闇と影   作:春の雪舞い散る

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翔の得意術を舞台での初お披露目は大盛況で酔仙亭は今日満員御礼


実演show

 「かめへんで、ボクはお手伝いさしてくれさえしたら場所に拘り無いんやからねっ♪」

 

 そう笑顔で答える翔を連れジュースとデザートを運ぶ仲居に続いて座敷に入り

 

 「私の名はユキ、公女宮にて観月様にお仕えする者の一人ですが皆様にお願いがありお座敷に参りました」

 

 そう言って頭を下げるユキだけど公女宮と言うか観月に仕えているユキと言う名を聞いて美月のデザイナーとして知らぬ者は居ない

 

 少なくと聞いたことの無い者は居ない

 

 美月のデザイナー四天王の一人と呼ばれているのだから

 

 そのユキがいきなりランチのデザートとアフタードリンクを持った仲居に続いて自分達の座敷に現れて

 

 「ユキおばちゃん、ボクナニしたら…」

 

 おばちゃん呼ばわりされたユキがまさに暗黒闘気を吹き出すのを見て怯える翔に

 

 「大丈夫ですよ、お父ちゃんかきいてますからね…ユカおばちゃんって言わせてるみたいだって

 

 お母ちゃんが私達はママのお友達だからおばちゃんって呼べば良いですからねっ♪みたいな事を言われたんでしょ?

 

 なら悪いのはそんな事翔ちゃんに言わせたママですからね

 

 そんな事より翔ちゃんお得意の吸熱魔法でジェラートとシャーベットをこちらのお嬢様方にお出ししてほしいの、お願いできるかしら?」

 

 そう言われた翔は

 

 「なんや…そないな事やったんか、任さしといてっ♪」

 

 そう陽気に言ってジュースをジェラートに変えて木の実、草の実をシャーベットにして味を見てもらうと

 

 「スゴい食感…幸せぇ~っ♪」

 

 「うん、スゴい贅沢だよね?」

 

 「味がいつもより濃厚だよねぇ~っ♪」

 

 と、好評なようで三人の誉め言葉を聞きながらエヘヘと照れ笑いしている翔に

 

 「下拵えの時間が未だ掛かりますからその間に別のお手伝いをしましょうねっ♪」

 

 そう言って頭を撫でながら

 

 「じゃあこの後もお手伝い頑張ってね」

 

 そう言われて恥ずかしそうに

 

 「えへへ…お姉ちゃん好きっ♪」

 

  と、笑いながらユキに抱き付き

 

 (この子もすっかり変わってしまいましたね…)

 

 そう考えながら

 

 「皆様お見苦しい所をお見せして申し訳ありません…」

 

 そう言って頭を下げるユキに女将が

 

 「その…ママと言うのはやっ張りユウ…」

 

 その名を聞いてビクっと震えて身体を強張らせる翔と苦笑いを浮かべるユキを見て

 

 

 

 (はぁーっ、観月様の頭もさぞかし頭の痛い事なんだろうね?

 

 にしても…あの翔ちゃんもこのままうちに残ってほしいよ、ホントにさ…)

 

 そう思って二人を見送る女将だった

 

 演舞台で何か始まるらしいと興味津々で見ている客の前で焼鳥屋が下拵えした串が宙に浮き

 

 ーグリエっ!ー

 

  そうスペルを唱え人々が見守る中焼鳥の焼ける芳ばしい香りが漂い始めたのでいよいよ興味津々で見ていると

 

 「おう女将、早速10本頼むぜっ♪」

 

 その言葉を聞いた翔が嬉しそうに

 

 「お父ちゃんが来たんやったらはよ焼かなアカンね?」

 

 そう言うのを聞いて

 

 (やっぱりお父ちゃんは鬼百合さんかい)

 

 そう思いながら

 

 「そうだね、じゃんじゃん焼いとくれっ♪」

 

 そう笑って答えてもらった翔は焼鳥を更に20本をグリエで焼き

 

 海鮮串も30本焼き始め今度は焼鳥を30本で更に海鮮串を30本を焼き始める頃には最初の30本をあっという間に売り切れるのを見て慌て串に刺し始める店主達

 

 空いたグリエに焼鳥と海鮮串を焼き始める頃には海鮮串も焼き上がり完売し焼けるのを待つ状態

 

 そのお蔭で板場に余裕が出来て夜の支度まで始められた

ビーフ、チキン、ホーク、ラム肉等をローストにしてもらいそれを素材に料理すれば良いのでかなり楽

 

 他にはユキの提案でスモークウッドを一緒に入れて薫製料理にしてもらい明日以降の余裕に…

 

 因みに料理を終えた低温ケベックの煙を吸わせた黒い勾玉は煙玉で持続性の高い煙幕であり臭いにつられた魔獣系の敵を一網打尽に出来るしこれは魔力、霊力がなくても勾玉にある程度の衝撃力を加えれば良いのでこの日以降大量に求められる事になる

 

 着付けを終えた命達が太夫に挨拶を済ませてまずは翼、チサが大漁祈願、豊作祈願、水と地の精霊の奉納の踊りに羊祭りをお復習し

 

 真琴は水と地の精霊への奉納の踊りと羊祭りを共に踊り

 

 命と媛歌の花の舞い、温泉の女神の奉納の踊りに雪の精霊の奉納の踊りに剣舞を舞い太夫を驚かせた

そして太夫に

 

 「月影の国の少女で今翔ちゃんがお世話になっている家の娘さんで親友のセレナちゃんです」

そう言って太夫にを紹介すると真っ赤な顔で

 

 「私なんかが本当に踊りを習って良いのでしょうか?」

そう聞かれた太夫は

 

 「私達が貴女に問うのは貴女に本気でやる気が有るのか?だけです」

 

 セレナの本気を聞いてきた太夫に

 

 「はい、踊りたいです…どれだけ時間が掛かるかはわかりませんけど観ていただいて喜んでいただける…そんな踊り手になりたいですっ!」

 

 そう答えるセレナに

 

 「今日のところは基本的な足裁きだけになりますけど良いのですか?」

 

 「はい、国に帰ったら女王様の所にいらっしゃいます巫女様達から習いなさいと仰っていただいてますから」

 

 セレナのその答えに満足そうに頷き

 

 「取り敢えずみこちゃん達も軽く食事をとりますから貴女もゆっくりしなさい」

 

 そう言われて翔をちらっと見ると焼き鳥共に用意出来た百本が売り切れて両店主達は懸命に串に刺しているところ

 

 代わりに板場から鬼百合が持ってきた夕べの釣果の魚を店に卸した物の内の焼き魚用を串に刺して翔の元に届けてもらったから焼き魚を焼き始めている

 

 そろそろ昼時と言う時間にも関わらず既に酒と肴が結構売れているがそれ以外はランチしか注文がなく

 

 翔が命の従者で命に同行するから次いつ店に来るかは命次第と言われて話の種にと注文が相次ぎ

 

 今日のファションアドバイザーはチサ、翼、真琴、ユキで本来のランチの時間帯が終わる頃ランチだけのお客が帰り客の入れ替わりがあり

 

 第二陣も到着し留守番の深潮にこずえとつぼみにしずくと螢、かがみとなつき

 

 帰還組のこうめ、春菜、菜月、秋菜、ユミとスクルドが到着

 

 各々に踊りを見てもらいその後媛歌は真琴達に剣舞の指導し命はこうめに春菜、菜月、秋菜に地の精霊へ奉納の踊りを指導し残りの巫女達はその間見学で交代でで媛歌と命で指導が終わる頃早目に公務を済ませた国王を含む第三陣が来た

 

 同行したのは十六夜とユイ、大樹とヴェルサンディ、観月と海斗に嵐と剣斗は騎乗に同行

 

 その剣斗を見た命の瞳が怪しく光り太夫にこっそり耳打ちし後はその伝令が伝わる頃命が

 

 「媛の為に見習い騎士の剣斗にお手伝いして欲しいこと有るからそのお姉さん達についてって指示に従って」

 

 そう言われて案内された先は芸妓達の控室で、その理解出来ない状況に呆然としている内に着付けを終えられていて恥ずかしさの余り顔を真っ赤に染め俯いて歩く剣斗

その剣斗には申し訳ない話だけど事情を知らない女将が本気て欲しがるくらいだったので店の中は色々な意味で大騒ぎだった

 

 特にその事情を知る者達程

 

 「やっぱり人魚姫の訪れは面白いっ!」

 

 だったからこの状況を大いに楽しんでいた

 

 「み、命様…これは一体何の冗談でしょうか?」

 

 そう問われた命は真面目な顔をして

 

 「訪問先や状況によっては侍女のみを同行して面談しなきゃいけない時に剣斗が侍女の服を着て媛の側近くに居てくれたら心強いよ?」

 

 そう言って微笑まれ返す言葉の無い剣斗に真琴も

 

 「安心して、ドレスを着てパーティーで会えたら絶対ダンスに誘うからねっ♪」

 

 と、完全に他人事と言うか男装を楽しんでいる真琴が似合う剣斗の女装を否定する気は無いし状況を楽しんでいるが国王は

 

 (みこがどこまで本気かは知らんが確かにそれは一理はある…)

 

 剣斗が聞いたら

 

 「陛下迄何を言い出すんですかっ!」

 

 と叫びたくなることだったろう

 

 命達の早目の夕食が始まり翔はグリエではなくケベック、スチーマー、レンジをフル稼働で大車輪の活躍で店を手伝い焼く、蒸すの料理は下拵えすれば翔が引き受けてくれるから…

命について帰る翔が帰る迄に余裕を作っておけばよかったし食材も昼過ぎに市場で買い集めたし漁師達も鬼百合を通じて干物や塩漬け等を持ってきてくれた

酒も夕方に邪魔になるくらい仕入れたはずが翔の吸魔吸熱魔法で冷たい方がより美味しい酒が面白いように売れ恐ろしい勢いで消費されていく

演舞台では自習したい巫女達と剣斗を加えた初心者の指導を芸妓達が教えてくれていて夜の舞台が始まった

命がメインで残留組が航海の安全祈願と航海の安全祈願と航海の無事の感謝の気持ちを捧げる踊りに大漁祈願を踊り

帰還組は大漁の感謝の気持ちを捧げる踊りに豊作祈願と豊作の感謝の気持ちを捧げる踊りを舞い

翼、チサは真琴、命に媛歌と羊祭りの踊りと剣舞を温泉の女神への奉納の踊りを舞い

 

 真琴は命と媛歌と水の精霊への奉納の踊りを舞い最後命と媛歌で花の舞いと地の精霊への奉納の踊りで締め括った

 

 毎度の事ながら命へのご祝儀やらお捻りやらは物凄いが今回は翔も負けてない不思議な術と美味しい料理を出しお人形の様な容姿とちょっと(?)抜けた愛嬌の有る喋り方の翔は多くの者の心を捉えた

 

 因みにそれらは翔個人の物として王妃が預かることになっている

 

 その後踊りを終えた巫女達と童の衣装を貰って着替えて一階の配膳を手伝い踊りの稽古をつけてくれた感謝の気持ちを示した

 

 お茶を飲む為休憩する命達をを見たくてこっそり覗いている(つもりの)子達を国王自らが手招きして呼び入れるとそれぞれのお目当ての周りに集まり親達も招き入れ

 

 「無礼講のこの場で堅苦しい挨拶は要らない」

 

 国王のその言葉に

 

 「そっ、それでは私の用な者のお酌を受けていただけるのでしょうか?」

 

 恐る恐る聞くのを女将が笑いながら

 

 「王女宮の騎士達の母親達や海軍の一般兵の母親や女房の酌も喜んで受ける方なんだからそんな心配無用だよっ♪」

 

 そう言われて国王を見ると穏やかな笑みを讃え頷かれたので顔を真っ赤にしながらお酌しし終えると亭主の元に帰り喜びを伝えると

 

 今度はユミやユキ、マイやマユにサエが父親達にお酌して周り更に驚かせた

 

 そしてクライマックスは命の歌で女神と共にで始まり全十曲を歌い上げ帰り支度を始めた翔は凍りつかせた木の実、草の実と氷

 

 媛歌と美輝は雪をたっぷり残して帰りは着物のまま帰るはめになった剣斗に代わり海斗が騎乗で帰ることになったけど剣斗の受難は未だ始まったばかりだった

 

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