が…」
等と話ながら魚を見ていると
これ初めて見るけど余り可愛くないよね、どうやって食べるのかな?」
そう話しているの聞いて
「その魚を使った惣菜も有りますから見に行きませんか?」
シューに背中を押されメイドの一人がそう声を掛けると忍が
「そうですね、軽く何かお腹に入れておくのも悪くないですね?お昼まで大分時間有りますからね」
そう言って惣菜コーナーに案内すると色々な惣菜が並んでいて勿論虫料理も色々有り
「す、凄いですね?シューさん…翔ちゃんがこちらに来たら絶対に連れてこなきゃですね?大喜び間違いなしっ♪」
そう話していると店主が
「その翔ちゃんっていうのはもしかしてあれかな…歌の国の六花と謳われる中で唯一王女でない少女の事かい?」
そう聞いてきたから
「はい、その翔ちゃんが侯爵様の公邸でお世話になってた時に侯爵様がお召し上がりなっているイナゴを欲しがり喜んで食べるのを聞いた料理長さんが色々お出ししてくださり…
その翌日から公邸周辺の畑で虫取してて今もお友達の家でお世話になりながら命様の一時帰国からお戻りになるまで虫取をして過ごしてます」
そう話すと
「女の子なだろう、虫は平気なのかい?」
そう聞くと
「本人の言葉で言えばイナゴ欲しいけどどん臭いボクがイナゴ捕まえられる訳無いやろ?
そう言って芋虫を指先で弾いて袋に入れてるそうで苦手なのは蜘蛛らしいです
その…お調子者ですから何度もお化け蜘蛛の巣に絡まってっは大騒ぎしてますからキモい、キモいっ!って…」
そう言って苦笑いするりんをみながら
「ははっ、是非とも連れてきてくれると嬉しいな
今の時代虫料理を食べる女の子は少ないからね」
そんな事話ながらサンドイッチや煮物等を買い求め鍋の具材を買い騎士達の為の酒(勿論爆酒)も一壺買い騎士達を驚かせた
勿論支払いは財布を預かるミサが支払いお金を出そうとするシューには
「私達の我儘で来てますからそこまでは甘えられませんっ!」
そう言ってきっぱりと断った為帰城後侯爵に相談すると
「総額がわかっているのならその額を妻に預け巫女様達の有事の際に使えるように貯めておけば良い」
そう言われて胸を撫で下ろした
湖の畔で軽い朝食を取り一休みしていると雪華がりんに
「りんちゃんはそろそろ湖に行きなさい」
そう言われて納得出来る筈もなく
「何で私一人だけなんですか?」
そう雪華に聞くと留美菜も
「気付いてないの?私達って結構注目集めてるんだよ?」
そう言われて周りを見ると確かにあちらこちらから自分達の方をチラチラ見ている人達が居た
「あの人達が何を求めてるかわかる?あの人達の視線に見覚え無い?」
そう留美菜に聞かれて暫く考えて
「あっ、岬で…」
そう声に出すと
「そう、あの人達は誰が人魚媛なのか知らないから私達を見てるけど人魚媛に会いたい…
それが無理なら一目だけでも人魚媛の姿をみたいって思ってるんだよ、かつて命様がそう望まれたようにね」
「噂の人魚媛の一人が自分達の近くに来たのだからそう期待するのは当然ですね?」
朝の公務を終えた侯爵夫人がそうメイド達に問い掛けると
「はい、私達もそう思いますから…」
そう言ってメイド達からの熱い視線を受けるりんに
「人魚姫の噂が広まる前に命様の元に行った貴女にはわからないでしょうけど私達も本当に羨ましかったのよ?貴女が
命様の訪れには未だ時間がある今あの人達の期待に応えられるのはりん、貴女しか居ないのですからね?」
そう言われてりんが頷くと
「申し訳有りませんが忍様と貴女…ともえさんはりんちゃんを見守ってください
騎士の皆さんは火の支度が出来たらのんびり飲みながらお過ごし下さい
留美菜ちゃんとなみちゃんは鍋の下拵えを一緒に始めましょう
勿論リリーさんとロゼさんは色々教えてくださりますよね?」
そう雪華に言われて頬を染め
「はい、勿論ですとも…」
そう答え夕べの事を知らない夫人を驚かせた
馬車の中で服を脱ぎタオルを身体に巻いて湖に行き人魚媛の姿になると人達に手招きすると喜び勇んで集まった
待望の人魚媛との出会いを喜ぶ少年と少女達
下拵えを終えて手酌で飲んで居た騎士達に酌を始めた留美菜が騎士達に
「私達は命様にだけはこの様な事はさせませんが何故だかわかりますか?」
その突然の謎掛に首を捻りながら
「我々が平騎士だからでは当たり前すぎて謎掛にならんな?」
一人がそう言えばもう一人も
「わざわざ命にはと言う所に意味が有りそうだが…わからん、何故ですか?理由をお教え下さい」
と言われ笑いながら
「それは命様が半端なく不器用だからです…悲しい位にですがご本人は仕方無いよね?
笑いながら平気でそう言って王妃様や観月様の頭痛の種です…」
そう言って溜め息を吐くと
「稀代の踊り手で竪琴の名手と聞きますが?」
留美菜の言葉に驚いてそう聞くと
「私達は漁師の娘達…その中でも特に私は網元の娘だからもっと小さい頃から当たり前にお父さんの下で働く漁師の皆さんに労いのお酒を注いでましたから慣れてますけど…
そういう経験無い命様が出来なくても仕方無いですし好きな踊りや竪琴のお稽古はとことんのめり込んでしますけど普通はお酌の練習なんかしませんよね?
可愛い命様がお酒を溢されても怒る人は少ないでしょうけど見ている私達が申し訳ないですからね」
そう留美菜が言うと
「命様の事を溺愛する国王様でも命様には酌を頼みませんからね、さすがに…」
なみも言い
「多分お身体の小さな媛歌様にも頼まないとも思いますけどお酒の苦手な忍様はお酒を勧めらるのが嫌で嫌でお酒の席から逃げてますしね
後のお三方は私のお父さんの下で働く漁師達にもお酌してくださりますから一国にお仕えする騎士様にお酌出来ない訳はありませんよ?」
そう言って笑うと不思議そうに
「我儘な方だと噂に聞きますが?」
今度の質問にも笑いながら
「確かに我儘ですよ?未だ王女様になる前の命様は人魚姫様や命様と呼ばれるのが嫌いで国王様すら初対面の時に
みこお魚さんになってりんちゃん助けたけどお姫様じゃないんだよ?
そう言って国王様を苦笑いさせたそうです」
苦笑いの留美菜に
「重臣の方々や警護の騎士もさぞかし驚いたのでは?」
そう聞き返すと
「いえ命様の舌っ足らずな喋り方と容姿があいまって皆様笑いをこらえるのが大変だったようだと聞いてます
命様の方はこんな話を聞きました
ある方が次に命様って呼んだら返事しないよ、そう言われ冗談だと思ってたら…
その方のお知り合いの方が命様とお呼びすると聞こえない振りして無視されてるのを見て苦笑いしてみこちゃんとお呼びしないとお返事して下さらない様です
そう言われてみこちゃんと呼んだらやっと話に応じてもらえたそうです」
「私達も命様が王女様になるまではみこちゃんと呼ばせていただきましたから今でも今みたいな公式の場以外のプライベートな話の場合親愛の情からみこちゃんと言ってます」
懐かしそうにそう語る留美菜に
「不思議な…だが可愛らしいお姫様なんですね?」
そう言われて
「はい、私達の可愛いみこちゃんです」
そう言われて
(早くお会いしたいものなだな…)
そう思う騎士達だった
その日の夕方の事夕食に未だ時間があるのでヘアメイクやメイキャップに興味を持つ小性達と昨日とは違うメイド達を呼んで貰い
その三人のメイドをモデルにメイクの実演講習が行われて夕食の配膳を行うメイド達の表情の変化に驚きながらも
(メイド達は変わるかもしれんな…巫女様達のお陰で)
そう思いながら見守るアーレスはメイド達の心境の変化が本物であることを祈るばかりであった
同行した二人の騎士は残った爆酒を部屋に持ち帰り気の合う仲間達と今日有った話を肴に飲んで居た
聞いている男達は話し半分に聞きながらも爆酒一壺等自分達の給金で買える物でもないのだけは紛れもない事実
(まぁどうせすぐにはっきりするだろ?)
そう思いながら爆酒を味わっていたが確かにすぐにわかる事だった
食事の後侯爵の元に訪れた来客が有り一組目は近在に住む少年と少女達の親達の代表者で
「人魚媛のりん様にお仕えしたいと子供達が言っているのですがお聞き届け出願えないでしょうか?」
と言われると
「巫女様達は歌の国の王女宮の責任者である観月様よりお預かりしているだけにすぎず
現状は彼女達の主人の水の精霊の巫女様の訪れを待ってもらう他はないが…
その時には私からもお願いするから気を落とさず待ちなさい」
そう言って帰らせ二組目の来客は漁協の責任者達で
「今日巫女様が大漁祈願の踊りを舞った後に漁をした船の漁獲が上向き始め今日出漁した船は皆最悪でも酒代位は上がっており何年か振りに大漁旗を拝ませて頂きましたよ…しかも五隻の船がですよ?
ですから明日も巫女様大漁祈願の踊りを奉納していただければ…
と、言うこえが集まりお願い上がった次第です」
そう言われて巫女達の年齢の幼さから渋る侯爵をりんが嗜めた
「私達の踊りで大漁になったかはわかりませんけどもしその可能性があるのなら私達はその期待に応えなくちゃいけないと思うんです
命様が最初に公式の場で踊りを舞ったのは大好きな海軍や海兵隊の皆さんの航海の無事を祈りたいから
その次は私達のお父さんやお母さん達の大漁を願って踊ってくれましたから命様と共に有りたい私達は命様の行いに倣いたいんです
明日は航海の安全祈願と大漁の感謝の気持ちを捧げる踊りと大漁祈願を踊ったらお城に帰ってきますからどうか精霊の巫女としてのお勤めを果たさせてくださいっ!」
そう言ってりんが頭を下げると他の巫女達も頭を下げるのを見て漁協の責任者と三人のメイド達も感激するのを見て
「貴方の負けです…いいえ、貴方こそ率先して巫女様達にお願いすべきはずでは?」
そう言われて溜め息を吐いて
「アーレス、明日巫女様達の護衛の人選を任せる…」
そう言ってもらった漁協の責任者達は喜んで帰っていった
そして深夜に近い夜更けに訪れたりんの運命
「りん、こんな夜更けに一体どうしたのですか?明日の朝も早いのですから早く寝さない」
そう忍に言われて
「はい、それはわかっているのですが…すいません、誰かに呼ばれた様な気がしましたから…」
そう申し訳なさそうに言うりんに
「少なくともここに居る方は誰も…」
ー大海原の精の巫女のりん、貴女とこうして言葉を交わすのは初めてですね?ー侯爵の家の者達が見守る中そう言ってりんの前に現れたのは
「はい、地の精霊ガイア様…では私を呼んだの貴女様なのですか?」
そのりんの問い掛けに驚いた侯爵が忍を見ると忍も静かに頷くだけで
ー貴女をガイア様に呼んでいただいたのは私、大海原の女神です
私の願いはただひとつ、私と貴女と貴女を導く大海原の精と共にこの地の内なる海の守護者となり侯爵領と共に沿岸諸国を導き…
それが月影の国の安寧となりひいては歌の国の安寧へ続くのですー
そう言われても今一理解出来ないりんに微笑みながら
ー侯爵のアレクに問いますが歌の国から見た時この地は鬼門に当たりますが間違い有りませんね?ー
「その通りです、大海原の女神様」
そう侯爵が答えると
ー私が貴女を依り代とし貴女を守り導くのは水の精霊の巫女様の願いでも有ります…
私を受け入れ私の依り代となってくれますか?ー
そう言われて
「大切な祖国、大好きな侯爵家の皆様の為…何より大好きなみこちゃんとみこちゃんの力になりたい自分自身の為お導き下さい」
そう言って左手を掲げるとその手を取り
ー貴方達の前でりんに受け入れを求めたのはりんがその務めを果たすための助力を頼むため、お願いして良いですか?ー
その女神の言葉に
「勿論お任せください…女神様よ巫女様達は私達夫婦に取り娘の様に可愛い存在なのだからその娘の使命を果たすために助力は当然かと…」
そう侯爵が答えると
ー尚、今の貴方の懸案ですが私の公表は美月の使者…霊獣の騎士鬼百合の案内で来るだろユウの到着を待ち公表し侯爵家の仕来たりに触れぬ方法を提示するでしょうからそれを待ちなさいー
そう言ってりんと契約を交わしりんの中に入っていくと
「りんが女神の依り代に…」
そう留美菜が呟くと
「そう言う訳なんだりんが見当たらないから気になって探したらこんな事になってたんだ?」
そう言って
「女神の依り代りん様…どうか私達をお導き下さい」
そう二人に言われ寂しそうな表情のりんとその様子を見ながら難しい表情で考え込む忍と雪華…そして侯爵が
「大海原の女神の依り代のりん様…我等が女神よ、私は貴方に誓いを捧げ貴方の導きに従おうっ!」
そう言って誓いを捧げると居合わせた小性達も誓いを捧げるとそれらを受け取り侯爵に
「私は女神様の器の依り代で女神様とは違いますよ?」
そう告げると侯爵は
「我等人の子に取りその両者にどれ程の違いが有りましょうか?」
興奮気味に話す侯爵に苦笑いを浮かべ夫人が
忍と雪華と頷き合い
「留美菜、なみ、依り代様をよろしく頼みますよ」
そう言って三人に退出を促し雪華と頷き合い三人の後をついていかせ見守らせた
侯爵家の運命は本格的に動き始めた
翌朝約束通りにふたつの踊りを奉納して帰っていったが踊りを見た漁師達は今日も、今日こそは大漁だっ!
そんな期待を胸に勇んで出漁していきその日の大漁旗は十棹上げられ漁港は更に活気付いたの言う迄もない
その夜遅くに鬼百合と共に訪れたユウは侯爵に
「明日の朝の大漁祈願のと大漁の感謝の気持ちを捧げる踊りを奉納を舞った後に女神様の降臨とりん様が依り代となられた事を公表し…
りん様の騎士志望の少年は侯爵様の預かりで侍女志望の少女は美月の臨時出張所の見習いと言う形で受け入れるのはどうでしょうか?」
そう言われてその案を受け入れる事にし鬼百合は明日の漁の手伝いに行きたいのでトンボ帰りで歌の国目指した